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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E51906-01
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23 Oracle以外のデータベースおよびOracle RDBに対するDiscovererサポート

この章では、Oracle以外のデータベースおよびOracle RDBでDiscovererを使用する方法について説明します。項目は次のとおりです。

23.1 異機種間サービス

異機種間サービスとは、Oracle以外のデータベースとOracle Rdbに接続できるようにするためにOracleデータベースに備えられた共通アーキテクチャおよび管理メカニズムです。

異機種間サービスを使用してOracle以外のデータベースとOracle Rdbに接続するには、次の2通りの方法があります。

異機種間サービスの詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。

23.2 Generic Connectivityを使用したOracle以外のデータベースとOracle Rdbへの接続

Generic Connectivityは、Oracle以外のデータベースとOracle Rdbにアクセスするために、Oracleデータベースの異機種間サービス機能でサポートされるメカニズムの1つです。

DiscovererユーザーはGeneric Connectivityを使用して、ODBCデータベースやOLE DB (オブジェクト・リンクおよび埋込みデータベース)データベースにアクセスできます。

Oracle以外のデータベースはODBC標準に正しく準拠している必要があります(ODBCおよびOLE DBの接続要件の詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照)。

この項では、次の項目について説明します。

23.2.1 Oracle以外のデータベースに接続するためのGeneric Connectivityの使用とODBCドライバの使用の相違点

Discovererの前のリリースでは、ユーザーはODBCドライバを使用してOracle以外のデータベースに接続できました。Oracle以外のデータベースに接続するために、ODBCドライバを使用する場合と、OracleデータベースのGeneric Connectivity機能を使用する場合の主な違いは、次のようにEULの場所にあります。

  • ODBCドライバの場合は、EULはOracle以外のデータベースに格納されます。

  • Generic Connectivityでは、EULはOracleデータベースに格納されます。

図23-1 ODBCドライバを使用する場合とGeneric Connectivityを使用する場合のEULの場所

図23-1の説明は前後にあります。

この図から次のことがわかります。

  • DiscovererでODBCドライバを使用してOracle以外のデータベースに接続したときは、EULとデータの両方がOracle以外のデータベースに存在します。

  • DiscovererでGeneric Connectivityを使用してOracle以外のデータベースに接続したときは、データは引き続きOracle以外のデータベースに置かれますが、EULはOracleデータベースに存在する必要があります。

Discovererでは、Oracle以外のデータベースへの接続に、システム固有のODBCドライバの使用がサポートされなくなりました。Oracle以外のデータベースからデータを取り出すには、Generic Connectivityを使用する必要があります。つまり、EULはOracleデータベースに格納する必要があります。EULをOracle以外のデータベースからOracleデータベースに移動する方法は、「Oracle以外のデータベース(システム固有のODBCドライバを使用してアクセス)からOracleデータベース(Generic Connectivityをサポート)にEULを移行する方法」を参照してください。

23.2.2 Generic Connectivityを使用する利点

Discovererを使用してOracle以外のデータベースに接続する場合に、システム固有のODBCドライバではなく、OracleデータベースのGeneric Connectivity機能を使用する利点は次のとおりです。

  • より数多くのODBCデータベースへの接続が可能です。

    Generic Connectivityでは、ODBC標準に準拠したすべてのODBCデータベースへのアクセスが提供されます。準拠の程度は、データベースやODBCドライバによって異なります。

  • Discovererエンド・ユーザーは、複数の異なるデータベースのデータを同時にクエリーすることができます。

    たとえば、Sybase、DB2およびOracleデータベースに保持されているテーブルに基づくフォルダを使用して、1つのビジネスエリアを作成できます。エンド・ユーザーからのクエリーでは、複数のデータベースからのデータを結合して結果を返すことができます。

  • ODBCデータを使用したクエリー予測ができます。

    Discovererのクエリー予測では、エンド・ユーザーがクエリーを実行したときに生成されてEUL内に保存される、クエリー統計が使用されます。EULはOracleデータベース内にあるため、DiscovererはOracleデータベース上でODBCデータのクエリー予測を実行できます。

  • ワークブック・スケジュールのバッチ・サポートが可能です。

    DiscovererはOracleデータベースでバッチ・スケジューラを使用します。EULはOracleデータベース内にあるため、DiscovererはODBCデータのワークブックをスケジュールできます。

