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Oracle® Coherenceチュートリアル
リリース3.6
B61373-01
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A Coherenceクライアント・アプリケーションのコマンド

この付録では、Coherenceコマンドライン・アプリケーションcoherence.cmd(UNIXの場合はcoherence.sh)に対して発行できるコマンドについて説明します。

A.1 batch

コマンドライン・コマンドを含むファイルを作成して、コマンドラインから読み込むCoherenceのスクリプトを記述できます。たとえば、現在のキャッシュをtestcacheに変更し、これをクリアして終了する次のコマンドを含む、batchfile.txtというファイルを作成できます。

cache testcache
clear
bye

UNIXプラットフォームでは、Coherenceコマンドライン・アプリケーションを実行することでこのスクリプトを起動できます。

bin/coherence.sh "@batch batchfile.txt"

Windowsプラットフォームでは、bin/coherence.shbin/coherence.cmdに置き換えます。

A.2 bulkput <# of iterations> <block size> <start key>

現在のNamedCacheに、指定された数のオブジェクトを移入します。たとえば次の例で説明します。

bulkput 1000 10000 1

このコマンドは、サイズが10,000バイトの1,000個のオブジェクト(合計10MB)をキー1からキャッシュに挿入します。キーの型はjava.lang.Integer、値の型はbyte[]です(例外はサイズが0の場合です。値の型はCoherence$DebugCacheItemで、これはカスタムのシリアライズおよびClassLoaderの問題をテストする場合に使用されます)。

A.3 bye

クラスタ・メンバーを正常にシャットダウンして、Coherenceコマンドライン・アプリケーションを閉じます。正常でないシャットダウンをテストするには、[Ctrl]を押しながら[C]を押すか(Windows/UNIX)、kill -9 <pid>(UNIX)を使用します。

A.4 clear

clearをコールすると、現在のNamedCacheがクリアされます。

A.5 destroy

現在のNamedCacheに対してdestroyをコールすると、そのNamedCacheがクラスタから完全に削除されます。このキャッシュへの参照を保持している他のクラスタ・メンバーがキャッシュの処理を試みると、このメンバーはIllegalStateExceptionを受信します。

A.6 get <key>

get(key)をコールすると、この<key>に関連付けられた値がキャッシュから返されます。

A.7 hash

NamedCacheのハッシュ値が返されます。これはチェックサムのようなもので、主にレプリケートされたキャッシュの等価性の検証に使用されます。

A.8 help

使用可能なコマンドのリストを出力します。

A.9 inc <key> [<count>]

更新の欠落が生じないようロックを使用して、指定されたキーを指定された回数増分します。次に例を示します。

inc counter 10000

このコマンドでは、counterキーが10,000回増分されます。このコマンドを10台のマシンで同時に実行すると、counterキーの値は100,000になります(キーは0から始まり、これ以前には存在しなかったものとします)。

A.10 kill

現在のcom.tangosol.net.CacheServiceを順序に従って(正常に)シャットダウンします。他のサービス・メンバーが影響を受けることはありません。

A.11 list [<map name>]

指定されたNamedCache(指定されていない場合は現在のNamedCache)の内容をリストします。


注意:

  • NamedCacheに50を超える項目がある場合、listコマンドでは最初の50項目のみが表示されます。

  • Javaでは、byte[]値のtoStringメソッドを、[配列)+ Bバイト)+ hashcodeとして実装します。次に例を示します。

    [B@701a1e
    

A.12 listen [('start' | 'stop') [('cluster' | 'local')]]

com.tangosol.util.MapListenerのデバッグ実装を、現在のNamedCachecluster)またはバックエンドのデータストアcom.tangosol.util.ObservableMaplocal)に対して登録(start)または登録解除(stop)します(バックエンドのデータストアは、LocalCacheFactoryインタフェースからキャッシュ・サービスにより取得されるjava.util.Mapオブジェクトです)。

