Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busデプロイメント・ガイド 11g リリース(11.1.1.4.0) B61432-02 |
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Oracle Service Bus MBeansをJavaプログラムおよびWLSTスクリプトで使用すると、開発環境からテスト環境、ステージング環境を経て、最終的に本番環境に至るまで、Oracle Service Bus構成のプロモーションを自動化できます。以下のOracle Service Bus MBeanを使用すると、デプロイメント処理をプログラムで実行できます。
SessionManagementMBean: セッションの作成、アクティブ化、破棄、または既存のセッションの名前を返すために使用します。
ALSBConfigurationMBean: Oracle Service Bus構成のインポートとエクスポート、環境固有の情報(エンドポイントURIなど)の更新、およびOracle Service Bus構成およびリソースの問合せに使用します。
後者のMBeanは、 com.bea.wli.sb.management.configuration パッケージのインタフェースです。
デプロイメント時に様々なカスタマイズ・オプションを適用できます。様々な環境変数を使用して、環境を移行する際の設定を保持または調整することが可能です。
ここででは次のトピックについて説明します。
A.2項「プログラムとスクリプトを使用した構成タスクの管理」
ヒント: Oracle Service Bus APIは、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus Java APIリファレンスに説明されています。 |
Oracle Service Busセッションを使用すると、異なるユーザーが相互に干渉することなく構成データの個々の部分を更新できます。セッションは基本的に名前付きのサンドボックスで、行った変更はアクティブ化されるまでは、他のユーザーおよびコア・データ(Oracle Service Busの動作の基盤となっているデータ)によって抽出されます。リソースとOracle Service Bus構成を変更するには、セッションを作成し、作成したセッションで変更を実行する必要があります。セッションをアクティブ化した場合にのみ、変更はコア・データに反映されます。セッションの名前が同じでない限り、複数のセッションを作成できます。セッションは、そのセッション・データで動作するSessionManagementMBean
のインスタンスを使用した場合のみアクティブ化できます。
各MBeanタイプ(SessionManagementMBean
を除く)には、セッションごとに1つのインスタンスがあります。セッションが作成されると、新しい一連のMBeanインスタンス(MBeanタイプごとに1つ)が自動的に生成されます。各MBeanタイプのインスタンスは、Oracle Service Busデータ・キャッシュに保存されているコア・データで動作します。セッションが破棄またはアクティブ化されると、セッションに作成されたMBeanインスタンスは破棄されます。ただし、コア・データで動作するMBeanインスタンスは破棄されません。コア・データで動作するMBeanインスタンスでは、更新操作はサポートされていません。
Oracle Service BusセッションはOracle Service Busコンソールを使用して作成します。SessionManagementMBean
インタフェースのメソッドは、Oracle Service Busコンソールで提供されている対話機能と同等の機能であり、対応するGUIと同じ順序で実行する必要があります。次の表に、SessionManagementMBean
インタフェースで使用できるメソッド、およびメソッドによって実行されるタスクを示します。
表A-1 セッション管理メソッド
内容 | 使用するメソッド |
---|---|
セッションをアクティブ化する |
activateSession(String session, String description) |
ユーザー指定の名前が付いた新しいセッションを作成します。 |
createSession(String session) |
変更をアクティブ化せずにセッションを削除する |
discardSession(String session) |
指定のセッション名が付いたセッションが存在する場合、trueを返す |
sessionExists(String session) |
SessionManagementMBean
インタフェースのリファレンス資料、Javaの使用例、およびJavaクライアントやスクリプトでMBeanを使用する方法を示したサンプル・コードについては、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus Java APIリファレンスのcom.bea.wli.sb.management.configuration
パッケージにあるSessionManagementMBeanインタフェースを参照してください。
Oracle Service Bus ALSBConfigurationMBean
を使用すると、Oracle Service Busドメインで、リソースの問合せ、エクスポートおよびインポート、検証エラーの取得、環境値の取得と設定、およびリソース構成の全般的な管理をプログラムで行うことができます。Oracle Service Bus構成は、プロキシ・サービス、WSDL、ビジネス・サービスなど、Oracle Service Busリソースを含む単純なJARとしてパッケージ化されています。これらのリソースは、複数のプロジェクトにまたがるものにしたり、構成情報の一部だけを含めたりできます。たとえば、プロジェクトのサブセットだけをエクスポートしたり、プロジェクト全体をエクスポートしたり、多数のプロジェクトのリソースのサブセットをエクスポートしたりできます。
次の項では、ALSBConfigurationMBean
を使用してJavaクライアントからこれらのデプロイメント・アクティビティを実行する方法を説明します。
ALSBConfigurationMBean
インタフェースのリファレンス資料については、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus Java APIリファレンスのcom.bea.wli.sb.management.configuration
パッケージにあるALSBConfigurationMBeanインタフェースを参照してください。
Oracle Service Bus構成はOracle Service Busコンソールで作成され、エクスポートにより.jar
ファイルに格納されます。構成.jar
ファイルをエクスポートしたら、その構成を別のOracle Service Busドメインにインポートし、構成の環境固有の値を新しい環境の値にあわせて変更して、構成をプロモートできます。
ALSBConfigurationMBeanインタフェースのメソッドを使用すると、Oracle Service Busドメインで次のようなリソースの管理を行うことができます。
リソースを照会、エクスポート、およびインポートします(zipファイルからのリソースのインポート、およびプロジェクト・レベルでのリソースのエクスポートを含みます)。
環境値の取得と設定
新しいIDを持つプロジェクト、フォルダ、またはリソースのクローンを作成します。
指定したリストにあるすべてのリソースからの既存の参照を、新しい参照のセットに変更します。
複数のプロパティを同時にカスタマイズします。
検証エラーを取得します。
ALSBConfigurationMBean
メソッドの包括的なメソッド概要については、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus Java APIリファレンスのALSBConfigurationMBeanを参照してください。
ALSBConfigurationMBeanおよびCustomizationクラスのメソッドを使用して、環境固有の情報を更新できます。次の内容が含まれます。
プロキシ・サービスとビジネス・サービスの構成のエンドポイントの値を更新します。
ファイル、電子メール、およびFTPトランスポート構成のディレクトリ要素を更新します。
環境値を直接設定します。
問合せに指定されている環境固有の値を検索します。
問合せに指定されている環境値を検索し、環境値パターンに一致するすべての値を特定のパラメータに置き換えます。
メソッドの包括的なメソッド概要については、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus Java APIリファレンスのALSBConfigurationMBeanおよびCustomizationクラスを参照してください。インポートのカスタマイズは ALSBImportPlanによってサポートされています。
セキュリティ構成と他のすべての環境固有の設定は、Oracle Service Busコンソールを使用して対話的に更新する必要があります。環境固有の設定の構成については、2.4項「ステップ4. Oracle Service Bus構成のデプロイ」を参照してください。