| Oracle Applicationsインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法 リリース12 E05068-02 | 目次 | 前へ | 次へ |
新規のOracle Applicationsシステムを設定するには、Rapid Installウィザードで該当する画面に入力します。
この章の構成は、次のとおりです。
Rapid Installでは、新規インストールに対して2つのオプションが提供されます。1つは標準インストールで、システム固有の構成パラメータを使用して新規システムを作成します。もう1つは簡易インストールで、多数のパラメータのデフォルト値がRapid Installにより入力され、インストールを実行するユーザーが入力するパラメータは少数ですみます。
重要: 1つのデータベース・ノードと2つのアプリケーション・ノードなど、アプリケーション・システムを構成する各ノードで関連ステップを実行する必要があります。該当する場合は、最初にデータベース・ノードで操作を実行する必要があります。
この項では、ユーザーがシステム固有の各種パラメータを指定する標準インストールの設定ステップについて説明します。簡易インストールについては、「簡易インストール」を参照してください。
「スタート・ガイド」の「インストール前のステップ」の指示に従います。その後、次の各タスクを実行します。タスクは論理的な項目別にグループ化されています。
システム構成の記述
Rapid Installウィザードの起動
プロンプトにrapidwizと入力し、コマンドラインからウィザードを起動します。「Welcome」画面には、Oracle Applicationsとともにインストールされるデータベースおよびテクノロジ・スタック・コンポーネントが表示されます。

この画面には、このリリースのOracle Applicationsに含まれる、またはこれによってサポートされるコンポーネントが表示されます。スクロール・バーを使用して、すべてのコンポーネントが表示されるようにコンポーネント・リストを拡張できます。
新規インストールには、最新のOracle10g リリース2 RDBMSが含まれることに注意してください。アップグレードの場合は、Rapid InstallによりOracle10g RDBMSのORACLE_HOMEがデータベースなしでインストールされます。このORACLE_HOMEを使用して、既存のデータベースをOracle10gにアップグレードまたは移行できます。
注意: 『Oracle Applicationsリリース11iから12へのアップグレード・ガイド』を参照してください。
この画面は参照用です。何も指定する必要はありません。情報を確認した後、「Next」をクリックして続行します。
「Select Wizard Operation」画面を使用して、Rapid Installで実行する処理を指定します。新規インストールおよびアップグレードのどちらもこの画面から開始します。選択した処理に基づき、Rapid Installウィザードは該当する画面フローに進みます。

可能な処理は次のとおりです。
Install Oracle Applications Release 12
この処理では、新規の完全に構成されたシステムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。構成は、Rapid Installウィザードに入力してアプリケーション・データベースに保存するシステム固有の構成パラメータから導出されます(データベースが作成されるまではconf_<SID>.txtファイル)。
Use Express Install
このインストール・オプションを選択すると、完全に構成されたシングルユーザー・システムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。データベースのタイプと名前、最上位インストール・ディレクトリおよびポート・プールの選択など、いくつかの基本パラメータを指定します。残りのディレクトリおよびマウント・ポイントは、Rapid Installによりデフォルト値を使用して指定されます。
注意: このオプションについては、「簡易インストール」のステップを参照してください。
Upgrade to Oracle Applications Release 12
このオプションを選択すると、E-Business Suite製品を現行バージョンのOracle Applicationsにアップグレードすることが指定されます。ウィザードの画面フローでは2つの方法が示されます。ファイル・システムを作成して新規テクノロジ・スタックをインストールする方法と、サーバーを構成してサービスを開始する方法です。
注意: システム・アップグレード時のRapid Installの機能は、「アップグレードの実行」を参照してください。
以降のステップでは、新規インストールを設定します。「Install Oracle Applications Release 12」を選択し、「Next」をクリックして続行します。
Oracle Configuration Managerオプションの選択
Oracle Configuration Manager(OCM)は、Oracle製品のサポートを容易にするように設計されたオプション・コンポーネントです。OCMの初期画面は、Rapid Installの実行中に表示されます。「Accept」をクリックしてOCMの配置に進むか、「Decline」をクリックしてOCMの配置を拒否する必要があります。
重要: Oracle Configuration Managerを使用することをお薦めしますが、必須ではありません。「Decline」を選択した場合は、単にRapid Installが続行されます。
OCMにより、OracleおよびOracleを実行中のマシンの主要な統計が継続的に記録されます。Configuration Managerにより収集されたデータは、セキュアHTTPSを介してOracleサポートに送信され、Oracleサポートはデータに基づいてOracleインスタンスの更新後のビューを保守できます。
OCMは最小限のCPUリソースを消費する軽量エージェントであり、インストール済コンポーネントおよび構成情報の自動検出をサポートしているため、サポート関連事項の解決所要時間が短縮され、事前の問題回避が容易になります。
注意: OCMの詳細は、OracleMetaLinkにログオンし、「Oracle Configuration Manager」タブと「Download Collector」を順番に選択し、「Before Getting Started」という見出しの下のリンクを参照してください。

