Oracle Demantraユーザーズ・ガイド リリース7.1.1 E05935-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、次のトピックについて説明します。
Oracle Demantraでは、最下位の可能なレベルでのみデータが格納されます。特定の集計レベルを使用するワークシートを実行すると、その中のシリーズが該当のレベルで計算されます。シリーズの定義により、その計算の実行方法が決定されます。
シリーズによってデータベースからデータが取得され、それがワークシート内のレベルに集計される場合があります(こうした場合、シリーズはサーバー側の式を使用しています)。この場合、バックグラウンドのデータベース・プロシージャが、データの保守に関与します。
その他に、シリーズにより、ワークシート内の集計レベルで使用可能な他のデータに基づいてデータが計算される場合があります(この場合、シリーズはクライアント側の式を使用します)。ワークシート内で変更が行われると、このデータは即座に再計算されます。
同様に、集計レベルでデータを編集する場合は、Oracle Demantraでは、それがデータベース内の最下位レベルにどの程度影響するかを判断する必要があります。シリーズの定義により、動作が制御されます。
シリーズが比例の場合、親値は、子メンバーの相対比率に従って子メンバー間で分割されます。たとえば、ある品目と場所の組合せが他の組合せの4倍の販売を持つ場合、その組合せは4倍の予測を受け取る必要があります。下位レベルからの合計によってシリーズが計算されている場合、そのシリーズは通常比例として定義されます。
分割の詳細は、「比率分割メカニズム」を参照してください。
シリーズが非比例の場合、各子メンバーの値は、親の値と等しくなるよう設定されます。シリーズが、下位レベルのデータを平均化するか、または最小値あるいは最大値を使用するよう定義されている場合、そのシリーズは通常、非比例として定義されます。
Oracle Demantraの比率分割メカニズムは、様々な状況で使用されます。この項では、比率の選択方法、使用方法、および比率分割を呼び出す時期を説明します。
Oracle Demantraでは、異なる組合せで相対比率を指定するための一般的な方法として、次の3つの方法を提供しています。
比率の種類 | 詳細 | 使用する時期 |
---|---|---|
参照シリーズの比率 | 比例シリーズは通常、次のいずれかの参照シリーズを使用します。 - 「Demand」(履歴シリーズに適切) - 「Final Plan」(予測シリーズに適切) | 集計レベルでデータを編集する場合、自動的に使用されます。 |
実際の比率 | 比較的上位レベルのデータが、需要シリーズの比率に従って分割されます。 | データのインポート時のオプション。 |
マトリックス比率 | Oracle Demantraにより以前に計算され保存された比率。計算では、需要を基準としますが、最近の平均需要、前月比の変動なども考慮します。 | データのインポート時のオプション。 比較的上位のレベルで予測を作成する必要がある場合、自動的に使用されます。 |
次の図は、比較的上位のレベルのメンバーであるABCDおよびその4つの子メンバーを示しています。また、参照シリーズ(販売)も示し、そのシリーズの各子メンバーに対する値を、すべて同一の時間バケットで示しています。
シリーズSが比例シリーズで、販売をその参照シリーズとして使用しているとします。また、Sの値が親メンバーに関して350に変更するとします。この場合、シリーズSは子メンバー間で次のように分割されます。
比率分割メカニズムでのNull値の処理方法
参照シリーズが子メンバーの1つに対してNull値を持つとします。比率分割メカニズムは、次のように、そのメンバーを無視します。
比率分割メカニズムでのゼロ値の処理方法
子メンバーの値がゼロである2つのケースを想定します。1つ目のケースでは、参照シリーズが子メンバーの1つに対してゼロで、他の子メンバーの値はゼロ以外です。販売がゼロのメンバーは、次のように、0%の分割を受け取ります。
参照シリーズにNull値を持つメンバーAに注目します。このメンバーに対するシリーズSの値はゼロではなくNullです。
2つ目のケースでは、ゼロ以外の値を持つ子メンバーが存在しません。このような場合、参照シリーズにゼロ値を持つすべてのメンバー間で、親値は均等に分割されます。
通常どおり、子メンバーが参照シリーズにNull値を持つ場合、比率分割メカニズムはそのメンバーを完全に無視します。