パーティション・キャッシュの場合、localリスナーは記憶域が有効なノードでのみ使用できます。たとえば、パーティション・キャッシュ・サービスで次のコマンドを実行すると、このメンバーが管理するすべてのキャッシュ変更が表示されます。

listen start local

次のコマンドを実行すると、別のメンバーにより管理される変更であっても、あるいはこのメンバーのlocal-storage-enabledfalseに設定されていても、すべてのキャッシュ変更が表示されます。

listen start cluster

A.13 lock <key> [<timeout>l]

指定されたキーをロックします。ロックをただちに取得できない場合は、タイムアウトが指定されていなければfalseが返されます。値はミリ秒単位で、long整数として指定します(つまり"l"接尾辞を付けます)。たとえば次のコマンドは、counterキーのロックを最大10秒間試みます。

lock counter 10000l

A.14 maps

作成したメンバーに関係なく、現在のサービスcom.tangosol.net.CacheServiceのすべてのNamedCacheをリストします。

A.15 memory

このJVMの合計使用メモリー、合計空きメモリーおよび最大メモリーの各値をリストします。次に例を示します。

Map (testcache): memory
total=64356K (64356352)
free =55658K (55658976)
max =64356K (64356352)

A.16 put <key> <value>

指定されたキーと値のペアを、put(key, value)メソッドを使用して現在のNamedCacheに挿入します。

A.17 release

releaseメソッドをコールすると、このクラスタ・メンバーの現在のNamedCacheへの参照が解放されます。他のクラスタ・ノードが影響を受けることはありません。releaseをコールした後も無効なキャッシュ名は表示されたままになります。これは、コマンドライン・ツールがまだキャッシュへの参照を保持しているためであり、予期された動作です。現在のNamedCacheに対し、このクラスタ・ノードで後続のコマンドが発行されると、IllegalStateExceptionが発生します。

Map (testcache): release
Map (testcache): 

A.18 remove <key>

remove(key)メソッドをコールすると、現在のNamedCacheから指定されたキーが削除されます。

A.19 scan <start key> <stop key>

このメソッドを使用して、欠落したキーを順番にチェックします。たとえば次のコマンドは、java.lang.Integerキーを1から1000の範囲でチェックし、現在のNamedCacheに存在しないキーを出力します。

scan 1 1000

A.20 services

このクラスタが認識しているすべてのサービス(com.tangosol.net.Service)をリストします。このクラスタ・ノードで現在実行されていないサービスも含まれます。

A.21 size

現在のNamedCache内のオブジェクト数を示します。

A.22 unlock <key>

unlock(key)メソッドをコールすると、現在のNamedCacheで指定されたキーがロック解除されます。

A.23 waitkey <start key> <stop key>

このメソッドは、複数のCoherenceコマンドライン・プロセスおよびbulkputコマンドとともに使用され、キャッシュ・レプリケーションの時間を測定します。あるマシンでbulkputコマンドを起動する前に、指定された範囲のキーがキャッシュに配置されるまで待機するよう、もう1つのマシンに指示が出されます。

たとえば、最初のJVMで次のコマンドを実行します。

clear
waitkey 1 1000

さらに2番目のJVMで次のコマンドを実行します。

bulkput 1000 100 1

最初のJVMには、100バイトの1,000個のエントリに対する合計レプリケーション時間が表示されます。

A.24 who | cluster

クラスタ内の各Membercom.tangosol.net.Member)に関する情報をリストします。

A.25 whoami | service

現在のServicecom.tangosol.net.Service)情報をリストします。

A.26 worker <command>

指定されたコマンドを新しい一時スレッドで実行します。

A.27 #<repeat count> <command>

一連の<command>を指定された回数繰り返します。複数のコマンドはセミコロンで区切ります。たとえば次のコマンドは、Counterキーを増分し、現在のNamedCache値のリストを10回繰り返します。

#10 inc Counter; list

A.28 @<command>

サイレント・モード。コマンドからの出力を抑制します。これは、#(繰返しモード)とともに使用できます。たとえば次のコマンドは、Counterキーを増分し、現在のNamedCache値のリストを10回繰り返します。incコマンドからの出力は抑制されます。

#10 @inc Counter; list

A.29 &<functionName> [paramValue]*

リフレクションを使用し、現在のNamedCacheインスタンスで指定された機能をコールします。これは主に内部テスト用に使用されます。