この章では、Oracle JRockit JVMで使用可能な(起動コマンドまたは起動オプションとも呼ばれる)コマンドライン・オプションについて説明します。これらのオプションは自己記述型のタグであり、コマンドラインから入力するか、JVMで実行されるアプリケーションの起動スクリプトで指定します。これらのオプションは、JVMのデフォルトの設定をオーバーライドするためや、JVMによるアプリケーションの実行方法を定義するために使われます。たとえば、-Xmx
コマンドライン・オプションを使って最大ヒープ・サイズを設定できます。
コマンドライン・オプションには、ベンダーに関係なくどのJVMにも有効なオプション(標準オプション)と、JVMに固有のオプション(非標準オプション)があります。
この章では、次の節について説明します。
表1-1に、Oracle JRockit JVMで使用できる標準コマンドライン・オプションの一覧を示します。
表1-1 Oracle JRockit JVMで使用できる標準コマンドライン・オプション
オプション(別の指定方法) | 説明 |
---|---|
|
指定したネイティブ・エージェント・ライブラリをロードします。 |
-agentpath:path-to-agent[=options |
指定したパスで位置が示されたネイティブ・エージェント・ライブラリをロードします。 |
-client |
JRockitクライアントJVMを選択します。 |
-javaagent |
Javaプログラミング言語エージェントをロードします( |
-jrockit |
JRockitサーバーJVMを選択します。 これは |
-version |
バージョン情報を表示した後、アプリケーションを終了します。 |
-showversion |
バージョン情報を表示し、アプリケーションを続行します。 |
-verbose:area[,options] |
システムに固有の情報を表示します。 詳細は、「-Xverbose」を参照してください。 |
-cp (-classpath) |
クラス・ファイルを検索するディレクトリ、JARファイルおよびZIPアーカイブのリストを指定します。クラスパスのエントリは、Windowsではセミコロン( |
-ea (-enableassertions) |
アサーションを有効にします。アサーションはデフォルトで無効になっています。 指定する引数によってこのオプションでは、アサーションが有効になる場合、指定したパッケージおよびサブパッケージ内でアサーションが有効になる場合、現在の作業ディレクトリの無名パッケージ内でアサーションが有効になる場合、または指定したクラス内でアサーションが有効になる場合があります。 |
-da (-disableassertions) |
アサーションを無効にします。 指定する引数によってこのオプションでは、アサーションが無効になる場合、指定したパッケージおよびサブパッケージ内でアサーションが無効になる場合、現在の作業ディレクトリの無名パッケージ内でアサーションが無効になる場合、または指定したクラス内でアサーションが無効になる場合があります。 |
-esa (-enablesystemassertions) |
システム・クラスのデフォルトのアサーション・ステータスを |
-dsa (-disablesystemassertions) |
すべてのシステム・クラス内でアサーションを無効にします。 |
これらの標準コマンドライン・オプションの詳細は、次の場所にあるJavaドキュメントを参照してください。
JRockit JVMでは、一連の非標準コマンドライン・オプションを使用してJVMの動作を制御します。これらのオプションは非標準であるため、他のJVMでは機能しません。JVMに固有の非標準オプションを他のJVMで使用すると、誤った結果が返されるか、エラー状態が発生する可能性があります。
JRockit JVMの非標準コマンドライン・オプションは次の2つのグループに分かれます。
-X
コマンドライン・オプション(最もよく使われる非標準オプションです)
-XX
コマンドライン・オプション: 多くが実験的なオプションで、実装には特定のシステム要件があります。
このドキュメントで説明する非標準オプション(第2章「-Xコマンドライン・オプション」と第3章「-XXコマンドライン・オプション」)は、常に変更または非推奨になる可能性があります。
注意: 場合によっては、-D オプション(-Djrockit.lockprofiling=true など)によって設定されるJRockit JVM内部プロパティに接する機会があります。-D オプションは、Javaプログラムで使用されるパラメータの値を設定します。Oracle JRockit JVMでは、これらの一部のパラメータがJVMによって読み取られ、JVMの動作を変化させます。-Dプロパティは内部的に使用されるものなので、このドキュメントでは説明していません。 |
システム・プロパティは、現在の作業環境の特性や属性を定義します。システム・プロパティはJavaアプリケーションの起動時に初期化され、現在のユーザーに関する情報やJavaランタイムの現在のバージョン、製品ベンダーにバグを報告するためのURLなど、実行時環境に関する様々な情報が格納されます。
JRockit JVMで使用できるシステム・プロパティの詳細は、第4章「Oracle JRockit JVMシステム・プロパティ」を参照してください。