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Oracle® JRockitの紹介
リリースR28
B61437-02
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1 Oracle JRockit JDKについて

Oracle JRockitには、Javaアプリケーションを開発および実行するためのツール、ユーティリティおよび完全なランタイム環境が用意されています。JRockit JVMには、Intelアーキテクチャ向けに開発および最適化されたOracle JRockit JVMが含まれており、Javaアプリケーションのための信頼性、スケーラビリティおよび管理性を確保しています。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 JRockit JVMとは

JRockit JVMは、Javaアプリケーションの信頼性、スケーラビリティ、管理容易性、および柔軟性を保証するために開発された高性能JVMです。JRockit JVMは、Intel 32ビット(Xeon)および64ビット(XeonおよびSPARC)アーキテクチャ上にデプロイされたJavaアプリケーションにおけるパフォーマンスの向上を低コストで実現します。また、Intelアーキテクチャ用に最適化された唯一のエンタープライズ・クラスのJVMであり、複数のハードウェアとオペレーティングシステム構成にわたって、シームレスな相互運用性を提供します。JRockit JVMを使用すると、WindowsおよびLinuxオペレーティング・システム(32ビットおよび64ビットの両方のアーキテクチャ)におけるJavaアプリケーションの最適な実行が可能になります。JRockit JVMは特にOracle WebLogic Serverの実行に適しています。

JVMの詳細は、次の場所にある「The Java Virtual Machine Specification」を参照してください。http://java.sun.com/docs/books/jvms/second_edition/html/VMSpecTOC.doc.html

Oracle JRockit JDKについて

JRockit JVMは、JRockit JDKのコンポーネントの1つです。JRockit JVMの他に、JDKにはJava Runtime Environment (JRE)が含まれています。JREにはJavaクラス・ライブラリ(Java Platform, Standard Edition 6 API仕様で規定)と、コンパイラなどの一連の開発ツールが含まれています。

JRockit JDKの内容については、1.6項「JRockit JDKインストールの内容」を参照してください。

1.2 JRockit JDKのリリース番号表記

どのJRockit JVMリリースにも、複数のJavaバージョンとの組合せがあります。たとえば、JRockit JVM R28.0にも、Java SEバージョン5.0および6との組合せがあります。1つのJavaバージョンは複数のJRockit JVMリリースに対応します。

JRockit JDKのリリース番号は次の要素で構成されています。

たとえば、Oracle JRockit JDK 6 R28.0.0はJava SE 6とともに使用されるJRockit JVMの28.0.0リリース、Oracle JRockit JDK 5.0 R28.0.0はJ2SE 5.0とともに使用されるJRockit JVMの28.0.0リリースを表します。

完全なリリース番号は次のようになります。

R28.0.0-637-126675-1.6.0_17-20100111-2121-windows-ia32

この例では、R28.0.0はJRockit JVMリリースを、1.6.0_01はJavaバージョンを、windows-ia32はこのリリースを実行するプラットフォームを表します。

1.3 Oracle JRockit JDKでサポート対象の構成

Oracle JRockit JDKはJ2SE 5.0およびJava SE 6と互換性があります。

JRockit JDKでサポートされているプロセッサ・タイプおよびオペレーティング・システムの詳細なリストについては、Oracle JRockit JDKのサポートされる構成(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html)を参照してください。

1.4 サポートおよびエラー修正ポリシー

Oracle Fusion Middlewareに対するOracle Lifetime Support Policyは次の場所で参照できます。http://www.oracle.com/support/library/brochure/lifetime-support-middleware.pdf

Software Error Correction Policyはサポート・ノートID 950131.1で参照できます。

1.5 JRockit JDKとHotSpotの互換性

Java API

Java APIはすべて、Javaの互換性規定(http://java.sun.com/javase/6/webnotes/compatibility.html)に準拠します。

独自開発のJRockit JVM API

コマンドライン・オプション

1.6 JRockit JDKインストールの内容

JRockit JDKは、JRockit JVMに新しいJREがあることを除いて、ファイル・レイアウトがHotSpot JDKと似ています。JRockit JDKのクラス・ライブラリの動作はすべてHotSpot JDKと同じです。

表1-1にJRockit JDKインストールのディレクトリの内容を示します。

表1-1 JRockit JDKインストールの内容

ディレクトリ 目次

bin

binディレクトリには、Javaプログラミング言語で記述されたプログラムの開発、実行、デバッグおよび文書化に役立つ開発ツールとユーティリティが含まれています。

JRockit JDKには、通常のJava JDKで配布される標準ツールが含まれています。このツールのほとんどがJavaの開発プロジェクトで機能的に動作しますが、その他のサードパーティのツール、コンパイラ、デバッガ、IDEなどもユーザーの状況に合せて自由に使用できます。

JRockit JDKに含まれるツールは次のとおりです。

  • javacコンパイラ

  • jdbデバッガ

  • javadoc(JVM APIのHTML形式のドキュメントを作成するために使用されます)

これらのツールの詳細は、http://java.sun.com/にあるドキュメントを参照してください。

demo

demoディレクトリには、JRockit JDKのインストールに含まれているライブラリの使用に関するデモが含まれています。

include

includeディレクトリには、Java Native Interface (JNI)およびJava Virtual Machine Tools Interface (JVMTI)と、Java SEプラットフォームのその他の機能を使用したネイティブ・コード・プログラミングをサポートするヘッダー・ファイルが含まれています。

jre

jreディレクトリには、Java実行時環境のJRockit JVMの実装が含まれます。実行時環境には、Javaプログラムの実行をサポートするJRockit JVM、クラス・ライブラリおよびその他のファイルが含まれています。

Java仮想マシン(JVM): このドキュメントの説明においては、JVMはJRockit JVMを指します。

Java SE JREの標準機能: JREには、JRockit JDK固有のJREコンポーネントだけでなく、HotSpotによるJRE実装のコンポーネントも含まれています。Java SE JREの標準機能の詳細なリストについては、次のドキュメントを参照してください。

JREクラス・ファイルに関する注意点: JRockit JDKとともに配布されるJREクラス・ファイルは、少数のファイルを除いてHotSpot JDKのJREクラス・ファイルと同じです。それらの例外的なファイルはJVMと密接に関連しているため、JRockit JDK内でオーバーライドされています。削除されたクラスはありません。

lib

libディレクトリには、開発ツールで必要な追加のクラス・ライブラリとサポート・ファイルが含まれています。

sample

sampleディレクトリには、Javaで記述された簡単なNIOベースのHTTP/HTTPSサーバーのソース・ファイルがあります。このサーバーはJava 2プラットフォームのいくつかの機能を例示するために記述されました。このデモは詳細なチュートリアルではないため、内容に関する若干の知識を前提としています。


1.7 JRockit JVMのコマンドライン・オプション

JRockit JVMの構成パラメータとチューニング・パラメータは、特定のコマンドライン・オプションを使用して設定されます。このオプションは起動コマンドとともに入力するか、起動スクリプトに含めることができます。

詳細は、『Oracle JRockitコマンドライン・リファレンス』を参照してください。