この節では、次の項目について説明します。
Oracle CEP 11g Release 1 (11.1.1.4.0)のインストール手順:
ご使用のプラットフォームに対応するOracle CEPインストーラをダウンロードします。
1.6項「サポート対象のプラットフォーム」を参照してください。
使用するJVMを選択します。
2.1.1項「JVMを選択する」を参照してください。
製品環境にインストールするか開発環境にインストールするかを決定します。
Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念を理解します。
インストール・モードを選択してOracle CEPをインストールします。
2.1.4項「インストール・モード」を参照してください。
必要に応じてOracle CEPのパッチをインストールします。
必要に応じてインストール後の作業を実行します。
2.6項「インストール後の手順」を参照してください。
Oracle CEPおよびOracle CEPアプリケーションを現在のリリースにアップグレードする必要があるかどうかを決定します。
Javaベースのビルド・ツールApache Antをインストールします。
http://ant.apache.org/
のApache Antプロジェクトを参照してください。
Oracle CEPは、次のJava仮想マシ(JVM)をサポートします。
デフォルトでは、Oracle CEPには独自のバージョンのJRockit(ORACLE_CEP_HOME
/jrockit_
JAVA-VERSION
_R
JROCKIT-VERSION
)が含まれますが、確定的ガベージ・コレクタは含まれません。
注意: Sun JVM用のOracle CEPインストーラにはJRockitバージョンは含まれません。 |
Oracle CEPは、Oracle JRockit Real Timeの特定の機能(特にJRockitの確定的ガベージ・コレクタ)にアクセスできると、パフォーマンスが最適になります。
低レイテンシが要求されるアプリケーションでは、オプションとしてOracle JRockit Real Timeをインストールします。
注意: Javaバージョン5.0または6.0用のOracle JRockit Real Timeをインストールしてください。Javaバージョン1.4.2用のOracle JRockit Real TimeはOracle CEP 11g リリース1(11.1.1.4.0)との互換性がありません。 |
Oracle JRockit Real Timeの詳細は、http://www.oracle.com/technology/products/jrockit/jrrt/index.html
を参照してください。
Solaris SPARCでは、Sun JVMがデフォルトのJVMで、Solaris SPARCのインストーラに含まれています。Solaris以外のプラットフォームでSun JVM (JRockitのかわりに)を使用する場合は、Oracle Java SEダウンロード・サイトからJVMをダウンロードします。
詳細については、次を参照してください:
「標準」インストールを選択した場合は、デフォルトのocep_domain
ドメイン(デフォルトのパスワード)および製品サンプルはインストールに含まれません。
デフォルトのocep_domain
とサンプルをインストールする(推奨)には、「カスタム」オプションを選択します。
「標準」インストールは製品環境のインストールに、「「カスタム」」インストールは開発環境のインストールに適しています。
Oracle CEPをインストールするときは、次のシナリオを考慮します。
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念に関する項を参照してください。
このシナリオでは、図2-1に示すように、ミドルウェア・ホームのディレクトリにOracle CEPをスタンドアロン構成でインストールします。
表2-1このシナリオにおけるOracle CEPで使用できる各種のホーム・ディレクトリを示します。
表2-1 ホーム・ディレクトリとOracle CEP固有のミドルウェア・ホーム
ホーム・ディレクトリのタイプ | ホーム・ディレクトリ |
---|---|
ミドルウェア・ホーム |
Oracle CEPのインストール時に選択したディレクトリ |
WebLogic Serverホーム |
なし |
Oracle製品ホーム脚注1 |
|
Oracle共通ホーム |
なし |
ドメイン |
|
脚注1単にOracleホームとも呼ばれます。
このシナリオでは、図2-2に示すように、Oracle CEPを既存のOracle Fusion Middlewareホームにインストールします。
このシナリオでは、図2-2に示すように、Oracle CEPはそれ自身のOracleホームにインストールしますが、Oracle CEPドメインは既存のORACLE_FUSION_MIDDLEWARE_HOME
/user_projects/domains
ディレクトリに作成します。
このサンプルのトポロジでは、同じミドルウェア・ホームにインストールされている2つのOracle製品があります。
Oracle CEP
Oracle SOA Suite
表2-2は、このシナリオのOracle CEPで使用できる各種のホーム・ディレクトリを示します。
表2-2 ホーム・ディレクトリと既存のミドルウェア・ホーム