Oracle推奨オプションである「Accept」を選択すると、OCM画面が表示されます。

この画面で、顧客サポート識別子(CSI)、OracleMetaLinkアカウントの詳細および国名を入力するように要求されます。必要に応じて、Oracle Configuration Manager用にプロキシ・サーバーを使用可能にできます。このオプションを選択した場合は、使用するサーバー名とポート番号を指定する必要があります。
構成ファイルの識別
「Configuration Choice」画面で、前に保存しておいた構成詳細を使用するかどうかを指定します。

「Create a new configuration」を選択すると、ウィザードに入力した構成パラメータがRapid Installによりアプリケーション・データベースと構成ファイル(conf_<SID>.txt)に保存されます。このファイルは、インストール完了までシステム一時ディレクトリに格納されます。
「Load the following saved configuration」を選択すると、データベース接続文字列フィールドがアクティブになります。データベースに格納されている構成の場合、このフィールドは<hostname>:<SID>:<database port>(appserv2.company.com:VIS:1521など)で構成されます。
重要: ホスト名にはドメインを含める必要があります。
適切なデータベース接続文字列(または、該当する場合はconf_<SID>.txtファイルの場所)を入力して、パラメータを使用する格納済構成をRapid Installに指定します。通常、マルチノード・インストールを実行する場合、またはインストール・プロセスの中断後にRapid Installを再開する場合は、このオプションを選択します。
注意: 「インストールの再開」を参照してください。
これが新規インストールの場合は、「Create a new configuration」を選択し、「Next」をクリックして続行します。
グローバル・システム設定の指定
「Global System Settings」画面で、デフォルトのポート値を受け入れるかどうかを指定します。 複数のアプリケーション環境が同一マシンで共存可能になるように、「Port Pool」設定を指定できます。
たとえば、「Port Pool」リストから増分「3」を選択した場合、この選択が「Derived Port Settings」の値に反映されます。スクロール・バーを使用するか「Advanced Edit」をクリックして「Port Values」画面を表示します。

「Port Pool」設定のデフォルト値は0(ゼロ)ですが、「Port Pool」フィールドのドロップダウン・リストから別の値を選択することでカスタマイズできます。ポート・プールの選択項目は100個あり、増分「3」を選択すると、デフォルト値は3だけ増分されます。「Database Port」(1521)は1524、「RPC Port」(1626)は1629、のようになります。
この時点で「Next」をクリックすると、単に選択したポート・プール(および個別ポート)の値を受け入れることができます。多くのインストールの場合は、これで十分です。
それ以外の場合は、特定のサイト固有の要件を満たすように個別ポート値を指定して、前述のポート・プール・メカニズムの基本的な使用方法よりもさらに高度なレベルで設定できます。たとえば、他のソフトウェアに必要となるという理由などで、特定のポートの使用を回避できます。「Edit Ports」ボタンをクリックすると画面がオープンし、目的のポートの値を指定できます。

この画面で操作を完了した後、「OK」をクリックして「Global System Settings」画面に戻り、「Next」をクリックします。
「Database Node Configuration」画面で、新規システムにインストールするデータベースの種類、データベース識別名、データベースを実行するマシンおよびマシンのドメイン名を指定します。次に、ドロップダウン・リストに表示されたオペレーティング・システムが正しいことを確認し、Oracleユーザーのオペレーティング・システム・アカウント名およびグループを指定し、最後にインストール先のベース・ディレクトリを指定する必要があります。

フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースをインストールできます。
A フレッシュ・データベースは、完全に構成されており、新規実装に使用する準備ができています。このタイプのデータベースは、フレッシュ・データベースを必要とするすべてのタイプのシステム(本番システムまたはテスト・システムなど)に適しています。本番データベースのデフォルト名はPRODです。テスト・システムまたはバックアップ・システムなど、別の用途のためにデータベースをインストールする場合、「Fresh Database」オプションを選択し、その目的を反映したデータベース名(TESTなど)を入力します。
Vision Demoデータベースは、デモンストレーションまたは研修用に使用されます。このデータベースには、実装され、架空の企業の一連の取引が移入されている、完全に構成されたOracle Applicationsシステムが含まれます。Vision Demoデータベースは複数組織用に設定されます。このリリースでのキャラクタ・セットのサポートを最大限にするため、このデータベースはUTF8キャラクタ・セットとともにインストールされます。デフォルトのデータベース名はVISです。
この例では、「Database Type」ドロップダウン・リストを使用してフレッシュ・データベースを選択します。ローカル・インスタンスについて、デフォルトのデータベース名をそのまま使用するか、別の名前(長さが8文字以下の英数字で、スペースを含まない)を入力します。多くの場合、この名前はデータベースSIDと呼ばれます。
「Database Install Information」画面では、Rapid Installにおいてデータベースの設定およびインストールに必要となる情報の入力が求められます。
「Base directory」フィールドは、デフォルトによりサンプル・ディレクトリ名となります。この名前には、Rapid Installウィザードを起動したマシンのオペレーティング・システム構文が使用されます。このディレクトリは、Rapid InstallにおいてRDBMSに関連付けられたマウント・ポイントの導出に使用される最上位ディレクトリです。
「Database OS User」は、データベース・テクノロジ・スタックおよびファイル・システムを所有するアカウントです。「Database OS Group」の名前を入力します。「Database OS User」はその他のグループに属することが可能ですが、このグループに属することは必須です。
適切なベース・ディレクトリ用のファイル・システムを検索する場合は、「Browse」をクリックしてナビゲーション・ウィンドウをオープンします。

この画面で、適切なフォルダをクリックするか、「Directory」フィールドにパスを入力します。「OK」をクリックし、選択内容を確認して「Database Node Configuration」画面に戻るか、「Cancel」をクリックして選択せずに戻ります。
親画面に戻った後、「Next」をクリックしてインストールを続行します。
製品ライセンス・タイプの選択(フレッシュ・データベース・インストールのみ)
フレッシュ・データベースを(Vision Demoデータベースではなく)インストールする場合、ウィザードではオラクル社から購入したライセンス契約のタイプを指定するように要求されます。続いて、該当するライセンス画面が表示されます。
ライセンス画面に入力しても、ライセンス契約を意味するものではありません。製品がアクティブなものとして登録されるのみです。Oracle Storeまたはオラクル社販売代理店を通してアプリケーション製品を購入することが、ライセンス契約を設定する唯一の方法です。製品のライセンスに関する詳細を準備してからライセンス画面に入力するようにしてください。

Rapid Installでは、ライセンスのステータスに関係なく、すべての製品をインストールします。ただし、システムでアクティブなものとしてフラグが付けられるように、ライセンスを取得した製品を登録する必要があります。アクティブ・フラグにより、最初のインストール後にシステムの更新および保守のために実行するパッチ適用などのタスクの対象として、製品にマークが付けられます。
注意: Rapid Installでは、共有製品および付属製品が自動的にインストールおよび登録されます。
「Suite Licensing」モデルまたは「Component Licensing」モデルのいずれかを使用して製品を登録できます。ライセンス契約にあわせて、これらのライセンス画面のいずれか一方のみを完了してください。
「Licensing Selection」画面で「Suite Licensing」オプションをクリックした場合、そのオプションに対応する「Licensing Page」が表示されます。

このライセンス・モデルでは、アプリケーション機能への広範囲なアクセスが可能です。このモデルを選択すると、アプリケーション価格バンドルに含まれるすべての製品が自動的に登録されます。チェックされ、グレー表示されている製品は、Suiteの一部として自動的にライセンスされています。チェックおよびグレー表示されていない製品は、E-Business Suite価格バンドルの一部ではないため、追加製品として別に登録する必要があります。ライセンス取得済で登録する追加製品の横にチェック・マークを付けます。
「Licensing Selection」画面で「Component Licensing」オプションをクリックした場合、そのオプションに対応する「Licensing Page」が表示されます。

ライセンス契約が個々のApplicationsコンポーネント製品に対するものである場合、このオプションを選択します。これらの製品は、許可されたユーザー数または処理されるビジネス取引数に基づいてライセンスされています。個々の製品がすべてこの画面に表示されます。グレー表示された製品は、親コンポーネントを選択しないかぎり選択できません。
注意: 最初のインストール後に追加製品を登録するには、Oracle Applications ManagerのLicense Managerコンポーネントを使用します。詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - メンテナンス』のLicense Managerに関する項を参照してください。
該当するライセンス画面を完了し、「Next」をクリックして続行します。
各国固有の機能の選択(フレッシュ・データベース・インストールのみ)
システムによっては、ローカライズ済のアプリケーション製品の各国固有の機能が必要な場合があります。たとえば、ユーザーの企業がカナダで運営されている場合、Oracle Human Resourcesなどの製品には、カナダの労働法に対応するための追加機能と、米国のコードと異なるコードが必要です。「Select Country-specific Functionalities」画面で、ローカライズ製品に関連付けられた地域名を登録します。
ユーザーの企業が米国でのみ運営されている場合、この画面は無視できます。後日別の国で業務を始める場合は、最初のインストールまたはアップグレード後にいつでも、License Managerを使用して関連地域を登録できます。

