ヘッダーをスキップ
Oracle® JRockitコマンドライン・リファレンス
リリースR28
B61441-03
  目次へ移動
目次

前
 
次
 

5 診断コマンド

この章では、実行中のOracle JRockit JVMプロセスに送信できるすべての診断コマンドをアルファベット順に示します。

JVMプロセスへの診断コマンドの送信方法の詳細は、『Oracle JRockit JDKツール・ガイド』の「診断コマンドの実行」を参照してください。

この章では、次の診断コマンドおよびその属性について説明します。

5.1 check_flightrecording

このコマンドは、Oracle JRockitフライト・レコーダと関連付けられています。フライト記録のステータスに関する情報を出力します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
name 文字列としての記録識別子。このパラメータを使用する場合は、recordingの値を指定する必要はありません。
recording 数値としての記録識別子。このパラメータを使用する場合は、nameの値を指定する必要はありません。
verbose 冗長出力を有効にするかどうかを指定します。

デフォルト値はfalseです。


5.2 command_line

このコマンドは、JRockit JVMの起動に使用するコマンドライン・オプションを出力します。

5.3 dump_flightrecording

このコマンドは、Oracle JRockitフライト・レコーダと関連付けられています。実行中のフライト・レコーダ記録をダンプします。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
name 文字列としての記録識別子。このパラメータを使用する場合は、recordingの値を指定する必要はありません。
recording 数値としての記録識別子。このパラメータを使用する場合は、nameの値を指定する必要はありません。
copy_to_file 記録データをコピーする宛先のファイル名を指定します。
compress_copy GZipを使用してcopy_to_fileの場所にファイルを圧縮します。デフォルト値はfalseです。

5.4 exception_trace_filter

このコマンドは、指定した例外タイプに基づいて例外ロギングおよびJRockitフライト・レコード例外イベントをフィルタ処理します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
pattern 例外タイプを文字列として指定します。次に例を示します。

jrcmd <pid> exception_trace_filter pattern=java.lang.Exception


5.5 force_crash

Oracle JRockit JVMで、プロセスが失敗してコア・ファイルが作成されるコードを強制的に実行します。

このコマンドは使用すると重大な影響があるため、デフォルトでは有効ではありません。このコマンドは、JVMの完全な状態の取得を必要とする問題を診断する場合のみ使用してください。コマンドの実行を有効にするには、-Djrockit.ctrlbreak.enableforce_crash=trueと指定してJRockitを起動します。

5.6 heap_diagnostics

このコマンドは、ヒープ診断レポートを出力します(『Oracle JRockitコマンドライン・リファレンス』-XX:HeapDiagnosticsOnOutOfMemoryErrorに関する項も参照)。このコマンドではCtrl-Breakハンドラの出力ストリームに出力が送信され、-XX:HeapDiagnosticsPathオプションで指定されたパスには送信されません。

5.7 help

このコマンドは、特定のコマンドまたはすべてのコマンドに関する追加情報を表示します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
all すべてのコマンドのヘルプを表示します。デフォルトはfalseです。この引数はオプションです。
command 指定したコマンドのヘルプを表示します。この引数は省略可能です。指定しない場合、コマンドでは使用可能なコマンドのリストが表示されます。

5.8 hprofdump

このコマンドはJavaヒープのHPROF形式のダンプを生成します。

形式

hprofdump [filename=<file>] [segment_threshold] [segment_size]

このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
filename ダンプを書き込む先のファイルの名前を設定します。ファイル名を指定しない場合、コマンドでは-XX:HeapDumpPathコマンドライン・オプションで指定された値が使用されます。
segment_threshold ヒープ使用量の境界を設定します。この値を上回ると、JVMでセグメント化されたヒープ・ダンプ(JAVA PROFILE 1.0.2形式)の生成が開始されます。セグメントしきい値を指定しない場合、『Oracle JRockitコマンドライン・リファレンス』の説明のとおり、コマンドではデフォルト値の-XX:SegmentedHeapDumpThresholdが使用されます。
segment_size セグメント・サイズの上限を概数で設定します。セグメント化されたヒープ・ダンプの生成はこのサイズまでに制限されます。segment_sizeを指定しない場合、『Oracle JRockitコマンドライン・リファレンス』の説明のとおり、このコマンドでは-XX:HeapDumpSegmentSizeに設定されたデフォルト値が使用されます。

5.9 kill_management_server

このコマンドは、リスニング・ソケットを停止することにより管理サーバーを停止します。このコマンドが機能するためには、managementserver.jarがブート・クラスパス内にある必要があります。

5.10 list_vmflags

このコマンドは、Oracle JRockit JVMのフラグ・オプションとその現在の値をリスト表示します。

  • flag: このフラグのみをリスト表示します。

  • describe: フラグの説明を表示します。

  • alias: フラグ別名を出力します(ある場合)。

  • setonly: 明示的または暗黙的に設定されたフラグのみをリスト表示します。

5.11 lockprofile_print

このコマンドは、ロック・プロファイル・カウンタの現在の値を出力します。ロック・プロファイリングを有効にするには、-XX+UseLockProfilingオプションを使用します。