ホーム・ディレクトリのタイプ | ホーム・ディレクトリ |
---|---|
ミドルウェア・ホーム |
Oracle Fusion Middlewareのインストール時に選択したディレクトリ |
WebLogic Serverホーム |
Oracle Fusion Middlewareのインストーラによって決定されるディレクトリ |
Oracle製品ホーム脚注1 |
|
Oracle共通ホーム |
Oracle Fusion Middlewareのインストーラによって決定されるディレクトリ |
ドメイン |
|
脚注1単にOracleホームとも呼ばれます。
Oracle CEPインストーラは次のモードで使用します。
グラフィカル・モード・インストールは、対話型のGUIを使用してソフトウェアをインストールする方法です。WindowsシステムとUNIXシステムの両方で実行できます。2.2項「グラフィカル・モードでのOracle CEPのインストール」を参照してください。
注意: グラフィカル・モードのインストールを実行するには、ソフトウェアをインストールするマシンに付属のコンソールで、JavaベースのGUIがサポートされている必要があります。Windowsシステムでは、すべてのコンソールでJavaベースのGUIがサポートされますが、UNIXシステムでは、一部のコンソールでJavaベースのGUIがサポートされません。グラフィカル表示がサポートされていないシステムでは、グラフィカル・モードでインストール・プログラムを起動しようとすると、自動的にコンソール・モード・インストールが開始されます。 |
コンソール・モード・インストールは、対話的なテキスト・ベースの表示で、コマンド・ラインからソフトウェアをインストールする方法です。WindowsシステムおよびUNIXシステムのどちらでも使用できます。2.3項「コンソール・モードでのOracle CEPのインストール」を参照してください。
サイレント・モード・インストールでは、非対話的な方法でソフトウェアをインストールします。インストール・オプションを選択するには、XMLプロパティ・ファイルを使用する必要があります。サイレント・モード・インストールには2とおりの方法があります。つまり、スクリプトの一部として、またはコマンド・ラインから実行できます。サイレント・モード・インストールは、インストールの構成を一度だけ設定し、以降はその構成を使用して多くのマシンにインストールを複製する方法です。2.4項「サイレント・モードでのOracle CEPのインストール」を参照してください。
この節では、Oracle CEPインストーラのグラフィカル・モードでインストールする方法を説明します。
詳細は、2.1項「インストールの概要」を参照してください。
Oracle CEPをグラフィカル・モードでインストールするには:
Oracle CEPをインストールするWindowsまたはUNIXのコンピュータにログインします。
必ず、Oracle CEPインストールの主な管理者となるユーザーとしてコンピュータにログインしてください。
Oracle CEPをインストールするプラットフォームの製品配布ファイルをダウンロードします。
次の表からプラットフォームに適したコマンドを使用して、グラフィカル・モードでインストール・プログラムを起動します。
プラットフォーム | 手順 |
---|---|
Windows | Windowsエクスプローラを使用し、ダウンロード・ディレクトリにある適切なインストール・プログラムをダブルクリックします。 |
LinuxまたはSolaris | コマンド・ウィンドウを開き、ダウンロード・ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
prompt> chmod a+x
これらのコマンドで、 インストール・ログを作成する場合は、
prompt> ./filename -log=C:\logs\server_install.log
|
インストール・プログラムのロードが完了すると、標準の「Welcome」ウィンドウが表示されます。
「次へ」をクリックします。
ミドルウェア・ホーム・ディレクトリの選択ウィンドウで、既存のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリを指定するか、新しいディレクトリを作成します。
既存のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリにインストールするには、次のようにします。
「既存のミドルウェア・ホームを使用する」を選択します。
右側のリストから、既存のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリを選択します。
新規のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリにインストールするには、次のようにします。
「新しいミドルウェア・ホームを作成する」を選択します。
「参照」ボタンをクリックして、コンピュータを参照して既存のディレクトリを選択するか、「リセット」をクリックして、ディレクトリをデフォルトのC:\Oracle\Middlewareにリセットします。
「開く」をクリックします。
Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリは、c:\oracle_cep
