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Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B60984-02
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17 環境のバックアップ

この章では、Oracle Fusion Middlewareの推奨されるバックアップ計画およびその手順について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

17.1 環境のバックアップの概要

第16.3.2項で説明するように、Oracle Fusion Middleware環境のバックアップでは次の推奨される計画を使用する必要があります。

図17-1のフロー・チャートは、特定の状況に適したバックアップのタイプを判断する方法の概要を示しています。

図17-1 バックアップのタイプを判断するためのフロー・チャート

図17-1の説明は次にあります
「図17-1 バックアップのタイプを判断するためのフロー・チャート」の説明

17.2 データのバックアップに関する制限事項

次の点に注意してください。

17.3 バックアップの実行

次の各項の説明に従って、全体オフライン・バックアップまたはランタイム・アーティファクトのオンラインまたはオフライン・バックアップを実行できます。

17.3.1 全体オフライン・バックアップの実行

全体オフライン・バックアップを行うには、Oracle Fusion Middlewareのファイルが含まれているディレクトリをコピーします。

アーカイブに最適なツールを使用して、ソースMiddlewareホームをアーカイブおよび圧縮します。これには、次のものを使用できます。

  • copy、xcopy、tar、jarなどのファイル・コピー用ユーティリティ。ユーティリティでは、次のことを確認してください。

    • シンボリック・リンクが保持されること

    • 長いファイル名がサポートされること

    • ファイルの権限と所有権が保持されること

    例:

    • Windowsでは、オンライン・バックアップにはcopy、オフライン・バックアップにはcopy、xcopyまたはjarを使用します。Winzipは、長いファイル名や拡張子をサポートしないので、使用しないでください。

      一部のバージョンのWindowsでは、ファイル名が256文字を超えていると失敗します。この問題が発生しないようにするには、次のスイッチを指定したxcopyコマンドを使用できます。

      xcopy /s/e  "C:\Temp\*.*"  "C:\copy"
      

      構文と制限の詳細は、xcopyのヘルプを参照してください。

      サード・パーティのバックアップ・ソリューションを使用する場合、ツールが前述の要件を満たすことを確認してください。

    • LinuxおよびUNIXでは、オンラインおよびオフラインのバックアップにtarを使用します。

  • データベース・ベースのメタデータ・リポジトリのバックアップにはOracle Recovery Manager(RMAN)

次の手順に従います。

  1. Middlewareホームのプロセスをすべて停止します。たとえば、管理対象サーバー、管理サーバー、およびMiddlewareホームで実行されているOracleインスタンスを停止します。

  2. すべてのホスト上のMiddlewareホーム(MW_HOME)をバックアップします。例:

    tar -cf mw_home_backup_092010.tar MW_HOME/*
    
  3. ドメインがMiddlewareホーム内に見つからない場合は、管理サーバーのドメインを個別にバックアップします。これによって、Oracle SOA SuiteやOracle WebCenterなどのJavaコンポーネントがバックアップされます。

    例:

    tar -cf domain_home_backup_092010.tar DOMAIN_HOME/*
    

    ほとんどの場合、管理対象サーバーのディレクトリを個別にバックアップする必要はありません。管理サーバーのドメインには管理対象サーバーに関する情報が格納されているためです。管理対象サーバーの環境をカスタマイズしている場合は、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップします。バックアップが必要なものの詳細は、第16.5項を参照してください。

  4. Oracleインスタンス・ホームがMiddlewareホーム内に見つからない場合は、Oracleインスタンス・ホームをバックアップします。Oracleインスタンス・ホームには、Oracle HTTP ServerやOracle Internet Directoryなどのシステム・コンポーネントに関する構成情報が含まれています(システム・コンポーネントの一覧は、第3.5.2項を参照)。

    例:

    tar -cf sc_home_backup_092010.tar ORACLE_INSTANCE/*
    
  5. 管理対象サーバーがドメイン内に見つからない場合は、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップします。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf mg1_home_backup_092010.tar server_name/*
    
  6. OraInventoryディレクトリをバックアップします。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf Inven_home_backup_092010.tar /scratch/oracle/OraInventory
    