5.12 lockprofile_reset

このコマンドは、ロック・プロファイル・カウンタの現在の値をリセットします。ロック・プロファイリングを有効にするには、-XX+UseLockProfilingオプションを使用します。

5.13 memleakserver

このコマンドは、メモリー・リーク・サーバーを起動または停止します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
port バインドする宛先のポートを識別します。デフォルト値は7095です。
version 必要なプロトコル・バージョンを識別します。デフォルト値は3です。
action サーバーを起動または停止します。デフォルトは状態の切替えです。
force 処理を強制実行します。デフォルト値はfalseです。

5.14 print_class_summary

このコマンドは、ロードされたすべてのクラスを出力します。

5.15 print_exceptions

このコマンドは、例外の出力を有効または無効にします(『Oracle JRockitコマンドライン・リファレンス』-Xverboseに関する項を参照)。

形式

print_exceptions stacktraces= all|true|false][exceptions= all|true|false]

注意:

例外の出力を完全にオフにするには、stacktraces=trueでオンにした場合でも、exceptions=falseを設定する必要があります。

5.16 print_memusage

このコマンドは、JRockit JVMプロセスで使用されているすべてのメモリーをOSデータごとに出力します。また、各サブシステムによって認識されたメモリー使用量も出力されます。

このコマンドから最も詳細な情報を得るには、ユーザーの環境変数でUSE_OS_MALLOC0に設定します。また、変数TRACE_ALLOC_SITESを有効に(つまり、この変数を1に設定)して割当てサイト追跡をデフォルトで有効にすると、オーバーヘッドは多少増加しますが、すべての割当ての場所に関する情報も受信できます。

形式

print_memusage [baseline] [test] [level=<1 | 2 | 3>] [reset] [displayMap]

print_memusageは、次のいずれかの引数とともに使用します。

引数 説明
baseline メモリー使用量のスナップショットを格納します。
test 格納されたこのベースラインと、以前に格納されたベースラインの違いを出力します。
level 出力する詳細レベルを指定します。レベル1を指定すると、ソース・ファイルのメモリー使用量が出力されます。レベル2を指定すると、それより詳細な情報が出力され、関数名のメモリー使用量が表示されます。レベル3を指定すると、最も詳細な情報が出力され、ソース・コード・レベルでのメモリー使用量統計が表示されます。
reset メモリー使用量統計を出力し、格納されたベースラインを削除します。新規のベースラインが設定されるまでは、print_memusageの結果に違いは生じません。
displayMap 仮想メモリーでメモリー使用量ベースラインを設定します。

5.17 print_object_summary

Oracle JRockit Mission Controlに付属しているメモリー・リーク・ディテクタ・オンライン・ヘルプを参照してください。

5.18 print_threads

通常のスレッド・ダンプを出力します。

形式

print_threads [nativestack= true] [jvmmonitors=true]

このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
compact 同じスタックトレースをまとめてすべてのスレッドを出力します(ネイティブスタックやモニターは出力されません)。デフォルト値はfalseです。
concurrentlocks java.util.concurrentロックを出力します。デフォルト値はfalseです。
internal Oracle JRockit内部スレッドを出力します。デフォルト値はtrue
javastack Javaスタック・フレームを出力します。デフォルト値はfalseです。
jvmmonitors: true JRockit JVM内部のネイティブ・ロック(登録されているもの) : ステータスおよび待機キューを出力します。XX:+UseNativeLockProfilingも指定すると、そのプロファイル統計(acquired/contended/tryfailed)も出力されます。
monitors ロック情報を出力します。デフォルト値はtrue
nativestack: true スタック・トレースにネイティブ・フレームを含めます。デフォルト値はfalseです。

5.19 print_utf8pool

このコマンドは、すべてのUTF8文字列を出力します。

5.20 print_vm_state

このコマンドは、JVMの内部状態に関する情報を出力します。この情報はOracleサポートによるトラブルシューティングに使用可能で、Oracle JRockitの障害レポートに含まれる情報と同じです。

5.21 runsystemgc

このコマンドはjava.lang.System.gc()メソッドを呼び出し、ガベージ・コレクタを実行します。

形式

runsystemgc [full=false] [fullcompact=true]

コマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
full フル・ガベージ・コレクションを実行します。