など、Oracle CEPのメイン・インストール・ディレクトリです。Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリは、開発環境や製品環境ごとの適性に応じて、コンピュータ内に1つまたは複数存在できます。
詳細は、2.1.3項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念」を参照してください。
「次へ」をクリックします。
「インストール・タイプの選択」ウィンドウで、次のいずれかのオプションを選択できます。
サンプル以外のすべてのOracle CEPコンポーネントをインストールし、Oracle CEPに付属のOracle JRockit JVMを使用するには:
「標準」を選択します。
「次へ」をクリックします。
ステップ10に進みます。
インストーラ・プログラムは、Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリに、今回のOracle CEPリリースに必要なJRockitのバージョンが存在するかチェックします。
必要なJRockitインストールが見つかると、新しいJRockitはインストールされません。
適切なJRockitインストールが見つからない場合、インストーラに含まれるバージョンがOracleミドルウェア・ホームのディレクトリにインストールされます。
デフォルトのocep_domain
ドメイン(デフォルトのパスワード)およびサンプルを含め、すべてのOracle CEPコンポーネントをインストールし、すでにインストール済のSunまたはプラットフォーム独自のJVMを選択するには、次のようにします。
「カスタム」を選択します。
「製品とコンポーネントの選択」ウィンドウで、インストールするコンポーネント(製品サンプルなど)をチェックします。
「次へ」をクリックします。
注意: デフォルトでは、完全インストールにデフォルトのocep_domain ドメイン(デフォルトのパスワード)および製品サンプルは含まれません。サンプルをインストールする(推奨)には、「カスタム」オプションを選択します。
Sun JVMまたはプラットフォーム固有JVMを使用する場合は、「カスタム」オプションを選択する必要があります。 |
インストーラ・プログラムでは、使用するJDKを選択し、Oracle CEP付属のOracle JRockit JVMをインストールするかどうかを決定できます。
「JDKの選択」ウィンドウで、Oracle CEPサーバーのためのJDKを選択します。
「参照」ボタンを使用して、以前にインストールしたSunまたはプラットフォーム固有JDKを選択します。
Oracle CEP付属のOracle JRockit JVMをインストーラでインストールしない場合は、この項目のチェックを外します。
「次へ」をクリックします。
製品インストール・ディレクトリの選択ウィンドウで、Oracle CEPのOracle製品ホーム・ディレクトリのデフォルトの名前(ocep_11.1
)を変更できます。
このディレクトリは任意の名前に変更できますが、わかりやすさと標準化のために、デフォルトの名前を使用することをお薦めします。たとえば、このドキュメントでは、Oracle製品ホーム・ディレクトリがocep_11.1
であることを前提としています。
詳細は、2.1.3項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念」を参照してください。
「次へ」をクリックします。
Windowsにインストールする場合、管理者権限を持つユーザーとしてログインすると、「Choose Shortcut Location」ウィンドウが表示され、スタート・メニュー・フォルダを表示する場所を選択できます。次の表に、選択可能なオプションを示します。
次を選択した場合... | 次のことが起こります... |
---|---|
すべてのユーザー | 推奨。マシンに登録されているすべてのユーザーが、インストールしたソフトウェアにアクセスできます。このオプションを選択すると、管理者権限を持たないユーザーがこのインストールでConfiguration Wizardを使用してドメインを作成しても、「スタート」メニューにそのドメインのショートカットは作成されません。この場合、ユーザーは必要に応じてローカルのスタート・メニュー・フォルダに手動でショートカットを作成できます。 |
ローカル・ユーザー | このマシンに登録されている他のユーザーは、このインストールの「スタート」メニューのエントリにアクセスできません。 |
管理者権限を持たないユーザーとしてログインした場合、「スタート」メニューのエントリがユーザーのローカルのスタート・メニュー・フォルダに作成されます。
「次へ」をクリックします。
「インストールの概要」ウィンドウが表示され、インストールしようとしている製品およびコンポーネントとおおよそのサイズ(MB)が表示されます。このウィンドウではインストール内容を確認するだけです。コンポーネントがインストールされるように変更するには、「前へ」ボタンを使用して適切なウィンドウに戻ります。
「次へ」をクリックします。
インストーラ・プログラムにより、Oracle CEPがインストールされます。製品が正常にインストールされたことを示す「Installation Complete」ウィンドウが表示されます。
「完了」をクリックしてプログラムを終了します。
