Oracle Applicationsリリース11iから12.1.1へのアップグレード・ガイド リリース 12.1.1 B57077-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この付録では、アップグレード前に実行できるタスクを説明します。実際にアップグレードする前にこれらのオプション・タスクを完了しておくと、アップグレード・プロセス中にシステムがオフライン化されている期間を大幅に短縮できる可能性があります。
この付録の内容は次のとおりです。
この項で説明するステップは、システムでCustomer Relationship Management製品を使用している場合のみの推奨ステップです。
この項で説明するLeads Management用タスクを実行すると、アップグレードに必要な停止時間を大幅に短縮できます。
Leads Managementを使用しており、現在はリリース11.5.9またはLeads ManagerミニパックAを実行している場合は、『Leads Management 11.5.10 Data Migration』(Doc ID: 365367.1)に記載されている方法を検討して、Leads Managementデータについて最も適切な移行方法を決定します。
この項で説明するステップは、システムでFinancialsおよびProcurement製品を使用している場合にのみ該当します。
この項で説明するタスクを完了すると、アップグレードに必要な停止時間を大幅に短縮できます。
使用中の帳簿に現行オープン期間中の大量の減価償却データがあり、facpupg.sqlの実行に長時間かかる場合は、減価償却の実行時にビジネスで許可されているものとして現行期間をクローズするかどうかを、アップグレード前に考慮してください。このようにすると、使用中の帳簿の追加、前日付振替および保留中の除・売却と、現行オープン期間における再稼働を処理することで、停止時間を短縮できる可能性があります。
PayablesおよびProjectsからレポート用帳簿を使用したAssetsの帳簿に対して保留中の一括追加明細が大量にあり、faumamcr.sqlの実行に長時間かかる場合は、この保留中の一括追加明細をアップグレード前に準備して転記すると、停止時間を大幅に短縮できます。
この項で説明するタスクを完了すると、アップグレードに必要な停止時間を大幅に短縮できます。
TUMSステップ・キー: GL_CREATE_JE_SEGVALS
使用するGeneral Ledgerに多数の転記済仕訳があり、glrsgup2.sqlの実行に長時間かかる場合は、この項を検討してください。
「General Ledger仕訳事前アップグレード」は、アップグレード中の停止時間を短縮できるオプション・プログラムです。このプログラムにより、転記済のGL仕訳が予定停止時間の前にアップグレードされ、未転記仕訳と新規に転記された仕訳のみが停止時間中にアップグレードされます。
「General Ledger仕訳事前アップグレード」は、「標準要求発行」フォームから実行する「プログラム - アップグレード前の転記済仕訳の準備」コンカレント・プログラムで構成されています。このプログラムはリソース集中型であるため、夜間や週末など、ピーク時間外に実行するように計画する必要があります。ただし、いつでも終了でき、再起動時には停止した時点から再開されます。プログラムの完了後も、必要に応じて再実行できます。このプログラムでは、前回の実行時以後に転記された仕訳のみが処理されます。
「プログラム - アップグレード前の転記済仕訳の準備」コンカレント・プログラムの実行に必要な機能をインストールするには、パッチ4685497を適用します。
この項で説明するタスクを完了すると、アップグレードに必要な停止時間を大幅に短縮できます。
iProcurementをリリース11.5.9または11.5.10からアップグレードする場合は、この事前アップグレード・プロセスをお薦めします。このプロセスでは、アップグレードの実際所要時間を短縮し、アップグレード・プロセスが円滑に実行されるように、バルクロードされたコンテンツが事前処理されます。このプロセスは複数回実行できます。例外が検出された場合は訂正し、例外が検出されなくなるまでプログラムを再実行してください。このプログラムは、ユーザーをシステムからログオフさせずに実行できます。
注意: アップグレード前に検出されたが修正されなかった例外は、iProcurementカタログで使用できません。
特に、このプログラムにより次のアップグレード・スクリプトの実行時間が短縮されます。
icxr12pd.sql: iProcurementのInterMedia索引表への購買文書の移入: 包括購買契約(BPA)、グローバル包括基本契約(GBPA)および見積
icxr12fi.sql: 最終アップグレード・スクリプト(「お気に入り」リストのアップグレード、承認されていないBPAおよびGBPAのパージ、InterMedia索引の作成)
