Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース11i B25740-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
Daily Business Intelligence for Customer Supportは、組織における顧客サポート要求への応答に関する簡潔で総合的な情報を提供します。「顧客サポート管理」ダッシュボードを使用すると、顧客サポート・マネージャは、バックログ、活動、解決およびクローズのメトリックを表示できます。バックログ・メトリックは、バックログ・サービス要求などの情報を重要度別に提供し、バックログをエスカレート済と未所有のサービス要求に分類します。「顧客サポート管理」ダッシュボードには、オープン済およびクローズ済のサービス要求の件数、およびこの2つのサービス要求の比率も表示されます。また、このダッシュボードには、解決実績に関する情報、およびサービス要求を解決するまでの平均サイクル時間が表示されます。さらに、クローズ実績に関する情報、およびサービス要求をクローズするまでの平均サイクル時間も表示されます。顧客サポート・マネージャは、現期間と前期間を比較して、時間、製品、要求タイプ、割当グループ、顧客、重要度など多くのディメンション別に分析したレポートを表示できます。ダッシュボードの上部のキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)に主要なメトリックの要約が示されるため、マネージャは重要な情報の一覧を簡単に入手できます。
メトリックはOracle TeleServiceから抽出されてレポートにまとめられます。これによって、マネージャは、問題とトレンドを簡単に分析できます。
Daily Business Intelligence for Customer Supportには、次のタイプのレポートが用意されています。
バックログ: バックログ・レポートには、オープン・サービス要求に関する情報が表示されます。このレポートでは、オープン・サービス要求の件数、それらの平均年齢、エスカレート済または未所有のオープン・サービス要求の比率、およびサービス要求の総件数に対するオープン・サービス要求の件数の比率がメトリックとして示されます。未解決のバックログ・サービス要求に関して同じ情報を表示するには、「解決ステータス」パラメータを「未解決」に設定します。詳細レポートには、要求番号別にサービス要求が表示されます。このレポートから、選択したサービス要求に関する追加詳細にアクセスできます。
活動: 活動レポートには、サービス要求に対して実行された処理に関する情報が表示されます。このレポートでは、期間内で最初にオープン、再オープンおよびクローズしたサービス要求の件数、およびオープン済対クローズ済比率がメトリックとして示されます。
解決: 解決レポートには、解決済サービス要求に関する情報が表示されます。このレポートでは、解決されて解決済のままのサービス要求の件数、サービス要求の解決までの平均日数、および解決済サービス要求の年齢調べバケット別の件数と比率の内訳がメトリックとして示されます。詳細レポートには、要求番号別にサービス要求が表示されます。このレポートから、選択したサービス要求に関する追加詳細にアクセスできます。
クローズ: クローズ・レポートには、クローズ済サービス要求に関する情報が表示されます。このレポートでは、クローズ済サービス要求の件数、クローズまでの平均日数、およびクローズ済サービス要求の年齢調べバケット別の件数と比率の内訳がメトリックとして示されます。詳細レポートには、要求番号別にサービス要求が表示されます。このレポートから、選択したサービス要求に関する追加詳細にアクセスできます。
Daily Business Intelligence for Customer Supportに用意されているバックログ、活動、解決およびクローズのレポートの詳細は、『Oracle E-Business Intelligence Daily Business Intelligenceユーザーズ・ガイド』を参照してください。
「顧客サポート管理」ダッシュボードは、顧客サポート・マネージャの機能役割を持つユーザー向けに設計されています。この役割を持つユーザーの職責は、次のいずれかになります。
「Daily Customer Support Intelligence」職責: 「顧客サポート管理」ダッシュボードのみにアクセスできます。
「顧客サポート・マネージャ」職責: 「顧客サポート管理」、「HR - 概要」および「費用管理」の各ダッシュボードにアクセスできます。「HR - 概要」および「費用管理」ダッシュボードの詳細は、「Daily Business Intelligence for Financials」および「Daily Business Intelligence for Human Resources」の章を参照してください。
