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Oracle Applications概要
リリース11i(11.5.10)
部品番号: B15656-01
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Applicationsファイル・システム

概要

Oracle Applications 11iのシステムでは、多くのOracle製品のコンポーネントが使用されます。 これらの製品ファイルは、データベースおよびアプリケーション・サーバー・マシン上の、主な最上位ディレクトリ下に格納されます。

注意: JARファイルやユーティリティは必要に応じてダウンロードされますが、Applicationsファイルはデスクトップ・クライアント・マシンにはインストールされません。

選択するApplicationsのインストール方法にもよりますが、製品のディレクトリは、単一マシン(最も単純なケース)または複数のマシン(最も一般的な配置のタイプ)に配置できます。 オペレーティング・システムの環境設定により、データベースおよびアプリケーションのサーバー・マシンのファイル・システム内に様々なファイルの場所を指定します。 ここでは、環境設定と対応のファイルおよびディレクトリの関連について説明します。

注意: <dbname>は、インストール時にRapid Installで決定されるシステム名です。たとえば、PRODなどとなります。

図2-1 Applicationsディレクトリ構造

この図については本文で説明されています。

Oracle Applications環境

Oracle Applicationsでは、環境設定を活用して、実行可能プログラムとApplicationsの動作に必須の、その他のファイルを配置します。環境設定は、Oracle Applicationsのインストール時に定義されます。設定の多くは、Rapid Installの実行時に指定した情報により定義されますが、その他の設定には、すべてのインストレーションに対して同じ値が適用されます。

環境設定およびその関連する値は、末尾に.env(Windowsの場合は.cmd)が付いている環境ファイルに格納されています。 環境ファイルおよび設定の詳細は、この後半を参照してください。

DATAディレクトリ

<dbname>DATAファイル・システムには、Oracleデータベースのデータ(.dbf)ファイルが含まれます。Rapid Installでは、データベース・サーバー上のいくつかのマウント・ポイント下のディレクトリに、システム、データおよび索引ファイルがすべてインストールされます。データベース・サーバー上のマウント・ポイントのディレクトリ名を、インストール時に指定できます。

DBおよびORAディレクトリ

Oracle Applicationsは、1つのバージョンのApplicationsデータベースを使用しながら、第2、第3のバージョンのデータベースにあるツールを使用して、Applicationsプログラムをリンクするという操作をサポートしています。 この複数Oracle_Homes構成では、以前のリリースとの互換性を維持する一方で、サポートされているデータベースの新機能も利用できます。

リリース 11iでは、次の3つのORACLE_HOMEを使用します。

Oracle E-Business Suiteは、常にデータベース・サーバー・パッチセット(マイナー・メンテナンス・リリース)が認定されています。 たとえば、Oracle9iリリース2データベースが認定されているE-Business Suiteのリリースでは、データベース・パッチセット9.2.0.5も認定されます。

COMNディレクトリ

<dbname>COMNまたはCOMMON_TOPディレクトリには、多くの様々なOracle Applications製品で使用されるファイル、およびサード・パーティ製品とともに使用される可能性のあるファイルが含まれます。

図2-2 COMMON_TOPディレクトリ構造

この図については本文で説明されています。

adminディレクトリ

COMMON_TOPディレクトリ下のadminディレクトリは、コンカレント・マネージャのログ・ディレクトリおよび出力ディレクトリのデフォルトの保管場所です。 コンカレント・マネージャがOracle Applicationsレポートを実行すると、ログ・ファイルと一時ファイルがadminディレクトリのlogサブディレクトリに書き込まれ、出力ファイルがadminディレクトリのoutサブディレクトリに書き込まれます。

図2-3 COMMON_TOP adminディレクトリ構造

この図については本文で説明されています。

コンカレント・マネージャがこれらのファイルを書き込む場所を変更できます。たとえば、ログ・ファイルと出力ファイルが各<PROD>_TOPディレクトリのディレクトリに書き込まれるよう設定できます。 これは、コンカレント処理スループットが高いシステム上では、ディスク領域管理またはパフォーマンス・ボトルネックの可能性を回避する必要があるという観点から望ましい場合があります。