2.6項「インストール後の手順」で、インストール後の手順を確認してください。
この節では、Oracle CEPインストーラのコンソール・モードでインストールする方法を説明します。
コンソール・モード・インストールは、対話的なテキスト・ベースの表示で、コマンド・ラインを使用してソフトウェアをインストールする方法です。WindowsおよびUNIXシステムの両方で使用できます。
コンソール・モードでインストールする場合、各セクションでのプロンプトに応答して選択肢の番号を入力するか、[Enter]を押してデフォルトを受け入れます。インストール・プロセスを終了するには、プロンプトでexit
(または省略形のx
)と入力します。選択内容を確認または変更する場合は、プロンプトでprevious
(または省略形のp
)と入力します。次のウィンドウに進むには、next
(または省略形のn
)と入力します。
注意: 次の手順では、Windowsの規則(パス名のバックスラッシュなど)を使用しています(たとえばC:\oracle_cep\ocep_11.1 )。UNIXシステムでパス名を入力する場合は、UNIXの規則を使用します。たとえば、/oracle_cep/ocep_11.1 のようにパス名にフォワード・スラッシュを使用します。 |
詳細は、2.1項「インストールの概要」を参照してください。
Oracle CEPをグラフィカル・モードでインストールするには:
Oracle CEPをインストールするWindowsまたはLinuxのコンピュータにログインします。
必ず、Oracle CEPインストールの主な管理者となるユーザーとしてコンピュータにログインしてください。
Oracle CEPをインストールするプラットフォームの製品配布ファイルをダウンロードします。
使用するプラットフォームに適した次の表のコマンドを使用して、コンソール・モードでインストール・プログラムを起動します。
プラットフォーム | 手順 |
---|---|
Windows | コマンド・ウィンドウを開き、ダウンロード・ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
prompt>
これらのコマンドで、 インストール・ログを作成する場合は、
prompt> |
Linux | コマンド・ウィンドウを開き、ダウンロード・ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
prompt> chmod a+x filename prompt> ./filename -mode=console これらのコマンドで、 インストール・ログを作成する場合は、
prompt> ./filename -mode=console -log=C:\logs\server_install.log
|
ウェルカム・プロンプトで、「next
」(短縮して「n
」)と入力するか、または[Enter]を押してインストール・プロセスを続行します。
ミドルウェア・ホーム・ディレクトリの選択ウィンドウで、既存のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリを指定するか、新しいディレクトリを作成します。
既存のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリにインストールするには、次のようにします。
既存のOracleミドルウェア・ホームのディレクトリの番号を入力します。
新規のOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリにインストールするには、次のようにします。
Oracleミドルウェア・ホームのディレクトリを新規に作成するには、1
を入力します。
インストール・プログラムによって、新規にOrcaleミドルウェア・ホームを作成するために必要な手順が示されます。
C:\oracle_cep2
のように、Oracleミドルウェア・ホームのディレクトリをフルパスで正確に入力します。
注意: パスの終わりにはファイル・セパレータ文字は付けません。つまり、C:\mydir\ ではなく、C:\mydir と入力します。 |
存在しないディレクトリを指定した場合は、そのディレクトリが作成されます。
Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリは、c:\oracle_cep
など、Oracle CEPのメイン・インストール・ディレクトリです。Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリは、開発環境や製品環境ごとの適性に応じて、コンピュータ内に1つまたは複数存在できます。
詳細は、2.1.3項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念」を参照してください。
Oracleミドルウェア・ホームのディレクトリの選択内容を確認し、next
(またはn
)を入力します。
「インストール・タイプの選択」ウィンドウで、次のいずれかのオプションを選択できます。
サンプル以外のすべてのOracle CEPコンポーネントをインストールし、Oracle CEPに付属のOracle JRockit JVMを使用するには:
1
を入力して、標準インストールを選択します。
ステップ9に進みます。
