WebLogic Portal環境でCoherence*Webを使用すると、Coherenceに基づくセッション状態管理を実現できます。Coherence*Webを使用すると、クラスタ環境でより高度なデプロイメント・モデル、セッション・モデル、およびロック・モードが可能になります。これらの機能の詳細は、第4章「Coherence*Webセッション管理機能」を参照してください。
WebLogic PortalでCoherence*Webを使用するには、次の手順を実行します。
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注意: WebLogic Serverバージョン10.3.1以降では、パッチは必要ありません。バージョン10.3.1以降を使用している場合、この手順を省略できます。 |
WebLogic Server 10.3以前を使用している場合、公開されているWebLogic Serverパッチを、Coherence*Webを使用するWebアプリケーションをホストしているすべてのWebLogic Serverインスタンスに適用します。表5-1は、WebLogic Serverの各バージョンに対応するパッチとCoherenceリリース・レベルを示しています。
表5-1 WebLogic Serverと必要なCoherenceパッチ・リリース・レベル
| WebLogic Server 9.2 MP1 | WebLogic Server 10.3 | WebLogic Server 10.3.1以降 | |
|---|---|---|---|
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WebLogic Smart Update |
パッチID: AJQB |
パッチは不要です。 |
パッチはMetaLinkのWebサイト、またはWebLogic ServerのSmart Updateユーティリティを使用してダウンロードできます。
MetaLinkからダウンロードするには:
次のMetalinkのWebサイトにアクセスし、パッチを探します。
「パッチ」タブを選択し、「単純検索」リンクをクリックします。後続の画面で、適切な値(たとえば、11399293)を使用してパッチ番号/名前の検索を実行します。
表示された検索結果からパッチのzipファイルをダウンロードします。
パッチのzipファイルに含まれるREADME.txtを開き、Coherenceパッチの適用手順を確認します。
Smart Updateを使用してダウンロードするには:
Smart UpdateのガイドでSmart Updateを使用してWebLogic Serverのパッチをインストールする手順を確認してください。
本番環境では、次のURLに示す手順でSmart Updateの本番インストールの確認をお薦めします。
Smart Updateのガイドは次のURLで入手できます。
http://download.oracle.com/docs/cd/E14759_01/doc.32/e14143/toc.htm
「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle WebLogic」→「Smart Update」を選択し、ログイン・ダイアログ・ボックスを開きます。各自のサポートIDとパスワードを使用してログインします。
お使いのWebLogic Serverのバージョンに対応するパッチをダウンロードし、適用します。図5-2は、Oracle Smart Updateのブラウザを示しています。
Coherence*Webのキャッシュ・トポロジをカスタマイズするには、session-cache-config.xmlファイルを(必要に応じて)変更します。
この構成ファイルは、coherence-web-spi.warファイルの/WEB-INF/classesディレクトリにあります。session-cache-config.xmlを変更すると、WARファイル内で更新されます。
session-cache-config.xmlファイルのデフォルト構成の説明については、付録C「セッション・キャッシュ構成ファイル」を参照してください。
キャッシュ・サーバーJVMは、キャッシュしたすべてのデータ(この場合はHttpSession状態)の保存と管理専用のCoherence JVMです。WebLogic ServerまたはWebLogic PortalのJVMを起動する前に、1つ以上のキャッシュ・サーバーJVMを起動しておく必要があります。
キャッシュ・サーバーJVMを起動するためのスクリプトを作成します。Coherence*Webで使用する記憶域対応キャッシュ・サーバーを起動するスクリプトの簡単な例を次に示します。この例では、Sun JVMの使用を前提としています。特定のJVMのチューニングの詳細は、『Oracle Coherence開発者ガイド』の「JVMのチューニング」を参照してください。
java -server -Xms512m -Xmx512m -cp <Coherence installation dir>/lib/coherence.jar:<Coherence installation dir>/lib/coherence-web-spi.war -Dtangosol.coherence.management.remote=true -Dtangosol.coherence.cacheconfig=WEB-INF/classes/session-cache-config.xml -Dtangosol.coherence.session.localstorage=true com.tangosol.net.DefaultCacheServer
前述のスクリプトを使用して、キャッシュ・サーバーJVMを1つ以上起動します。
Coherence P13N(パーソナライゼーション)CacheProviderを使用する場合は、coherence-wlp.jarをポータル・エンタープライズ・アプリケーションのAPP-INF\libにコピーします。
P13N CacheProvider SPIの実装とWSRPフェデレーテッド・ポータルの詳細は、『Oracle Coherence統合ガイド』を参照してください。
Coherence P13N Cacheをデフォルトのキャッシュ・プロバイダとして使用する場合は、ポータル・エンタープライズ・アプリケーションのMETA-INF\p13n-cache-config.xmlファイルで、最初の<cache>要素の前に次の行を追加します。
<default-provider-id>com.tangosol.coherence.weblogic</default-provider-id>
ポータルWebアプリケーションのWEB-INF\weblogic.xmlファイルで、次のようにlibrary-referenceを使用してcoherence-web-spi.warを参照します。
<wls:library-ref>
<wls:library-name>coherence-web-spi</wls:library-name>
</wls:library-ref>
Coherence*Webセッションを有効にするには、ポータルWebアプリケーションのWEB-INF\web.xmlファイルで、アプリケーション・パラメータcoherence-web-sessions-enabledをtrueに設定します。
<context-param>
<param-name>coherence-web-sessions-enabled</param-name>
<param-value>true</param-value>
</context-param>