注意: 詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』のコンカレント処理の概要に関する説明を参照してください。

adminディレクトリのinstallサブディレクトリには、Rapid Installで使用するスクリプト・ファイルとログ・ファイルが含まれます。adminのscriptsサブディレクトリには、リスナーやコンカレント・マネージャなどのサービスを開始および停止するのに使用するスクリプトが含まれます。

htmlディレクトリ

OA_HTML環境設定では、htmlディレクトリが示されます。Oracle Applications HTMLのサインオン画面およびOracle HTMLベース・アプリケーションのHTMLファイルは、ここにインストールされます。htmlディレクトリには、JavaServer Pages(JSP)ファイル、Javaスクリプト、XMLファイルおよびスタイル・シートなど、HTMLベースの製品で使用されるその他のファイルも含まれます。Rapid InstallおよびADユーティリティにより、各<PROD>_TOPディレクトリからhtmlディレクトリのサブディレクトリに、HTMLベースの製品ファイルがコピーされます。

javaディレクトリ

JAVA_TOP環境設定では、javaディレクトリが示されます。Rapid Installにより、Oracle Applications JARファイルがすべて、このJAVA_TOPディレクトリのOracleネームスペースにインストールされます。javaディレクトリには、Oracle Applicationsで使用される他の開発元のJavaファイル、およびその他のzipファイルも格納されています。

portalディレクトリ

portalディレクトリには、Rapid Install Portalファイルが含まれます。Rapid Install Portalは、そのインストレーションに必要なインストール後のタスク、サーバー管理スクリプト、インストレーション・ドキュメントおよびオンライン・ヘルプへのアクセスを提供するWebページです。ブラウザを使用して、Rapid Installの実行後にRapid Install Portalを表示できます。

tempディレクトリ

tempディレクトリは、Oracle Reportsなどのいくつかの製品によるキャッシュに使用されます。

utilディレクトリ

utilディレクトリには、Oracle Applicationsと一緒に出荷される、ライセンス取得済の他の開発元のユーティリティが含まれます。 これらには、たとえばJava Runtime Environment(JRE)、Java Development Kit(JDK)およびZipユーティリティが含まれます。

スクリプト・ディレクトリ

scriptsディレクトリには、<CONTEXT_NAME>サブディレクトリにあるadstrtal.shやadstpall.shなどのアプリケーション層管理スクリプトが含まれます。

APPLディレクトリ

Oracle Applicationsファイルは、APPL_TOPディレクトリと呼ばれる<dbname>APPLディレクトリに格納されます。

図2-4 APPL_TOPディレクトリ構造

この図については本文で説明されています。

APPL_TOPディレクトリに含まれるのは、次のとおりです。

注意: CONTEXT_NAMEはApplicationsコンテキストです。詳細は「AutoConfig」を参照してください。デフォルト値は<SID>_<hostname>です。

Rapid Installでは、このAPPL_TOPディレクトリに、ライセンスを取得したかどうかに関係なくすべてのOracle Applications製品のディレクトリ・ツリーが作成されます。

警告: 登録に関係なく、すべてのOracle Applications製品がデータベースおよびファイル・システムにインストールされます。未登録の製品用のファイルを手動で削除しないでください。

Rapid Installでは、アップグレードする場合に新規のApplicationsの最上位ディレクトリがインストールされます。Rapid Installでは、旧リリースの既存の製品ファイルは削除されませんが、新規の<dbname>APPLディレクトリ・ツリーの新規の製品ファイルがアンロードされます。

各Applicationsの最上位ディレクトリは、Oracleデータベース・サーバー上の単一のOracle Applicationsデータベースと関連付けられます。Vision Demoシステムおよびテスト・システムを両方インストールする場合、Rapid Installを使用して、各システムに1つずつ、計2つのファイル・システムを作成する必要があります。