Oracleがサポートする各国固有の全機能が、この画面にアルファベット順に表示されます。「Available Regions」ボックスで地域をダブルクリックして「Selected Regions」ボックスに移動するか、または地域を強調表示して右矢印(>)をクリックします。地域の選択を解除するには、地域を強調表示してダブルクリックするか、または左矢印(<)をクリックして「Selected Regions」ボックスから地域を削除します。
たとえば、「Canada」を選択した場合、画面は次のようになります。

すべての地域を選択するか選択を解除して、1回の処理でボックス間を移動させるには、対応する二重矢印(>>または<<)を使用します。
選択後、「Next」をクリックして続行します。
国際化に関する設定の選択(フレッシュ・データベース・インストールのみ)
アメリカ英語はデフォルトでシステムにインストールされる唯一の言語です。ただし、Oracle Applicationsではその他の多数の言語をサポートしています。これらの言語は、License Manager(Oracle Applications Managerに付属)を使用してアクティブ化し、リリース12の初期インストールの完了後にインストールできます。
注意: 詳細は、『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』の言語の追加および保守に関する項を参照してください。

選択した言語により、システムに必要でサポート可能な他のNLS関連構成パラメータ(地域やキャラクタ・セットなど)に使用可能なオプションが決定されます。
注意: 『Oracle Applications概要』のグローバリゼーション・サポートに関する項を参照してください。
「Available Languages」ボックスで言語をダブルクリックして「Selected Languages」ボックスに移動するか、または言語を強調表示して右矢印(>)をクリックします。「Selected Languages」ボックスで言語を強調表示し、左矢印(<)をクリックすると、その言語は削除されます。例では、追加言語として選択されたフランス語(カナダ)が表示されています。1回の処理ですべての言語を選択するか、または選択を解除するには、二重矢印(>>または<<)を使用します。
注意: 「Selected Languages」ボックスからアメリカ英語を削除することはできません。
言語のライセンスはRapid Installでは提供されません。かわりに、License Manager(Oracle Applications Managerに付属)を使用して言語のライセンスを取得します。Rapid Installの完了後に新しい言語をインストールするには、『Oracle Applicationsメンテナンス・プロシージャ』の言語の追加および保守に関する項を参照してください。
「Next」をクリックして続行します。
NLS言語および地域の設定は、プロファイル・オプションとしてデータベースに格納されます。これらの設定は、Rapid Installの実行時にサイト・レベルで構成されます。ベース言語はデフォルトの言語設定に使用され、デフォルトの地域は地域プロファイル・オプションに使用されます。ユーザーは、E-Business Suiteホームページを使用して最初にOracle Applicationsにログオンしたときに、これらの値を継承します。
ベース言語はデフォルトでアメリカ英語になります。「Select Additional Languages」画面で言語を追加選択すると、その言語が「Selected Languages」ボックスに表示されます。この例では、選択肢はアメリカ英語およびフランス語(カナダ)の2つです。
Rapid Installでは、RDBMSの日付書式および数値書式はインストール中に設定されません。地域プロファイル設定(NLS_LANGから導出されたもの)に基づいて、デフォルト書式が使用されます。「Default Territory」はサイト・レベルで「AMERICA」です。ユーザーの要件に基づいて、必要に応じて新しい値を入力します。
「Database character set」および「APPL_TOP character set」ドロップダウン・メニューでは、最初はデフォルトのキャラクタ・セットとして「US7ASCII」が表示されます。その他の互換性のあるキャラクタ・セットも表示されます。
注意: UTF8は、Vision DemoデータベースおよびAPPL_TOPに対するデフォルトのキャラクタ・セットです。これらのキャラクタ・セットはどちらも変換できません。UTF8を使用するフレッシュ・インストール・データベースが含まれるシステムには、追加の設定ステップが必要な場合があります。詳細は、「終了タスク」の「Unicodeキャラクタ・セットの設定」を参照してください。
ただし、追加言語としてフランス語(カナダ)を選択したため、キャラクタ・セットの選択肢が変更されており、アメリカ英語およびフランス語(カナダ)の両方と互換性があるキャラクタ・セットのみが含まれます。
データベースまたはAPPL_TOPのいずれかでキャラクタ・セットを変更する場合は、ドロップダウン・リストから新しい値を選択します。
注意: Rapid Installの完了後にインストール予定の言語には、アプリケーション・システムのキャラクタ・セットとの互換性が必要です。
IANA(Internet Assigned Numbers Authority)キャラクタ・セットは、Webサーバーで使用される、インターネットで割り当てられる標準キャラクタ・セット名です。詳細は、http://www.iana.org/assignments/character-setsを参照してください。
必要に応じてこの値を変更できます。この画面で該当するフィールドに入力し、「Next」をクリックして続行します。
RDBMSの最上位ディレクトリはすでに指定しました。ここで、アプリケーション・ノードに関連付けられた最上位ディレクトリおよびサブディレクトリを指定する必要があります。