インストーラ・プログラムは、Oracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリに、今回のOracle CEPリリースに必要なJRockitのバージョンが存在するかチェックします。
必要なJRockitインストールが見つかると、新しいJRockitはインストールされません。
適切なJRockitインストールが見つからない場合、インストーラに含まれるバージョンがOracleミドルウェア・ホームのディレクトリにインストールされます。
デフォルトのocep_domain
ドメイン(デフォルトのパスワード)およびサンプルを含め、すべてのOracle CEPコンポーネントをインストールし、すでにインストール済のSunまたはプラットフォーム独自のJVMを選択するには、次のようにします。
2
を入力して、カスタム・インストールを選択します。
インストールするコンポーネントの選択ウィンドウで、カッコ内の番号を入力して、インストールするコンポーネント(サンプルなど)を切り替えます。リストの選択内容を切り替えるには、番号を入力します。オプションの横にチェック・マークが表示されているとき、そのオプションが選択されています。オプションを選択解除するには、もう一度その番号を入力するとチェック・マークが消えます。
コンポーネントを選択したら、next
(またはn
)と入力します。
注意: デフォルトでは、完全インストールにデフォルトのocep_domain ドメイン(デフォルトのパスワード)および製品サンプルは含まれません。サンプルをインストールする(推奨)には、「カスタム」オプションを選択します。
Sun JVMまたはプラットフォーム固有JVMを使用する場合は、「カスタム」オプションを選択する必要があります。 |
インストーラ・プログラムでは、使用するJDKを選択し、Oracle CEP付属のOracle JRockit JVMをインストールするかどうかを決定できます。
「JDKの選択」ウィンドウで、Oracle CEPサーバーのためのJDKを選択します。
ローカルJDKを追加するには、「ローカルJdkを追加」オプション(1
)を選択します。
インストール・プログラムによって、ローカルJDKを追加するために必要な手順が示されます。
JDKディレクトリのフルパスを入力してください。例:
C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_14
さらにJDKを追加するには、再び1
を選択します。
「JDKの選択」ウィンドウで、カッコ内の番号を入力して、必要なJDKを切り替えます。リストの選択内容を切り替えるには、番号を入力します。オプションの横にチェック・マークが表示されているとき、そのオプションが選択されています。オプションを選択解除するには、もう一度その番号を入力するとチェック・マークが消えます。
Oracle CEP付属のOracle JRockit JVMをインストーラでインストールしない場合は、この項目のチェックを外します。
ローカルJDKを選択したら、next
(またはn
)と入力します。
製品インストール・ディレクトリの選択ウィンドウで、Oracle CEPのOracle製品ホーム・ディレクトリのデフォルトの名前(ocep_11.1
)を変更できます。
このディレクトリは任意の名前に変更できますが、わかりやすさと標準化のために、デフォルトの名前を使用することをお薦めします。たとえば、このドキュメントでは、Oracle製品ホーム・ディレクトリがocep_11.1
であることを前提としています。
詳細は、2.1.3項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念」を参照してください。
指定し終わったらnext
(またはn
)と入力します。
Windowsにインストールする場合、管理者権限を持つユーザーとしてログインすると、「Choose Shortcut Location」ウィンドウが表示され、スタート・メニュー・フォルダを表示する場所を選択できます。次の表に、選択可能なオプションを示します。
次を選択した場合... | 次のことが起こります... |
---|---|
1 すべてのユーザー | 推奨。マシンに登録されているすべてのユーザーが、インストールしたソフトウェアにアクセスできます。このオプションを選択すると、管理者権限を持たないユーザーがこのインストールでConfiguration Wizardを使用してドメインを作成しても、「スタート」メニューにそのドメインのショートカットは作成されません。この場合、ユーザーは必要に応じてローカルのスタート・メニュー・フォルダに手動でショートカットを作成できます。 |
2 ローカル・ユーザー | このマシンに登録されている他のユーザーは、このインストールの「スタート」メニューのエントリにアクセスできません。 |
管理者権限を持たないユーザーとしてログインした場合、「スタート」メニューのエントリがユーザーのローカルのスタート・メニュー・フォルダに作成されます。
該当する番号を入力します。
指定し終わったらnext
(またはn
)と入力します。
「インストールの概要」ウィンドウが表示され、インストールしようとしている製品およびコンポーネントとおおよそのサイズ(MB)が表示されます。このウィンドウではインストール内容を確認するだけです。コンポーネントがインストールされるように変更するには、Previous
と入力して適切なウィンドウに戻ります。
next
(またはn
)を入力します。