製品ディレクトリ

各製品には、APPL_TOP下にその製品自体のサブディレクトリがあります。 サブディレクトリの名前には、Oracle General Ledgerの場合はglのように、製品の標準的な短縮形を使用しています。各製品のディレクトリ内に、11.5.0などの、ベースOracle Applicationsリリース・バージョン番号に由来する名前のサブディレクトリがあります。このディレクトリ内には、製品ファイル用の各種サブディレクトリがあります。

<PROD>_TOPディレクトリ

<APPL_TOP>/<prod>/<バージョン>パスは、製品の最上位ディレクトリ(<PROD>_TOP)と呼ばれており、その値は<PROD>_TOP環境設定に格納されます。

たとえば、APPL_TOPが/d01/oracle/prodappsである場合、AD_TOP環境変数に含まれる値は/d01/oracle/prodapps/ad/11.5.0であり、AD_TOP環境変数は<APPL_TOP>/ad/11.5.0ディレクトリを指します。

同じAPPL_TOPの場合、AU_TOPの値は/d01/oracle/prodapps/au/11.5.0であり、AU_TOP環境変数は<APPL_TOP>/au/11.5.0ディレクトリを指します。 同じ原理が、adminディレクトリ以外のすべてのディレクトリに適用されます。

製品ファイル

<APPL_TOP>/gl/11.5.0などの各<PROD>_TOPディレクトリには、製品ファイルのサブディレクトリが含まれます。製品ファイルには、フォーム・ファイル、レポート・ファイル、およびデータベースのアップグレードに使用するファイルが含まれます。たとえば、Oracle General Ledgerのデータ入力フォームを表示するには、Oracle Applicationsが11.5.0ディレクトリの下にあるformsサブディレクトリ内のファイルにアクセスします。

図2-5 APPL_TOPディレクトリ構造

この図については本文で説明されています。

各<PROD>_TOPディレクトリ内では、製品のファイルがファイル・タイプや機能に応じてサブディレクトリに分類されています。 次の図に、glを展開した完全なディレクトリ構造を示します。

図2-6 glディレクトリ構造の詳細

この図については本文で説明されています。

次の表では、製品サブディレクトリおよび各サブディレクトリに含まれるファイルのタイプを要約しています。すべての製品に、この表にリストした全サブディレクトリが含まれるわけではありません。

表2-1 Applicationsディレクトリとファイル・タイプ
サブディレクトリ名 説明
admin <PROD>_TOP/adminディレクトリには、AutoUpgradeで各製品をアップグレードするために使用する製品固有のファイルが含まれます。 これは、すべての製品のアップグレード関連のファイルを含む<APPL_TOP>/adminディレクトリとは、区別されています。
driver ドライバ・ファイル(.drvファイル)が含まれます。AutoUpgradeは複数のフェーズで処理し、各フェーズはドライバ・ファイルにより管理されます。
import シード・データのアップグレードに使用するDataMergeファイルが含まれます。
odf 表やその他のデータベース・オブジェクトの作成に使用するオブジェクト摘要ファイル(.odfファイル)が含まれます。
sql データのアップグレードに使用するSQL*Plusスクリプトと、PL/SQLストアド・プロシージャを作成するための.pkh、.pkbおよび.plsスクリプトが含まれます。
bin コンカレント・プログラム、その他のC言語プログラムおよび各製品のシェル・スクリプトが含まれます。
forms Oracle Formsの生成されたランタイム(.fmx)ファイル(Oracle Formsフォーム・ファイル)が含まれます。
help オンライン・ヘルプのソース・ファイルが含まれます。 このディレクトリ内には、インストールされている各言語用のサブディレクトリがあります。
html HTML、JavaScriptおよびJavaServer Pagesファイルが含まれます。主にSelf Service Applications製品を対象としています。
include libディレクトリ内のファイルとリンクするC言語ヘッダー(.h)ファイルが含まれます。すべての製品にこのディレクトリが必要なわけではありません。
java JARファイル(Javaアーカイブ・ファイル)およびJava依存ファイルが含まれます。JARファイルのコピーもJAVA_TOPにあります。
lib コンカレント・プログラムをOracleサーバー・ライブラリと再リンクさせるために使用するファイルが含まれます。これらのファイルは次のとおりです。
    • 製品のいずれかのプログラムに固有なコンパイル済コードを含む、オブジェクト・ファイル(UNIXの場合.o、Windowsの場合.OBJ)
    • 製品のプログラム共通のコンパイル済コードを含む、ライブラリ・ファイル(UNIXの場合.a、Windowsの場合.DLL)
    • オブジェクト・ファイルおよびライブラリ・ファイルから実行可能ファイルの作成方法を指定するmakeファイル(.mk)
logおよびout コンカレント・プログラムの出力ファイルが含まれます。
    • .mgr(コンカレント・マネージャのマスター・ログ・ファイル)
    • .req(コンカレント処理のログ・ファイル)