サンプルのデフォルト・ディレクトリでは、Rapid Installを起動したオペレーティング・システムの構文が使用されています。さらに、一部のフィールドはオペレーティング・システム固有のものです。
前述の例は、Linuxシステムの場合の「Primary Applications Node」画面を示しています。この画面では、「Apps OS User」(アプリケーション層ファイル・システムおよびテクノロジ・スタックを所有するアカウント)および「Apps OS Group」(「Apps OS User」が属するグループ)の情報を入力する必要があります。デフォルトを受け入れるか、新しい値を入力します。
Windowsの場合、この画面は次のようになります。

「UNIX Toolkit directory」と「Visual Studio directory」は、Windows固有です。この2つのフィールドに適切な値を入力するか、該当する場合はデフォルトを受け入れます。
関連するすべての「Primary Applications Node Configuration」画面で、「Base directory」はRapid Installでアプリケーション・ノードのマウント・ポイントを導出するために使用される最上位ディレクトリです。デフォルトを受け入れるか、新しい値を入力できます。
「Edit Services」ボタンをクリックすると、このアプリケーション・ノードで有効化するサービスを選択できます。 カテゴリは、「Root Service」、「Web Entry Point Services」、「Web Application Services」、「Batch Processing Services」および「Other Services」です。

これらのサービスにより、各アプリケーション・ノードで起動されるプロセスのセットが定義されます。各サービスは、ノードで実行する機能に従ってアクティブ化または非アクティブ化できます。
注意: リリース12では、マルチノード・システム上のすべてのAPPL_TOPには、特定のノードのロール(現在アクティブ化されているサービスにより定義)に関係なく同じファイルが格納されます。
サービスは、次の機能を提供します。リリース11iとは大幅に異なり、新しい用語も使用されています。
| サービス・グループ | サポート対象 |
|---|---|
| Root Services |
|
| Web Entry Point Services |
|
| Web Application Services |
|
| Batch Processing Services |
|
| Other Services |
|
これらのサービス用のスクリプトは、$INST_TOP/admin/scriptsにあります。
注意: 現時点では、Web Entry Point Services、Web Application ServicesおよびRoot Servicesのすべてを同じノードにインストールする必要があります。
アプリケーション・ノードでは、各サービスを次のように有効化する必要があります。
WebサービスおよびFormsサービスの場合: Root Services、Web Entry Point Services、Web Application ServicesおよびOther Services
コンカレント処理サービスの場合: Batch Processing Services
例として、2ノード・インストールを考えてみます。アプリケーション・データベースとコンカレント処理サービスをサーバーAに配置し、WebサービスとFormsサービスをサーバーBに配置する必要があるとします。
サーバーAでは、「Batch Processing Services」を選択します。
サーバーBでは、「Root Services」、「Web Entry Point Services」、「Web Application Services」および「Other Services」を選択します。
ORACLE_HOMEの作成結果は、次のようになります。
サーバーAには、10g リリース2 アプリケーション・データベース用のORACLE_HOMEに加えて、Application Server 10.1.2用のORACLE_HOMEおよびApplication Server 10.1.3用のORACLE_HOMEが作成されます。
サーバーBには、Application Server 10.1.2用のORACLE_HOMEとApplication Server 10.1.3用のORACLE_HOMEが作成されます。
リリース12のサービス・モデルでは、3層アーキテクチャが厳密に規定されます。 インストール済のファイルとそのマシンで実行されるサービスの間には関連がないため、Formsノード、Webノードなどの概念は存在しません。 これにより、パッチの適用やアップグレードなどのタスクが簡略化され、新しいバージョンのリリース12で拡張されます。
Note: 詳細は、OracleMetaLink の『Understanding Applications Node Services in Oracle Applications Release 12』(Note 406558.1)を参照してください。
「Edit Paths」ボタンを選択するとウィンドウがオープンし、1つ以上のアプリケーション・ノード・パスについて新しい値を指定できます。

