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Oracle® JRockitコマンドライン・リファレンス
リリースR28
B61441-03
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1 JRockit JVMのコマンドライン・オプションの概要

この章では、Oracle JRockit JVMで使用可能な(起動コマンドまたは起動オプションとも呼ばれる)コマンドライン・オプションについて説明します。これらのオプションは自己記述型のタグであり、コマンドラインから入力するか、JVMで実行されるアプリケーションの起動スクリプトで指定します。これらのオプションは、JVMのデフォルトの設定をオーバーライドするためや、JVMによるアプリケーションの実行方法を定義するために使われます。たとえば、-Xmxコマンドライン・オプションを使って最大ヒープ・サイズを設定できます。

コマンドライン・オプションには、ベンダーに関係なくどのJVMにも有効なオプション(標準オプション)と、JVMに固有のオプション(非標準オプション)があります。

この章では、次の節について説明します。

1.1 標準コマンドライン・オプション

表1-1に、Oracle JRockit JVMで使用できる標準コマンドライン・オプションの一覧を示します。

表1-1 Oracle JRockit JVMで使用できる標準コマンドライン・オプション

オプション(別の指定方法) 説明

-agentlib:agent-lib-name[=options]

指定したネイティブ・エージェント・ライブラリをロードします。

-agentpath:path-to-agent[=options

指定したパスで位置が示されたネイティブ・エージェント・ライブラリをロードします。

-client

JRockitクライアントJVMを選択します。

-javaagent

Javaプログラミング言語エージェントをロードします(java.lang.instrument)。

-jrockit

JRockitサーバーJVMを選択します。

これは-serverと同等で、デフォルトになります。

-version

バージョン情報を表示した後、アプリケーションを終了します。

-showversion

バージョン情報を表示し、アプリケーションを続行します。

-verbose:area[,options]

システムに固有の情報を表示します。

詳細は、「-Xverbose」を参照してください。

-cp (-classpath)

クラス・ファイルを検索するディレクトリ、JARファイルおよびZIPアーカイブのリストを指定します。クラスパスのエントリは、Windowsではセミコロン(;)、LinuxおよびSolarisではコロン(:)で区切ります。-classpathまたは-cpを指定すると、CLASSPATH環境変数の設定がオーバーライドされます。

-ea (-enableassertions)

アサーションを有効にします。アサーションはデフォルトで無効になっています。

指定する引数によってこのオプションでは、アサーションが有効になる場合、指定したパッケージおよびサブパッケージ内でアサーションが有効になる場合、現在の作業ディレクトリの無名パッケージ内でアサーションが有効になる場合、または指定したクラス内でアサーションが有効になる場合があります。

-da (-disableassertions)

アサーションを無効にします。

指定する引数によってこのオプションでは、アサーションが無効になる場合、指定したパッケージおよびサブパッケージ内でアサーションが無効になる場合、現在の作業ディレクトリの無名パッケージ内でアサーションが無効になる場合、または指定したクラス内でアサーションが無効になる場合があります。

-esa (-enablesystemassertions)

システム・クラスのデフォルトのアサーション・ステータスをtrueに設定し、すべてのシステム・クラス内でアサーションを有効にします。

-dsa (-disablesystemassertions)

すべてのシステム・クラス内でアサーションを無効にします。


これらの標準コマンドライン・オプションの詳細は、次の場所にあるJavaドキュメントを参照してください。

1.2 JRockit JVM固有のコマンドライン・オプション

JRockit JVMでは、一連の非標準コマンドライン・オプションを使用してJVMの動作を制御します。これらのオプションは非標準であるため、他のJVMでは機能しません。JVMに固有の非標準オプションを他のJVMで使用すると、誤った結果が返されるか、エラー状態が発生する可能性があります。

JRockit JVMの非標準コマンドライン・オプションは次の2つのグループに分かれます。

  • -Xコマンドライン・オプション(最もよく使われる非標準オプションです)

  • -XXコマンドライン・オプション: 多くが実験的なオプションで、実装には特定のシステム要件があります。

このドキュメントで説明する非標準オプション(第2章「-Xコマンドライン・オプション」第3章「-XXコマンドライン・オプション」)は、常に変更または非推奨になる可能性があります。


注意:

場合によっては、-Dオプション(-Djrockit.lockprofiling=trueなど)によって設定されるJRockit JVM内部プロパティに接する機会があります。-Dオプションは、Javaプログラムで使用されるパラメータの値を設定します。Oracle JRockit JVMでは、これらの一部のパラメータがJVMによって読み取られ、JVMの動作を変化させます。-Dプロパティは内部的に使用されるものなので、このドキュメントでは説明していません。

1.3 システム・プロパティの概要

システム・プロパティは、現在の作業環境の特性や属性を定義します。システム・プロパティはJavaアプリケーションの起動時に初期化され、現在のユーザーに関する情報やJavaランタイムの現在のバージョン、製品ベンダーにバグを報告するためのURLなど、実行時環境に関する様々な情報が格納されます。

JRockit JVMで使用できるシステム・プロパティの詳細は、第4章「Oracle JRockit JVMシステム・プロパティ」を参照してください。