ログ・ファイルおよび出力ファイルに対して共通ディレクトリの設定を選択した場合、製品ディレクトリ下のlogディレクトリおよびoutディレクトリは使用されないので注意してください(FND_TOPが唯一この場合の例外です)。
media デスクトップ・クライアントでのテキストやグラフィックの表示に使用する.gifファイルが含まれます。
mesg またコンカレント・プログラムは、ログ・ファイルと出力ファイルにメッセージを出力します。このディレクトリには、.msbファイル(ランタイムに使用されるバイナリ・メッセージ・ファイル)および言語固有のメッセージ・ファイル(英語(アメリカ)の場合はUS.msbファイル、ドイツ語の場合はD.msbファイルなど)が含まれます。 ファイルには、画面またはポップアップ・ウィンドウの最下部に表示されるフォーム・メッセージが含まれます。
patch データまたはデータ・モデルの更新では、このディレクトリを使用してパッチ・ファイルを格納します。
plsql .pllファイル(Oracle Reports用PL/SQLライブラリ・ファイル)がアンロードされる保管場所です。 このファイルは、インストレーションの後半で、AU_TOPディレクトリのplsqlサブディレクトリに移動されます。
reports 各製品用のOracle Reportsプラットフォーム固有のrdfバイナリ・ファイルが含まれます。各言語のレポートが、reportsディレクトリのサブディレクトリに格納されます。
resource .pllファイル(Oracle FormsのPL/SQLライブラリ・ファイル)が含まれます。これらのファイルは、plsqlディレクトリのファイルと同様、後でAU_TOPにコピーされます。
sql コンカレント処理の.sqlファイル(SQL*Plusスクリプト)が含まれます。

言語ファイル

Oracle Applicationsを英語(アメリカ)以外の言語でインストールすると、NLS言語コードを使用するディレクトリが各製品ツリーに組み込まれます。これらのディレクトリには、変換済みのデータ、フォーム、メッセージおよびレポート・ファイルが含まれます。例えば、Dという名前の言語ディレクトリは、ドイツ語を示します。adminのDサブディレクトリのデータ・ローダー・ファイルには、ドイツ語に変換された製品シード・データが含まれます。reportsのDサブディレクトリには、ドイツ語に変換されたOracle Reportsファイルが入っています。

formsディレクトリのUSサブディレクトリには、英語(アメリカ)のOracle Formsフォームが入っています。formsディレクトリの下のDディレクトリには、これらのフォームがドイツ語に変換された形で入っています。mesgディレクトリには、メッセージ・ファイルが英語(アメリカ)とドイツ語で入っています。

