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Oracle® Fusion Middlewareパッチ適用ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B61412-02
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B パッチ・アシスタントを使用した11g リリース1(11.1.1.1.0)からリリース1(11.1.1.2.0)への移行

この章の内容は次のとおりです。


重要事項:

この章に記述されている情報と手順は、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)をインストールして構成したユーザーにのみ該当します。現在使用しているのがリリース1(11.1.1.1.0)の場合は、環境にパッチを適用してリリース1(11.1.1.4.0)にアップグレードする前に、この章を使用して、Oracle Fusion Middleware環境をリリース1(11.1.1.2.0)に更新する必要があります。

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)または11gリリース1(11.1.1.3.0)をすでに実行している場合は、この付録を無視してください。


B.1 Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)パッチ・アシスタントの概要

パッチ・アシスタントを使用すると、11.1.1.1.0および11.1.1.2.0のインストールとともに使用していたOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のコンポーネントの既存の構成を移行できます。パッチ・アシスタントは完全なソフトウェア配布ではありません。このパッチ・アシスタントは、既存のOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のインストールに対して実行する必要があります。パッチ・アシスタントは、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のすべての製品で機能するように設計されています。ドメインまたはインスタンス内にOracle製品が存在しないというメッセージが表示される場合があります。このメッセージは単なる情報であり、エラーを示すものではありません。

パッチ・アシスタントでサポートされるOracle Fusion Middlewareのコンポーネントについては、表B-7を参照してください。


注意:

パッチ・アシスタントは、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のドメインおよびOracleインスタンスの更新専用です。既存の11.1.1.1.0ドメインおよびインスタンスの更新以外の場合にパッチ・アシスタントを使用する必要はありません。

パッチ・アシスタントは、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)から次のものを移行する場合に役に立ちます。

パッチ・アシスタント・ツールを実行すると、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)ドメインおよびインスタンスのディレクトリがOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)インストールの新しいディレクトリにコピーされます。Middlewareホームは、Oracle Fusion Middlewareインストールが格納されたOracleディレクトリのフルパスです。この文書では、製品がインストールされたディレクトリをMW_HOMEで示します。


注意:

MW_HOMEは、インストールされたOracle Fusion Middlewareインスタンスのフルパス名に置き換える必要があります。

B.2 移行プロセス

図B-1は、移行プロセスを示しています。既存のOracle Fusion Middleware環境に応じて必要な手順を確認するには、この図を参考にしてください。

図B-1 移行プロセスのフロー・チャート

図B-1の説明が続きます
「図B-1 移行プロセスのフロー・チャート」の説明

B.3 移行の準備

この項では、移行の実行前に理解が必要な重要情報を説明します。

B.3.1 Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)環境の評価および確認

移行プロセスの最初の手順は、現在のOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)環境を評価することです。移行プロセスの際にデプロイメントのトポロジを変更することはできません。ポート構成は保持する必要があり、名前空間に最小限の変更があります。名前空間の変更はすべてpatchMaster.propertiesファイルのプロパティによってカプセル化されます。このファイルはfmw11gR1ps1_patchassist.zipファイルに含まれています。

このパッチ・セットに含まれる製品のリストについては、第B.4.7項「パッチ・アシスタントでサポートされるOracle Fusion Middlewareコンポーネント」を参照してください。

B.3.2 構成の移行準備

この項の内容は次のとおりです。

B.3.2.1 前提条件

この項では、パッチ・アシスタントの実行に関する一般的および製品固有の前提条件について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

B.3.2.1.1 一般的な前提条件

パッチ・アシスタント実行の一般的な前提条件は次のとおりです。

  • Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)がインストールされ、構成されていることを確認します。

  • 11.1.1.1.0のインストールが使用するオペレーティング・システムと同じオペレーティング・システム上に11.1.1.2.0がインストールされることを確認します。

  • システム構成が製品ドキュメントに記載された推奨システム構成と一致していることを確認します。詳細は、http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.htmlを参照してください。

  • Oracle WebLogic Serverにパッケージ化されているApache Ant 1.7.0およびJava JDK(Java SE 6 1.6.0_11およびjrockit_160_05_R27.6.2-20)が存在していることを確認します。


    注意:

    スタンドアロンのOracle Fusion MiddlewareインストールとしてOracle Internet Directory、Oracle Virtual Directory、Oracle HTTP ServerまたはOracle Web Cacheを使用している場合は、Apache Antを別途インストールして構成する必要があります。詳細は、『Installing Ant』(http://ant.apache.org/manual/installlist.html)および第B.3.2.3項「パッチ・アシスタント環境の設定」を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)インストールに使用されているトポロジを詳細に記録しておきます。

  • 既存のOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)インストールのポート構成とインスタンス名を変更していないことを確認します。

  • Microsoft Windowsのtmpおよびtempディレクトリの環境変数が、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の説明に従って設定されていることを確認します。

  • このパッチ・セットの適用前、または既存のOracleソフトウェアにその他の変更を加える前に、Oracleソフトウェア、インベントリ、スキーマおよびドメインをバックアップします。Oracleソフトウェアおよびインベントリのバックアップ方法については、ご使用の製品の管理者ガイドを参照してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の詳細な管理(バックアップおよびリカバリ)に関する項を参照してください。

  • Windowsでは、patchMaster.propertiesファイルをメモ帳で編集することをお薦めします。Windowsワードパッドなどの他のテキスト・エディタを使用する場合は、ファイルをテキスト形式で保存してください。このファイルの保存にリッチ テキスト形式は使用しないでください。

  • Windowsでは、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)のインストール前にOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のサービス名を削除する必要があります。これはいずれのインストールも同じサービス名を使用するためです。これには、コマンドラインで次のAntタスクを実行します。

    ant master-opmn-delete-service
    

    Antタスクの要求に応じて必要な情報を入力します。


    注意:

    移行を中断して11.1.1.1.0のデプロイメントに戻す場合は、コマンドラインで次のAntタスクを実行します。
    ant master-opmn-create-service
    

  • 移行プロセスで、1つのクラスタ内に種類の異なるノード(11.1.1.2.0のものと11.1.1.2.0のもの)を共存させることはできません。すべてのノードを11.1.1.2.0に移行しないと、環境が使用可能になりません。

B.3.2.1.2 製品固有の前提条件

ご使用のOracle Fusion Middlewareコンポーネントによっては、さらに次の前提条件にも従う必要があります。

Oracle Fusion Middleware監査フレームワーク

Oracle Fusion Middleware監査フレームワークでは、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)のJavaコンポーネントに監査ポリシーが構成されているため、次の手順でパッチ・アシスタントの実行前に構成をエクスポートする必要があります。

  1. Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左側のペインでWebLogicドメインを開き、使用するドメインを選択します。

    選択したドメインのページが表示されます。

  3. WebLogicドメインから、「セキュリティ」→「監査ポリシー」を選択します。

    監査ポリシー」ページが表示されます。

  4. 監査ポリシーを選択して、「エクスポート」をクリックします。

  5. マシンにAuditConfigurationファイルを保存します。

Oracle Directory Integration Platform

Oracle Directory Integration Platformの場合は、次の手順を実行します。

  1. ご使用のOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)Oracle Internet Directoryが起動し、SSL No-Authモードで稼働中であることを確認します。

  2. 次のコマンドを使用して、Oracle Internet Directory 11g リリース1(11.1.1.2.0)のインストール時に作成したOracle WebLogicのドメインを拡張します。

    Windows

    config.cmd (場所: ORACLE_HOME\bin)

    UNIX

    config.sh (場所: ORACLE_HOME/bin)

    Oracle Fusion Middleware構成ウィザードが表示されます。Oracle Internet Directory 11g リリース1(11.1.1.2.0)の接続の詳細および資格証明を入力します。

  3. Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)ドメインを停止します。

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directory

ご使用のインストールによっては、次の前提条件を満たす必要があります。

  • 11.1.1.1.0の構成でOracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryが新しいWebLogicのドメインで作成されている場合は、11.1.1.2.0ドメインの構成時にOracle Fusion Middleware構成ウィザードの「ようこそ」画面で「新しいWebLogicドメインの作成」オプションを選択します。

    11.1.1.2.0の構成時に「新しいWebLogicドメインの作成」オプションを選択した場合は、Oracle Internet DirectoryとOracle Virtual Directoryを選択解除し、Oracle Directory Services Managerを選択します。

  • ご使用のOracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryが11.1.1.1.0構成のいずれのOracle WebLogicのドメインにも登録されていない場合は、11.1.1.2.0の構成は必要ありません。patchMaster.propertiesファイルのプロパティpatchMaster.Oracleinstancenewlistをインスタンスの新しいディレクトリに設定する必要があります。11.1.1.1.0と同じインスタンス名が保持されていることを確認してください。

  • ご使用の11.1.1.1.0の構成で、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryが既存のOracle WebLogicのドメインに登録されている場合、11.1.1.2.0の構成は必要ありません。patchMaster.propertiesファイルのプロパティpatchMaster.Oracleinstancenewlistを新しいディレクトリに設定して、Antターゲットを使用してインスタンスを既存の11.1.1.2.0 WebLogicドメインに登録します。11.1.1.1.0で使用されていたインスタンス名が保持されていることを確認してください。

Oracle WebCenter

Oracle WebCenterの移行時は、次の方法のいずれかを選択できます。

  • 11.1.1.1.0と11.1.1.2.0の2つのOracleWebCenterのインスタンスを並列的に保持します。このようにするには、Oracle WebCenter11.1.1.2.0の完全インストールを実行する必要があります。これで、エクスポートおよびインポートのユーティリティを使用してOracle WebCenter 11.1.1.1.0のデータを新しいWebCenterインスタンスに移行できます。この方法を選択すると必要に応じてOracle WebCenterの両方のインスタンスを使用できます。たとえば、2つのインスタンスを並列的に実行して、停止時間を最小限に抑えたり、11.1.1.2.0のインスタンスに完全に切り替える前に11.1.1.2.0のインスタンスを11.1.1.1.0のインスタンスと同じレベルに確実に設定することができます。

    Oracle WebCenterのインストール方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイドを参照してください。エクスポートおよびインポートのユーティリティの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドの「WebCenterのエクスポート、インポート、バックアップおよびリカバリの管理」の章を参照してください。

  • Oracle WebCenter 11.1.1.1.0のリポジトリおよび中間層をOracle WebCenter 11.1.1.2.0に完全に移行します。この方法を使用すると、ご使用のOracle WebCenter 11.1.1.1.0リポジトリのデータを保持してリポジトリを再使用できます。

    このガイドでは、Oracle WebCenterのこの移行方法の実装に必要なタスクを説明します。

Oracle Portal

更新の前に、OmniPortletとWebClippingのカスタマイズをバックアップします。詳細は、第3.4.2項「Oracle PortalおよびOracle WebCenterのOmniPortletおよびWebClippingカスタマイズの保存とリストア」を参照してください。

B.3.2.2 パッチ・アシスタントのコンテンツの抽出

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1のパッチ・スクリプト・メディアに含まれるfmw11gR1ps1_patchassist.zipは、ダウンロードできます。このzipファイルは、Oracle Technology Network(OTN)(URL: http://oracle.com/technology)のOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.2.0)と同じメディア・パックで提供されています。

このzipファイルをダウンロードしたら、ローカル・マシン上の特定の場所にコンテンツを抽出します。この場所は新旧のOracle Fusion Middlewareコンポーネントがインストールされている場所です。11.1.1.1.0と11.1.1.2.0のインストールで同じオペレーティング・システムが使用されていることを確認してください。このzipファイルには次のファイルが含まれています。

  • README – 環境の説明が記載されています。

  • patchMaster.properties - ユーザー入力ファイルです。

  • build.xml – マスター・ビルド・ファイルです。Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのそれぞれに専用のbuild.xmlファイルがあります。

B.3.2.3 パッチ・アシスタント環境の設定

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)でパッチ・アシスタントの環境を設定するには、ANT_HOMEを設定してそれをPATHに追加し、JAVA_HOMEpermgenサイズを設定する必要があります。

Windowsのサンプルは次のとおりです。

set ANT_HOME=MW_HOME\modules\org.apache.ant_1.7.0
set PATH=%PATH%;%ANT_HOME%\bin
set JAVA_HOME=MW_HOME\jdk160_14_R27.6.4-18
set ANT_OPTS=-Xmx512M -XX:MaxPermSize=512m

UNIXのサンプルは次のとおりです。

setenv MW_HOME ##set mw home here##
setenv ANT_HOME $MW_HOME/modules/org.apache.ant_1.7.0
setenv PATH $ANT_HOME/bin:$PATH
setenv JAVA_HOME $MW_HOME/jdk160_14_R27.6.5-32
setenv ANT_OPTS "-Xmx512M -XX:MaxPermSize=512m"

B.3.2.4 Oracle Fusion Middlewareの停止

パッチ・アシスタントの実行前に停止する必要があるものは次のとおりです。

  • Oracle WebLogic Server

  • 管理サーバー

  • 管理対象サーバー

  • Oracle Management Agent

  • Java EEアプリケーション

  • 高可用性環境

詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の「Oracle Fusion Middlewareの起動と停止」の章を参照してください。

