用途
obcm
ツールは、アイデンティティ証明書をエクスポートおよびインポートする場合に使用します。これらの手順が必要になるのは、認証局(CA)がネットワークを介してホストそれぞれに署名付き証明書を発行するために必要となるOracle Secure Backupのデフォルトのセキュリティ動作を受け入れない場合です。
CAとして動作するのは、管理サーバー上のobserviced
デーモンです。CAには証明書に関する2つの役割があります。1つ目は、mkhost
プロセスの一環として管理ドメイン内のホストから証明書の署名リクエストを受け入れることです。2つ目は、署名付き証明書をリクエスト側のホストに送り返すことです。
手動証明書プロビジョニング・モードでは、管理サーバー上でobcm export --certificate
を実行することで、新しく構成したホストに対して署名付き証明書をエクスポートします。この署名付き証明書は、新しく構成したホストに手動で送信する必要があります。
ホストに証明書を手動で送信した後、新しく構成したホスト上でobcm import
を実行することで、署名付き証明書をホストのウォレットにインポートします。この場合、obcmはホストのウォレットに直接アクセスします。obcm
は、ローカル・ウォレットを変更した後、ローカルのobserviced
に通知し、ローカルのobserviced
が不明瞭化ウォレットを再作成できるようにします。
前提条件
すべてのobcm
コマンドは、LinuxまたはUNIXではroot
として、Windowsでは管理ユーザーとして実行する必要があります。
ウォレット・ディレクトリの書込み権限を持っている必要があります。ウォレット・ディレクトリはデフォルトでは、LinuxおよびUNIXの場合は/usr/etc/ob/wallet
、Windowsの場合はC:\Program Files\Oracle\Backup\db\wallet
です。obcm
は常にこの場所にあるウォレットにアクセスします。デフォルトの場所は上書きできません。
構文
obcm chpass --keywallet/-k name [ --newpass/-n new_psword ] [ --oldpass/-o old_psword ] obcm decertify [ -nq ] obcm display [ --identity/-i | --keywallet/-k ] [ --password/-p psword ] [ --verbose/-v ] obcm export { --certificate/-c | --request/-r } --file/-f cert_file --host/-h hostname obcm import --file/-f signed_certificate_file obcm mkow --keywallet/-k key_wallet [ --password/-p psword ]
意味
Oracle Secure Backupの暗号化キーのウォレットのパスワードを変更します。--keywallet
引数は必須です。--newpass
または--oldpass
を指定しない場合は、対応するパスワードを入力するよう求められます。
ローカル・ホストの証明書データを削除します。-nq
を指定した場合、確認メッセージを表示しません。このオプションを指定しない場合、コマンドは確認メッセージを表示します。確認メッセージについては、「対話型モードでのコマンド実行」を参照してください。
ホストの証明書を適切に取り消すには、まず、そのホストで実行されているすべてのobtool
セッションおよびOracle Secure Backupプロセスを閉じるまたは中断することをお薦めします。
LinuxまたはUNIXではroot
以外、Windowsでは管理ユーザー以外のユーザーとしてobcm decertify
を実行すると、エラーは表示されませんが、ホストの証明書は取り消されません。管理サーバーの証明書の取消しを試行すると、エラーが発生して失敗します。obcm decertify
コマンドは、他のホストで複数回実行できますが、実際にホストの証明書が取り消されるのは最初の操作のみです。
証明書を取り消されたホストをOracle Secure Backupドメインから削除するには、rmhost
--nocomm/-N
hostname
コマンドを使用します。
証明書を取り消されたホストを再認証するには、obtool
のrmhost
およびmkhost
コマンドではなく、obcm export
およびobcm import
コマンドを使用することをお薦めします。rmhost
およびmkhost
コマンドは、ドメインからホストを削除してから追加して戻すため、Oracle Secure Backupオブジェクトの一部がdeleted
となります。
アイデンティティまたは暗号化キーのウォレットのコンテンツを表示します。--identity
も--keywallet
も指定しない場合は、--identity
とみなされます。パスワードで保護された暗号化キーのウォレットのコンテンツを表示するには、--password
オプションを使用します。これは、暗号化キーの不明瞭化されたウォレットが失われたときに、失われたカタログからリカバリする際に使用すると便利です。
--certificate
オプションは、指定されたホストの署名付きアイデンティティ証明書を、指定されたテキスト・ファイルにエクスポートします。--request
オプションは、指定されたホストの証明書リクエストを、指定されたテキスト・ファイルにエクスポートします。--file
引数と--hostname
引数はどちらも必須です。
指定されたテキスト・ファイルから署名付きアイデンティティ証明書をインポートします。--file
引数は必須です。
暗号化キーの不明瞭化されたウォレットを再作成します。--password
を指定しない場合は、パスワードを入力するよう求められます。
例