Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド 11g リリース1(10.3.3) B61642-01 |
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このドキュメントでは、現在のWebLogic Serverアプリケーション環境をWebLogic Server 11gリリース1(10.3.3)パッチ・セットにアップグレードする手順について説明します。アプリケーション環境には、アプリケーション、デプロイされたWebLogicドメイン、およびそのドメインに関連するすべてのアプリケーション・データが含まれ、場合によってはデータベース・サーバー、ファイアウォール、ロード・バランサ、LDAPサーバーなどの外部リソースも含まれます。
注意: 現在のJava EE環境およびデプロイされているアプリケーションを、Oracle Application Server 10gおよびOracle Containers for Java EE(OC4J)からWebLogic Server 11gリリース1(10.3.3)にアップグレードする場合は、『Oracle Fusion Middleware Java EEアップグレード・ガイド』を参照してください。WebLogicドメインは、必ずしもWebLogic Server 10.3から10.3.3にアップグレードする必要はありません。WebLogic Server 10.3をベースとするWebLogicドメインは、WebLogic Server 10.3.3でも修正なしで動作します。 |
WebLogic Server 10.3.3には、ドメイン、カスタム・セキュリティ・プロバイダ、およびカスタム・ノード・マネージャをアップグレードするWebLogicアップグレード・ウィザードなど、アプリケーション環境のアップグレードに役立つ強力なツールがあります。
ほとんどのWebLogic Serverアプリケーションは、修正を加えることなくWebLogic Server 10.3.3の新たなアプリケーション環境で動作します。
次の節では、この章で説明するトピックについて概説します。
次のトピックに進む前に、次の用語の説明をお読みください。
アップグレード - WebLogic製品を、以前のリリースまたはService Packから、新しいリリースやService Packに更新すること。既存のアプリケーションやドメイン構成をWebLogic Serverの最新バージョンに更新することも、アップグレードという場合があります。
移行 - アプリケーションやドメイン構成を、サード・パーティ製品からOracle製品に移動すること。
相互運用性 - (1)あるリリースまたはService Packでデプロイされたアプリケーションが、別のリリースまたはService Packでデプロイされた別のアプリケーションと通信する機能。(2) Oracle製品のコンポーネントが、標準のプロトコルを使用してサード・パーティ製のソフトウェアと通信する機能。
互換性 - あるリリースまたはService Packで構築されたアプリケーションを、アプリケーションが再構築されたかどうかに関係なく、別のリリースまたはService Packで実行できること。
アプリケーション環境のアップグレードに必要なプロセスは、アプリケーション・スコープにより異なります。アプリケーション環境は、WebLogicドメインとそれに関連付けられているアプリケーションおよびアプリケーション・データで構成されます。また、アプリケーション環境には、ファイアウォール、ロード・バランサ、LDAPサーバーなどの外部リソースも含まれます。図1-1に、WebLogicのアプリケーション環境の例を示します。
表1-1に、図1-1に示されているWebLogicアプリケーション環境のコンポーネントとそのアップグレード要件を示します。
表1-1 WebLogicのアプリケーション環境例のコンポーネントのアップグレード要件
コンポーネント | 説明 | アップグレード要件 |
---|---|---|
WebLogicドメイン |
管理サーバー(AS)と必要に応じて1台または複数の管理対象サーバー(MS1、MS2、MS3、MS4など)で構成されます。ドメイン内のサーバーは、複数のマシンにまがたる場合があります。さらに、重要なアプリケーションにロード・バランシングとフェイルオーバー保護を適用できるよう管理対象サーバーをクラスタとしてグループ化することができます。WebLogicドメインの詳細は、Oracle WebLogic Serverのドメイン構成ガイドのOracle WebLogicドメインに関する項を参照してください。 |
ドメイン内のすべてのマシンのドメイン・ディレクトリをアップグレードします。 |
カスタム・セキュリティ・プロバイダ |
カスタム・セキュリティ要件をサポートします。カスタム・セキュリティ・プロバイダの開発については、『Oracle WebLogic Serverセキュリティ・プロバイダの開発』を参照してください。 |
ドメイン内のすべてのマシンのカスタム・セキュリティ・プロバイダをアップグレードします。 |
ノード・マネージャ |
管理対象サーバーで高可用性を実現します。ノード・マネージャの詳細は、Oracle WebLogic Serverのノード・マネージャ管理者ガイドのノード・マネージャの概要に関する項を参照してください。 |
ドメイン内のすべてのマシンのカスタム・ノード・マネージャをアップグレードします。 |
アプリケーション |
WebアプリケーションやEJBなどを含むすべてのJava EEアプリケーション。一般的に、アプリケーションはドメイン内の1つまたは複数の管理対象サーバーにデプロイされます。デプロイメント方法に応じて、アプリケーションはマシン上にローカルに配置されたり、共有ディレクトリからアクセスされます。さらに、外部クライアント・アプリケーションがファイアウォールの外側からアプリケーション環境にアクセスすることも可能です。 |
ほとんどのWebLogic Serverアプリケーションは、修正を加えることなくWebLogic Server 10.3.3の新たなアプリケーション環境で動作します。詳細については、「旧リリースとの相互運用性および互換性」を参照してください。 |
外部リソース |
ドメインとアプリケーション・データを格納するためのデータベース、ロード・バランサ、ファイアウォールなどのソフトウェア・コンポーネント。 |
すべての外部リソースがWebLogic Server 10.3.3と互換性があることを確認します。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations』( |
WebLogicアップグレード・ウィザードは、WebLogic Server 7.0または8.1に対応のWebLogicドメインを、WebLogic Server 10.3.3アプリケーション環境で実行できるようアップグレードするために必要な手順を、ウィザードに従って進めることができます。アップグレード・プロセスの一部として、ドメインで使用されているカスタム・セキュリティ・プロバイダおよびノード・マネージャもアップグレードする必要があります。
また、WebLogicアップグレード・ウィザードを使用して、WebLogic Server 9.xまたは10.0と互換性のあるWebLogicドメインを10.3.3にアップグレードすることもできますが、これは任意です。この種類のドメインは、変更せずにWebLogic Server 10.3.3で実行できます。
アップグレード・プロセスは、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を使用して対話形式で実行、またはスクリプトを作成してメッセージを通知しない形式で実行することができます。サイレント・モードは、WebLogicドメイン、セキュリティ・プロバイダ、およびノード・マネージャのアップグレードでサポートされています。
WebLogic Server 10.3.3で動作するアプリケーション環境は、WebLogic Server 7.0、8.1、9.x、10.0、または10.3で構築されたアプリケーション環境と相互運用できます。
ほとんどのWebLogic Serverアプリケーションは、修正を加えることなくWebLogic Server 10.3.3のアプリケーション環境で動作します。実際の環境においてアプリケーションが機能変更の影響を受けるかどうかについては、付録B「WebLogic Server 10.3.3の旧リリースとの互換性」で互換性情報を確認してください。アプリケーションで非推奨になったAPIまたは削除されたAPIが使用されている場合は、実行時に警告または例外が発生するおそれがあります。