B.3.2.5 ロギング・プロパティの設定

ログ・ファイルは、パッチ・アシスタント実行後の移行の検証やエラーの検出に使用できます。パッチ・アシスタントはPatch Assistantホームにタイムスタンプ・ファイルを作成します。次のロギング・レベルを指定できます。

  • info(デフォルトの設定)

  • error

  • warning

  • verbose

  • debug


注意:

debugオプションとverboseオプションでは機密情報がログに表示される場合があるため、通常はお薦めしません。

ログ・ファイルを使用するには、事前に次のようにロギング・プロパティを設定しておく必要があります。

テキスト・エディタでpatchMaster.propertiesファイルを開き、次のプロパティを更新します。

# Description: Specifies the directory where the log files go
patchMaster.Logdir=${patchMaster.Dir}

ログ・ファイルを保存するデフォルトの場所を指定します。

# Description: Specifies the logging level to be recorded in the log file
patchMaster.Loglevel=info

ロギング・レベルを設定します。

デフォルトのpatchMaster.propertiesのログ・レベルをオーバーライドするには、次の例に示すコマンドを実行します。

ant -DpatchMaster.Loglevel=error

注意:

patchMaster.propertiesは、コマンドラインでプロパティを設定することでオーバーライドできます。コマンドラインでdebugオプションまたはverboseオプションが使用されると、patchMaster.propertiesファイルで設定されたロギング・レベルのプロパティがオーバーライドされます。詳細は、第B.4.6.1項「patchMaster.propertiesファイルで設定されたプロパティのオーバーライド」を参照してください。

B.4 Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)への移行

この項では、移行手順を説明します。この項の内容は次のとおりです。

B.4.1 移行ロードマップ

表B-1は、Oracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0から11.1.1.2.0への移行タスクの概要を示しています。この表には各タスクの詳細を参照できる場所についての情報も記載されています。

表B-1 移行手順に含まれるタスク

タスク 説明 ドキュメント 必須/オプション

タスク1 - 既存構成のバックアップ、ポートおよびインスタンス名の保持など、一般的な前提条件に従った環境の準備

パッチ・アシスタント実行の一般的な前提条件のすべてを完了します。

詳細は、第B.3.2.1.1項「一般的な前提条件」を参照してください。

必須

タスク2 - 製品固有の前提条件に従った環境の準備(該当する場合)

必要に応じてパッチ・アシスタント実行の製品固有の前提条件のすべてを完了します。

詳細は、第B.3.2.1.2項「製品固有の前提条件」を参照してください。

オプション

タスク3 - Oracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0のすべてのドメインとインスタンスの停止

Oracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0のすべてのドメインとインスタンスを確実に停止します。

詳細は、第B.3.2.4項「Oracle Fusion Middlewareの停止」および第B.4.2.1項「旧ドメインの停止」を参照してください。

必須

タスク4 - 11.1.1.2.0のソフトウェア(Oracle WebLogic Server、リポジトリ作成ユーティリティ、およびOracle製品)のインストール

11.1.1.2.0のOracle WebLogic Server、リポジトリ作成ユーティリティ、およびOracle製品などのOracleソフトウェアをインストールします。移行プロセスのこの段階ではWebLogicのドメインの作成と構成は行いません。

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1)のMW_HOMEと同じホスト上の別のMiddlewareホームにOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)およびコンポーネントをインストールします。インストールの開始前に11.1.1.1.0のOracle Fusion Middlewareコンポーネントを停止していることを確認します。これによって11.1.1.2.0のインストールでも11.1.1.1.0と同じポート番号、ホスト名、およびマシン名を保持できます。

Oracle WebLogic Serverのインストール手順については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を参照してください。

システム要件については次のサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_requirements.htm

動作保証情報については次のサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

Oracle製品のインストールの詳細は、各製品のインストレーション・ガイドを参照してください。

必須

タスク5 - パッチ・アシスタントのZIPファイルのダウンロード

パッチ・アシスタントのzipファイルをダウンロードして、コンテンツを抽出します。

解凍したら、プロパティを編集する前にパッチ・アシスタントを構成します。

詳細は、第B.4.2.3項「パッチ・アシスタントのダウンロード」を参照してください。

必須

タスク6 - patchMaster.propertiesファイルの設定およびスキーマのみのパッチ・アシスタントの実行

11.1.1.1.0のスキーマが格納されるOracleデータベースが起動し稼働中であることを確認します。これによってパッチ・アシスタントからSCHEMA_VERSION_REPOSITORY表へのアクセスが可能になります。

patchMaster.propertiesファイルで、スキーマ関連のプロパティを指定して、ant master-patch-schemaコマンドを実行し、スキーマのみを移行します。

注意: Oracle Portalでは、タスク7、8および9の手順を完了してからスキーマ移行の手順に従う必要があります。パッチ・アシスタントを実行してスキーマを移行する前に、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports, and Discovererアップグレード・ガイドで次に関する項を参照してください。

  • Oracle Portalスキーマのアップグレードによる影響の把握

  • Oracle Portal 10gのスキーマが存在するデータベースの無効オブジェクトのチェック

  • Oracle Portal 10gスキーマが存在するデータベースのバックアップ

  • Oracle Portal 11gの必須データベース・パラメータの検証

  • データベースおよびOracle Internet Directoryが実行中であることの検証

Oracle Portalの移行に固有のログ・ファイルは、ORACLE_HOME/upgrade/logsディレクトリ(UNIX)のupgrade.logファイルおよびprecheck.logファイルで生成されます。

Oracle PortalリポジトリがOracle Metadata Repositoryに格納されているのではなく別のデータベースにインストールされている場合は、ここで説明する手順を使用しないでください。この場合は、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイドのカスタマ・データベース内のOracle Portalリポジトリのアップグレードに関する項を参照してください。

詳細は、第B.4.2.4項「スキーマの移行」を参照してください。

必須

タスク7 - Oracle Fusion Middleware構成ウィザード(config.sh)による11.1.1.2.0のWebLogicドメインの作成と構成

11.1.1.2.0インストールのWebLogic管理ドメインを作成および構成します。このドメインは必ずご使用の11.1.1.1.0ドメインと同様に構成してください。

詳細は、第B.4.2.5項「11.1.1.2.0のWebLogicドメインの作成」および製品固有のインストレーション・ガイドを参照してください。

必須

タスク8 - patchMaster.propertiesファイルの設定およびドメインに対するパッチ・アシスタントの実行

patchMaster.propertiesファイルでドメイン関連のプロパティを指定し、ant master-patch-domainコマンドを実行してWebLogicのドメインを移行します。

移行対象のドメインのすべての製品にパッチを適用する必要があります。

詳細は、第B.4.2.6項「ドメインの移行」を参照してください。

必須

タスク9 - patchMaster.propertiesファイルの設定およびOracleインスタンスに対するパッチ・アシスタントの実行

patchMaster.propertiesファイルでインスタンス関連のプロパティを指定し、ant master-patch-oinstanceコマンドを実行してインスタンスを移行します。

詳細は、第B.4.2.7項「インスタンスの移行」を参照してください。

オプション

タスク10 - パッチ・アシスタントの実行によるインスタンスの登録

インスタンスの移行後にant master-register-oinstanceコマンドを実行してインスタンスを登録します。

詳細は、第B.4.2.8項「インスタンスの登録」を参照してください。

必須

タスク11 - 11.1.1.2.0ドメインおよびインスタンスの起動

ant master-start-domain-newコマンドを実行して、新しい11.1.1.2.0ドメインを起動します。さらに、新しいインスタンスも起動します。

詳細は、第B.4.2.9項「11.1.1.2.0ドメインの起動と停止」を参照してください。

必須

タスク12 - 製品固有の移行後の要件に応じた環境の準備

製品固有の移行後のタスクを実行します。

詳細は、第B.4.3項「Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行後の構成」を参照してください。

Oracle製品で移行後の構成が要求される場合は必須

タスク13 - 11.1.1.1.0インストールの廃止

11.1.1.1.0のインストールを削除します。

詳細は、第B.4.2.11項「11.1.1.1.0インストールの廃止」を参照してください。

オプション


B.4.2 移行手順

既存の構成を11.1.1.1.0から11.1.1.2.0に移行するには、次のタスクを実行します。

  1. 旧ドメインの停止

  2. 11.1.1.2.0のOracleソフトウェアのインストール

  3. パッチ・アシスタントのダウンロード

  4. スキーマの移行

  5. 11.1.1.2.0のWebLogicドメインの作成

  6. ドメインの移行

  7. インスタンスの移行

  8. インスタンスの登録

  9. 11.1.1.2.0ドメインの起動と停止

  10. 移行後のタスクすべての実行

  11. 11.1.1.1.0インストールの廃止

B.4.2.1 旧ドメインの停止

旧11.1.1.1.0ドメインを停止する手順は次のとおりです。


注意:

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを停止するには、Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic Server管理コンソール、あるいはWLSTまたはOPMNコマンドを使用することもできます。

  1. テキスト・エディタでpatchMaster.propertiesファイル(patchMasterディレクトリ内)を開き、必要に応じてpatchMaster.propertiesファイルの次のプロパティを指定します。

    patchMaster.Oraclehomeold
    patchMaster.Oracleinstanceoldlist
    patchMaster.Domainadminhost
    patchMaster.Domainadminport
    

    patchMaster.Domainadminhostプロパティの指定がない場合は、デフォルト値のローカル・ホストが使用されます。patchMaster.Domainadminportプロパティの指定がない場合は、デフォルト値7001が使用されます。プロパティを編集したら、ファイルを保存して閉じます。patchMaster.propertiesファイルのプロパティの詳細は、第B.4.6項「patchMaster.propertiesファイルに含まれるプロパティ」を参照してください。


    注意:

    複数のOracle製品がインストールされている場合は、製品ごとにパッチ・アシスタントを実行し、patchMaster.Oraclehomeoldも製品ごとに設定する必要があります。

  2. コマンドラインで次のコマンドを実行します。

    ant master-stop-domain-old
    
  3. 要求に従って、ドメイン・ユーザー名とパスワードを入力します。

B.4.2.2 11.1.1.2.0のOracleソフトウェアのインストール

11.1.1.2.0のOracle WebLogic Server、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)、およびOracle製品をインストールする必要があります。

  • 新しいMiddlewareホーム・ディレクトリを作成します。

  • リポジトリ作成ユーティリティをインストールします。

  • 製品バンドルのソフトウェアのみのインストールを実行します。

システム環境がOracle Fusion Middlewareの一般インストール要件を満たしていることを確認します。一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントには、Oracleデータベースへのインストールが要求されるスキーマが必要です。既存の11g R1(11.1.1.1.0)製品には新しいスキーマをインストールしないことをお薦めします。ただし、同じ環境内で適切なスキーマの作成が必要な新しい製品を追加できます。このような製品に対しては、RCUを使用してスキーマを作成しデータベースにロードできます。サポートされるOracleデータベースが起動し稼働中であることを確認してください。詳細は、http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.htmlを参照してください。

11.1.1.1.0と11.1.1.2.0で同じインスタンス名が使用されていることを確認します。


注意:

中間層を移行する際は、新しい11.1.1.2.0環境に新規の中間層をインストールすることになります。パッチ・アシスタントによって、中間層の構成がこの新しいインスタンスに移行されます。

クラスタ・シナリオも含めてインストール・プロセスの詳細は、第B.4.4項「インストール・プロセス」を参照してください。

B.4.2.3 パッチ・アシスタントのダウンロード

パッチ・アシスタントのダウンロードとコンテンツの抽出の詳細は、第B.3.2.2項「パッチ・アシスタントのコンテンツの抽出」を参照してください。

B.4.2.4 スキーマの移行

リポジトリの更新を可能にするには、11.1.1.1.0ドメインが構成されていること、およびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の実行によって移入された表が含まれていることを確認する必要があります。


注意:

Oracle Content Serverのインストールは、Oracle WebCenterのインストール時に選択することも、後からスタンドアロンのインストールを実行することもできます。Oracle Content Serverのスタンドアロン・インストールを実行した場合、スキーマを移行する前にOracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0で、Oracle Content Serverのスキーマの名前を変更して標準の接尾辞OCSERVERが組み込まれるようにする必要があります。詳細は、第B.4.2.4.1項「Oracle Content Serverスキーマの名前の変更」を参照してください。

スキーマを移行するには、次の手順を実行します。

  1. テキスト・エディタでpatchMaster.propertiesファイル(patchMasterディレクトリ内)を開き、patchMaster.propertiesファイルの次のスキーマ関連のプロパティを指定します。

    patchMaster.Schemaurl
    patchMaster.Schemauser
    patchMaster.Schemaprefix
    patchMaster.Mwhomenew
    patchMaster.Mwhomeold
    patchMaster.Componentlist
    

    注意:

    単一コンポーネントのスキーマを移行する場合、patchMaster.Componentlistプロパティはオプションです。Oracle Portalの場合は前述のプロパティに加えてpatchMaster.Oraclehomenewプロパティも指定する必要があります。

    RCUを使用してサーバーのスキーマを作成している場合は、patchMaster.Componentlistで、Oracle Content Serverを単なるコンポーネントとして含めます。スキーマの作成にRCUを使用していない場合は、必ず第B.4.2.4.1項「Oracle Content Serverスキーマの名前の変更」で説明されたスキーマの名前変更プロセスを完了してから、patchMaster.Componentlistのリストにサーバーを含めます。