  • ユーザーはODBCデータベースから提供されたデータにOracle分析関数(およびその他のOracle関数)を適用できます。

    データはOracleデータベースに取り込まれるため、Oracle以外のデータベースでサポートされる関数に限定されることなく、あらゆるOracle関数をデータに適用できます。

23.2.3 DiscovererでのGeneric Connectivityの設定

Generic Connectivityを使用する前に、Generic ConnectivityをサポートするようにOracleデータベースを構成する必要があります。

注意: DiscovererにGeneric Connectivityを設定する作業は、データベース管理者とともに行う必要があります。

Generic Connectivityの詳細は、『Oracle Database Heterogeneous Connectivity管理者ガイド』を参照してください。

23.2.4 Oracle以外のデータベース(システム固有のODBCドライバを使用してアクセス)からOracleデータベース(Generic Connectivityをサポート)にEULを移行する方法

Oracle以外のデータベースからOracleデータベースにEULを移行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle以外のデータベースからEEXファイルにEULオブジェクトをエクスポートします。

    詳細は、「使用するエクスポート/インポート方法」を参照してください。

    注意: これは、直接ODBC接続をサポートするDiscovererのリリース(9.0.4以前)を使用して実行する必要があります。

  2. EULを格納するOracleデータベースでGeneric Connectivityを設定します。

    詳細は、「DiscovererでのGeneric Connectivityの設定」を参照してください。

  3. Oracleデータベース上でEULを作成します。

    EULの作成方法の詳細は、第4章「End User Layerの作成とメンテナンス」を参照してください。

  4. ステップ1で作成したEEXファイルを、Oracleデータベースにインポートします。

    詳細は、「使用するエクスポート/インポート方法」を参照してください。

  5. マッピング(Discovererのビジネスエリアと基礎となるオブジェクト)を解決します。

    1. 「表示」→「検証」→「フォルダ」を選択します。

    2. エラーが表示されている最初のフォルダを選択し、「編集」→「プロパティ」を選択すると、「フォルダ・プロパティ」ダイアログが表示されます。

    3. 「データベース」フィールドをクリックすると、「ユーザーまたはテーブルおよびビューの選択」ダイアログが表示されます。

    4. 「DiscovererでのGeneric Connectivityの設定」のタスクで作成したデータベース・リンクを選択します。

    5. Oracle以外のデータベース上の正しいユーザーを選択します。

    6. 「OK」をクリックして、「ユーザーの選択」ダイアログを閉じます。

    7. 「OK」をクリックして「データベース」フィールドの新しい値を適用し、「フォルダ・プロパティ」ダイアログを閉じます。

    8. エラーが表示されている各フォルダに対して手順a-gを繰り返します。

  6. Oracleデータベース上でデータベース・ユーザーにセキュリティを設定します。

    詳細は、第7章「情報に対するアクセス制御」を参照してください。

    これでDiscovererユーザーはGeneric Connectivityを使用してOracle以外のデータベースに接続し、既存のワークブックやワークシートの使用を継続できます。

23.2.5 Discoverer Administratorで異機種間データ・サービスを使用する場合のORA-3113エラー

Discoverer Administratorを使用して、(たとえば、ビジネスエリアを作成するために) Oracle以外のデータベースのデータにアクセスすると、ORA-3113エラーが表示されます。次のいずれかの処理が必要です。

  • 最新のリリース(リリース9.2.0.7以降)のOracleデータベースを使用してください。

  • Oracleサポート・サービスに連絡して、Oracleデータベースの以前のリリース用パッチが使用可能かどうかを確認してください。

23.3 Transparent Gatewayを使用したOracle以外のデータベースとOracle Rdbへの接続

Transparent Gatewayは、Oracle以外のデータベースおよびOracle Rdbにアクセスするために、Oracleデータベースの異機種間サービス機能でサポートされるメカニズムの1つです。

DiscovererユーザーはOracle Transparent Gatewayを異機種間サービスとともに使用して、ベンダー固有のOracle以外の特定のデータベースおよびOracle Rdbにアクセスできます。たとえば、Oracle Transparent Gateway for SybaseをSolaris上で使用して、Sun Solarisプラットフォーム上で稼働するSybaseデータベースにアクセスできます。

適切なOracle Transparent Gatewaysソフトウェアをインストールしておく必要があります。

Oracle Transparent Gatewaysおよびその設定方法の詳細は、Oracle9i Databaseインストレーション・ガイドを参照してください。