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Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - メンテナンス
リリース12
E05662-01
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ユーザー・プロファイル

ユーザー・プロファイル設定の概要

プロファイルとは、アプリケーションの外観と動作に影響する変更可能なオプション・セットです。システム管理者は、ユーザー・プロファイル・オプションを必要な値に設定してOracle Applicationsの動作を制御します。ユーザー・プロファイル・オプションは、その定義に応じてサイト、アプリケーション、職責、ユーザー、サーバーおよび組織など、様々なレベルで設定できます。

主機能

プロファイル階層

プロファイル・オプションは、階層タイプに応じて1つまたは複数のレベルで設定できます。ほとんどのプロファイル・オプションでは「セキュリティ」階層タイプを使用し、「サイト」(最下位レベル)、「アプリケーション」、「職責」、「ユーザー」(最高位レベル)の4つのレベルで設定できます。

注意: 上位レベル・オプションの値は、下位レベルの値よりも優先されます。

階層タイプ

階層タイプにより、システム管理者がビジネス・ニーズやインストールのニーズに従ってプロファイル・オプションをグループ化して設定できます。

階層タイプには「セキュリティ」、「組織」、「サーバー」および「サーバー+職責」があります。

セキュリティ

セキュリティはデフォルトの階層タイプです。この階層タイプを使用するプロファイルは、サイト - アプリケーション - 職責 - ユーザーという階層に従います。

注意: 階層タイプが導入される前に存在していたほとんどのプロファイル・オプションには、「セキュリティ」が使用されます。

組織

組織は営業単位を指します。たとえば、各組織のユーザーは特定のプロファイル・オプションについて所属組織に応じて異なる値を必要とする場合がありますが、同じ組織内のユーザーは同じ値を使用します。「組織」階層タイプを使用すると、システム管理者はプロファイル・オプションを組織レベルで設定できます。これにより、その組織のユーザー全員が組織レベルで設定されたプロファイル・オプション値を使用することになります。この階層タイプを使用するプロファイルは、サイト - 組織 - ユーザーという階層に従います。

サーバー

「サーバー」階層タイプは、ユーザー・セッションを実行中の中間層サーバーをシステムで判別する必要がある場合に使用されます。たとえば、「サーバー」タイプを使用してプロファイル「アプリケーションWebエージェント」を定義できます。このプロファイル・オプションには、内部サーバーと外部サーバーで異なる値を設定できます。このプロファイル・オプションの値と比較してCookieを検証できます。この階層タイプを使用するプロファイルは、サイト - サーバー - ユーザーという階層に従います。

サーバー+職責

「サーバー+職責」階層タイプでは、サーバーと職責の特定の組合せに対して別個のプロファイル値を設定できます。使用するプロファイル値の評価時には、すべてのレベルの中で最も一致する値が選択されます。すべてのレベルにおいて、そのレベルで他に一致する値が見つからない場合は、特別なデフォルト値が選択されます。

職責またはサーバーのいずれか、あるいはその両方に固有の値またはデフォルト値を指定できます。デフォルトの一致を評価するために、サーバーは最下位レベルにあって、職責よりもマッチ率が低いとみなされます。

この「サーバー+職責」レベルでプロファイル値を評価する場合、最初に職責とサーバー両方のレベルと最も一致する値が検索されます。このような値が見つからない場合、マッチ率の低い職責とサーバー・レベルのデフォルト値が検索されます。このような値が見つからない場合、次にマッチ率の低いサーバーと職責レベルのデフォルト値が検索されます。このような値も見つからない場合、階層の上位のサイト・レベルで検索が続けられます。

次の表は、この階層を使用してプロファイル値を設定する方法を示しています(("-"はデフォルト値を示します)。

レベル 職責 サーバー プロファイル値
サイト     A
サーバー+職責 システム管理者 外部 B
サーバー+職責 - 外部 C
サーバー+職責 - 内部 D
サーバー+職責 システム管理者 - E
サーバー+職責 一般会計スーパーユーザー - F
ユーザー Joe Smith - G