注意: 詳細は、『Oracle Globalization Support Guide』を参照してください。

コア・テクノロジ・ディレクトリ

admin、ad、auおよびfndディレクトリは、コア・テクノロジ・ディレクトリです。

adminディレクトリ

このディレクトリには、アップグレードおよび保守プロセスでADユーティリティが使用するファイルおよびスクリプトが含まれます。これらには、

ad(Applications DBA)ディレクトリ

このディレクトリには、次のインストレーションおよび保守ユーティリティが含まれます。

au(Applications Utilities)ディレクトリ

このディレクトリには、最適な処理を行うために単一の保管場所内に連結された製品ファイルが含まれます。これらのファイルは次のとおりです。

fnd(Application Object Library)ディレクトリ

このディレクトリには、データ・ディクショナリ、フォームおよびCオブジェクト・ライブラリを構築するために、すべてのOracle Applications製品の基盤として使用されるスクリプトおよびプログラムが含まれます。

ディスクへのAPPL_TOPの分散

アプリケーション層のOracle Applicationsファイル・システムには、大量のディスク領域が必要です。 必要に応じて、Rapid Installの実行時に複数のマウント・ポイントを選択することにより、APPL_TOPファイルを複数のディスクに分散できます。また、OA_HTML、JAVA_TOPおよびCOMMON_TOPを、APPL_TOPの保管場所とは別のマウント・ポイントにインストールできます。

たとえば、Oracle General Ledger(GL)の製品ファイルを1つ目のAPPL_TOPにインストールし、Oracle Purchasing(PO)とOracle Payables(AP)のファイルを別のファイル・システムの2つ目のAPPL_TOPディレクトリに格納できます。Rapid Installにより、フル・パスが<CONTEXT_NAME>.envファイルの<PROD>_TOPパラメータ内のディレクトリに定義されるため、システムで各製品トップの場所が認識できます。

注意: ただし、ディスクにファイルを分散するときは、4つのすべてのコア・テクノロジ・ディレクトリ(admin、ad、auおよびfnd)がすべて、常に同じディスク上になくてはならず、同じAPPL_TOPを共有する必要があります。

環境設定

Rapid Installでは、Oracleデータベース、Oracleテクノロジ・スタック、Oracle HTTPサーバーおよびOracle Applications環境を設定するいくつかの環境ファイルが作成されます。

これらの環境ファイルの保管場所は、次の表に示しています。

表2-2 Applications環境ファイルの保管場所
ファイル名 保管場所 環境
<CONTEXT_NAME>.envまたは
<CONTEXT_NAME>.cmd
9.2.0 ORACLE_HOME Oracle Server Enterprise Edition
<CONTEXT_NAME>.envまたは
<CONTEXT_NAME>.cmd
iAS ORACLE_HOME HTTP Server
<CONTEXT_NAME>.envまたは
<CONTEXT_NAME>.cmd
8.0.6 ORACLE_HOME Oracleテクノロジ・スタック
<CONTEXT_NAME>.envまたは
<CONTEXT_NAME>.cmd
APPL_TOP Applications
APPS<CONTEXT_NAME>.envまたは
APPS<CONTEXT_NAME>.cmd
APPL_TOP 連結済設定ファイル

UNIXの場合、Oracle Applicationsには、Oracle ApplicationsおよびOracleテクノロジ・スタックの環境を設定するAPPS<CONTEXT_NAME>.envと呼ばれる連結済環境ファイルが含まれます。Oracle Applicationsをインストールすると、Rapid InstallによりAPPL_TOPディレクトリにこのスクリプトが作成されます。 インストール・プロセス中に、多数のパラメータが指定されます。

Windowsの場合、同等の連結済環境ファイルは%APPL_TOP%¥envshell.cmdと呼ばれます。 実行すると、Oracle Applicationsに必要な環境設定のコマンド・ウィンドウが作成されます。 APPL_TOPでのその後すべての操作(たとえばadadminまたはadpatchの実行)は、このウィンドウから実行する必要があります。