Daily Business Intelligence for Customer Supportでは次のディメンションが使用されます。一部のディメンションはDaily Business Intelligence全体に共通しています。すべてのサービス要求は、Oracle TeleServiceで作成されたサービス要求を指します。
このディメンションは、ほとんどのレポートで、参照する日付を選択して情報を表示する際に使用されます。現行バックログ年齢の各レポートでは、指定日付ではなく最新の収集日が使用されます。詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章にある「実装に関する考慮事項」を参照してください。
期間ディメンションは、レポートで期間内の集計情報を表示する際に使用されます。選択オプションは「日」、「週」、「月」、「四半期」および「年」で、ロール期間は7、30、90および365日です。ロール期間とは、指定した日付からロールバックする日数です。たとえば、ロール期間が30日間で、指定した日付が1月30日の場合は、1月1日〜1月30日が対象期間になります。
比較ディメンションは、データの比較方法を決定するために使用されます。選択オプションは「前年度」および「前期間」です。
サービス要求のタイプを示します。これは、Oracle TeleServiceで定義されたサービス要求タイプに対応しています。また、このディメンションは、ダッシュボードとすべてのレポートに対するセキュリティにも使用されます。
製品カテゴリと製品の階層構造を示します。製品カテゴリ設定は製品カタログで定義されます。このマニュアルの「品目ディメンション・レポート」の章を参照してください。
サービス対象の品目を示します。これは、サービス要求の製品に対応しています。製品はマスター組織レベルに存在します。サービス要求で製品が指定されていない場合、値は「指定されていない製品」と表示されます。
サービス要求の顧客を示します。
サービス要求の重要度を示します。選択オプションはOracle TeleServiceで定義されます。
サービス要求が割り当てられるリソース・グループを示します。Oracle TeleServiceでリソース・グループが割り当てられていない場合、この値は「未割当」になります。
サービス要求ステータスを示します。選択オプションはOracle TeleServiceで定義されます。
サービス要求の解決を示します。たとえば、「修理済」または「取替済」などです。
バックログ年齢に基づいて各バケットにグループ化されたサービス要求の件数を示します。
サービス要求の作成時に使用された顧客通信チャネルを示します。
「エスカレート済」または「未所有」から選択します。
サービス要求を解決する時間に基づいて各バケットにグループ化されたサービス要求の件数を示します。
サービス要求をクローズする時間に基づいて各バケットにグループ化されたサービス要求の件数を示します。
Daily Business Intelligence for Customer Supportには、次のパフォーマンス測定/キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)が用意されています。
Oracle TeleServiceでは必要に応じてセキュリティが提供されます。これは、職責に基づいてユーザーが参照できるサービス要求タイプを管理することによって行われます。「顧客サポート管理」ダッシュボードと関連のレポートでは、現行の職責に基づいてユーザーがアクセスできるサービス要求タイプに対応したデータのみを戻すことによって、同じセキュリティを維持します。セキュリティが無効な場合、ユーザーはすべてのサービス要求にアクセスできます。
Oracle Daily Business IntelligenceリリースFP D.1以上を実装すると、「顧客サポート・マネージャ」職責および「Daily Customer Support Intelligence」職責は自動的に追加されます。Oracle Daily Business Intelligenceの実装後にOracle TeleServiceを開き、サービス要求タイプを新しい職責にマップしてセキュリティを有効にします。サービス要求タイプの設定については、『Oracle TeleServiceインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
Daily Business Intelligence for Customer Supportを実装する際は、次の事項を考慮してください。
この品目階層は品目カタログで定義されます。各品目は1つの製品カテゴリに割り当てる必要があります。製品カテゴリに割り当てられていない品目は、レポートに「未割当」として表示されます。
この階層の設定方法については、「品目ディメンション・レポート」の章を参照してください。
詳細は、「データの保護」を参照してください。
「顧客サポート・マネージャ」職責の場合は、次の手順について考慮してください。