次の表は、所定のコンテキストで使用されるプロファイル値を示しています。

サーバー 職責 ユーザー プロファイル値 説明
外部 システム管理者 Joe Smith G ユーザーの一致
外部 システム管理者 Yali Xu B 職責およびサーバーの一致
外部 人事マネージャ Yali Xu C サーバーの一致
内部 システム管理者 Yali Xu E 職責の一致
カスタム 人事マネージャ Yali Xu A 一致なし。サイト・レベルの値を使用

プロファイル・オプションの設定

システム管理者は、「プロファイル値の定義」ウィンドウを使用してユーザー・コミュニティのプロファイル・オプションを設定できます。ユーザー・プロファイル・オプションの値を変更すると、変更内容はユーザーが再びログオンするか職責を変更した後に有効になります。

Oracle Applications Managerを使用してサイトレベルのプロファイル・オプションを設定する方法も表示できます(「Site Map」>「Monitoring」タブ)。

ユーザー・プロファイルの設定時に、ユーザー、職責、アプリケーションまたはサイトを記述する標準情報(プリンタなど)をOracle Applicationsに提供します。ユーザー・プロファイル・オプションの値は、各プロファイル・レベルで設定できます。

次に、「セキュリティ」、「組織」、および「サーバー」の各階層タイプでオプション設定がどのように使用されるかについて説明します。

レベル オプション設定
サイト インストール・サイトのすべてのユーザー
アプリケーション アプリケーションに関連付けられている任意の職責のすべてのユーザー
職責 職責で現在サインオンされているすべてのユーザー
ユーザー アプリケーションのユーザー名によって識別される個別ユーザー
サーバー 個別ユーザー
組織 特定の組織

各レベルで設定する値は、各ユーザーのプロファイル・オプションのランタイム値を提供します。オプションのランタイム値は、そのオプションの最上位レベルの設定です。

プロファイル・オプションを複数のレベルで設定できる場合の優先度は、最下位から順にサイト、アプリケーション、職責となり、最上位がユーザーです。サイト・レベルで入力された値は、他のレベルで入力された値により上書きされます。ユーザー・レベルで入力された値は最上位の優先度を持ち、他のレベルで入力された値を上書きします。

たとえば、プリンタ・オプションがサイト・レベルと職責レベルでのみ設定されているとします。そのユーザーがログオンすると、プリンタ・オプションでは職責レベルで設定された値が最上位レベルの設定であるため、その値が想定されます。

「サーバー+職責」階層タイプの場合、オプションの設定はサーバーと職責の特定の組合せに関係します。最初に、職責とサーバーの両方と最も一致する値が検索されます。このような値が見つからない場合、職責と一致するプロファイル・オプション値とサーバーのデフォルト値が検索されます。このような値が見つからない場合、次にサーバーと一致するプロファイル・オプション値と職責のデフォルト値が検索されます。このような値も見つからない場合は、階層の上位のサイト・レベルでプロファイル・オプション値の検索が続けられます。

ヒント: システム管理者は、Oracle Applicationsのインストール後に、サイト・レベルのオプション値を設定してから他の3レベルの値を指定する必要があります。サイト・レベルで指定したオプション値は、オプション値を他のレベルで指定するまでデフォルトとして機能します。

アプリケーション・ユーザーは「個別プロファイル値」ウィンドウを使用して、独自の個別プロファイル・オプションをユーザー・レベルで設定できます。すべてのプロファイル・オプションがユーザーにとって参照可能ではなく、参照可能な場合にもエンド・ユーザーが更新できないプロファイル・オプションがあります。

ヒント: NULL値の表示が旧リリースから変更されました。NULL値がデータベースに存在する場合、「個別プロファイル」ウィンドウのデフォルト値列にNULL値は表示されなくなりました。「検査」ウィンドウでは、NULLデータベース値は表示されず、かわりに下位レベルで設定された値が表示されます。特定レベルで非NULL値が設定されていない場合、値がないことを示すメッセージが表示されます。

