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Oracle E-Business Suite開発者ガイド
リリース12.2
E53035-01
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コンカレント・プログラムの定義

コンカレント・プログラムの定義

プログラムのロジックを定義した後、フォームまたは標準要求発行からコールするコンカレント・プログラムを定義する必要があります。まず、プログラム・ロジックを検索する場所をアプリケーションに指示するコンカレント・プログラム実行ファイルを定義します。その後、そのコンカレント・プログラム実行ファイルを使用するコンカレント・プログラムを、必要な数だけ定義します。どのコンカレント・プログラムが、作成したコンカレント・プログラムと非互換であるかを定義し、標準要求発行を使用している場合は実行ファイルが使用するパラメータを定義します。パラメータの検証情報を指定して、ユーザーが「要求の発行」フォームで選択した値の制御を行うことができます。

作成したプログラムがPro*C即時プログラムである場合、プログラム・ライブラリにそのコンカレント・プログラムをインクルードする必要があります。コンカレント・プログラム・ライブラリを変更した後、ライブラリを再作成してから再リンクを行います。作成したコンカレント・プログラムをインクルードしているライブラリを使用するコンカレント・マネージャのみが、そのコンカレント・プログラムを実行できます。

コンカレント・プログラムが標準要求発行を使用する場合、Oracle System Administrationを使用してコンカレント・プログラムを適切な要求グループに追加します。そうすると、ユーザーは「要求の発行」フォームを使用してコンカレント・プログラムを発行できます。

詳細は、Oracle E-Business Suiteユーザーズ・ガイドおよび『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』を参照してください。

次に、コンカレント・プログラムの定義手順を示します。

  1. 実行ファイルを定義します(アプリケーション開発者)。

  2. コンカレント・プログラム実行ファイルを定義します(アプリケーション開発者)。

  3. コンカレント・プログラムを定義します(アプリケーション開発者またはシステム管理者)。

  4. コンカレント・プログラム・ライブラリを定義します(再作成および再リンク) (アプリケーション開発者)。

  5. コンカレント・プログラムに対するアクセス権をユーザーに付与します(システム管理者)。

システム管理者タスクの追加情報は、『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』を参照してください。

コンカレント・プログラム実行ファイルの定義

プログラムを完成させて、実行ファイルをアプリケーションのベース・ディレクトリの適切なディレクトリに配置した後、「コンカレント・プログラム実行ファイル」フォームを使用して、Oracle Application Object Libraryによるコンカレント・プログラムの定義を行う必要があります。プログラム実行ファイルを定義する場合、プログラムの実行ファイルの名前を拡張子なしで使用します。この名前は、実行ファイルを使用してコンカレント・プログラムを定義する際に使用します。

実行ファイルに適した実行方法を指定します。Oracle Application Object Libraryは、特定した実行方法に基づいて実行ファイルを検索します。コンカレント・プログラムは、コンカレント・プログラム実行ファイルを使用して、適切な実行ファイルの検索と実行を行います。

プログラムがPro*Cルーチンであり、コンカレント・マネージャによりリンクされたサブプロセスとして実行する場合、実行ファイル名と同時にサブルーチン名も指定し、実行方法として即時実行方法を選択します。サブルーチン名は、プログラム・テンプレートのSUBROUTINE_NAMEに代入した名前です。実行方法はこのとき選択しますが、この実行ファイルを使用する起動コンカレント・プログラムおよび即時コンカレント・プログラムの両方を作成できます。コンカレント・プログラム・ライブラリの即時実行方法を使用して記述したコンカレント・プログラムは、すべてインクルードする必要があります。

起動実行方法は、即時プログラムよりもメンテナンスおよびサポートが容易なので、可能な場合はPro*Cプログラムに起動実行方法を使用することをお薦めします。PL/SQLストアド・プロシージャには、独立したプロセスの起動を行わないカスタム・コンカレント・プログラムを記述するためのメカニズムが備わっているため、将来のリリースでは起動Pro*Cプログラムのみがサポートされます。

PL/SQLストアド・プロシージャは、独立したプロセスを起動しない点からすると即時プログラムですが、実行ファイル・フィールドではプロシージャの名前を指定して、実行方法としてPL/SQLストアド・プロシージャを選択する必要があります。