「顧客サポート・マネージャ」職責を持つユーザーには、次のダッシュボードへのアクセス権があります。
HR概要
費用管理
Daily Business Intelligence for Customer Supportでは、これらのダッシュボードの実装は必須ではありません。ただし、「顧客サポート・マネージャ」職責にはこれらのダッシュボードへのリンクが含まれているため、ユーザーが管理者階層内のマネージャである場合のみ、これらのダッシュボードにデータが表示されることに注意してください。これらのダッシュボードを有効にする方法は、Daily Business Intelligence for Human Resourcesに関する章、および「Daily Business Intelligence for Financials」の章を参照してください。
ユーザーに対してこれらのダッシュボードへのリンクを表示しないようにするには、そのユーザーに「Daily Customer Support Intelligence」職責を割り当ててください。この職責の場合は、「HR概要」または「費用管理」ダッシュボードへのリンクが表示されません。
Daily Business Intelligence for Customer Supportの職責の詳細は、「職責」を参照してください。
次の表に、Daily Business Intelligence for Customer Supportを実装する前に満たす必要がある前提条件を示します。
前提条件 | 職責 |
---|---|
ハードウェア要件とソフトウェア要件の確認 | (適用なし) |
サービス監査表履歴のアップグレード | サービス |
Oracle Daily Business Intelligenceフレームワークの設定 | Daily Business Intelligence管理者 |
品目ディメンションの設定 | Daily Business Intelligence管理者 |
ハードウェアおよびソフトウェアのすべての前提条件については、OracleMetaLink から入手できる『About Oracle E-Business Intelligence』の最新バージョンに詳細が記載されています。Oracle TeleServiceの正しいバージョンなどの前提条件については、このドキュメントで確認してください。
Oracle DBI for Customer Supportを最初にインストールして設定し、Oracle Applicationsリリース11.5.10より前のバージョンからOracle TeleServiceデータをアップグレードする場合は、サービス監査表履歴をアップグレードする必要があります。サービス監査表履歴をアップグレードするには、「サービス: 監査データを再フォーマットするプロセス」コンカレント・プログラムを実行します。サービス要求監査機能で使用する監査書式は、以前のリリースの書式と異なっています。このコンカレント・プログラムでは、既存のサービス要求監査レコードを処理し、新しい書式に適合させます。
このコンカレント・プログラムはライブ・インスタンスで実行でき、ロックの問題は発生しません。コンカレント・プログラムでは、すでに処理されているデータを再処理しません。このコンカレント・プログラムで受け取るパラメータは次のとおりです。
プロセス停止日: コンカレント・プログラムで処理されるのは、この停止日より後に更新されたサービス要求の監査レコードのみです。監査レコードが数百万にもおよぶ場合は、監査レコードをバッチ処理すると処理時間を短縮できます。たとえば、最初のバッチで最近6か月間に更新されたサービス要求の監査レコードを処理し、次のバッチでは、最初のバッチより6か月遡った期間の監査レコードを処理できます。
ワーカー数: コンカレント・プログラムは、パラレル・ワーカーを使用して実行するように設計されています。プログラムでは、このパラメータの値と同じ数のパラレル・ワーカーを実行します。1回のバッチ処理に含まれる監査レコードの数が数千におよぶ場合は、パラレル・ワーカーを使用すると便利です。ただし、パラレル・ワーカー数が多すぎると、アプリケーションのパフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。
このコンカレント・プログラムは、「サービス」職責を持つユーザーが使用できます。このプログラムの詳細は、『Oracle TeleServiceインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章を参照してください。特に、次の作業は必ず実行してください。
「顧客サポート管理」ダッシュボードを有効にします。詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章にある「ダッシュボードの使用可能化」を参照してください。