    プロパティを編集したら、ファイルを保存して閉じます。patchMaster.propertiesファイルのプロパティの詳細は、第B.4.6項「patchMaster.propertiesファイルに含まれるプロパティ」を参照してください。

  2. コマンドラインで次のコマンドを実行して、データベース・スキーマを移行します。要求に従って必要なユーザー名とパスワードを入力してください。

    ant master-patch-schema
    

    パッチ・アシスタントでは同じ接頭辞を共有する1セットのコンポーネント・スキーマのみを移行できます。デプロイメント内に別の接頭辞を持つ複数のコンポーネントが存在し、特定のリポジトリを共有するスキーマが複数存在する場合は、接頭辞ごとにパッチ・アシスタントを複数回起動する必要があります。


    注意:

    特定のコンポーネントのメタデータ・サービス・スキーマを移行する場合、同じメタデータ・サービス・スキーマを使用する他のすべてのコンポーネントにも影響が及びます。Oracle SOAを使用している場合は、スキーマを移行する際にコマンドラインにant -q master-patch-schemaを入力する必要があります。

    ご使用のOracle Fusion Middlewareのスキーマのアップグレードの詳細は、Oracle Fusion Middlewareオンライン・ドキュメント・ライブラリで、各製品のアップグレード・ガイドを参照してください。

スキーマの移行時に例外が発生することがあります。これらの例外の一部は無視してかまいません。次のサンプルはこのような例外の一例を示しています。

[java] SEVERE: Error while registering Oracle JDBC Diagnosability MBean.
     [java] java.security.AccessControlException: access denied (javax.management.MBeanTrustPermission register)
     [java]     at java.security.AccessControlContext.checkPermission(AccessControlContext.java:323)

注意:

パッチ・アシスタントによって、操作ごとに必要なすべてのプロパティが設定されていることが確認されます。

パッチ・アシスタントはすべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを移行しようと試みます。デプロイメント内に特定のコンポーネントがインストールされていない場合、または構成されていない場合は、これらの移行の試行に関するログ・メッセージが生成されます。

Oracle Portalの移行に固有のログ・ファイルは、ORACLE_HOME/upgrade/logsディレクトリ(UNIX)のupgrade.logファイルおよびprecheck.logファイルで生成されます。


B.4.2.4.1 Oracle Content Serverスキーマの名前の変更

Oracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0で、Oracle Content Serverのスタンドアロン・インストールを実行している場合は、スキーマの移行前にOracle Content Serverのスキーマの名前を変更して、標準の接尾辞OCSERVERが組み込まれるようにする必要があります。Oracle Content Server上での索引の再作成も必要です。

Oracle Content Serverスキーマの名前を変更する手順は次のとおりです。

  1. RCUを使用して新しいスキーマ(例: DEV_OCSERVER)を作成します。必ず既存のOracle Content Serverスキーマと同じパスワードを使用してください。

  2. 既存のスキーマ(例: IDC_IR10)をエクスポートします。

  3. 作成した新しいスキーマ(DEV_OCSERVER)にデータをインポートします。


    注意:

    新たに作成したスキーマにデータをインポートする前に、生成済のデータベース・オブジェクトのすべてがそのスキーマから削除されていることを確認します。

  4. Oracle Content Serverのインストールディレクトリからconfig/config.cfgファイルを開きます。

  5. 構成ファイルに記載されているOracle Content Serverスキーマの名前を新たに作成したスキーマの名前に変更します(たとえば、IDC_IR10からDEV_OCSERVERに名前を変更します)。

  6. Oracle Content Server管理コンソールにアクセスして、データが存在することを確認します。

Oracle Content Serverスキーマの名前を変更した後は、この項の最初に述べたようにスキーマを移行する必要があります。

スキーマを移行したら、Oracle Content Serverで索引を再作成する必要があります。

索引を再作成する手順は次のとおりです。

  1. Oracle Content Serverにシステム管理者としてログオンします。

  2. 管理」→「管理アプレット」→「リポジトリ・マネージャ」とナビゲートして、管理コンソールからリポジトリ・マネージャにアクセスします。

  3. 索引作成」タブをクリックします。

  4. コレクション・ビルダー・サイクルセクションで「起動」をクリックします。コレクションの再作成がすでに進行中の場合は操作を再開しないでください。まずコレクション再作成操作を停止して、それから操作を開始します。コレクションの再作成操作は時間のかかる作業であるため、注意が必要です。

B.4.2.5 11.1.1.2.0のWebLogicドメインの作成

11.1.1.2.0用のWebLogicのドメインを作成する手順は次のとおりです。

  1. コマンドラインで、MW_Home/oracle_common/common/bin/config.shコマンド(UNIX)、またはMW_Home\oracle_common\common\bin\config.cmdコマンド(Windows)を実行します。Oracle Fusion Middleware構成ウィザードが表示されます。

    Oracle Portal、Oracle Forms、Oracle Reports、およびOracle Discovererのconfig.shコマンドはORACLE_HOME/bin(UNIX)に、config.cmdコマンドはORACLE_HOME\bin(Windows)にあります。

  2. 「ようこそ」画面で「新しいWebLogicドメインの作成」オプションを選択し、「次へ」をクリックします。「ドメイン・ソースの選択」画面が表示されます。

  3. 「ドメイン・ソースの選択」画面で、「以下の製品をサポートするために、自動的に構成されたドメインを生成する」オプションが選択されていることを確認します。既存の11.1.1.1.0のインストールに含まれていた製品のテンプレートを選択します。たとえば、11.1.1.1.0のインストールのドメインがSOAで構成されていた場合は、11.1.1.2.0でもSOAを使用して新しいドメインを構成する必要があります。「次へ」をクリックします。ドメイン名と場所の選択画面が表示されます。

  4. 作成するドメインの名前と場所を入力して「次へ」をクリックします。11.1.1.1.0ドメインと同じドメイン名であることを確認します。「次へ」をクリックします。「管理者ユーザー名およびパスワードの構成」画面が表示されます。

  5. 管理者のユーザー名とパスワードを構成します。デフォルトのユーザー名はweblogicです。「次へ」をクリックします。

  6. 「サーバーの起動モードおよびJDKの構成」画面でJDKを選択します。

  7. JDBCコンポーネント・スキーマを構成し、この構成時に11.1.1.1.0と同じトポロジが保持されていることを確認します。

  8. 「オプションの構成を選択」画面で、「管理サーバー」と「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン・オプション」および「デプロイメントとサービス」チェック・ボックスを選択します。「次へ」をクリックします。

  9. 必要に応じて管理サーバー、管理対象サーバー、クラスタ、およびマシンを構成します。この構成時に11.1.1.1.0と同じトポロジが保持されていることを確認します。

  10. 「構成のサマリ」画面で、ドメイン構成を確認し、「作成」をクリックしてドメインを作成します。

指定した構成属性のWebLogicドメインが作成されます。


注意:

パッチ・アシスタントによって、操作ごとに必要なすべてのプロパティが設定されていることが確認されます。

パッチ・アシスタントはすべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを移行しようと試みます。デプロイメント内に特定のコンポーネントがインストールされていない場合、または構成されていない場合は、これらの移行の試行に関するログ・メッセージが生成されます。


クラスタ・シナリオも含めて構成プロセスの詳細は、第B.4.5項「構成プロセス」を参照してください。

B.4.2.6 ドメインの移行

WebLogicドメインの移行を可能にするには、データベース・スキーマが移行されていること、新しい11.1.1.2.0製品がインストールされていること、新しい11.1.1.2.0ドメインが構成されていること(従来の11.1.1.1.0インストールでの構成と同様に)、およびすべてのWebLogicドメインがシャットダウンしていることを確認します。11.1.1.1.0ドメインを移行すると、ドメイン内に構成されていた製品も新しい11.1.1.2.0ドメインに移行されます。


注意:

複数のOracle製品がインストールされている場合は製品ごとにパッチ・アシスタントを実行し、patchMaster.Oraclehomeoldも製品ごとに設定する必要があります。ドメイン内で移行対象のすべての製品にパッチを適用する必要があります。

WebLogicドメインを移行するには、次のすべての手順を実行します。

  1. テキスト・エディタでpatchMaster.propertiesファイル(patchMasterディレクトリ内)を開き、次のドメイン関連のプロパティを指定します。

    patchMaster.Domainhomenew
    patchMaster.Domainapplicationshomenew
    patchMaster.Domainhomeold
    patchMaster.Domainusername
    patchMaster.Oracleinstanceoldlist
    patchMaster.Oraclehomeold
    

    プロパティを編集したら、ファイルを保存して閉じます。patchMaster.propertiesファイルのプロパティの詳細は、第B.4.6項「patchMaster.propertiesファイルに含まれるプロパティ」を参照してください。

  2. コマンドラインで次のコマンドを実行して、WebLogicドメインを移行します。

    ant master-patch-domain
    

    注意:

    パッチ・アシスタントによって、操作ごとに必要なすべてのプロパティが設定されていることが確認されます。

    パッチ・アシスタントはすべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを移行しようと試みます。デプロイメント内に特定のコンポーネントがインストールされていない場合、または構成されていない場合は、これらの移行の試行に関するログ・メッセージが生成されます。

    Oracle Directory Integration Platformでは、前述のターゲットを入力するだけで移行プロセスを完了できます。Oracle SOAを使用している場合、WebLogicドメインを移行するには、コマンドラインにant -q master-patch-domainを入力する必要があります。


クラスタ環境を使用している場合は、データベース・スキーマが移行されていること、新しい11.1.1.2.0製品がクラスタ環境にインストールされていること、クラスタ環境に新しい11.1.1.2.0ドメインが構成されていること(従来の11.1.1.1.0インストールでの構成と同様に)、およびすべてのWebLogicドメインがシャットダウンしていることを確認します。

B.4.2.7 インスタンスの移行

Oracleインスタンスの移行を可能にするには、データベース・スキーマが移行されていること、新しい11.1.1.2.0製品がインストールされていること、新しい11.1.1.2.0ドメインが構成されていること(従来の11.1.1.1.0インストールでの構成と同様に)、ドメインが移行されていること、およびOracleインスタンスがシャットダウンしていることを確認します。


注意:

管理対象サーバーが複数存在する高可用性(クラスタ化)環境でOracle Business Intelligence Discovererを使用している場合は、コマンドラインで次のjavaプロパティを指定してデフォルト値WLS_DISCOをオーバーライドできます。
  • srcDiscoMgdServer

  • destDiscoMgdServer

例:

ant -DsrcDiscoMgdServer=WLS_DISCO1 -DdestDiscoMgdServer=WLS_DISCO1 master-patch-oinstance

インスタンスを移行するには、次の手順を実行します。

  1. テキスト・エディタでpatchMaster.propertiesファイル(patchMasterディレクトリ内)を開き、次のOracleインスタンス・ホーム関連のプロパティを指定します。

    patchMaster.Oracleinstanceoldlist
    patchMaster.Oracleinstancenewlist
    

    プロパティを編集したら、ファイルを保存して閉じます。patchMaster.propertiesファイルのプロパティの詳細は、第B.4.6項「patchMaster.propertiesファイルに含まれるプロパティ」を参照してください。

  2. コマンドラインで次のコマンドを実行して、Oracleインスタンスを移行します。

    ant master-patch-oinstance
    

注意:

パッチ・アシスタントによって、操作ごとに必要なすべてのプロパティが設定されていることが確認されます。

パッチ・アシスタントはすべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを移行しようと試みます。デプロイメント内に特定のコンポーネントがインストールされていない場合、または構成されていない場合は、これらの移行の試行に関するログ・メッセージが生成されます。


B.4.2.8 インスタンスの登録

インスタンスの移行後は、次のすべての手順を実行してインスタンスを登録する必要があります。


注意:

インスタンスの登録前に、管理サーバーが起動し稼働中であることを確認します。

  1. テキスト・エディタでpatchMaster.propertiesファイル(patchMasterディレクトリ内)を開き、必要に応じてpatchMaster.propertiesファイルの次のプロパティを指定します。

    patchMaster.Oracleinstancenewlist
    

    プロパティを編集したら、ファイルを保存して閉じます。patchMaster.propertiesファイルのプロパティの詳細は、第B.4.6項「patchMaster.propertiesファイルに含まれるプロパティ」を参照してください。

  2. コマンドラインで次のコマンドを実行します。

    ant master-register-oinstance
    
  3. 要求に従って、ドメイン・ユーザー名とパスワードを入力します。


注意:

パッチ・アシスタントによって、操作ごとに必要なすべてのプロパティが設定されていることが確認されます。

パッチ・アシスタントはすべてのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを移行しようと試みます。デプロイメント内に特定のコンポーネントがインストールされていない場合、または構成されていない場合は、これらの移行の試行に関するログ・メッセージが生成されます。


B.4.2.9 11.1.1.2.0ドメインの起動と停止

新しい11.1.1.2.0ドメインを起動または停止するには、patchMaster.propertiesファイルでpatchMaster.Domainhomenewプロパティを指定する必要があります。