事前アップグレードを実行するステップは、次のとおりです。
抽出プログラムを実行し、iProcurementの抽出済カタログ・データが更新されていることを確認します。
事前アップグレード・パッチ(4914492)を適用します。このパッチにより、eContent Managerのメニューに「リリース12データ移行」という新規エントリが挿入されます。このエントリを使用してデータ例外レポートや事前アップグレードを実行できます。
事前アップグレードの前に例外レポートを実行します。レポートには、自動的にアップグレードできず、アップグレード前に修正する必要のあるデータがリストされます。事前アップグレードでは、アップグレードに伴う停止時間を短縮するために、カタログ・データが新規データ・モデルへと処理されます。まだ例外が残っている場合は、例外レポートも更新されます。
例外レポートでは、例外が2つのカテゴリに分類されます。一方はXMLファイルを使用して修正し、カタログに再ロードする例外で、他方はシステムのデフォルト値を訂正して修正する例外です。
可能な場合は、カタログ・データの修正に役立つXMLファイルが用意されています。このXMLファイルをダウンロードしてデータの問題を修正し、eContent Managerのローダー機能を使用してカタログに再ロードできます。このような例外の例を次に示します。
仕入先サイトを指定せずにバルクロードされたデータ: このリリースまでは、仕入先サイトを指定せずに品目をバルクロードできました。バルクロード品目を事前アップグレードまたはアップグレードでGBPAに移動するには、仕入先サイトを指定する必要があります。
「全バイヤー」に割り当てられたバルクロード品目: このリリースまでは、仕入先サイトを指定せずに品目をバルクロードできました。このような品目をアップグレード後に再ロードするには、ローダー・オプション・ユーザー・インタフェースで営業単位を指定する必要があります。必要な場合は、同じファイルを複数の営業単位にロードできます。
カテゴリ、カテゴリ・マッピングまたは単位(UOM)など、無効なデータを指定してバルクロードされた品目。
次の表に、XMLファイルをダウンロードできる例外と、ファイル・タイプ(価格または品目)も示します。「削除?」列は、古いデータを消去するための削除ファイルが提供されるかどうかを示します。
例外 | タイプ | 削除? | データ修正手順 |
---|---|---|---|
通貨設定の通貨コードが無効であるか使用不可になっている | 価格 | Y | 通貨定義を修正するか、ファイルをダウンロードし、有効な通貨を指定して再ロードします。 |
仕入先サイトが無効、使用不可、保留中または欠落している | 価格 | Y | 仕入先サイトの定義を修正するか、ファイルをダウンロードし、ファイルまたはロード・オプション・ユーザー・インタフェースでサイトを指定して再ロードします。 |
中央契約者登録(CCR)の仕入先登録が失効しているために仕入先サイトが無効である | 価格 | Y | Purchasingで仕入先サイトの定義を修正するか、ファイルをダウンロードし、ファイルまたはロード・オプション・インタフェースでサイトを指定して再ロードします。 |
「全バイヤー」オプションが廃止になっている | 品目 | Y | ファイルをダウンロードし、ファイルまたはロード・オプション・ユーザー・インタフェースで営業単位、仕入先および仕入先サイトを指定して再ロードします。 |
仕入先が無効であるか欠落している | 品目 | Y | 仕入先定義を修正するか、ファイルをダウンロードし、ファイルまたはロード・オプション・ユーザー・インタフェースで仕入先および仕入先サイトを指定して再ロードします。 |
営業単位が無効である | 品目 | Y | 営業単位定義を修正するか、ファイルをダウンロードし、ロード・オプション・インタフェースで営業単位、仕入先および仕入先サイトを指定して再ロードします。 |
設定の単位コードが無効であるか欠落している | 価格 | N | 単位定義を修正するか、ファイルをダウンロードし、有効な単位を指定して再ロードします。 |
カタログのiProcurementカテゴリにマップしている購買カテゴリがない | 品目 | N | iProcurementカテゴリを有効な購買カテゴリにマップするか、ファイルをダウンロードし、有効な購買カテゴリにマップされたiProcurementカテゴリを指定して再ロードします。 |
購買カテゴリが無効である | 品目 | N | 購買カテゴリ定義を修正するか、iProcurementカテゴリを有効な購買カテゴリにマップするか、ファイルをダウンロードし、有効な購買カテゴリにマップされたiProcurementカテゴリを指定して再ロードします。 |
XMLファイルを使用して例外を修正する手順は、次のとおりです。
XMLファイルをダウンロードします。