「Browse」ボタンを使用すると、各カテゴリの新しいディレクトリ・パスにナビゲートし、パスをダブルクリックして選択できます。サイトに適切な値を指定した後、「Next」をクリックして続行します。
ノード情報の確認

この段階で、データベース・ノードと主アプリケーション・ノードの詳細指定は完了しています。単純な環境の場合、必要なアプリケーション・ノードが1つのみであれば、単に「Next」をクリックして次のステップをバイパスできます。
追加アプリケーション・ノードの詳細を指定する必要がある場合は、次のステップに進みます。
追加アプリケーション・ノードの詳細の指定
追加アプリケーション・ノードの詳細を指定するには、「Add Server」ボタンをクリックします。次のウィンドウがオープンします。

このウィンドウで、最初の追加アプリケーション・ノードの詳細を指定します。デフォルトおよび推奨値を受け入れるか、必要に応じて編集できます。
この画面のボタンの役割は、「Primary Applications Node」画面のボタンと同じです。「Browse」ボタンを選択すると、ベース・ディレクトリとして使用する適切な場所をファイル・システム内で検索できます。「Edit Paths」ボタンを選択するとウィンドウがオープンし、1つ以上のアプリケーション・ノード・パスについて新しい値を指定できます。「Edit Services」ボタンをクリックすると、このアプリケーション・ノードで有効化するサービスを選択できます。
この画面の追加機能は、「Shared Filesystem」チェック・ボックスおよび関連ドロップダウン・リストです。このチェック・ボックスを選択し、ドロップダウン・リストに表示される既存のアプリケーション・ノードから選択すると、この画面で追加するノードとドロップダウン・リストから選択したノードの間で、アプリケーション層ファイル・システムを共有させることができます。
注意: アプリケーション層ファイル・システムの共有で使用できる機能とオプションの詳細は、『Oracle Applications概要』の共有アプリケーション層ファイル・システムに関する項を参照してください。OracleMetaLinkの『Sharing the Application Tier File System in Oracle E-Business Suite Release 12』(Note 384248.1)も参照してください。
次の例に、ファイル・システムを既存のアプリケーション・ノードtestsrv2と共有する、第2のアプリケーション・ノードtestsrv3を追加する様子を示します。

最初の追加アプリケーション・ノードの詳細を指定した後、「OK」をクリックして「Primary Applications Node」画面に戻ります。さらにアプリケーション・ノードを追加する場合は、再度「Add Server」をクリックしてプロセスを繰り返します。
次の画面は、主アプリケーション・ノードに加えて、さらに合計2つのアプリケーション・ノードを追加した結果を示しています。

新規アプリケーション・ノードに対しても、2つの処理が可能になっていることがわかります。左側のアイコンを使用すると、それぞれ詳細を編集および削除できます。
ごみ箱アイコンをクリックしてノードを削除すると、確認を求めるポップアップ・ウィンドウが表示されます。データベース・ノードまたは主アプリケーション・ノードは削除できません。
インストール前チェックの確認
Rapid Installでは、指定した構成を検証するために一連のシステム・テストが実行されます。「System Check Status」画面では、ポートの可用性がチェックされます。

次に「Validate System Configuration」画面が表示され、インストールに関する各種のインストール前要件が満たされているかどうかが示されます。

この画面でRapid Installにより検証および報告されるパラメータは次のとおりです。
各テストの結果は、アイコンで示されます。結果には次の3つのタイプがあります。
チェック・マーク
テスト結果に問題はありません。マークをクリックすると、実行されたテストの詳細が表示されます。
感嘆符(!)
構成の再検討が必要です。「!」をクリックすると、システム・テストの評価に関する情報を入手できます。続行する場合は「Yes」を、問題を解決する場合は「No」をクリックします。問題を解決せずに先に進むと、警告が表示されます。
xマーク
xマークの付いた問題はすべて、インストールを続行する前に必ず解決する必要があります。「x」をクリックすると、エラー内容が表示されます。いずれかのウィザード画面に入力した値を変更することで問題を解決できる場合は、「Back」をクリックして適切な画面まで戻り、値を再入力します。テストの中には、オペレーティング・システムでの解決が必要なものがあります。このケースでは、場合により、問題を修正した後でRapid Installウィザードを再度実行する必要があります。
注意: 「インストールの再開」を参照してください。
問題が識別されると、ポップアップ・ウィンドウが表示されます。