カスタム・バケットを設定します(オプション)。DBI for Customer Supportで使用できる既存のバケット・セットからカスタムのバケット・セットを作成できます。詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章にある「バケットのカスタマイズ」を参照してください。
次の表に、Daily Business Intelligence for Customer Supportのレポートのバケット・セット名を示します。
バケット・セット名 | レポート名 |
顧客サポート管理 - バックログ年齢 | 現行バックログ年齢、現行バックログ年齢トレンド、現行バックログ年齢分布、現行バックログ年齢分布トレンド、現行バックログ詳細 |
サービス要求 - 解決実績 | サービス要求解決要約、サービス要求解決トレンド、サービス要求解決分布、サービス要求解決分布トレンド、サービス要求解決詳細 |
顧客サポート管理 - クローズ・サイクル時間 | クローズ実績、クローズ実績トレンド、クローズ実績分布、クローズ実績分布トレンド、クローズ実績詳細 |
品目ディメンションを設定することは、DBI for Customer Supportに製品ディメンションを移入することを意味します。Oracle Daily Business Intelligence for Customer Supportの品目はすべて、Oracle Inventoryの品目マスターから取得されます。Oracle Inventoryの販売可能な品目のみをDBI for Customer Supportで取得し製品ディメンションが移入されます。
必要に応じて、品目を製品カテゴリにグループ化したり、階層的に構造化できます。DBIレポートに表示するすべての品目が製品カテゴリに関連付けられていることを確認してください。関連付けられていない品目は、レポートの「未割当」カテゴリに表示されます。品目ディメンション、製品カテゴリおよび製品階層の設定方法は、「品目ディメンション・レポート」の章を参照してください。
DBI for Customer Support固有の実装手順はありません。この章で説明している前提条件および設定後の手順をすべて完了したことを確認してください。
前提条件および実装手順を完了した後は、他のインテリジェンス製品の実装に進むことができます。他のインテリジェンス製品を実装しない場合は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章で説明している設定後の手順に直接進んでください。特に、次の作業は必ず実行してください。
「顧客サポート管理」ダッシュボードに必要なすべての情報をロードするために初期要求セットを作成し、次に、この情報をリフレッシュおよび更新するために増分要求セットを作成します。詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章にある「初期および増分要求セットの作成」を参照してください。
初期要求セットを実行します。詳細は、「Daily Business Intelligenceの設定」の章にある「初期要求セットの実行」を参照してください。
ダッシュボードを構成します(オプション)。「顧客サポート管理」ダッシュボードは、外観を変更したり、非表示オブジェクト(表、グラフおよびKPI)をダッシュボードに追加するように構成できます。ダッシュボードの構成方法は、「Daily Business Intelligenceの拡張」の章を参照してください。デフォルトで非表示になるオブジェクトの詳細は、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザーズ・ガイド』の「Daily Business Intelligence for Customer Supportの使用」にある「顧客サポート管理」ダッシュボード – 追加情報に関する説明を参照してください。
この項では、Oracle DBI for Customer Supportの実装時に発生する可能性がある問題の解決方法について説明します。
ロード要求の発行時に、「表領域を拡張できません」というエラーが発生した場合の対処方法
データベース管理者に連絡して問題の解決を依頼してください。
「顧客サポート管理」ダッシュボードをロードしてもデータが表示されない場合の対処方法
サービス要求を表示するためにOracle TeleServiceで設定されたセキュリティ・レベルを確認してください。Oracle TeleServiceでは、オプションでユーザーの職責に基づくセキュリティを提供しています。「要求タイプ」ディメンションをチェックすることで、セキュリティに関する問題があるかどうかを確認できます。「要求タイプ」ディメンションの選択オプションとして「全て」のみが表示される場合は、セキュリティに関する問題が発生しています。詳細は、「データの保護」を参照してください。
解決日がないサービス要求の場合に解決までの時間を計算する方法
クローズ済サービス要求はすべて解決済とみなされます。したがって、サービス要求に解決日がない場合、解決までの時間はクローズ日を解決日として計算されます。