ダウンロード・リンクでは、仕入先/仕入先サイト/契約/言語の組合せごとにItemException.zipという圧縮ファイルが提供されます。このファイルには2つのXMLファイルが含まれています。一方はSYNC処理用で他方はDELETE処理用です。複数のSYNCが含まれている場合もありますが(複数言語の場合)、DELETEファイルは常に1つのみです。
SYNCファイル名はItemException_Language_SYNC.xmlです。これはリリース11.5.9または11.5.10形式になっており、後でこれらの品目を(SYNC処理後に)再ロードできます。DELETEファイル名はItemException_DELETE.xmlです。これもリリース11.5.9または11.5.10形式になっており、古いファイルをシステムから削除します(DELETE処理)。
注意: リリース11.5.9または11.5.10の場合、品目および価格という2種類のファイルがあります。言語は品目ファイルにのみ適用されます。
データを修正します。表を参照してSYNCファイル内の該当する変更を確認してください。
データを再ロードします。最初に、SYNCファイルを使用して品目を再アップロードします。
古いデータを削除します。提供された場合は、DELETEファイルを使用します。
データ例外レポートを実行します。データ例外レポートを再実行して、修正に成功したことを確認します。このプロセスを、例外が検出されなくなるまで繰り返します。
GPBAを作成するには、無効なデフォルト値による他の例外を修正する必要があります。この場合は、システム設定を修正します。事前アップグレードやデータ例外レポートを再実行したときに、例外が表示されないようにする必要があります。
次の表に、これらのデフォルト値例外を示します。
属性 | 例外 | エラー・メッセージ |
---|---|---|
レート |
|
|
購買担当 |
|
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納入先事業所 |
|
|
請求先事業所 |
|
|
条件 | 条件が無効です。 | デフォルトの支払条件が無効です。 |
出荷オプション |
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移行プロセスで値が前述の表に示した新規GBPA属性にデフォルト設定される方法は、次のルールにより制御されます。
移行時には、新規GBPAのデフォルトとしてCPA情報が使用されます。
移行では、レート、出荷先事業所、請求先事業所、条件および出荷オプションの値のデフォルト設定についてOracle Purchasingに依存します。詳細は、『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』を参照してください。
GBPAヘッダーの購買担当の場合、移行では文書をソースとして購買担当が取得されます。ステータスに関係なく最近作成された文書が、次の順序で検索されます。一致は、仕入先、仕入先サイト、通貨および営業単位に基づきます。
一致するBPA/GBPA
一致するCPA
一致する発注
一致するリリース
営業単位の文書が一致しない場合は、ビジネス・グループに関して最後に作成された有効な購買担当が取得されます。
基本契約要約は、バルクロード品目に関して新規に作成された全基本契約のリストです。一方の表は購買契約を参照する基本契約を示し、他方の表はどのCPAも参照しない基本契約を示します。前者の場合、システムではCPA情報を使用してGBPAが作成されます。後者の場合は、Oracle Purchasingのデフォルトを使用してGBPAが作成されます。アップグレードが完了するまで、新規に作成されたGBPAにはアクセスできません。
この項で説明するステップは、システムでOracle Supply Chain Management製品を使用している場合のみの推奨ステップです。
これらのOracle Service Contracts用タスクを完了すると、アップグレードに必要な停止時間を大幅に短縮できます。
適用対象の11iリリース・レベル: 11.5.10より前の全リリース
TUMSステップ・キー: OKS_R12_MIGRATE
Oracle Service Contracts(OKS)アーキテクチャでは、特定のOKS/OKC表に関連属性を格納することで、ルールおよび時間値の汎用データ構造が排除されます。システムにOKSが登録されている場合、11.5.10より前のリリースからアップグレードすると、アップグレード中にルールおよび時間値が新規アーキテクチャに移行します。
停止時間を大幅に短縮する必要がある場合は、アップグレード前に移行の主要部分を実行します。手順については、『Service Contracts Release 12 Migration』(Doc ID: 372469.1)を参照してください。
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