新しい11.1.1.2.0ドメインを起動するには、コマンドラインで次のコマンドを実行します。

ant master-start-domain-new

新しい11.1.1.2.0ドメインを停止するには、コマンドラインで次のコマンドを実行します。

ant master-stop-domain-new

B.4.2.10 移行後のタスクの実行

ご使用の製品の移行後のタスクの詳細は、第B.4.3項「Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行後の構成」を参照してください。


注意:

WindowsマシンでOracle Portal、Forms、Reports、およびDiscovererのインストールを実行すると、システムのPATHが更新され、そのインストールのORACLE_HOME\binPATHの前に置かれます。デフォルトでは最初のインストールからOracle Formsを実行することはできません。11.1.1.1.0のコンポーネントにアクセスするには、「マイ コンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」→「詳細設定」タブを選択して、「環境変数」ボタンをクリックします。システム変数PATHを編集して、使用するORACLE_HOME\binPATHの前に置かれるようにします。

B.4.2.11 11.1.1.1.0インストールの廃止

11.1.1.2.0への移行後は、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)を削除できます。詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の「Oracle Identity Management 11g リリース1(11.1.1)の削除」の章

  • Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererインストレーション・ガイドの「Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererの削除」の章

  • Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteインストレーション・ガイドの「Oracle SOA Suiteの削除」の章

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイドの「Oracle WebCenterの削除」の章

  • Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierインストレーション・ガイド』の「Oracle Web Tierの削除」の章


注意:

11.1.1.1.0を削除すると、インストーラによって以前作成されていた11.1.1.2.0 Windowsサービスが削除されます。Antコマンドライン・ユーティリティを使用して次のように各インスタンスのサービスを再作成します。
ant master-opmn-create-service

Antタスクで要求されたときは必要な情報を入力します。


B.4.3 Oracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行後の構成

パッチ・アシスタントの実行後は、一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントを手動で構成する必要があります。

B.4.3.1 Oracle Fusion Middleware監査フレームワークの移行後の構成

Oracle Fusion Middleware監査フレームワークに対してパッチ・アシスタントを実行した後は、次のタスクをすべて実行する必要があります。

B.4.3.1.1 監査スキーマの変換表の更新

11.1.1.1.0でIAU_DISP_NAMES_TL監査イベント変換データが定義されている場合は、次の手順を実行することで11.1.1.2.0に移行できます。

  1. SQLPlusを実行してシステム・ユーザーとしてデータベースに接続します。例:

    sqlplus sys as sysdba
    
  2. SQLコマンドは、次の順序で実行します。

    SQL> alter session set current_schema=<Name_of_Your_Audit_Schema>; 
    SQL> delete from iau_disp_names_tl; 
    SQL> @disp_names.sql;
    

    disp_names.sqlは、fmw11gR1ps1_patchassist\Auditフォルダにあります。


    注意:

    変換データを格納するには、文字化けを避けるためUnicode対応のデータベースが必要です。さらに、SQL*Plusとデータベース・サーバー間の文字セット変換が確実に正しく行われるようにするため、disp_names.sqlの実行前にUTF8AL32UTF8などの互換性のある文字セットをNLS_LANG環境変数に設定する必要があります。

    適正なすべてのNLS_LANG値の一覧については、次のURLのOracleデータベース・ドキュメント・ライブラリを参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html
    

B.4.3.1.2 Javaコンポーネントの監査ポリシー構成の移行

11.1.1.1.0でJavaコンポーネントの監査ポリシーが構成されていた場合は、パッチ・アシスタントの実行後、次の手順で構成ファイルをインポートする必要があります。

  1. Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左側のペインでWebLogicドメインを開き、必要なドメインを選択します。

    選択したドメインのページが表示されます。

  3. WebLogicドメインから、「セキュリティ」→「監査ポリシー」を選択します。

    監査ポリシー」ページが表示されます。

  4. 監査ポリシーを選択して、「インポート」をクリックします。

  5. 参照」をクリックして、AuditConfigurationファイルの場所へのパスを指定します。

  6. OK」をクリックします。

B.4.3.1.3 監査データソースの作成

Oracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0で監査データソースが使用されていた場合は、11.1.1.2.0で使用される監査データ・ストアを再作成する必要があります。これには次の手順を実行します。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    http://host:7001/console
    
  2. JDBC」で、「データ・ソース」リンクをクリックします。

    JDBCデータ・ソースのサマリー」ページが表示されます。

  3. 新規」をクリックして、新しいデータソースを作成します。

    新しいJDBCデータ・ソースの作成」ページが表示されます。

  4. 新しいデータソースに次の詳細を入力します。

    • 名前: Audit Data Source-0のような名前を入力します。

    • JNDI名: jdbc/AuditDB

    • データベースのタイプ: Oracle

    • データベース・ドライバ: Oracle's Driver(Thin XA)バージョン: 9.0.1、9.0.2、10、11

    管理対象のクラスタ・サーバーにデプロイする場合は、AdminServerを選択します。この選択によって、ファイルからデータベース・ストアに切り替える際にデータソースが確実に監査ストアにリストされます。

  5. 次へ」をクリックします。

    トランザクション・オプション」ページが表示されます。

  6. 次へ」をクリックします。

    接続プロパティ」ページが表示されます。

  7. 「接続プロパティ」ページで、次の情報を入力します。

    • データベース名: 接続先のデータベースの名前を入力します。通常これはSIDにマップされます。

    • ホスト名: データベースのホスト名を入力します。

    • ポート: データベースのポートを入力します。

    • データベース・ユーザー名: これはRCUで作成した監査スキーマの名前です。監査スキーマの接尾辞は常にIAUです。たとえば、接頭辞にtestを指定したとすると、スキーマ名はtest_iauになります。

    • パスワード: RCUで作成した監査スキーマのパスワードです。

    次へ」をクリックします。

  8. 次のページにJDBCドライバ・クラスとデータベースの詳細が一覧表示されます。デフォルト値を受け入れ、「構成のテスト」をクリックして接続をテストします。「接続は正常に確立されました。」というメッセージが表示されたら「次へ」をクリックします。エラーが表示された場合は、前に戻って接続の詳細を確認します。

  9. 「ターゲットの選択」ページで、このデータソースの構成が必要なサーバーを選択して「終了」をクリックします。

B.4.3.2 Oracle Business Intelligence Discovererの移行後の構成

パッチ・アシスタントの実行後に、既存のOracle BI Discoverer Plus OLAPユーザーにOracle BI Discoverer 11g リリース1(11.1.1.2.0)のDiscovererカタログに対するアクセス権限があることを確認します。アクセス権限を正しく設定するには、コマンドライン・ユーティリティを使用して次のタスクを実行します。

B.4.3.2.1 新しいユーザーに対するDiscovererカタログへのアクセス権限の付与

特定または複数のユーザーにDiscovererカタログへのアクセスを可能にする権限を付与するには次のコマンドを使用します。

java -classpath path_to_d4o_jar_file load . java -classpath path_to_d4o_jar_file authorize -h hostname -po portname 
     -sid database_SID -p d4osyspasswd -u user

Windowsのサンプルは次のとおりです。

java -classpath C:\temp\d4o.jar load . java -classpath C:\temp\d4o.jar authorize -h sys42.example.com -po 1521
     -sid disco_db1 -p nPword432 -u jones

UNIXのサンプルは次のとおりです。

java -classpath /home/abc/temp/d4o.jar load . java -classpath /home/abc/temp/d4o.jar authorize -h sys42.example.com -po 1521
     -sid disco_db1 -p nPword432 -u jones

この例では、任意の数のユーザーに権限を付与する前に1回だけloadコマンドを実行する必要があります。たとえば、10ユーザーに権限を付与する場合は、loadコマンドを1回実行してから、authorizeコマンドを1ユーザーに1回ずつ実行します。

B.4.3.2.2 既存のDiscovererカタログ・ユーザーの権限の更新

すべてのプライベート・フォルダおよび共有フォルダに対するユーザーのアクセス権限を更新するには、次のコマンドを使用します。

java -classpath path_to_d4o_jar_file updatePrivileges -h hostname -po portname
     -sid database_SID -p d4osyspasswd -u user

Windowsのサンプルは次のとおりです。

java -classpath C:\temp\d4o.jar updatePrivileges -h sys42.example.com -po 1521
     -sid disco_db1 -p nPword432 -u jones

UNIXのサンプルは次のとおりです。

java -classpath /home/abc/d4o.jar updatePrivileges -h sys42.example.com -po 1521
     -sid disco_db1 -p nPword432 -u jones

この例で、-uオプションを指定すると、特定のユーザーの権限のみががアップグレードされます。-uオプションを指定しない場合はすべてのユーザーのアクセス権限がアップグレードされます。

B.4.3.3 Oracle Directory Integration Platformの移行後の構成

パッチ・アシスタントの実行後は、Oracle Directory Integration Platform 11g リリース1(11.1.1.2.0)ドメインを起動します。『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の「Oracle Fusion Middlewareの起動と停止」の章で詳細を参照して、次の手順を実行してください。

  1. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. Oracle Enterprise Managerのホーム・ページから、「ファーム」→「エージェントの監視中のターゲット」を選択します。

    エージェントの監視中のターゲット」ページが表示されます。

  3. ターゲット」表からOracle Directory Integration Platformが使用するターゲットを選択して、「構成」をクリックします。

    ターゲットの構成」ページが表示されます。

  4. エージェントの変更」をクリックし、ドロップダウン・ボックスからOracle Internet Directory AgentのURLを選択します。

  5. OK」をクリックします。

  6. 「適用」をクリックします。

  7. Oracle Enterprise Managerからログアウトします。

  8. Oracle Enterprise Managerに再度ログインします。

  9. 次のコマンドを実行して、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)Directory Integration Platformの構成時に作成したASInstanceの登録を解除します。

    Windows:

    ORACLE_INSTANCE\bin\opmnctl unregisterinstance -adminHost -adminPort -adminUserName
    

    UNIX:

    $ORACLE_IMSTANCE/bin/opmnctl unregisterinstance -adminHost -adminPort -adminUserName
    
  10. 次のコマンドを実行して、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)Directory Integration Platformの構成時に作成したASInstanceの登録を削除します。

    Windows:

    ORACLE_HOME\opmn\bin\opmnctl deleteinstance -oracleInstance <Oracle instance root directory>
    

    UNIX:

    $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl deleteinstance -oracleInstance <Oracle instance root directory>
    

B.4.3.4 Oracle Identity Federationの移行後の構成

LDAPストアを使用している場合は、パッチ・アシスタントの実行後に、ご使用の資格証明ストア・フレームワーク(CSF)がOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)に移行されることはありません。WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用して、手動で資格証明をソース・リポジトリからターゲット・リポジトリに移行する必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドのコマンドmigrateSecurityStoreによる資格証明の移行に関する項を参照してください。

B.4.3.5 Oracle Platform Security Servicesの移行後の構成

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)のインストール時に対応するスキーマが変更されるため、既存のOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のポリシー・ストアは、手動で移行する必要があります。この移行時は、既存の11.1.1.1.0インストールのポリシーのすべてが11.1.1.2.0のポリシーに更新されます。既存の11.1.1.1.0のデータは11.1.1.2.0のLDAPストアでプロビジョニングされるようになります。

ただし、Oracle Fusion Middleware(11.1.1.2.0)のインストール後にアプリケーションを再デプロイする必要がありますが、LDAPストアにはポリシーがプロビジョニングされてすでに存在しています。


注意:

ポリシーはすでにポリシー・ストアに存在しているため、アプリケーションの再デプロイ時には移行しないでください。

Oracle WebLogic Serverドメインは、Oracle Platform Security Servicesで使用されるアプリケーション・ポリシー・データのコンテナであることに注意してください。通常、ドメインは次の例のように名前によって識別されます。

Relative DN(RDN)cn=MyDomain,cn=JpsContext,cn=JpsTestNode

Relative DN (RDN) cn=MyDomainは、ドメインに対応する、LDAPサーバー上のノードです。資格証明ストアやポリシー・ストアのデータなど、このドメインに含まれるデータのすべてが保持されています。


注意:

Oracle WebLogic Server LDAPを使用している場合は、ユーザーを再作成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティ・プロバイダの開発』のセキュリティ・データの移行に関する項を参照してください。

移行シナリオ

Oracle Platform Security Services 11.1.1.1.0のポリシー・ストアから11.1.1.2.0のポリシー・ストアに移行する場合は、次の移行シナリオを検討してください。

B.4.3.5.1 ファイルベースのポリシーおよび資格証明ストアの移行

既存のファイルベースのポリシーおよび資格証明ストアを11.1.1.1.0から11.1.1.2.0に移行するには、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)をインストールし、ファイルベースのポリシー(XML)、資格証明(ウォレット)ストアを使用するように構成して、WebLogic Scripting Tool(WLST)コマンドmigrateSecurityStoreを使用して資格証明とアプリケーション・ポリシーを移行する必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドのコマンドmigrateSecurityStoreによる資格証明の移行に関する項を参照してください。

B.4.3.5.2 Oracle Internet Directoryのポリシーおよび資格証明ストアの移行と既存のOracle Internet Directory Serverの再使用

既存のOracle Internet Directoryのポリシーと資格証明ストアをOracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.1.0)からOracle Fusion Middleware 11g リリース 1(11.1.1.2.0)に移行するには、Oracle Fusion Middlewareドメインでサーバーを起動して、次の手順を実行します。


注意:

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のインストールで、アプリケーションが単一のドメインにデプロイされLDAPまたは資格証明ストアの構成があることを確認します。また、プロビジョニングされているリソース・カタログ情報がないことも確認します。

  1. LDAPオーセンティケータを再構成して、11.1.1.1.0のインストールで使用されているLDAPサーバーが使用されるようにします。詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドを参照してください。


    注意:

    Oracle WebCenter 11.1.1.1.0のインストールで使用されているLDAPサーバーが使用されるようにLDAPオーセンティケータを再構成する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのアイデンティティ・ストアと外部LDAPの再関連付けに関する項を参照してください。

  2. WLST reassociateSecurityStoreコマンドを使用してLDAP ストア内のJava Platform Security(JPS)LDAPスキーマを更新します。この再関連付けによって既存のjps rootノードに一時ノードが作成されます。この一時データは、再関連付けの際に指定したドメインです。このドメインは新規の一時名である必要があり、またjpsrootは11.1.1.1.0から移行するドメインを格納するjpsrootと同じ名前である必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドのreassociateSecurityStoreに関する項を参照してください。このコマンドは一時ドメインを作成しますが、このドメインは後で削除されます。例:

    reassociateSecurityStore(domain="ps1_tmp_domain",admin="cn=orcladmin", password="welcome1", ldapurl="ldap://example.com:3060", servertype="OID", jpsroot="cn=jpsroot_r1_name")
    

    注意:

    ドメインに一時的な名前を設定し、jpsrootが11.1.1.1.0と同じ名前であることを確認します。

  3. サーバーの構成を変更するには、Oracle WebLogic管理サーバーが停止していることを確認します。サーバーを停止するには、次のコマンドを実行します。

    Windows:

    MW_HOME\user_projects\domains\<domain_name>\bin\stopWebLogic.cmd
           username password admin_url
    

    UNIX:

    $ MW_HOME/user_projects/domains/<domain_name>/bin/stopWeblogic.sh 
           username password admin_url
    
  4. Oracle Internet Directoryマシンから次のカタログ・コマンドを実行してOracle Internet Directoryのカタログを再構築します。


    注意:

    Oracle Identity Managementコマンドライン・ツールを起動する際は事前に環境を構成する必要があります。この構成では次のように環境変数を適切に設定します。
    • ORACLE_HOME - LDAPベースのアイデンティティ・ストア・インストール内の書込み不可のファイルの場所。

    • ORACLE_INSTANCE - LDAPベースのアイデンティティ・ストア・インストール内の書込み可能ファイルの場所。

    • TNS_ADMIN - Oracleホーム内のtnsnames.oraファイルの場所。

      tnsnames.oraファイル(ORACLE_HOME/network/admin)にconn_strが格納されていることを確認します。これはカタログ・コマンドで使用されます。

    • PATH - PATHに次のディレクトリを追加します。

      ORACLE_HOME/bin
      ORACLE_HOME/ldap/bin
      ORACLE_HOME/ldap/admin
      

    カタログを再作成する前に、次のようにカタログを削除しておきます。

    catalog connect="conn_str" delete=true attribute= createtimestamp
    catalog connect="conn_str" delete=true attribute= modifytimestamp
    catalog connect="conn_str" delete=true attribute= orclJpsResourceName 
    catalog connect="conn_str" delete=true attribute= orclJPSObjGUID 
    catalog connect="conn_str" delete=true attribute= orclJpsResourceTypeActionNames
    

    その後、次を追加します。

    catalog connect="conn_str" add=true attribute= createtimestamp 
    catalog connect="conn_str" add=true attribute= modifytimestamp
    catalog connect="conn_str" add=true attribute= orclJpsResourceName
    catalog connect="conn_str" add=true attribute= orclJPSObjGUID
    catalog connect="conn_str" add=true attribute= orclJpsResourceTypeActionNames
    

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイドで「バルク操作の実行」の章を参照してください。

  5. 次の手順を使用してステップ1で作成した一時ドメインを削除します。

    1. サーバー・エントリのキャッシュを無効化します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイドでサーバー・エントリのキャッシュのチューニングの推奨事項に関する項を参照してください。

    2. 次のコマンドを実行してOracle Internet Directoryを停止します。

      Windows

      ORACLE_INSTANCE\bin\opmnctl stopall
      

      UNIX

      ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl stopall
      
    3. 次のコマンドを実行します。

      bulkdelete connect=”connect string” basedn=”cn=ps1_tmp_domain,cn=JPSContext,cn=jpsroot_r1_name”
      

      注意:

      JPSルート・ノードの削除にJXplorerまたはその他のLDAPブラウザを使用することはできません。

      詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイドで、bulkdeleteによるエントリまたはエントリの属性の削除に関する項を参照してください。

    4. 次のコマンドを実行してOracle Internet Directoryを起動します。

      Windows

      ORACLE_INSTANCE\bin\opmnctl startall
      

      UNIX

      ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl startall
      
    5. サーバー・エントリのキャッシュを有効化します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイドでサーバー・エントリのキャッシュのチューニングの推奨事項とインスタンス固有の構成エントリの属性に関する項を参照してください。

    6. 次のコマンドを実行してOracle Internet Directoryを停止してから起動します。

      Windows

      ORACLE_INSTANCE\bin\opmnctl stopall ORACLE_INSTANCE\bin\opmnctl startall
      

      UNIX

      ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl stopall ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl startall
      
  6. テキスト・エディタでjps-config.xmlファイル(MW_HOME\user_projects\domains\<DomainName>\config\fmwconfigディレクトリ)を開き、11.1.1.2.0ドメイン名を11.1.1.1.0ドメイン名に置換します。たとえばcn=ps1_tmp_domaincn=R1_domain_nameに置き換えます。

  7. WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用して、デフォルトのシステム・ポリシーをXMLストアからLDAPストアに移行します。詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドのコマンドmigrateSecurityStoreによる資格証明の移行に関する項を参照してください。jps-config.xmlファイルで、ソースJPSコンテキストのソースと宛先を指定するエントリを追加します。このソースJPSコンテキストは、ポリシー・ストアとしてXMLストアを使用するものであり、宛先のJPSコンテキストは、LDAPストアを使用するものである必要があります。jps-config.xmlファイルに追加されるエントリの例は次のとおりです。

    <jpsContext name="filestore"> 
       <serviceInstanceRef ref="policystore.xml"/>
    </jpsContext>
    <jpsContext name="ldapstore"> 
       <serviceInstanceRef ref="policystore.ldap"/>
    </jpsContext>
    

    jps-config.xmlファイルのpolicystore.xmlサービス・インスタンスが次の例のように付属のsystem-jazn-data.xmlファイル(出荷時のままの状態)を参照していることを確認します。

    <serviceInstance location="./system-jazn-data.xml" provider="policystore.xml.provider" name="policystore.xml">
                <description>File Based Policy Store Service Instance</description>
            </serviceInstance>
    

    次の例に示されるように、WLSTコマンドmigrateSecurityStoreを使用してシステム・ポリシーを移行します。

    migrateSecurityStore(type="globalPolicies", configFile="<domain level jpsconfig.xml file loc>", src="filestore" ,dst="ldapstore")
    

    システム・ポリシー移行の詳細は、Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイドで、ドメイン・ポリシー・ストアへのポリシーの移行に関する項を参照してください。

  8. LDAPサーバーのアプリケーション・ポリシー・ノードの下位にRole Categoriesエントリが格納されていることを確認します。

    1. Oracle Internet Directoryマシンからldapsearchコマンドを実行して、このRole Categoriesのエントリを探します。

      LDAP_OH/bin/ldapsearch -h <host> -p <port> -D "<Admin DN>" -w password -b "cn=Role Categories,cn=<app name>,cn=<domain name>,cn=JpsContext,cn=<jpsroot name>" -s base "(objectclass=*)"
      

      この中で、LDAP_OH/binOID/IdM IDM_ORACLE_HOME/binディレクトリです。

      例:

      LDAP_OH/bin/ldapsearch -h oid.example.com -p 3060 -D "cn=orcladmin" -w password -b "cn=Role Categories,cn=appname,cn=domainname,cn=JpsContext,cn=jpsroot" -s base "(objectclass=*)"
      

      構文の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンスで、ldapsearchに関する項を参照してください。


      注意:

      Role Categoriesエントリが使用不可の場合は次のメッセージが表示されます。
      ldap_search: No such object
      

    2. Role Categoriesエントリが存在しない場合は、rolecat.ldifという名前のLDIFファイルを次のような内容で作成します。

      dn: cn=Role Categories,cn=<app name>,cn=<domain name>,cn=JPSContext,cn=<jpsroot name>
      objectclass: top
      objectclass: orclContainer
      cn: Role Categories
      

      例:

      dn: cn=Role Categories,cn=webcenter,cn= R1_domain_name,cn=JPSContext,cn=jpsroot_r1_name 
      objectclass: top
      objectclass: orclContainer
      cn: Role Categories
      
    3. 次のように、ldapaddコマンドを実行して、このノードをアプリケーション・ポリシー・ストアに追加します。

      LDAP_OH/bin/ldapadd -p <port> -h <host> -D "<Admin DN>" -w <password> -vf rolecat.ldif 
      

      この中で、LDAP_OH/binOID/IdM IDM_ORACLE_HOME/binディレクトリです。

      例:

      LDAP_OH/bin/ldapadd -p 3060 -h oid.example.com -D "cn=orcladmin" -w password -vf rolecat.ldif
      

      構文の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementユーザー・リファレンスで、ldapaddに関する項を参照してください。


      注意:

      ノードが存在する場合、ldapaddコマンドの出力でそのオブジェクトがすでに存在していることが示されます。


    注意:

    Role Categoriesのldapaddコマンドは、ポリシー・ストアにLDAPを使用するアプリケーションのそれぞれすべてで実行する必要があります。

  9. 次の例に示されるようにOracle WebLogic管理サーバーを起動します。

    MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/bin/startWebLogic.sh
             -Dweblogic.management.username=weblogic
             -Dweblogic.management.password=password
    

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。

  10. 11.1.1.1.0でデプロイされていたユーザー・アプリケーションを再デプロイします。

B.4.3.6 Oracle Reportsの移行後の構成

パッチ・アシスタントの実行後も、ご使用のOracle Internet Directoryのポリシーおよび資格証明ストア(CSF)は、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)に移行されていません。Oracle Internet Directoryのポリシーおよび資格証明ストア(CSF)の移行の詳細は、第B.4.3.5.2項「Oracle Internet Directoryのポリシーおよび資格証明ストアの移行と既存のOracle Internet Directory Serverの再使用」を参照してください。

B.4.3.7 Oracle SOAの移行後の構成

パッチ・アシスタントの実行後は、次の操作を行う必要があります。


注意:

11.1.1.2.0ではサービス・エンジンの構成がファイルからデータベースに移動されています。

  1. ヒューマン・ワークフロー・アプリケーションで使用されるTaskDetailアプリケーションなどのJ2EEアプリケーションを再デプロイします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイドの「SOAコンポジット・アプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。

  2. 構成ファイル(soa-infra-configなど)に加えられた変更を再構成します。また、11.1.1.1.0のコンポーネントレベルの構成ファイルはOracle Enterprise Manager Fusuion Middleware Controlを使用して11.1.1.2.0用に再構成する必要があります。

  3. ログ・レベルの設定はOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して再構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイドのロギングの構成に関する項を参照してください。

  4. ワークフロー・ユーザーのシードを再作成します。

  5. SOAコンポジット・アプリケーションのSecure Sockets Layer(SSL)を再構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイドの「SOAコンポジット・アプリケーションの保護」の章を参照してください。

  6. 11.1.1.1.0でOracle HTTP Serverを構成している場合は、11.1.1.2.0で再構成する必要があります。

  7. JMSキュー、JMSトピック、JMSアダプタ(リモートJMS)などのセンサー・アクションを伴うBPELセンサーが関連するコンポジットでは、JMSキュー、JMSトピックおよびリモートJMSの設定を再作成します。

  8. 第B.4.3.5.2項「Oracle Internet Directoryのポリシーおよび資格証明ストアの移行と既存のOracle Internet Directory Serverの再使用」の説明に従って、アイデンティティおよびポリシー・プロバイダを構成します。

  9. 11.1.1.2.0で使用されるSSOプロバイダを構成します。

  10. アダプタを次のように構成します。

    • Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』のOracle WebLogic Server管理コンソールでのデータソースの構成の説明に記載された手順に従ってAQ Adapterのデータソースを作成します。

    • Oracle WebLogic Server管理コンソールで、AQ JMSを構成します。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

    • AQJMSの外部サーバーを再度作成し、サーバーを再起動します。

    • 移行後に、Queue Managerが使用できないこと(MQ理由コード: 2059)がログに表示された場合は、JNDIを変更する必要があります。これはアップグレード前に使用されていたQueue Managerをポイントするためにデプロイされたコンポジットによって使用されます。この変更の実行後は、SOAを再起動する必要があります。