コンカレント・プログラムの定義

Oracle Application Object Libraryのフォーム「コンカレント・プログラム」で、実行ファイルを使用してコンカレント・プログラムを定義します。エンド・ユーザーの値リストからコンカレント・プログラムを選択する際に、各コンカレント・プログラムにわかりやすいプログラム名を付けます。名前は、プログラムの目的を表すものにする必要があります。短縮名をアプリケーションに指定してコンカレント・マネージャに渡すか、CONCSUB、FND_REQUEST PL/SQL APIまたは#FNDCONCURRENTを介して要求を発行する際にその名前を使用します。たとえば、glpost()という初期ファンクションをプログラム・ファイルに記述し、実行ファイルにGL_POSTという名前を定義するとします。その場合、コンカレント・プログラムには、「総勘定元帳転記(General Ledger Posting)」という名前とGL_POSTという短縮名を定義します。

標準要求発行を通してコンカレント・プログラムを利用できないようにする場合、「SRSで使用」ボックスのチェックを外します。プログラムが標準要求発行レポートである場合、廃止された値または無効な値を含むすべての値へのアクセスをレポートに許可するか、レポートを現行の値に制限できます。プログラムは、いつでも無効にできます。無効にしたプログラムはエンド・ユーザーの値リストには表示されず、コンカレント・マネージャは無効なプログラムの要求を実行しません。

前に定義したコンカレント・プログラム実行ファイルをプログラムに指定します。実行ファイル名およびサブルーチンを両方とも指定した場合、Pro*Cプログラムを起動または即時(コンカレント・マネージャ・プロセスでリンクされている)のどちらの方法で実行するかを決定できます。

コンカレント・プログラムが出力を生成する場合、印刷されるレポートの最大および最小サイズを指定します。この情報により、どのプリンタ・スタイルがレポート要件を満たすかが決まります。プログラムがレポート出力ファイルを生成する場合は、コンカレント・マネージャにレポート出力ファイルの自動印刷を設定でき、印刷形式を選択できます。

コンカレント・プログラムをOracle Workflowのビジネス・イベント・システムと統合する場合は、このコンカレント・プログラムに対する要求のライフサイクル内でビジネス・イベントを起動するポイントを指定します。ユーザーはこのビジネス・イベントを予約して、コンカレント・プログラムと相互作用する独自のビジネス・プロセスを作成できます。

プログラムを定義する際、他のコンカレント・プログラムまたはそのプログラム自身との非互換性もすべて定義します。同じ論理データベースで、そのプログラムが同時に動作しないコンカレント・プログラムをすべてリストします。そのコンカレント・プログラムがどのコンカレント・プログラムとも同時に動作しない場合、そのプログラムを単独実行プログラムとして指定します。

作成したコンカレント・プログラムが標準要求発行を使用する場合、パラメータを実行ファイルに渡すように定義します。フレックスフィールド・セグメントと同様に、値セットを定義して、パラメータの検証を設定できます。この情報により、「レポートの実行」フォームのポップアップ・パラメータ・ウィンドウにあるセグメントの動作が決まります。

作成したコンカレント・プログラムがOracle Reportsを使用する場合、パラメータごとに定義したトークンを指定します。

コンカレント・プログラムを定義した後、Oracle E-Business Suite System Administrationを使用してコンカレント・マネージャをリセットします。これにより、コンカレント・マネージャは、新規コンカレント・プログラムまたはプログラム登録で行ったすべての変更を強制的に認識します。ただし、プログラムの実行方法を起動から即時に変更する場合、システム管理者はコンカレント・マネージャをシャットダウンおよび再起動して、コンカレント・マネージャに変更を認識させる必要があります。

コンカレント・プログラム・ライブラリの定義

「コンカレント・プログラム・ライブラリの登録」フォームを使用して、プログラム・ライブラリを定義します。「プログラム・ライブラリ」ゾーンで「ライブラリ名」を指定し、実行ファイルがあるディレクトリをベース・ディレクトリとするアプリケーションを指定します。「コンカレント・プログラム」ゾーンでは、このプログラム・ライブラリに含めるOracle Application Object Libraryで、即時プログラムとして定義したすべてのコンカレント・プログラムをリストします。