次の表では、APPS<CONTEXT_NAME>.envでの重要な環境設定をリストしています。

表2-3 重要な環境設定
パラメータ 説明
APPLFENV この環境ファイル(<CONTEXT_NAME>.env)の名称。環境ファイルの名前を変更するには、このパラメータを変更します。
PLATFORM 実行プラットフォーム。この値は、APPL_TOP/admin/adpltfrm.txtの値と一致している必要があります。
APPL_TOP このOracle Applicationsインストレーションの最上位ディレクトリ。
FNDNAM システム管理職責が接続するORACLEスキーマの名称。デフォルトはAPPSです。
GWYUID Oracle Applications初期サインオン・フォームへのアクセス権限を付与する、公開ORACLEユーザー名およびパスワード。デフォルトはAPPLSYSPUB/PUBです。
FND_TOP Application Object Libraryディレクトリへのパス。
AU_TOP Applications Utilitiesディレクトリへのパス。
<PROD>_TOP 製品の最上位ディレクトリへのパス。Oracle Applicationsの各製品に1つのエントリがあります。
PATH ディレクトリ検索パス、主にFND_TOPおよびAD_TOPを設定します。
APPLDCP 分散コンカレント処理が使用中かどうかを指定します。分散コンカレント処理では、処理負荷が複数のコンカレント処理ノードに分散されます。
APPCPNAM コンカレント・マネージャのログ・ファイルおよび出力ファイルの形式が、8.3ファイル名規則(ドットの左側に最大8文字、右側に最大3文字。alogfile.logなど)に準拠するかどうかを示します。このパラメータが「REQID」に設定された場合、コンカレント・マネージャでは、8.3ネーミング要件を満たすファイル名が使用されます。
APPLCSF コンカレント・マネージャのログ・ファイルおよび出力ファイルが、すべての製品で単一ディレクトリに連結されている場合、これらのファイルの最上位ディレクトリを指定します。たとえば、パスが<COMN_TOP>/adminとすると、ログ・ファイルおよび出力ファイルはすべて、この定義済ディレクトリの下のサブディレクトリに格納されています。
APPLLOG コンカレント・マネージャのログ・ファイル用のサブディレクトリ。デフォルトは「log」です。
APPLOUT コンカレント・マネージャの出力ファイル用のサブディレクトリ。デフォルトは「out」です。
APPLTMP Oracle Applications一時ファイル用のディレクトリを指定します。 デフォルトは、UNIXの場合は/tmp、Windowsの場合はC:¥tempです。
APPLPTMP PL/SQL一時出力ファイル用のディレクトリを指定します。ディレクトリ・オプションの候補は、init.oraパラメータ「utl_file_dir」にリストされています。
NLS_LANG データベースにインストールされている言語、地域およびキャラクタ・セット。最初のインストールのデフォルトは、「AMERICAN_AMERICA.US7ASCII」です。
NLS_DATE_FORMAT National Language Supportの日付書式。デフォルトは「DD-MON-RR」です(例: 18-MAY-04)。
NLS_NUMERIC_CHARACTERS National Language Supportの数値セパレータ。デフォルトは「.,」です。
FORMS60_MAPPING Oracle ApplicationsフォームのWebサーバー・ホスト名およびこれが動作するポートを指定します。 例: http://server1.surby.com:8000/OA_TEMP
REPORTS60_TMP Oracle Reportsで使用される一時ファイルのディレクトリ。
GRAPHICS60_PATH Oracle Graphicsファイルへのパスを指定します。

一時ファイルの多くは、Rapid Installにより設定されたAPPLTMP環境設定で指定された場所に書き込まれます。選択に応じてOracle Reports一時ファイルをREPORTS60_TMP環境設定で指定された別の場所に作成することができます。

Applicationsは、コンカレント処理で使用するPL/SQL一時出力ファイルも作成します。これらのファイルは、APPLPTMP環境設定で指定されるデータベース・サーバー・ノード上の場所に書き込まれます。APPLPTMPディレクトリは、データベース初期化ファイルのutl_file_dirパラメータで指定された同じディレクトリである必要があります。