  11. 11.1.1.2.0のB2Bを次の手順で移行します。

    1. 既存のメタデータの置換えフラグを指定して、11.1.1.1.0から以前エクスポートされたリポジトリをインポートします。

    2. キーストア・パスワードを更新して、B2Bサーバーを再起動します。

    3. 配信チャネルで証明書別名を選択して、保存します。

    4. B2Bアグリーメントをデプロイします。

B.4.3.8 Oracle User Messaging Serviceの移行後の構成

パッチ・アシスタントの実行後は、次の操作を行う必要があります。

B.4.3.8.1 追加のカスタム・デプロイ・ドライバの構成の移行

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)ドメインにインストール時にプロビジョニングされたもの以外の追加のユーザー・メッセージ・サービス・ドライバ・デプロイメントの構成ファイルがある場合は、それらをOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)に移行する必要があります。コマンドラインで次のAntコマンドを実行します。

ant -f UMS/build.xml patch-ums-driver-config -Ddriver.name=<driver_name>

この中で<driver_name>は、カスタム・ドライバのデプロイメント名です。build.xmlファイルはpatchMasterディレクトリにあります。


注意:

このコマンドではOracle Fusion Middleware(11.1.1.1.2.0)ドメインへの構成の移行のみが実行されます。ドライバのデプロイは行われません。

B.4.3.8.2 ユーザー・メッセージ・サービス・ワークリスト・ドライバの構成の移行

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)ドメインにユーザー・メッセージング・サービス・ワークリスト・ドライバがインストールおよび構成されている場合、ワークリスト・ドライバの構成がパッチ・アシスタントによって自動的に移行されます。パッチ・アシスタントでは、この追加ドライバーのインストールはパッチ・アシスタントで行われません。このドライバはOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)ドメインで再インストールする必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイドで、ワークリスト・ドライバのインストールに関する項を参照してください。

B.4.3.9 Oracle WebCenterの移行後の構成

この項では、中間層を移行した後のOracle WebCenter 11.1.1.2.0の起動および稼働に必要なタスクについて説明します。

B.4.3.9.1 中間層移行後のOracle WebCenterの構成タスクの概要

表B-2は、パッチ・アシスタントのスクリプトを実行後のOracle WebCenter 11.1.1.2.0の構成に関係するタスクを示しています。この表では、タスクがオプションと必須のいずれであるかも明記されています。

表B-2 中間層移行後のOracle WebCenterのタスク

タスク 説明 必須/オプション

Oracle WebCenterアイデンティティ・ストアの再構成およびWebCenterポリシー・ストアへのアプリケーション・ポリシーの移行


アイデンティティ・ストアはOracle WebCenter 11.1.1.1.0と同じ構成を使用するように構成します。また、updateSpacesPolicy.pyスクリプトを実行して、アプリケーション・ストアにWebCenter領域に対する適切なセキュリティ権限が組み込まれるように更新します。

注意: ご使用のOracle WebCenterが埋込みLDAPアイデンティティ・ストアを使用している場合もupdateSpacesPolicy.pyを実行する必要があります。

必須

Oracle WebCenterでのSecure Sockets Layer(SSL)の構成


Oracle WebCenter 11.1.1.2.0でもOracle WebCenter 11.1.1.1.0と同じSSL構成が使用されるように構成します。

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0でSSLが構成されている場合は必須

Oracle WebCenterでのシングル・サインオン(SSO)の構成


Oracle WebCenter 11.1.1.1.0と同じシングル・サインオン(SSO)構成が使用されるようにSSOソリューションを構成します。

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0でSSOが構成されている場合は必須

WebCenter Spacesのグループ・スペース・データのリフレッシュ


グループ・スペース・データ、およびグループ・スペース・メンバーに関するデータをリフレッシュします。

必須

構成の変更の再適用


Oracle WebCenter 11.1.1.1.0に対して加えられていたすべての構成の変更を再適用します。

必須

Wikiテンプレートおよび添付ファイルのインポート


テンプレートおよび添付ファイルを、Oracle WebCenter Wiki and Blog Serverのデータベース・リポジトリに移行します。

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0でOracle WebCenter Wiki and Blog Serverが構成されている場合は必須

Oracle Content Serverの移行


WebCenter構成スクリプトwc_contentserverconfigを実行して、Oracle Content Server 10.1.3.5.1に移行します。また、既存のLDAPユーザー・プロバイダの代わりにJPSユーザー・プロバイダを構成します。

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0でOracle Content Serverが構成されている場合は必須

WebCenter Spaces用のOracle WebCenter Discussionsの構成


Oracle WebCenter DiscussionsをOracle WebCenter Spacesとともに使用する場合は、Webサービス・セキュリティ(WS-Security)を構成します。

必須

カスタムWebCenterアプリケーションの移行


カスタムのWebCenterアプリケーションをOracle WebCenter 11.1.1.2.0に移行します。

必須


B.4.3.9.2 Oracle WebCenterアイデンティティ・ストアの再構成およびWebCenterポリシー・ストアへのアプリケーション・ポリシーの移行

既存のアイデンティティ・ストアと資格証明ストアは移行する必要があります。これは、WebCenterドメインのすべてのサーバーが起動していることを確認してから実行してください。

埋込みLDAPベースのポリシーと資格証明ストアを使用している場合に実行が必要なタスクの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでファイルベースのポリシー・ストアのエクスポートとインポートに関する項とファイルベースの資格証明ストアのエクスポートとインポートに関する項を参照してください。

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0が外部のLDAPベースのアイデンティティ・ストアを使用するように構成されていた場合は、中間層の移行後にアイデンティティ・ストアと資格証明ストアをOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)に移行する必要があります。Oracle Internet Directoryのポリシーと資格証明ストアを移行する方法については、第B.4.3.5.2項「Oracle Internet Directoryのポリシーおよび資格証明ストアの移行と既存のOracle Internet Directory Serverの再使用」を参照してください。

アイデンティティおよび資格証明ストアの移行後は、updateSpacesPolicy.pyスクリプトを実行して適切なセキュリティ権限が組み込まれるようにWebCenter Spacesアプリケーション・ポリシーを更新する必要があります。このスクリプトを実行しないと、WebCenter Spacesユーザーはグループ・スペースのプロファイル情報やサービス・タブにアクセスできません。


注意:

ご使用のOracle WebCenterが埋込みLDAPアイデンティティ・ストアを使用している場合もupdateSpacesPolicy.pyスクリプトを実行する必要があります。

updateSpacesPolicy.pyを実行する手順は次のとおりです。

  1. 次のコマンドでWLSTを起動します。

    WC_ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh
    

    この中で、WC_ORACLE_HOMEは、Oracle WebCenterのインストール・ディレクトリのことです。

  2. WLSTコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力して管理サーバーに接続します。

    wls:/offline> connect('user_name,'password, 'host_name:port_number')
    

    たとえば、次のコマンドを使用します。

    connect('weblogic','weblogic', 'myhost.example.com:7001')
    
  3. 次のコマンドを使用して、updateSpacesPolicy.pyスクリプトを実行します。

    wls:/weblogic/serverConfig> execfile('WC_ORACLE_HOME/webcenter/scripts/updateSpacesPolicy.py')
    
  4. コンソールのログにエラーが記録されていないことを確認します。エラーが見つかった場合は、エラー・メッセージをガイドとして使用し、updateSpacesPolicy.pyスクリプトを調べて失敗したgrantコマンドを判定します。エラーがあった場合は修正して、grantコマンドを手動で実行する必要があります。

  5. 管理サーバーとWLS_Spaces管理対象サーバーを再起動します。

B.4.3.9.3 Oracle WebCenterでのSecure Sockets Layer(SSL)の構成

Secure Sockets Layer(SSL)は、追加の認証レイヤーを提供し、交換されるデータを暗号化することによってWebCenterアプリケーションまたはコンポーネント間の接続のセキュリティを強化します。中間層の移行時にSSL構成は移行されません。パッチ・アシスタントのスクリプトを実行した後にOracle WebCenter、また必要に応じてWebCenterアプリケーションに統合された各種のWebCenter Serviceでも、使用されるSSLを再構成する必要があります。WebCenterアプリケーションおよびWebCenter ServicesでSSLを構成する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでWebCenterアプリケーションおよびコンポーネントでのSSL使用の構成に関する項を参照してください。

たとえば、Oracle WebCenter 11.1.1.1.0のWebCenter Spacesでセキュリティが保護されたポートレットが使用されていた場合は、キーストアがカスタムIDとJava標準信頼キーストアに設定され、必要なポートレット証明書をJava標準信頼キーストア(通常はcacerts)にインポートしていました。今回の中間層の移行後は、Oracle WebCenter 11.1.1.2.0のインスタンスでカスタム・アイデンティティとJava標準信頼キーストア、およびOracle WebCenter11.1.1.1.0で構成されていたその他のSSL固有設定を使用するようにWLS_Spacesサーバーを構成する必要があります。また、Oracle WebCenter 11.1.1.2.0の保護されたポートレットにアクセスするには、すべてのポートレット証明書を信頼キーストアに再インポートする必要があります。

B.4.3.9.4 Oracle WebCenterでのシングル・サインオン(SSO)の構成

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0ではシングル・サインオン(SSO)認証を使用するためにOracle Access Manager(OAM)、Oracle Single Sign-on(OSSO)または WebCenterアプリケーション専用のSAMLベースのシングル・サインオン・ソリューションのいずれかの使用が構成されていた可能性があります。中間層のアップグレード後は使用されていたSSOソリューションに応じて次のいずれかの実行が必要になる場合があります。

  • OAMの構成: Oracle WebCenter 11.1.1.1.0と同じ構成を使用するようにオーセンティケータおよびOAMアサータを構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでOracle Access Manager(OAM)の構成に関する項を参照してください。

  • OSSOの構成: Oracle WebCenter 11.1.1.1.0と同じ構成を使用するようにオーセンティケータおよびOSSOアサータを構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでOracle Single Sign-On(OSSO)の構成に関する項を参照してください。

  • SAMLベースのSSOの構成: SAMLベースのSSOソリューション全体の設定が必要です。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでSAMLベースのシングル・サインオンの構成に関する項を参照してください。


注意:

SSOを利用してWebCenterを実行している場合、接続情報を資格証明ストア・フレームワーク(CSF)ウォレットに格納しようとするときにOmniPortletプロデューサが認証の例外を受信します。この問題の解決方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでSSO環境におけるOmniPortletプロデューサの認証の例外に関する項を参照してください。

B.4.3.9.5 WebCenter Spacesのグループ・スペース・データのリフレッシュ

中間層の移行後に、グループ・スペース・データをリフレッシュする必要があります。また、メンバー・データもグループ・スペースにリフレッシュする必要があります。

グループ・スペース・データをリフレッシュする手順は次のとおりです。

  1. WebCenter Spacesに管理者としてログオンします。

  2. 管理」リンクをクリックして、「グループ・スペース」タブに移動します。

  3. リフレッシュ」アイコンをクリックします。

グループ・スペースのメンバー・データをリフレッシュする手順は次のとおりです。

  1. WebCenter Spacesに管理者としてログオンします。

  2. 任意のグループ・スペースに移動して「設定」タブ、「メンバー」タブの順に開きます。

  3. グループ・スペース・メンバーの管理」セクションの「リフレッシュ」アイコンをクリックします。

    この手順は、グループ・スペースのそれぞれに対して個別に実行する必要があります。


注意:

移行後のWebCenterインスタンスで、グループ・スペースに対するアクセスが拒否された場合は資格証明ストアが正常に移行されていること、およびグループ・スペース・データがリフレッシュされていることを確認します。

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0からOracle WebCenter 11.1.1.2.0へのアップグレード後は、最初にWebCenter Spacesのグループ・スペース名の代わりにアクティビティ・ストリームのグループ・スペースGUIDが表示される場合があります。これは、アクティビティ・ストリーム・タスク・フロー・インスタンスを構成し、アップグレードされたグループ・スペースからアクティビティを表示するように選択した場合に発生します。この問題は、そのグループ内でメンバーの追加や削除などのアクティビティを生成することによって回避できます。この操作によってアクティビティ・ストリーム・インスタンスがグループ・スペース表示名とともにリフレッシュされます。


B.4.3.9.6 構成の変更の再適用

Oracle WebCenter 11.1.1.1.0での定義と同じ構成を使用する場合は、Oracle WebCenter 11.1.1.2.0で構成の変更を再適用する必要があります。構成の変更は次のいずれかに関連する場合があります。

  • WebCenterポートレット・プロデューサ: プロキシ・サーバーの変更など、ポートレット・プロデューサのprovider.xmlファイルに対する変更についてはすべて、中間層の移行後にこれらの変更を再構成し、ポートレット・プロデューサのEARアプリケーションに再デプロイして、WLS_Portlet管理対象サーバーを再起動する必要があります。ポートレット・プロデューサの再デプロイについては、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドで「ポートレット・プロデューサの管理」の章を参照してください。

  • WebCenterサービス: Oracle Fusion Middleware 11.1.1.2.0のインストール時に、WebCenterサービスが依存するバックエンド・サーバーのホストおよびポート番号を変更している場合は、新しいサーバー構成を使用するように、必要なサービス接続を再構成する必要があります。個別のサービスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでサービス、ポートレット・プロデューサ、および外部アプリケーションの管理に関する項を参照してください。

  • WebCenter Wikis and Blogs: テーマや添付ファイル・サイズの設定の変更など、Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.1.0に対して加えられた構成の変更はすべて、Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.2.0で再適用する必要があります。設定を再構成するには、Oracle WebCenter Wiki and Blog Serverの管理モードを使用します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでOracle WebCenter Wiki and Blog Serverの構成に関する項を参照してください。