問題を解決した後、「Validate System Configuration」画面で「Next」をクリックしてインストールを続行します。
インストールの開始
「Component Installation Review」画面では、ウィザードで入力したシステム・パラメータに基づいて、Rapid Installによりインストールされるコンポーネントが表示されます。

「Next」をクリックします。警告画面が表示され、インストールを開始する準備ができたかどうか確認するよう要求されます。「Yes」をクリックします。

インストール進行状況のモニター
進捗バーのチェック
インストール中に、Rapid Installにメインの進捗バーと個々の進捗バーが表示されます。メインの進捗バーにはインストール全体の完了パーセントが表示されます。個々の進捗バーには各ステップの進行状況が表示されます。画面上からすべての進捗バーが消えるまで、インストールは完了しません。

インストール・プロセスが完了前に異常終了した場合は、問題を解決した後で再開して続行できます。
rapidwizコマンドに-restartオプションを追加してRapid Installウィザードを再実行します。
Rapid Installの初期画面が表示されたときに開始時と同じ操作を選択し、「Next」をクリックします。
Rapid Installにより構成がアプリケーション・データベース(またはconf_<SID>.txtファイル)に格納されているため、「Load the following saved configuration」を選択します。これにより、各ウィザード画面を2度完了せずにすみます。構成の詳細を受け入れるか指定して「Next」をクリックします。

インストールの続行
Rapid Installでは、インストール済コンポーネントは省略され、前回終了した箇所から自動的にインストールが始まります。前回完了している処理は、Rapid Installウィザードによって追加で実行することが何もないと判断されると、始まってすぐに終了します。
注意: プロセスを再開する前にすでにデータベースのインストールが完了している場合は、検証による警告(ポートが使用中など)が表示される場合があります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。
インストール後のテストの確認
インストールの完了後、Rapid Installによりインストール済のアプリケーション環境が自動的に検証されます。テストには、データベースの可用性、環境ファイルが適切に構成済かどうか、およびリスナーが機能しているかどうかが含まれます。

インストール後のテストは次のとおりです。
Rapid Installで完了したテストの情報を確認します。
「!」または「x」アイコンがある場合、そのアイコンをクリックすると詳細が表示されます。失敗したチェックがある場合、Rapid Installログ・ファイルを参照して失敗した理由を判断し、次に進む前にそれぞれの問題を解決します。エラーを修正したときに、「Retry」をクリックしてインストール後の検証を再度実行します。
エラーがない場合は「Next」をクリックします。
「Finish」画面では、Rapid Installによりインストールされたコンポーネントが通知されます。

「Post-install Checks」画面を確認する場合は、「Back」をクリックします。 ここでOracle Applicationsにログオンする場合は、「Connect to Oracle Applications Release 12」をクリックしてOracle Applicationsのログイン・ページにアクセスします。それ以外の場合は、「Finish」をクリックしてRapid Installセッションを完了します。
注意: 詳細は、「終了タスク」の「Oracle Applicationsへのログオン」を参照してください。
簡易インストールでは、完全に構成されたシングルユーザー/シングルマシン・システムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。データベースのタイプと名前、最上位インストール・ディレクトリおよびポートの増分など、基本構成パラメータを指定します。残りのディレクトリおよびマウント・ポイントは、Rapid Installによりデフォルト値を使用して指定されます。
このタイプのインストールには、一連のコアアプリケーション製品が(デフォルトで)含まれます。 また、US7ASCIIキャラクタ・セット(フレッシュ・インストールの場合)およびUTF8キャラクタ・セット(Vision Demoインストールの場合)も、データベースとAPPL_TOPの両方に含まれます。License Managerを使用することで、インストールの完了後に追加製品を(ユーザーのOracleライセンス契約に従って)簡単に登録できます。ただし、キャラクタ・セットの切替えには時間がかかるため、できるかぎり切り替えないことをお薦めします。
注意: 詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - メンテナンス』のLicense Managerに関する項を参照してください。
Rapid Installの起動
「Select Wizard Operation」画面で、「Install Oracle Applications Release 12」を選択して「Use Express Install」チェック・ボックスを選択します。