即時Pro*Cコンカレント・プログラムを実行できるようにするには、その前にOracle System Administrationを使用して、プログラムをインクルードしているライブラリをコンカレント・マネージャに割り当てる必要があります。ある即時コンカレント・プログラムがコンカレント・マネージャのライブラリにインクルードされていない場合、コンカレント・マネージャはその即時コンカレント・プログラムを実行する要求を処理できません。

新規コンカレント・プログラムを追加する際は、必ずライブラリを再作成して再リンクします。その上で、コンカレント・プログラムを要求する前にコンカレント・マネージャを再起動します。

Oracle E-Business Suiteのインストールの過程で、Oracle Application Object Library FNDLIBRプログラム・ライブラリを定義します。このライブラリには、Oracle E-Business Suite即時コンカレント・プログラムがインクルードされています。このライブラリは、最低1つのコンカレント・マネージャに割り当てる必要があります。

プログラムへのアクセス許可

他のアプリケーションのユーザーに、作成したアプリケーションの実行を許可する場合、他のアプリケーションが属する職責データ・グループにプログラムのアプリケーションを追加します。コンカレント・プログラムは、現在の職責データ・グループにあるそのアプリケーションに対応するORACLE IDで動作します。

ユーザーが、「要求の発行」フォームから標準要求発行プログラムを実行できるようにするには、プログラムをそれらのユーザーが属する職責の要求グループに追加します。

「コンカレント・プログラム・ライブラリ」ウィンドウ

このウィンドウを使用して、プログラム・ライブラリを登録します。プログラム・ライブラリは、コンカレント・マネージャにリンクさせる即時コンカレント・プログラムのリストです。コンカレント・マネージャは、プログラムをプログラム・ライブラリで使用して、即時プログラムを実行します。ライブラリは、コンカレント・マネージャを定義する前に登録する必要があります。プログラム・ライブラリには、即時タイプ・コンカレント・プログラムのみをインクルードできます。

即時コンカレント・プログラムをライブラリに追加または新しいライブラリを作成したときは、必ず変更を反映する前にライブラリを再作成および再リンクする必要があります。ライブラリを再作成および再リンクした後、システム管理者は必ずそのライブラリを使用するコンカレント・マネージャを再起動します。

登録できるのは、すでにオペレーティング・システム・レベルで作成したプログラム・ライブラリのみです。

前提条件

コンカレント・プログラムのライブラリ・ブロック

アプリケーション名とライブラリ名の組合せにより、プログラムのセットを一意に識別できます。

ライブラリ名

これは、オペレーティング・システムでプログラム・ライブラリ・ファイルに付けた名前と同じ名前です。ライブラリ名は、8文字以内にしてください。

システム管理者は、ライブラリ名をコンカレント・マネージャに割り当てることができます。各コンカレント・マネージャは、1つのプログラム・ライブラリにリンクされ、そのライブラリの一部であるコンカレント・プログラム実行ファイルを使用する即時タイプ・プログラムのみ実行できます。コンカレント・マネージャは、そのプログラム・ライブラリにはない他の実行タイプのプログラムも実行できます。

アプリケーション

このアプリケーションの最上位ディレクトリの下にあるbinディレクトリには、実行可能プログラム・ライブラリ・ファイルを置きます。

ライブラリ・タイプ

次の2タイプのプログラム・ライブラリを定義できます。

変数 説明
コンカレント・ライブラリ コンカレント・マネージャとリンクする即時コンカレント・プログラムのライブラリ
変数 説明
トランザクション・ライブラリ トランザクション・マネージャとリンクするトランザクション・プログラムのライブラリ

コンカレント・プログラム・ブロック

オペレーティング・システム・レベルで、このプログラム・ライブラリにリンクしたコンカレント・プログラム実行ファイルをリスト表示します。

プログラム

オペレーティング・システムでプログラム・ライブラリにリンクした、即時タイプ・コンカレント・プログラムの実行ファイルの名前を入力します。このブロックでは、指定したプログラム名とアプリケーション名により、定義済のコンカレント・プログラム実行ファイルを一意に識別できるかどうかが検証されます。

アプリケーション

これは、作成したコンカレント・プログラムが属するアプリケーションです。

ライブラリの再作成

コンカレント・ライブラリを再作成する必要がある場合には、このボタンを選択します。新しいプログラムをライブラリに追加する場合は、必ずライブラリを再作成する必要があります。