用途
migrate2osb
ツールは、データベース・バックアップをLegato Storage ManagerおよびLegato Single Server VersionからOracle Secure Backupに移行する場合に使用します。
Legato Storage ManagerおよびLegato Single Server Versionを総称してLegatoと呼びます。LegatoからOracle Secure Backupへのデータベース・バックアップの移行を想定していますが、このツールは、データベース・バックアップをサポートされるメディア管理ソフトウェアからOracle Secure Backupに移行する場合にも使用できます。
注意: migrate2osb は、Oracle Secure Backupの標準インストールに付属していません。次のURLからダウンロードしてください。
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前提条件
次の前提条件に注意してください。
このツールは、Oracle Database 10gリリース2(10.2)、Oracle Secure Backup 10.3およびRecovery Manager(RMAN)と互換性があるメディア・マネージャと互換性があります。
migrate2osbがデータベースを識別するのに必要な環境変数ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
およびPATH
を設定する必要があります。
使用方法
migrate2osb
ツールは、次の相互排他モードで動作できます。
LegatoとOracle Secure Backupの両方を同時に実行するのに十分なリソースがない場合は、バックアップを2段階で移行する必要があります。十分なリソースがある場合は、リストアおよびバックアップ・モードを使用して1段階で移行できます。
表示のみ
このモードでは、テープ上のLegatoバックアップが表示されます。--display
オプションを指定すると、ユーティリティはこのモードで実行されます。
リストアのみ
このモードでは、Legatoからディスクへのファイルのリストアのみが実行されます。--backup
ではなく--restore
オプションを指定すると、ユーティリティはこのモードで実行されます。
バックアップのみ
このモードでは、ディスクからOracle Secure Backupへのファイルのバックアップのみが実行されます。--restore
ではなく--backup
オプションを指定すると、ユーティリティはこのモードで実行されます。
リストアおよびバックアップ
このモードでは、バックアップが、まずLegatoからディスクにリストアされ、次にOracle Secure Backupにバックアップされます。--directory
オプションによってステージング領域が指定されます。このユーティリティは、--size
オプションによってサイズを制御されるファイルのバッチ単位で移行を実行します。--backup
と--restore
の両方のオプションを指定すると、ユーティリティはこのモードで実行されます。
構文
migrate2osb { [ --restore/-r { all | specific | date { [ --fromdate/-f date ] [ --todate/-t date ] } } { --mmparms/-m media_management_parameters } { --directory/-d staging_directory_name } [ --size/-s staging_directory_size ] ] [ --backup/-b --osbparms/-o osb_parameters ] | [ --display/-y { --mmparms/-m media_manager_parameters } ] }
意味
Legatoから--directory
オプションによって指定されたディレクトリにバックアップ・ピースをリストアします。restore_type
プレースホルダには、次のいずれかの値を使用します。
all
Legatoを使用してバックアップされたすべてのピースを、使用可能なディスク領域に基づいてリストアします。
specific
Legatoによってバックアップされたすべてのバックアップ・ピースを表示し、リストアするピースを指定するよう求めます。
date
--fromdate
および--todate
によって指定された期間内にバックアップされたピースをリストアします。
指定の日付以降に作成されたバックアップ・ピースのみをリストアします。デフォルトでは、最初のバックアップ・ピースからすべてのバックアップ・ピースがリストアされます。
指定の日付以前に作成されたバックアップ・ピースのみをリストアします。デフォルトでは、最後のバックアップ・ピースまでのすべてのバックアップ・ピースがリストアされます。
Legatoバックアップをリストアまたは表示するのに必要なメディア管理パラメータを指定します。これらのパラメータは、Legatoで使用したRMAN ALLOCATE CHANNEL
コマンドで使用されたパラメータと同一である必要があります。
たとえば、次のLegatoテープ・ライブラリをRMANスクリプトに指定するとします。
ALLOCATE CHANNEL t1 DEVICE TYPE sbt PARMS 'SBT_LIBRARY=/opt/nsr/libnwora.so'
--mmparms
は、次のようにmigrate2osbに設定できます。
migrate2osb --restore all --mmparms 'SBT_LIBRARY=/opt/nsr/libnwora.so' --directory /tmp
RMANバックアップ・ピースに対するディスク上のステージングの場所を指定します。このオプションは、--restore
または--backup
を指定する場合に必須です。
移行に使用できるディスク領域の量を指定します。staging_directory_size
は、n
B
(n
バイト)、n
K
(n
KB)、n
G
(n
GB)、n
T
(n
TB)の形式で指定します。デフォルトでは、サイズはバイト単位とみなされます。
--size
オプションは、--backup
と--restore
の両方が指定された場合にのみ機能します。デフォルトでは、Oracle Secure Backupへのバックアップの開始前に、ディスクへの必要なバックアップ全部のリストアが試行されます。
指定されたサイズがリストア対象のバックアップをすべて保存するのに必要な容量を下回る場合、移行はバックアップ・ピースのバッチ単位で行われます。各バッチのサイズは、指定されたサイズを超えません。1つのファイルが指定されたサイズを超える場合は、メッセージが表示され、このファイルはリストアされません。すべてのファイルが指定されたサイズを超える場合は、エラーが表示され、migrate2osb
は終了します。
--directory
オプションによって指定されたディレクトリのバックアップ・ピースをOracle Secure Backupにリストアします。
ステージングされたファイルをOracle Secure Backupにバックアップするのに必要なメディア管理パラメータを指定します。これらのパラメータは、Oracle Secure Backupで使用するRMAN ALLOCATE CHANNEL
コマンドで使用されるパラメータと同一である必要があります。
たとえば、次のOracle Secure Backupテープ・ライブラリをRMANスクリプトに指定するとします。
ALLOCATE CHANNEL t1 DEVICE TYPE sbt PARMS 'SBT_LIBRARY=usr/local/oracle/backup/lib/libobk.so'
--osbparms
は、次のようにmigrate2osb
に設定できます。
migrate2osb --directory /tmp --backup --osbparms 'SBT_LIBRARY=usr/local/oracle/backup/lib/libobk.so'
Legatoのバックアップ・ピースの詳細なリストを表示します。
例
例A-3 リストアおよびバックアップ・モードでのLegatoバックアップの移行
この例では、2008年11月10日から12月10日の間に作成されたLegatoバックアップをOracle Secure backupに移行しています。また、ディレクトリ/tmpにファイルをステージングし、最大サイズを10GBに設定しています。このコマンドでは、LegatoとOracle Secure backupの両方に対するメディア管理パラメータを指定しています。
migrate2osb --restore date --fromdate '10/nov/08' --todate '10/dec/08' --mmparms 'SBT_LIBRARY=/opt/nsr/libnwora.so' --directory /tmp --size 10G --backup --osbparms 'SBT_LIBRARY=/usr/local/oracle/backup/lib/libobk.so'