インストーラ・プログラムにより、Oracle CEPがインストールされます。製品が正常にインストールされたことを示す「Installation Complete」ウィンドウが表示されます。
exit
と入力してプログラムを終了します。
2.6項「インストール後の手順」で、インストール後の手順を確認してください。
この節では、Oracle CEPインストーラのサイレント・モードでインストールする方法を説明します。
サイレント・モード・インストールでは、非対話的な方法でソフトウェアをインストールします。インストール・オプションを選択するには、XMLプロパティ・ファイルを使用する必要があります。
詳細は、2.1項「インストールの概要」を参照してください。
Oracle CEPをサイレント・モードでインストールするには:
Oracle CEPをインストールするWindowsまたはUNIXのコンピュータにログインします。
必ず、Oracle CEPインストールの主な管理者となるユーザーとしてコンピュータにログインしてください。
Oracle CEPをインストールするプラットフォームの製品配布ファイルをダウンロードします。
構成設定を定義するsilent.xml
ファイルを作成します。通常、これは対話型インストール・プロセスでユーザーによって入力されます。
2.4.1項「サイレント・モード・インストール用のsilent.xmlファイルの作成」を参照してください。
注意: silent.xml ファイルのエントリが不適切な場合は、インストール・エラーが発生することがあります。原因を特定しやすいように、インストール・プログラムを開始するときにログ・ファイルを作成することをお薦めします。 |
使用するプラットフォームに適した次の表のコマンドを使用して、サイレント・モードでインストール・プログラムを起動します。
プラットフォーム | 手順 |
---|---|
Windows | コマンド・ウィンドウを開き、ダウンロード・ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
prompt>
このコマンドで、 インストール・ログを作成する場合は、
prompt> |
LinuxまたはSolaris | コマンド・ウィンドウを開き、ダウンロード・ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
prompt> chmod a+x filename prompt> ./filename -mode=silent -silent_xml=path_to_xml_file これらのコマンドで、 インストール・ログを作成する場合は、 prompt> ./filename -mode=silent -silent_xml=path_to_xml_file -log=C:\logs\server_install.log |
Oracleインストーラ・ウィンドウが表示され、ファイルを抽出中であることが示されます。その他のプロンプトやテキストは表示されません。
インストールが完了すると、Oracleインストーラ・ウィンドウが閉じます。
サイレント・インストールの成功または失敗の詳細は、2.4.3項「コマンド・ウィンドウでの終了コードの戻り値」を参照してください。
2.6項「インストール後の手順」で、インストール後の手順を確認してください。
サイレント・モードでOracle CEPをインストールする場合は、XMLファイル(silent.xml
)を使用して、インストール・プログラムで実装するインストール・オプションを決定します。
サイレントモード・インストール用のsilent.xmlファイルを作成するには:
任意のテキスト・エディタを使用して、Oracle CEPをサイレント・モードでインストールするコンピュータにsilent.xml
という空のファイルを作成します。
例2-1に示すサンプルのXMLファイルの内容を、独自のsilent.xml
ファイルにコピーします。
例2-1 サイレント・モード・インストール用のsilent.xmlファイルのサンプル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!-- Silent installer option: -mode=silent -silent_xml=C:\oracle\silent.xml --> <bea-installer> <input-fields> <data-value name="BEAHOME" value="C:\oracle_cep" /> <data-value name="USER_INSTALL_DIR" value="C:\oracle_cep\ocep_11.1" /> <data-value name="INSTALL_SHORTCUT_IN_ALL_USERS_FOLDER" value="yes"/> <data-value name="COMPONENT_PATHS" value="Oracle Complex Event Processing" /> </input-fields> </bea-installer>
作成したsilent.xml
ファイルで、構成を反映するように表2-3に示すキーワードの値を編集します。
たとえば、ORACLE_CEP_HOMEディレクトリ(e:\oracle_cep
)にインストールする場合、対応する<data-value>
要素を次のように更新します。