  7. oraInst.locファイルおよびoratabファイルをバックアップします。これらのファイルは、次のディレクトリにあります。

    /etc
    
  8. Oracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、データベース・リポジトリをバックアップします。詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。次のリンクから入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    
  9. Windowsの場合は、次のレジストリ・キーをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Oracle
    

    また、Oracle Web Cacheなどのシステム・コンポーネント用に、次のWindowsレジストリキーをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services
    

    キーをエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

    regedit /E  FileName Key
    

    例:

    regedit /E C:\oracleregistry.reg HKEY_LOCAL_MACHINE/oracle 
    

    キーのエクスポートにはレジストリ・エディタを使用することもできます。詳細は、レジストリ・エディタのヘルプを参照してください。

  10. Windows上のOracle BI EEでは、第17.3.3項の説明に従って、Windowsレジストリ・エントリをエクスポートする必要があります。

  11. Oracle Fusion Middleware環境の記録を作成します。第17.4項を参照してください。

17.3.2 ランタイム・アーティファクトのオンライン・バックアップの実行

ランタイム・アーティファクトのバックアップは、定期的に、また第16.3.2項で説明している時点で実行する必要があります。

ランタイム・アーティファクトをバックアップする手順は次のとおりです。

  1. バックアップの矛盾を防ぐために、バックアップが完了するまでは、いずれの構成も変更しないでください。WebLogic Serverドメインで変更が行われないようにするには、第3.4.2項で説明しているようにWebLogic Serverの構成をロックします。

  2. 管理サーバーのドメイン・ディレクトリをバックアップします。これによって、Oracle SOA SuiteやOracle WebCenterなどのJavaコンポーネントがバックアップされます。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf domain_home_backup_092010.tar MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/*
    

    Oracle Portal、Oracle Reports、Oracle Forms ServicesおよびOracle Business Intelligence Discovererの場合は、管理サーバーのドメイン・ディレクトリ以外にも、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップする必要があります。

  3. Oracleインスタンス・ホームをバックアップします。これによって、Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントがバックアップされます。たとえば、次のように指定します。

    tar -cf sc_home_backup_092010.tar ORACLE_INSTANCE/*
    
  4. Oracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、データベース・リポジトリをバックアップします。詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。次のリンクから入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    
  5. Oracle Fusion Middleware環境の記録を作成します。第17.4項を参照してください。

17.3.3 WindowsでのOracle BI EEレジストリ・エントリのエクスポート

Windowsでは、Oracle BI EEのレジストリ・エントリをエクスポートします。ホストの破損時には、そのエントリを新しいホストにインポートできます。次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行します。

    regedit
    
  2. レジストリ・エディタで、ノードHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Oracleを検索します。

  3. ノードを右クリックしてから、「エクスポート」をクリックします。ファイル名を入力して、「保存」をクリックします。

  4. ノードHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Servicesを検索します。

  5. このノード内のOracleで始まる各ノードをエクスポートします(ノードを右クリックしてから、「エクスポート」をクリックします。ファイル名を入力して、「保存」をクリックします)。

  6. ノードHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet002\Servicesを検索します。

  7. このノード内のOracleで始まる各ノードをエクスポートします(ノードを右クリックしてから、「エクスポート」をクリックします。ファイル名を入力して、「保存」をクリックします)。

  8. ノードHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Servicesを検索します。

  9. このノード内のOracleで始まる各ノードをエクスポートします(ノードを右クリックしてから、「エクスポート」をクリックします。ファイル名を入力して、「保存」をクリックします)。

17.4 Oracle Fusion Middleware構成の記録の作成

Oracle Fusion Middleware環境のリストアおよびリカバリが必要な場合は、必要なすべての情報を入手し、対処することが重要です。これは、特にOracle Fusion Middleware環境全体(またはその一部)を新しいディスクまたはホストに再構成する必要があるような、ハードウェアの損失が発生した場合に当てはまります。

この項で説明されている情報を含む、Oracle Fusion Middleware環境の最新記録を維持管理する必要があります。この情報は、印刷物と電子形式の両方で保管してください。電子形式のデータは、Oracle Fusion Middleware環境とはまったく別のホストまたは電子メール・システム上に格納する必要があります。

Oracle Fusion Middlewareのハードウェアおよびソフトウェア構成の記録には、次のものが含まれます。