システムのデフォルト値を継承します(-XXfullSystemGCを参照)。

fullcompact 各フル・ガベージ・コレクション・イベントで完全圧縮を強制的に実行します。デフォルト値はtrue

5.22 set_filename

このコマンドは、後続のすべてのコマンドで出力に使用されるファイルを設定します。1つのファイル内に複数のset_filenameコマンドを指定できます。SIGQUITまたはctrl+break呼出しの場合、デフォルトでは、コマンドはJVMのstderr出力ストリームに出力します。jrcmd呼出しの場合、デフォルトではjrcmdプロセスのstdout出力ストリ-ムに出力されます。append引数は、デフォルトでは上書きするように設定されます。

形式

set_filename [filename=<file>] [append=true]
引数 説明
filename (オプション)出力するファイルの名前を指定します。指定しない場合、JVMはデフォルトの動作にリセットされます。
append (オプション)ファイルに追加するか、それともファイルを上書きするかを指定します。

5.23 start_flightrecording

フライト記録を開始します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
compress: true ディスク上の.jfrファイルにgzipを実行するようにフライト・レコーダに指示します。デフォルト値はfalseです。
defaultrecording: true デフォルトの記録を有効にします。デフォルト値はFALSEです。
delay 記録が開始されるまでの実行時間中の経過時間を設定します。
duration 記録を実行する時間を設定します。
filename フライト記録ログ・ファイルの名前を設定します。このファイルには.jfrという拡張子が付きます。
maxage 時間にバインドされた記録の場合、記録を継続できる最大時間を設定します。この時間を経過すると、記録がスレッド・バッファからグローバル・バッファにフラッシュされます。
maxsize サイズにバインドされた記録の場合、記録の最大サイズを設定します。このサイズを超えると、記録がスレッド・バッファからグローバル・バッファにフラッシュされます。
name 記録識別子を設定します。
settings 記録に使用するイベント設定ファイルを識別します。

5.24 start_management_server

このコマンドは、リスニング・ソケットを起動することにより管理サーバーを起動します。このリスニング・ソケットは、接続が確立されるたびにサーバーを起動します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

引数 説明
none プライベート・インタフェースでパブリッシュされたJMXコネクタを経由するJMXローカル監視を有効にします。このインタフェースは、Attach APIを使用するローカルJMXクライアントで使用されています。
autodiscovery リモートJMXコネクタの自動検出を有効または無効にします。自動検出を有効にすると、Oracle JRockit Mission Controlは、マルチキャスト・ベースのJRockit Discovery Protocol (JDP)を通じて、実行中のJRockit JVMインスタンスを自動的に検出できます。
autodiscovery_name ネットワークで実行中の各種のJRockit JVMインスタンスに関する情報をOracle JRockit Mission Controlが検出できる場所を示す、クラスタおよびノードのパスおよび名前を指定できます。
authenticate 認証を有効または無効にします。このプロパティがfalseに設定されていると、JMXはパスワードを使用しないか、ファイルにアクセスしません。すべてのユーザーがすべてのアクセスを許可されています。
class クラスをロードし、JVM起動時の早い段階でそのクラスの空のコンストラクタを呼び出します。このコンストラクタから、新しいスレッドが起動され、そのスレッドで管理クライアントが実行されます。-Xmanagementのクラス引数の後には、これ以上引数を指定できません。
config_file その他の管理構成プロパティをロードできるファイルの場所を指定します。
interface 接続をリスニングする場所である(管理サーバー側の)ローカル・アドレスを指定します。これは複数のアドレス(ネットワーク・カード)を持つマシンに適用されます。
local ローカルJMXコネクタを有効または無効にします。
port 管理サーバーがリモート・アクセス用に開くポートを指定します。
registry_ssl RMIコネクタ・スタブを、SSLで保護されたRMIレジストリにバインドします。
remote リモートJMXコネクタを有効または無効にします。
rmiserver_port RMIサーバーを、指定したポートにバインドします。
ssl SSL暗号化を有効または無効にします。

このコマンドは-Xmanagementコマンドライン・オプションと同じ役割を果たします。詳細は、『Oracle JRockitコマンドライン・リファレンス』-Xmanagementに関する項を参照してください。

5.25 stop_flightrecording

このコマンドは、処理中のフライト記録を停止します。このコマンドで使用できる引数は次のとおりです。

形式

stop_flightrecording [name=<string>][recording=<s8>] [discard=<true | false>] [copy_to_file=<string>] [compress_copy=<true | false>]
引数 説明
name 文字列としての記録識別子。
recording 数値としての記録識別子。
discard 記録を破棄します。デフォルトはfalseです。
copy_to_file 記録を.jfrファイルに転送します。
compress_copy ディスク上の.jfrファイルにGzipを実行します。

5.26 stop_management_server

このコマンドは、管理サーバーを停止します。

5.27 timestamp

このコマンドは、タイムスタンプ(問合せされたJVMの稼働時間を含む)を出力します。

5.28 verbosity

このコマンドは、通常は-Xverboseで指定される冗長レベルを変更します。

形式

verbosity [args=<components>] [filename=<file>]

5.29 version

このコマンドは、JRockit JVMバージョンを出力します。