Rapid Installでは、APPLPTMPおよびutl_file_dirパラメータがどちらも同じデフォルト・ディレクトリに設定されます。

Oracle Applicationsユーティリティの中には、前のパラグラフで示した環境設定を定義した場合でも、オペレーティング・システムのデフォルトの一時ディレクトリを使用する場合があります。 そのため、APPLTMP、REPORTS60_TMPおよびAPPLPTMPで指定されたディレクトリ内であることと、ディレクトリ内にディスクの十分な空き領域があることを確認してください。複数ノード・システムでは、APPLPTMPで定義されたディレクトリがアプリケーション層サーバー上に存在する必要はありません。

注意: utl_file_dirディレクトリにある一時ファイルは、このディレクトリにOracleデータベース・アカウント専用の読取りおよび書込みアクセスがあることを確認することにより、許可されていないアクセスから保護できます。

その他の環境ファイル

他のいくつかの主な環境ファイルは、Oracle Applicationsシステムで使用されます。

adovars.envファイル

$APPL_TOP/adminにあるadovars.envファイルで、Javaファイル、HTMLファイルおよびJRE(Java Runtime Environment)ファイルなどの各種ファイルの保管場所を指定します。このファイルは、メイン・アプリケーション環境ファイル(<CONTEXT_NAME>.env)から呼び出されます。 adovars.envファイルには、各変数の目的と推奨する設定に関するコメントが含まれています。 リリース11.5.10環境では、adovars.envはAutoConfigによって保守されるため、カスタマイズを使用する必要がある特定の場合を除き、手動で編集する必要はありません。

adovars.envファイルには次のパラメータが含まれます。

表2-4 adovars.envファイルで指定されているパラメータ
パラメータ 説明
JAVA_TOP すべてのJavaファイルがコピーされる最上位ディレクトリを示します。
OA_JRE_TOP JREがインストールされる場所を示します。
OAH_TOP HTMLファイルのコピー先となる場所を定義します。
OAD_TOP 状況依存文書ファイルのコピー先となる場所を定義します。
LD_LIBRARY_PATH 多くのUNIXプラットフォームで、実行時に必要となるダイナミック・ライブラリ・ファイルを検索するための、スキャン対象ディレクトリをリストする際に使用されます。
CLASSPATH 実行時に必要となるJavaクラス・ファイルを検索するための、スキャン対象ディレクトリおよびzipファイルをリストします。

adconfig.txtファイル

ADユーティリティ・プログラムでは、各種データベースおよびファイル管理タスクが実行されます。これらのユーティリティでは、正常に動作するために特定の構成情報が必要です。Oracle Applicationsがインストールされ、その後adconfig.txtファイル(<APPL_TOP>/adminディレクトリ内)に格納された場合、この構成情報が指定されます。作成された後、このファイルはその他のOracle Applicationsユーティリティで使用されます。

注意: APPL_TOPファイル・システムを使用すると、adconfig.txtが作成されます。このファイルには、特定のノード上で構成されている層が示されています。 Rapid Installで作成されるconfig.txtファイルとは異なります。

fndenv.envファイル

Application Object Libraryで使用される追加環境変数を設定します。たとえば、製品実行可能プログラムおよびシェル・スクリプトが格納されるサブディレクトリ(bin)の名称として、APPLBINが設定されます。 このファイルは変更する必要はありません。デフォルト値はすべての顧客に適用できます。このファイルはFND_TOPディレクトリにあります。

devenv.envファイル

サード・パーティ・ソフトウェアおよび独自のカスタム開発アプリケーションをOracle Applicationsにリンクさせるための変数を設定します。このスクリプトはFND_TOPにあり、fndenv.envにより自動的に呼び出されます。これにより、カスタムOracle FormsおよびReportsのユーザー・イグジットおよびコンカレント・プログラムをコンパイルし、Oracle Applicationsにリンクできます。