「Next」をクリックして続行します。
Oracle Configuration Managerオプションの選択
Oracle Configuration Manager(OCM)は、Oracle製品のサポートを容易にするように設計されたオプション・コンポーネントです。OCMの初期画面は、Rapid Installの実行中に表示されます。「Accept」をクリックしてOCMの配置に進むか、「Decline」をクリックしてOCMの配置を拒否する必要があります。
重要: Oracle Configuration Managerを使用することをお薦めしますが、必須ではありません。「Decline」を選択した場合は、単にRapid Installが続行されます。
OCMにより、OracleおよびOracleを実行中のマシンの主要な統計が継続的に記録されます。Configuration Managerにより収集されたデータは、セキュアHTTPSを介してOracleサポートに送信され、Oracleサポートはデータに基づいてOracleインスタンスの更新後のビューを保守できます。
OCMは最小限のCPUリソースを消費する軽量エージェントであり、インストール済コンポーネントおよび構成情報の自動検出をサポートしているため、サポート関連事項の解決所要時間が短縮され、事前の問題回避が容易になります。
注意: OCMの詳細は、OracleMetaLinkにログオンし、「Oracle Configuration Manager」タブと「Download Collector」を順番に選択し、「Before Getting Started」という見出しの下のリンクを参照してください。

Oracle推奨オプションである「Accept」を選択すると、OCM画面が表示されます。

この画面で、顧客サポート識別子(CSI)、OracleMetaLinkアカウントの詳細および国名を入力するように要求されます。必要に応じて、Oracle Configuration Manager用にプロキシ・サーバーを使用可能にできます。このオプションを選択した場合は、使用するサーバー名とポート番号を指定する必要があります。
構成値の入力
「Express Configuration Information」画面では、最小限の構成値の入力を求めるプロンプトが表示されます。「Domain」を除く全フィールドにはデフォルト値があります。
Windowsのサンプル画面を次に示します。

「Database Type」フィールドで、ドロップダウン・リストを使用してVision Demoデータベースまたはフレッシュ・データベースを選択してから、「Database SID」フィールドでVISを受け入れるか別の名前を入力します。Windowsの場合(前述の例を参照)、「UNIX Toolkit directory」および「Visual Studio directory」にパスを入力するか、「Browse」をクリックして各ディレクトリに必要なパスにナビゲートします。UNIXシステムの場合は、DISPLAY環境変数をアクティブな許可を受けたディスプレイに設定する必要があります。
「Domain」フィールドに、ホスト(マシン)名と組み合せた場合に完全修飾ドメイン名(FQDN)となる値を入力します。たとえば、ホスト名がapps1でドメイン名がcompany.comであれば、FQDNはapps1.company.comとなります。
「Base directory」フィールドでは、データベース・ノードおよびすべてのアプリケーション・ノードの導出マウント・ポイントを作成する際にRapid Installで使用する、最上位ディレクトリのパスを入力します。または、「Browse」をクリックして目的のパスにナビゲートします。
「Port Pool」設定のデフォルト値は0(ゼロ)ですが、「Port Pool」フィールドのドロップダウン・リストから別の値を選択することでカスタマイズできます。ポート・プールの選択項目は100個あり、増分「3」を選択すると、デフォルト値は3だけ増分されます。「Database Port」(1521)は1524、「RPC Port」(1626)は1629、のようになります。
注意: この画面のフィールドの詳細は、「構成の詳細」の「ノード固有の構成情報」を参照してください。
「Next」をクリックして続行します。
インストール・プロセスの起動
Rapid Installでは、インストール前テストが実行時に表示されます。テストが完了すると、「Pre-Install Checks」画面が表示されます。

「!」(感嘆符)または「x」アイコンがある場合、そのアイコンをクリックすると、チェック・プロセスで格納された詳細が表示されます。たとえば、「File Space」の横に感嘆符アイコンがある場合は、それをクリックすると次のような画面を表示できます。

修正が必要な問題を解決し、「OK」をクリックして「Pre-Install Checks」画面に戻ります。
フラグ付きの問題を修正せずにインストールを続行すると決定した場合は、「Next」をクリックしたときに次の警告が表示されます。

「Yes」をクリックして続行するか、「No」をクリックしてインストールを停止します。「No」をクリックした場合、適切な画面に戻り、不正または互換性のないパラメータを再入力する必要があります。前の画面に戻るには「Back」をクリックします。
インストールの続行
簡易インストールのRapid Installフローの残りの画面は、標準インストールの場合と同じです。
インストールの完了後は、すべてのユーザーに必要な完了ステップと、特定のタイプのインストールに必要な完了ステップがあります。たとえば、ユーザーはすべてクライアント・ソフトウェアを構成する必要がありますが、一部のユーザーはNLSサポートの設定も必要となる場合があります。「終了タスク」に進み、ユーザーのシステムに適用されるタスクを実行します。