他のOracle Applicationsの機能でのプロファイル・オプションの使用

プロファイル・オプション設定は、次のフォームでコンカレント・プログラムのパラメータまたはフレックスフィールド・セグメントのデフォルト値として使用できます。

プロファイル・オプションの設定をデフォルト値として使用するには、フォームの「デフォルト・タイプ」フィールドに移動して「プロフィール」を選択します。次に、「デフォルト値」フィールドにプロファイル・オプションの内部名を入力します。

プロファイル・オプションは値セット定義でも使用できます。『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』の値および値セットの概要に関する項を参照してください。

ユーザー・プロファイル・オプションの例

買掛管理部門が最近プリンタを購入したため、この部門からのレポートをすべて新規プリンタで印刷するとします。この場合は、単にOracle Payablesの「プリンタ」プロファイル・オプションを変更し、新規プリンタの購入を反映させます。

ヒント: この例では、デフォルトのプロファイル・オプションの重要性を強調します。Oracle Payablesのアプリケーション・ユーザーまたはOracle Payablesに関連付けられている職責に「プリンタ」プロファイル・オプションの値が指定されている場合は、その値によりアプリケーション・レベルで設定した値が上書きされます。最初に、サイト・レベルでユーザー・プロファイル・オプションを設定してから、必要に応じて階層を上位に遡って他のレベルで作業することをお薦めします。あるレベルで設定されていないユーザー・プロファイル・オプションは、次の下位レベルで設定されているユーザー・プロファイル・オプションにデフォルト設定されます。

プロファイル・カテゴリ

プロファイルは、それぞれの機能領域に基づいてカテゴリにグループ化できます。管理者はプロファイルを分類することにより、プロファイルを表示または更新する必要がある場合に、プロファイルのHTMLベースのページでカテゴリ別に容易にプロファイルを検索できます。

プロファイル・カテゴリ検索ページ

プロファイル・カテゴリ検索ページで、次の条件に基づいて検索を行うことができます。

プロファイル・カテゴリの作成

プロファイル・カテゴリの作成では、名称、コード、所有アプリケーション、および説明を入力します。その後、プロファイルをカテゴリに追加します。

プロファイル・カテゴリの作成後は、これをコピー、更新、または削除できます。

ユーザー・プロファイル・オプション値レポート

このレポートには、ユーザー・プロファイル・オプションの設定が表示されます。このレポートは、複数の職責、ユーザーまたは各種アプリケーションについて様々なプロファイル・オプション値を定義する際に使用します。

レポート・パラメータ

プロファイル・オプション名

レポートに値を表示するプロファイル・オプションの名称を選択します。プロファイル・オプション名を選択しない場合、すべてのプロファイル・オプションが表示されます。

ユーザー

レポートにプロファイル・オプションを表示するユーザーの氏名を選択します。

アプリケーション短縮名

レポートにプロファイル・オプション値を表示するアプリケーションの名称を選択します。

職責名

レポートにプロファイル・オプション値を表示する職責の名称を選択します。

レポート・ヘッダー

レポート・ヘッダーには、指定されたレポート・パラメータおよびレポートの内容の概要が表示されます。

プロファイル値の定義

本文の説明内容に関するイメージ

「プロファイル」ページでは「サイト」および「値のないプロファイル」チェック・ボックスがデフォルトで選択されています。このため、プロファイル・オプションが選択されている場合、検索を実行すると、サイト・レベルでのみ定義された値が表示されます。すべてのレベルで定義された値を表示するには、プロファイル・オプションを選択して検索を実行する前に、これらのチェック・ボックスの選択を解除する必要があります。

任意のレベルでプロファイル・オプションの値を定義するには、そのプロファイル・オプションを選択して「プロファイル値の定義」をクリックします。これにより、「プロファイル値の定義」ページにナビゲートされ、このページのサブタブで関連するすべてのレベルの値を追加できます。