<data-value name="BEAHOME" value="e:\oracle_cep" />
表2-3 silent.xmlファイルの値
このデータ値名に対して... | 次の値を入力... |
---|---|
|
選択したOracleミドルウェア・ホーム・ディレクトリのフルパス名。 詳細は、2.1.3項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念」を参照してください。 |
|
選択したOracle CEPのOracle製品ホーム・ディレクトリのフルパス名。 詳細は、2.1.3項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造と概念」を参照してください。 |
|
Windowsのみ。指定:
All Usersフォルダに「スタート」メニューのショートカットを作成するには、インストールを実行しているユーザーに管理者権限が必要です。 指定しない場合、このパラメータのデフォルト値は |
|
システムにインストールするOracle CEPのコンポーネントおよびサブコンポーネントを指定します。次の値を使用します。
これらの値の入力の詳細は、2.4.2項「コンポーネント選択のガイドライン」を参照してください。
|
|
サポート対象のインストール済JVMを選択するオプション。 注意: これらのどちらか( |
|
この要素を使用して、インストールするBEA提供のJDKを指定できます。インストールするJDKの絶対パスをパイプ記号( このオプションを使用して、Oracle CEPインストーラに含まれるOracle JRockit JDKを使用するようにOracle CEPをインストールします。 |
脚注1パスの終わりにはファイル・セパレータ文字は付けません。つまり、C:\mydirectory\
ではなく、C:\mydirectory
と入力します。
注意: サイレント・インストールでは、LOCAL_JVMS データ値はサポートされません。ローカルJVMを定義するには、2.2項「グラフィカル・モードでのOracle CEPのインストール」の説明に従って、グラフィカル・モード・インストールを使用する必要があります。 |
ファイルを任意のディレクトリに保存します。
データ値名COMPONENT_PATHS
に値を指定する場合は、次のガイドラインに従います。
インストールする製品コンポーネントを指定すると、完全インストールのデフォルトでインストールされるすべてのサブコンポーネントもインストールされます。たとえば、次のエントリはOracle CEPとサンプルの両方をインストールします。
<data-value name="COMPONENT_PATHS" value="Oracle Complex Event Processing" />
複数のコンポーネントまたはサブコンポーネントをインストールする場合は、コンポーネントを縦棒(|)で区切ります。縦棒の前後にスペースを入れないでください。
サブコンポーネントを指定する場合は、エントリごとにコンポーネントとサブコンポーネントの組合せを指定する必要があります。たとえば、Oracle CEPおよびサンプルを明示的にインストールする場合、ファイルに次の行を入力します。
<data-value name="COMPONENT_PATHS" value="Oracle Complex Event Processing/Event Server|Oracle Complex Event Processing/Event Server Samples" />
注意: このリリースのOracle CEPにはサーバー本体とサンプルのみが含まれています。そのため、上記の例は最初の箇条書きの例と同等です。 |
サイレント・モードで実行した場合は、インストール・プログラムによってインストールが成功したか失敗したかを示す終了コードが生成されます。表2-4に、この終了コードを示します。
例2-2は、サイレント・モードでインストール・プログラムを呼び出し、スクリプトを実行したコマンド・ウィンドウに終了コードをエコーするWindowsコマンド・ファイルのサンプルを示しています。
例2-2 サイレント・モードの終了コードを表示するWindowsコマンド・ファイルのサンプル
rem Execute the installer in silent mode @echo off ofm_ocep_generic_11.1.1.1.0_32_disk1_1of1.exe -mode=silent -silent_xml=C:\downloads\silent.xml -log=C:\logs\products_silent.log @rem Return an exit code to indicate success or failure of installation set exit_code=%ERRORLEVEL% @echo. @echo Exitcode=%exit_code% @echo. @echo Exit Code Key @echo --------------- @echo 0=Installation completed successfully @echo -1=Installation failed due to a fatal error @echo -2=Installation failed due to an internal XML parsing error @echo.