  • WebCenter Spacesおよびワークフロー: WebCenter Spacesのワークフロー機能では、SOAサーバーへのsca_CommunityWorkflows.jarおよびWebCenterWorklistDetailApp.earのデプロイが要求されます。WebCenter SpacesのワークフローがOracle WebCenter 11.1.1.1.0で有効化されている場合は、中間層の移行後にそれらのアプリケーションを再デプロイする必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』でWebCenter Spacesのワークフローのバックエンド要件に関する項を参照してください。

  • WebCenter Spacesのプロファイル設定: WebCenter Spacesでは、Oracle WebCenter 11.1.1.1.0からOracle WebCenter 11.1.1.2.0にアップグレードしたときに、「WebCenter管理」→「サービス」→「プロファイル」画面で設定された設定が保持されません。アップグレード後に「WebCenter管理」→「サービス」→「ピープル・コネクション」→「プロファイル」画面で必要なプロファイル設定を再適用してください。

B.4.3.9.7 Wikiテンプレートおよび添付ファイルのインポート

Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.1.0では、サーバーで構成されているリポジトリ・タイプとはかかわりなく、テンプレートと添付ファイルがファイルベースのリポジトリに格納されています。Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.2.0では、データベース・リポジトリのみがサポートされ、テンプレートと添付ファイルもデータベース・リポジトリに格納されます。

Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.1.0でデータベース・リポジトリを使用していた場合は、移行時にOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.2.0用に構成されたデータベース・リポジトリにテンプレートと添付ファイルが移行されます。Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.1.0でファイルベース・リポジトリが使用されていた場合は、移行時にWikiテンプレートと添付ファイルがファイルベース・リポジトリに移行されます。これらのテンプレートと添付ファイルをOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.2.0で使用できるようにするには、データベース・リポジトリに手動で移行する必要があります。

特定のWikiページの添付ファイルをインポートするには、そのWikiページを所有するユーザーまたは管理者が添付ファイルをWikiページに再アップロードする必要があります。添付ファイルを再アップロードすると、その添付ファイルはデータベース・リポジトリに格納されます。添付ファイルの再アップロードは、それぞれのWikiページで個別に行う必要があることに注意が必要です。

テンプレートを移行する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.2.0に管理者としてログオンします。

  2. 管理」リンクをクリックして、管理モードを開きます。

  3. テンプレート」をクリックします。

  4. インポート」をクリックします。

  5. テンプレートのインポート」ページの「フォルダ」フィールドにテンプレートへのパスを入力します。例:

    $APPLICATIONS_DIRECTORY/owc_wiki/templates.

    この中で、$APPLICATIONS_DIRECTORYはOracle WebCenter Wiki and Blog Server 11.1.1.2.0がインストールされたディレクトリです。つまり、$APPLICATIONS_DIRECTORY = MW_HOME/user_projects/applications/DOMAIN_NAMEのことです。

  6. テンプレートのインポート」をクリックします。既存のファイルベースのテンプレートは、Wikiデータベース・リポジトリにそれぞれ個別に再作成されます。

B.4.3.9.8 Oracle Content Serverの移行

Oracle WebCenter 11.1.1.2.0はOracle Content Server 10.1.3.5.1と互換性があります。既存のOracle Content Serverを移行してOracle WebCenter 11.1.1.2.0で機能するように準備するには、次のタスクを実行する必要があります。

  • WebCenter構成スクリプトwc_contentserverconfigを実行します。このスクリプトはOracle WebCenterに付属しているUniversal Content Management(UCM)メディアから入手できます。このスクリプトの実行方法については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterインストレーション・ガイド』でOracle Content Serverのインストールに関する項を参照してください。

  • Oracle Content Serverのアイデンティティ・ストアを再構成します。Oracle Content Server 10.1.3.5.1では、LDAPベースのアイデンティティ・ストアへの接続にLDAPユーザー・プロバイダではなくJPSユーザー・プロバイダを必要としていました。このため、JPSユーザー・プロバイダを構成し、Oracle Content Serverの既存のLDAPユーザー・プロバイダを確実に無効化する必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでアイデンティティ・ストアの構成に関する項を参照してください。

B.4.3.9.9 WebCenter Spaces用のOracle WebCenter Discussionsの構成

Oracle Fusion Middleware 11.1.1.1.0からOracle Fusion Middleware 11.1.1.2.0への移行時に、パッチ・アシスタントのスクリプトによってOracle WebCenter Discussionsサーバーのデータベース・スキーマが移行されます。そのままの状態ではOracle WebCenter Discussions 11.1.1.2.0がOracle WebLogic Serverの埋込みLDAPアイデンティティ・ストアを使用するように構成されています。

Oracle WebCenter DiscussionsをOracle WebCenter Spacesとともに使用する場合は、Webサービス・セキュリティ(WS-Security)を構成する必要があります。

Oracle WebCenter Discussionsを構成する手順は次のとおりです。

  1. 次のURL形式を使用して、Oracle WebCenter Discussions 11.1.1.2.0サーバーに管理者としてログオンします。

    http://host:port/owc_discussions/admin
    

    この中で、host:portはOracle WebCenterがインストールされているシステムのホスト名とポート番号を指します。

  2. Oracle WebCenter Discussionsが正しく移行されていることを検証するには、Jive Forums管理コンソールで、右上に「Jive Forums Silver 5.5.20.2-oracle」が表示されていることを確認します。

  3. Oracle WebCenter DiscussionsをWebCenter Spacesとともに使用する場合は、WSセキュリティで信頼できる認証を構成します。WSセキュリティの構成方法については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでWSセキュリティの構成に関する項を参照してください。

  4. 必要に応じてOracle WebCenter DiscussionsのSSOを再構成します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでシングル・サインオンを使用するWebCenterアプリケーションの構成に関する項を参照してください。

B.4.3.9.10 カスタムWebCenterアプリケーションの移行

カスタムのWebCenterアプリケーションをOracle WebCenter 11.1.1.2.0で使用できるようにするには、Oracle WebCenter 11.1.1.1.0インスタンスから移行する必要があります。Oracle WebCenter 11.1.1.2.0のスキーマは、Oracle WebCenter 11.1.1.1.0のMDSPORTLETおよびWEBCENTERのスキーマのインプレース・パッチであるため、これらのアプリケーションのメタデータを移行する必要はありません。

カスタムのWebCenterアプリケーションを移行する手順は次のとおりです。

  1. Oracle JDeveloper 11.1.1.2.0でアプリケーションを開きます。

    これで、移行ウィザードが起動されます。このウィザードによってアプリケーションがOracle WebCenter 11.1.1.2.0に自動的に移行されます。

  2. アプリケーションを保存します。

  3. WebLogic管理対象サーバー・インスタンスを作成し、必要な共有ライブラリのセットでプロビジョニングします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドでWebLogic管理対象サーバー・インスタンスの作成とプロビジョニングに関する項を参照してください。

  4. WebLogicドメインの管理サーバー・インスタンスに、アプリケーションのメタデータ・サービス(MDS)リポジトリを作成および登録します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのメタデータ・サービス・リポジトリの作成および登録に関する項を参照してください。

  5. アプリケーションを管理対象サーバーにデプロイします。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドで、WebLogic管理対象サーバー・インスタンスへのアプリケーションのデプロイに関する項およびポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

カスタムのWebCenterアプリケーションに、バックエンド・サーバーに依存するWebCenterサービスが統合されている場合があります。たとえば、ディスカッションおよび検索サービスは、それぞれOracle WebCenter DiscussionsとOracle SESに依存します。Oracle Fusion Middleware 11.1.1.2.0のインストール時にバックエンド・サーバーのホストおよびポート番号を変更している場合は、必要なWebCenterサービスを再構成して新しいサーバー構成が使用されるようにする必要があります。具体的なサービスの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter管理者ガイドのサービス、ポートレット・プロデューサおよび外部アプリケーションの管理に関する項を参照してください。

B.4.3.10 Oracle Web Services Managerの移行後の構成

Oracle Web Services Manager(WSM)を移行するには、次のタスクを実行します。


注意:

Oracle WSMの移行を可能にするには、アイデンティティ・ストアの構成やキーストアの構成などのセキュリティ環境のコンポーネントを移行しておく必要があります。詳細は、第B.4.3.5項「Oracle Platform Security Servicesの移行後の構成」を参照してください。

B.4.3.10.1 メタデータ・サービス・リポジトリからのポリシー使用状況分析情報のパージ

今回のリリースでは、複数のドメイン間のポリシーの管理に同じOracle Metadata Services(MDS)を使用できます。前回のリリースでは、1つのMDSリポジトリは単一のドメインでしか使用できませんでした。

Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.1.0)のインストールでポリシー使用状況を分析していた場合は、MDSリポジトリからポリシー使用状況分析情報をパージしてOracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.2.0)バージョンに正確な使用結果が確実に反映されるようにする必要があります。

MDSリポジトリからポリシー使用状況分析情報をパージするには、MDSコマンドdeleteMetadataを次のように使用します。

deleteMetadata(application='wsm-pm',server='server_name',
                docs='/policyAttachments/**')

server_nameは、OracleWSM Policy Managerが実行されているサーバーの名前を指定します。

ポリシー使用状況分析情報のパージ後は、サーバーを再起動する必要があります。

MDSリポジトリ管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティおよび管理者ガイド』のMDSリポジトリの維持管理に関する項を参照してください。

B.4.3.10.2 MDSリポジトリ内のOracle WSMポリシーの移行

Oracle WSM 11g リリース1(11.1.1)では、事前定義済およびカスタムのOracle WSMポリシーがOracle MDS repositoryに格納されていました。今回のパッチ・セットでは、次の2つのポリシーが新たに事前定義され、提供されます。

  • oracle/wss_saml_or_username_token_over_ssl_service_policy

  • oracle/wss11_saml_or_username_token_with_message_protection_service_policy

新たな事前定義済ポリシーでリポジトリをアップグレードするには、Oracle WebLogic Scripting Tool(WLST)コマンドを使用します。また、カスタム・ポリシーも含めすべてのOracle WSMポリシーをリポジトリから削除してからインストールによって提供される事前定義済ポリシーを再移入することによってリポジトリをリフレッシュすることもできます。リポジトリのアップグレード時はリポジトリ内のすべてのポリシーも再検証されます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティおよび管理者ガイド』のMDSリポジトリ内のOracle WSMポリシーのアップグレードに関する項を参照してください。

B.4.3.10.3 カスタム・ポリシー・アクセッサ・プロパティの移行

ポリシー・アクセッサ・プロパティをカスタマイズしている場合は、インストールの移行後にポリシー・マネージャ接続情報を再適用する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Web Servicesセキュリティおよび管理者ガイド』のプラットフォーム・ポリシー・プロパティの構成に関する項を参照してください。

B.4.4 インストール・プロセス

表B-3は、移行プロセスで完了する必要がある11.1.1.2.0のインストール・プロセスを示しています。

表B-3 インストール・プロセス

シナリオ 説明および手順

新しいMiddlewareホームへの製品のインストール

新しいMiddlewareホームに11.1.1.2.0製品をインストールするには、事前にリポジトリが更新されていること、および11.1.1.1.0のスキーマが11.1.1.2.0のスキーマに移行されていることを確認しておく必要があります。

製品をインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle WebLogic Serverをインストールします。Web層の場合はこの手順が必要ありません。

  2. 製品固有のインストーラを実行して、新しい製品をインストールします。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』を参照してください。また、インストールおよび構成の対象となる製品については、Oracle Fusion Middlewareのドキュメント・ライブラリにある製品インストレーション・ガイドを参照してください。

クラスタ環境における2台目のマシンでの新しいMiddlewareホームへの製品のインストール

新しいMiddlewareホームに11.1.1.2.0製品をインストールするには、事前にリポジトリが更新されていること、および11.1.1.1.0のスキーマが11.1.1.2.0のスキーマに移行されていることを確認しておく必要があります。

クラスタ環境で製品をインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle WebLogic Serverをインストールします。Web層の場合はこの手順が必要ありません。

  2. 製品固有のインストーラを実行して、新しい製品をインストールします。2台目のマシン上のMiddlewareホームのファイル・パスが1台目のマシンと同じであることを確認します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』を参照してください。また、インストールおよび構成の対象となる製品については、Oracle Fusion Middlewareのドキュメント・ライブラリにある製品インストレーション・ガイドを参照してください。


B.4.5 構成プロセス

表B-4は、移行プロセスで完了する必要がある11.1.1.2.0の構成プロセスを示しています。

表B-4 構成プロセス

シナリオ 説明および手順

新しいMiddlewareホームでのOracleインスタンスの構成

新しいMiddlewareホームでOracleインスタンスを構成するには、事前にリポジトリが更新されていること、11.1.1.1.0のスキーマが11.1.1.2.0のスキーマに移行されていること、すべての11.1.1.2.0製品がインストールされていること、およびWebLogicドメインが移行されていることを確認しておく必要があります。

