1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
新しいシステムへの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアのインストール
Logical Domains Manager のダウンロード
Logical Domains Manager のインストール
Logical Domains Manager ソフトウェアの自動的なインストール
JumpStart を使用した Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアのインストール
Logical Domains Manager ソフトウェアの手動によるインストール
Logical Domains Manager デーモンの有効化
Logical Domains Manager デーモンを有効にする
Oracle VM Server for SPARC をすでに使用しているシステムのアップグレード
Logical Domains の制約データベースファイルの保存および復元
Live Upgrade を使用する場合の Logical Domains の制約データベースファイルの保持
Oracle Solaris 10 5/08 OS より前の Oracle Solaris 10 OS からのアップグレード
Logical Domains Manager およびシステムファームウェアのアップグレード
プラットフォーム上で動作している制御ドメイン以外のすべてのドメインを停止する
出荷時デフォルト構成と Logical Domains の無効化
Logical Domains Manager を無効にする
A. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
B. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant
C. Logical Domains Manager の検出
D. Logical Domains Manager での XML インタフェースの使用
この節では、Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアをすでに使用しているシステムで Oracle Solaris OS、ファームウェア、および Logical Domains Manager コンポーネントをアップグ レードするプロセスについて説明します。
使用しているシステムですでに Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアが構成されている場合は、その制御ドメインをアップグレードする必要があります。Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアのすべての機能を使用可能にする場合は、その他の既存のドメインもアップグレードする必要があります。
このバージョンの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアで使用する必要のある Oracle Solaris 10 OS、および各種ドメインの必須パッチと推奨されるパッチを調べるには、「Required Software and Patches」 in 『Oracle VM Server for SPARC 2.0 Release Notes 』を参照してください。Oracle Solaris OS をアップグレードする詳細な手順については、Oracle Solaris 10 のインストールマニュアルを参照してください。
制御ドメインで Oracle Solaris OS を再インストールする場合は、この節に示すとおり、Logical Domains の自動保存構成データおよび制約データベースファイルを保存し復元する必要があります。
Logical Domains 1.2 リリース以降では、制御ドメインでオペレーティングシステムを再インストールする前に、自動保存構成ディレクトリを保存し復元することができます。制御ドメインでオペレーティングシステムを再インストールするたびに、Logical Domains の自動保存構成データを保存し復元する必要があります。このデータは、/var/opt/SUNWldm/autosave-autosave-name ディレクトリに格納されています。
tar または cpio コマンドを使用して、ディレクトリのすべての内容を保存および復元できます。
注 - 各自動保存ディレクトリには、関連する構成の前回の SP 構成更新のタイムスタンプが含まれています。自動保存ファイルを復元すると、タイムスタンプが同期しなくなることがあります。この場合、復元された自動保存構成は、以前の状態 ([newer] または最新) で表示されます。
自動保存構成の詳細は、「Logical Domains 構成の管理」 を参照してください。
この手順は、自動保存ディレクトリを保存および復元する方法を示します。
# cd / # tar -cvpf autosave.tar var/opt/SUNWldm/autosave-*
自動保存ディレクトリには、以前の構成によって残されたファイルなどの不要なファイルが含まれていることがあります。このようなファイルは、SP にダウンロードされた構成を破壊することがあります。このような場合、この例に示すとおり、復元操作の前に自動保存ディレクトリを削除します。
# cd / # rm -rf var/opt/SUNWldm/autosave-*
これらのコマンドは、/var/opt/SUNWldm ディレクトリ内のファイルおよびディレクトリを復元します。
# cd / # tar -xvpf autosave.tar
制御ドメインでオペレーティングシステムをアップグレードするたびに、/var/opt/SUNWldm/ldom-db.xml で参照できる Logical Domains の制約データベースファイルを保存し復元する必要があります。
注 - また、ディスクスワップなど、制御ドメインのファイルデータを破損するその他の操作を行うときは、/var/opt/SUNWldm/ldom-db.xml ファイルも保存および復元します。
制御ドメインで Live Upgrade を使用する場合は、/etc/lu/synclist ファイルに次の行を追加することを検討してください。
/var/opt/SUNWldm/ldom-db.xml OVERWRITE
これによって、データベースがアクティブなブート環境から新しいブート環境に自動的にコピーされます。/etc/lu/synclistと、ブート環境間でのファイルの同期については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の「ブート環境間でのファイルの同期」を参照してください。
制御ドメインで Oracle Solaris 10 5/08 OS より前のバージョンの Oracle Solaris 10 OS (またはパッチ 127127-11 が適用されていない Oracle Solaris 10 OS) からのアップグレードを行う場合、およびボリュームマネージャーのボリュームが仮想ディスクとしてエクスポートされている場合は、Logical Domains Manager をアップグレードしたあとに、options=slice を指定して仮想ディスクバックエンドを再エクスポートする必要があります。詳細は、「ボリュームのエクスポートおよび下位互換性」 を参照してください。
この節では、Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアにアップグレードする方法について説明します。
最初に Logical Domains Manager を制御ドメインにダウンロードします。「Logical Domains Manager のダウンロード」 を参照してください。
次に、プラットフォーム上で動作している制御ドメイン以外のすべてのドメインを停止します。
primary# ldm stop-domain -a
primary# ldm unbind-domain ldom
この節では、Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアにアップグレードする方法について説明します。
Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアで既存の Logical Domains 1.0 構成を使用する場合は、「Upgrade From Logical Domains 1.0 Software Only」 in 『Oracle VM Server for SPARC 2.0 Release Notes 』の手順を実行してください。既存の Logical Domains 1.0 の設定は、Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアでは機能しません。
より新しいバージョンの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアからアップグレードする場合は、「Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアにアップグレードする」の手順を実行してください。このような既存の Logical Domains の設定は、Oracle VM Server for SPARC 2.0 ソフトウェアでも機能します。
手順全体については、「システムファームウェアをアップグレードする」を参照してください。
# svcadm disable ldmd
# pkgrm SUNWldm
-d オプションの指定は、パッケージが現在のディレクトリに存在することを前提としています。
# pkgadd -Gd . SUNWldm
ldm list コマンドを実行すると、システム上で現在定義されているすべてのドメインが一覧表示されます。特に、primary ドメインが表示され、状態が active になっているはずです。次のサンプル出力は、システム上に primary ドメインのみが定義されていることを示します。
# ldm list NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME primary active ---c- SP 32 3264M 0.3% 19d 9m