7.1. 変更点

次の表は、5.1 リリースからの主要な変更点を示しています。

7.1.1. インストールと構成

機能

説明

簡略化されたインストール

このリリースには、Sun Ray Software 製品全体を Sun Ray サーバーにインストールする単一のインストーラ (utsetup コマンド) があります。インストールの改善点には、次の事項が含まれています。

  • 以前の Sun Ray Software コンポーネントの多くは、Sun Ray Software のインストールの一部としてインストールされるようになりました。これらのコンポーネントには、Sun Ray Connector for Windows OS (SRWC)、Sun Ray Connector for VMWare View Manager (SRVC)、および PC/SC-lite を使用したスマートカード認証が含まれています。(これらのコア機能は、それぞれ Windows Connector、VMware View Connector、およびスマートカードサービスと呼ばれるようになりました)。

  • 新しい utsetup コマンドを使用すると、Sun Ray Software のインストールおよび構成プロセスをステップスルーし、ほかの Sun Ray サーバーをクローニングするためのセットアップの詳細を保存できます。

統合された Sun Ray クライアントのファームウェア

Sun Ray Software 5.2 リリースより前では、2 つのバージョンの Sun Ray Client ファームウェアが配布されていました。非 GUI ファームウェアおよび GUI ファームウェアです。このリリースではファームウェアは 1 つになり、ローカル構成のために構成 GUI を明確に有効にする必要があります。

7.1.2. マルチメディア

機能

説明

Windows XP および Windows 2003 上のビデオストリームおよびオーディオストリームのパフォーマンスの改善

Windows XP および Windows 2003 用のマルチメディアリダイレクションコンポーネントでは、Windows Media Player 10 または 11 を使用した Windows セッションからの MPEG-2 ビデオや MPEG、AAC、および WMA オーディオストリームのプレイバックでよりよいパフォーマンスが提供されるようになりました。

オーディオの最適化

Sun Ray Software 5.2 リリースより前では、Sun Ray クライアントはアプリケーションの要求に関係なく常にオーディオ入力に 48kHz ステレオを使用しました。48kHz オーディオはクライアントから Sun Ray サーバーに送信され、アプリケーションの要求に基づいて (必要に応じて) オーディオが変換されました。

このリリースでは、Sun Ray クライアントはアプリケーションが必要とするもののみを使用するため、帯域幅が減少し、スケーラビリティーが向上しています。たとえば、VoIP アプリケーションが 8kHz モノラルを要求する場合、Sun Ray クライアントはオーディオ入力に以前より 92% 少ない帯域幅を必要とします。この例では、帯域幅は 192K バイト/秒 (16 ビット、48kHz ステレオ) から 16K バイト/秒 (16 ビット、8kHz モノラル) に減少しており、これは 92% の減少です。

7.1.3. 周辺機器

機能

説明

USB ヘッドセット

ユーザーは特別なインストールまたは USB リダイレクションを必要とせずに、Sun Ray 2 シリーズクライアントまたは Sun Ray 3 シリーズクライアントの USB ヘッドセットを使用してリアルタイムでチャットできるようになりました。テスト済みの USB ヘッドセットの一覧については、Sun Ray 周辺機器の一覧を参照してください。

Sun Ray 2 シリーズクライアントおよび Sun Ray 3 シリーズクライアントでの複数の電圧のスマートカードのサポート

新しい Sun Ray Software 5.2 ファームウェアをインストールすると、すべての Sun Ray 2 シリーズクライアントおよび Sun Ray 3 シリーズクライアントは、ISO-7816 で定義されている 1.8 V (クラス C)、3 V (クラス B)、および 5 V (クラス A) の 3 つのすべての Vcc 電圧で動作するスマートカードをサポートします。クライアントファームウェアがカードの動作に最適な電圧を自動的に選択します。この機能の制御に利用可能または必要な管理者設定はありません。

Sun Ray 3 Plus および Sun Ray 2FS クライアントのよりよいマルチモニターサポート

X Resize および Rotate (RandR) 1.2 拡張によって、よりよいマルチモニターサポートが提供されるようになりました。

単一のデスクトップで複数のモニターを使用する場合、このアップデートによって、ホットデスクする際のサイズの制限が排除され、セッションの動的な構成変更が可能になり、物理モニター間にアプリケーションウィンドウが「またがる」ことが少なくなります。

7.1.4. ネットワーク

機能

説明

ハイブリッド認証を持つ Cisco VPN およびその他の VPN アップデート

Sun Ray Software は、ファームウェア GUI を使用して Cisco ハイブリッド認証を構成する機能を提供するようになりました。その他のアップデートには、Cisco プロファイル構成ファイル (.pcf) のサポート、Perfect Forward Secrecy (PFS) のゲートウェイ設定、および HTTP 転送が含まれます。

VPN ゲートウェイのパスワード構成の使用

VPN ゲートウェイが格納されたパスワードを許可しないように構成されている場合、クライアントのファームウェアはパスワードをローカルに保存する要求を無視します。以前は、ファームウェアは VPN ゲートウェイの構成に関係なくパスワードを保存しました。

IPMP のサポート

Sun Ray Software は、任意の IP マルチパス (IPMP) をサポートするようになりました。IPMP は、共有ネットワーク構成 (完全に経路指定されたサブネットを持つ LAN) 内で Solaris オペレーティングシステムを実行している Sun Ray サーバーのみでサポートされます。詳細は、Sun Ray Software 5.2 インストールおよび構成のガイドを参照してください。

7.1.5. ユーザーエクスペリエンス

機能

説明

ブート時に OSD アイコンが非表示になる

新しい Sun Ray Software 5.2 ファームウェアをインストールすると、Sun Ray クライアントでブート時に、OSD (On-Screen Display) アイコンの代わりに回転するホイールのアイコンがデフォルトで表示されるようになりました。ブート処理の詳細を表示したり、問題を識別したりするには、Stop-O キーシーケンス (または Sun 以外のキーボードでは Ctrl-Pause-O) を使用すると、OSD (On-Screen Display) アイコンを表示できます。

代替の Sun Ray クライアントのホットキー

Ctrl-Pause プレフィックスの代替として、Ctrl-Shift-Alt-Meta キーの組み合わせを使用できるようになりました。この新しいキーの組み合わせは、ファームウェア GUI の「詳細」メニュー (STOP 代替修飾子を入力)、または .parms ファイル内の stopkeys キーワードでカスタマイズできます。これは 4 つのキーの任意の組み合わせに設定できますが、少なくとも 2 つを使用する必要があります。Sun Ray Software のドキュメント全般では、引き続き Ctrl-Pause プレフィックスが例として使用されています。