Oracleインスタンスを構成するには、ant master-patch-oinstanceコマンドを実行します。

クラスタ環境における2台目のマシンでの、新しいMiddlewareホームのOracleインスタンスの構成

新しいMiddlewareホームでOracleインスタンスを構成するには、事前にリポジトリが更新されていること、11.1.1.1.0のスキーマが11.1.1.2.0のスキーマに移行されていること、すべての11.1.1.2.0製品がクラスタ環境(2台目のマシン上)インストールされていること、WebLogicドメインが移行されていることを確認しておく必要があります。

Oracleインスタンスを構成するには、ant master-patch-oinstanceコマンドを実行します。

新しいWebLogicドメインでの製品の構成

新しいWebLogicドメインで11.1.1.2.0製品を構成するには、事前にリポジトリが更新されていること、11.1.1.1.0のスキーマが11.1.1.2.0のスキーマに移行されていること、およびすべての11.1.1.2.0製品が新しいMiddlewareホームにインストールされていることを確認しておく必要があります。

新しいWebLogicドメインで製品を構成するには、次の手順を実行します。

  1. MiddlewareホームからOracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始します。

  2. 従来の11.1.1.1.0ドメインのコンポーネントに対応する製品テンプレートを選択します。

  3. 新しいドメインに対して、従来の11.1.1.1.0ドメインと同じドメイン名を選択します。

  4. 従来の11.1.1.1.0トポロジと一致するようにサーバー、マシンまたはクラスタを構成します。

  5. ドメインを作成します。

  6. オプション: ノード・マネージャを起動します。

クラスタ環境における2台目のマシンでの、新しいWebLogicドメインへの製品のインストール

新しいWebLogicドメインで11.1.1.2.0製品を構成するには、事前にリポジトリが更新されていること、11.1.1.1.0のスキーマが11.1.1.2.0のスキーマに移行されていること、およびすべての11.1.1.2.0製品がクラスタ環境の2台目のマシン上の新しいMiddlewareホームにインストールされていることを確認しておく必要があります。

新しいWebLogicドメインで製品を構成するには、次の手順を実行します。

  1. MiddlewareホームからOracle Fusion Middleware構成ウィザードを開始します。

  2. 従来の11.1.1.1.0ドメインのコンポーネントに対応する製品テンプレートを選択します。

  3. 新しいドメインに対して、従来の11.1.1.1.0ドメインと同じドメイン名を選択します。

  4. 従来の11.1.1.1.0トポロジと一致するようにサーバー、マシンまたはクラスタを構成します。

  5. ドメインを作成します。

  6. オプション: ノード・マネージャを起動します。

  7. 1台目のマシン上の新しいドメインでpackコマンドを実行します。

  8. 2台目のマシン上でunpackコマンドを実行します。


B.4.6 patchMaster.propertiesファイルに含まれるプロパティ

表B-5は、patchMaster.propertiesファイルで設定できるプロパティを示しています。すべてのプロパティが必須であるわけではありません。各コンポーネントに必須のプロパティの一覧については、表B-6を参照してください。


注意:

Windowsでは、プロパティ・パスを指定するデリミタとして/を使用する必要があります。例:
c:/my/path/file

表B-5 パッチ・マスタ・プロパティ

プロパティ 説明

patchMaster.Componentlist

11.1.1.1.0から11.1.1.2.0へのパッチを適用するFusion Middlewareコンポーネントをリストします。

例:

patchMaster.Componentlist=Audit,BAM,DIP,Discoverer,Forms,JPS

patchMaster.Schemaurl

パッチ適用対象の単一リポジトリに対する接続文字列を指定します。

例:

patchMaster.Schemaurl=jdbc:oracle:thin:@localhost:1521:orcl

patchMaster.Schemauser

patchMaster.Schemaurlによって指定されたリポジトリのシステム・ユーザーを指定します。

例:

patchMaster.Schemauser=SYS AS SYSDBA

patchMaster.Schemaprefix

リポジトリ・スキーマ・メタデータ名前空間を指定します。

例:

patchMaster.Schemaprefix=DEV

Oracle PortalユーザーがOracle Portal 10gからOracle Portal 11g R1(11.1.1.1.0)にアップグレードした場合は、スキーマ接頭辞としてAPPSERVERを指定する必要があります。

Oracle Internet Directoryの場合は、スキーマ接頭辞をODSとして指定する必要があります。

patchMaster.Mwhomenew

11.1.1.2.0ホームがインストールされているパスを指定します。

例:

patchMaster.Mwhomenew=/scratch/newhome

patchMaster.Mwhomeold

11.1.1.1.0ホームがインストールされているパスを指定します。

例:

patchMaster.Mwhomeold=/scratch/oldhome

patchMaster.Domainhomenew

Oracle WebLogic Serverドメイン11.1.1.2.0ホームを指定します。

例:

patchMaster.Domainhomenew=/scratch/newhome/user_projects/domains/newDomain

patchMaster.Domainapplicationshomenew

Oracle WebLogic Serverドメイン・アプリケーション、11.1.1.2.0ホームを指定します。

例:

patchMaster.Domainapplicationshomenew=/scratch/newhome/user_projects/applications/newDomain

patchMaster.Domainhomeold

Oracle WebLogic Serverドメイン11.1.1.1.0ホームを指定します。

例:

patchMaster.Domainhomeold=/scratch/oldhome/user_projects/domains/oldDomain

patchMaster.Domainusername

Oracle WebLogic Serverドメインのユーザー名を指定します。

例:

patchMaster.Domainusername=currentuser

patchMaster.Syspassword

Oracle Weblogicドメインのパスワードを指定します。このプロパティはデフォルトでは使用できません。このプロパティは追加して設定できます。このプロパティが存在しない場合、パッチ・アシスタントによってパスワードの入力が求められます。

例:

patchMaster.Syspassword=welcome1

patchMaster.Oracleinstancenewlist

11.1.1.2.0 Oracleインスタンスへのパスをリストします。

例:

patchMaster.Oracleinstancenewlist=/scratch/newinst1,/scratch/newinst2

patchMaster.Oracleinstanceoldlist

11.1.1.2.0のOracleインスタンスのパスに対応する11.1.1.1.0のOracleインスタンスへのパスをリストします。

例:

patchMaster.Oracleinstanceoldlist=/scratch/oldinst1,/scratch/oldinst2

patchMaster.Oraclehomenew

11.1.1.2.0 Oracleホームのパスを指定します。

例:

patchMaster.Oraclehomenew=/scratch/myOhomenew

patchMaster.Oraclehomeold

11.1.1.1.0 Oracleホームのパスを指定します。

例:

patchMaster.Oraclehomeold=/scratch/myOhome

注意: パッチを適用できるOracleホームは1回に1つずつです。プロパティ・ファイルのこのエントリに複数のOracleホームを指定しないでください。

patchMaster.Logdir

ログ・ファイルが保存されるデフォルトのディレクトリです。

例:

patchMaster.Logdir=${patchMaster.Dir}

patchMaster.Loglevel

ログ・ファイルに記録されるロギング・レベルを指定します。デフォルトのログ・レベルは、infoです。その他のオプションとして、errorwarningverboseおよびdebugがあります。

例:

patchMaster.Loglevel=info

patchMaster.Domainadminhost

これは、11.1.1.1.0または11.1.1.2.0の管理サーバー・ホストで、操作に応じていずれかに決まります。ドメインおよびインスタンス登録の起動および停止に使用されます。

例:

patchMaster.Domainadminhost=localhost

patchMaster.Domainadminport

これは、11.1.1.1.0または11.1.1.2.0の管理サーバー・ポートで、操作に応じていずれかに決まります。ドメインおよびインスタンス登録の起動および停止に使用されます。

例:

patchMaster.Domainadminport=7001


注意:

patchMaster.propertiesファイルのサンプルについては、付録C「パッチ・マスタ・プロパティ・ファイルのサンプル」を参照してください。

patchMaster.propertiesファイルの製品別の必須プロパティ

表B-6は、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントで必須とされるpatchMaster.propertiesファイルのプロパティの一覧です。


注意:

パッチ・アシスタントでは、操作のみを基準にしてプロパティが検証されます。個別の製品レベルでのプロパティの検証は行われません。

表B-6 patchMaster.propertiesファイルの必須プロパティ

製品 必須プロパティ

Oracle Fusion Middleware監査フレームワーク

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Schemaurl

  • patchMaster.Schemauser

  • patchMaster.Schemaprefix

Oracle Business Intelligence Discoverer

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Statusfile

  • patchMaster.Failonerror

Oracle Directory Integration Platform

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Domainadminhost

  • patchMaster.Domainadminport

Oracle Internet Directory

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Schemaurl

  • patchMaster.Schemauser

  • patchMaster.Schemaprefix

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Failonerror

Oracle Virtual Directory

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Failonerror

Oracle Java Required Files

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

Oracle Metadata Services

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Schemaurl

  • patchMaster.Schemauser

  • patchMaster.Schemaprefix

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Oraclehomenew

Oracle Platform Security Services

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainapplicationshomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Domainadminhost

  • patchMaster.Domainadminport

Oracle Portal

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Schemaurl

  • patchMaster.Schemauser

  • patchMaster.Schemaprefix

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Statusfile

  • patchMaster.Failonerror

Oracle Reports

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Failonerror

Oracle User Messaging Service

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Schemaurl

  • patchMaster.Schemauser

  • patchMaster.Schemaprefix

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Statusfile

  • patchMaster.Failonerror

Oracle Web Cache

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Mwhomenew

  • patchMaster.Mwhomeold

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainusername

  • patchMaster.Oracleinstancenewlist

  • patchMaster.Oracleinstanceoldlist

  • patchMaster.Oraclehomenew

  • patchMaster.Oraclehomeold

Oracle WebCenter

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Schemaurl

  • patchMaster.Schemauser

  • patchMaster.Schemaprefix

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Domainapplicationshomenew

Oracle Web Services Manager

  • patchMaster.Componentlist

  • patchMaster.Domainhomenew

  • patchMaster.Domainhomeold

  • patchMaster.Logdir

  • patchMaster.Loglevel

  • patchMaster.Statusfile

  • patchMaster.Failonerror


B.4.6.1 patchMaster.propertiesファイルで設定されたプロパティのオーバーライド

Antコマンドライン・ユーティリティを使用すると、patchMaster.propertiesファイルで設定されたプロパティをオーバーライドできます。次のように必要なプロパティをコマンドラインで指定する必要があります。

ant -D<property>=<value>

たとえば、パッチを適用するコンポーネントを選択するには、コマンドラインに次のコマンドを入力します。

ant -DpatchMaster.Componentlist=SOA,UMS,WebCenter
master-patch-schema

前述の例のmaster-patch-schemaは新しい値を使用するコマンドであることに注意してください。

コマンドライン、またはpatchMaster.propertiesファイルで指定可能なプロパティの完全な詳細は、表B-5を参照してください。


注意:

コマンドライン・ユーティリティを使用して、システム・ユーザーを指定するpatchMaster.Schemauserプロパティをオーバーライドする場合は、次の例のように必ず二重引用符を使用してください。
ant -DpatchMaster.Schemauser="SYS AS SYSDBA"

patchMaster.propertiesファイルを直接編集する場合は、二重引用符を入力しないでください。


B.4.7 パッチ・アシスタントによってサポートされるOracle Fusion Middlewareコンポーネント

表B-7は、パッチ・アシスタントでサポートされるOracle Fusion Middlewareコンポーネントの一覧です。

表B-7 パッチ・アシスタントによってサポートされるOracle Fusion Middlewareコンポーネント

コンポーネント名 リリース

Oracle Fusion Middleware監査フレームワーク

11.1.1.2.0

Oracle BPEL Process Manager

11.1.1.2.0

Oracle Business Rules

11.1.1.2.0

Oracle B2B統合

11.1.1.2.0

Oracle Business Activity Monitoring

11.1.1.2.0

Oracle Business Intelligence Discoverer

11.1.1.2.0

Oracle Internet Directory

11.1.1.2.0

Oracle Directory Integration Platform

11.1.1.2.0

Oracle Identity Federation

11.1.1.2.0

Oracle Virtual Directory

11.1.1.2.0

Oracle Directory Services Manager

11.1.1.2.0

Oracle Forms

11.1.1.2.0

Oracle Platform Security Services

11.1.1.2.0

Oracle Java Required Files

11.1.1.2.0

Oracle Metadata Services

11.1.1.2.0

Oracle Access Manager

11.1.1.2.0

Oracle TopLink

11.1.1.2.0

Oracle Dynamic Monitoring System(DMS)

11.1.1.2.0

Oracle Java Object Cache

11.1.1.2.0

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control

11.1.1.2.0

Oracle HTTP Server

11.1.1.2.0

Oracle Reports

11.1.1.2.0

Oracle Portal

11.1.1.2.0

Oracle Portlet Producers

11.1.1.2.0

Oracle User Messaging Service

11.1.1.2.0

Oracle Web Cache

11.1.1.2.0

Oracle WebCenter Spaces

11.1.1.2.0

Oracle WebCenter Discussions

11.1.1.2.0

Oracle WebCenter Portlets

11.1.1.2.0

Oracle WebCenter Wiki and Blogs

11.1.1.2.0

Oracle Content Server

10.1.3.5.1

Oracle WebLogic Server

10.3.1.0

Oracle Wallet Manager

11.1.1.2.0

Oracle Web Services Manager

11.1.1.2.0