Oracle Smart Updateツールを使用すると、Oracle CEPのメンテナンスおよびセキュリティの更新を探し、インストールしてアクティブ化することができます。
詳細は、Oracle Smart Updateでのパッチおよびメンテナンス・パックのインストールに関する項を参照してください。
Oracle CEPのインストール後、以下の手順を実行します。
IBM AIX(64ビット)上のIBM JVMで使用できるようにOracle CEPをインストールした場合は、各Oracle CEPドメイン・ディレクトリで、2.6.1項「IBM JDKのためのOracle CEPの構成」に従って変更を行います。
製品サンプルを実行してみます。製品サンプルとその実行方法の詳細は、第3章「Oracle CEPのサンプル」を参照してください。
Oracle CEP IDE for Eclipseのインストールは、2.7項「Oracle CEP IDE for Eclipseのインストール」で説明します。
オプションで、ユーザー独自のOracle CEPドメインを作成できます。
参照:
Oracle CEP管理者ガイドのOracle CEPスタンドアロンサーバー・ドメインの作成に関する項
Oracle CEP管理者ガイドのOracle CEPマルチサーバー・ドメインの作成に関する項
注意: デフォルトのオプションでOracle CEPをインストールした場合は、独自のOracle CEPドメインを作成する必要があります。詳細は、2.1.2項「デフォルトのOracle CEPドメインocep_domainとサンプル」を参照してください。 |
Oracle CEPアプリケーションを作成し、ドメインにデプロイします。
プログラミング・モデルの説明、アプリケーションを構成する様々なコンポーネントの詳細、およびコンポーネントの連動のしくみは、『Eclipse用Oracle CEP開発者ガイド』のOracle CEPアプリケーション作成の概要に関する項を参照してください。
IBM JDKで使用するためにOracle CEPをインストールした場合は、オペレーティング・システムおよびプロセッサ・アーキテクチャによって異なりますが、IBM AIXのネットワーク・オプションとOracle CEPの各ドメイン・ディレクトリのsetDomainEnv
スクリプトに変更を加える必要があります。ここでは次の項目について説明します。
IBM AIX(64ビット)上のIBM JDKで使用するためにOracle CEPをインストールした場合は、IBM AIXのネットワーク・オプションとOracle CEPの各ドメイン・ディレクトリのsetDomainEnv
スクリプトに変更を加える必要があります。
IBM AIX(64ビット)上のIBM JVMのためにOracle CEPを構成するには:
次のコマンドを実行し(スーパー・ユーザー権限すなわちsudo
を使用)、AIXのネットワーク・オプションを変更します。
no -o rfc1323=1 no -o sb_max=4194304
ドメイン・ディレクトリに移動します。
たとえば、ORACLE_CEP_HOME
\user_projects\domains\ocep_domain\defaultserver
です。
setDomainEnv.sh
スクリプトを編集して、次の行を追加します。
export IBM_JAVA_OPTIONS="-Djava.net.preferIPv4Stack=true -Djava.net.preferIPv6Addresses=false"
Oracle CEP IDE for Eclipseは、Oracle CEPのアプリケーションを開発、デプロイおよびデバッグできるよう設計されているEclipse IDE用のプラグインのセットです。
詳細については、次を参照してください:
『Eclipse用Oracle CEP開発者ガイド』の最新のOracle CEP IDE for Eclipseのインストールに関する項
『Eclipse用Oracle CEP開発者ガイド』のOracle CEPで配布されるOracle CEP IDE for Eclipseのインストールに関する項
Oracle CEP 11g リリース1(11.1.1.4.0)へのアップグレードは2つのステップで実行します。まずアプリケーションをアップグレードし、次にアプリケーションのデプロイ先となるドメインをアップグレードします。
表2-5に、サポートされるアップグレードの流れで実行する必要がある手順を示します。
表2-5 アップグレードの流れ
詳細は、2.8.5項「下位互換性について」を参照してください。
ここでは、Oracle CEP 10.3で正常に実行できるようにWebLogic Event Server 2.0ドメインをアップグレードするために実行する手順を説明します。便宜上、既存のWebLogic Event Server 2.0ドメインは/bea/user_projects/domains/mydomain20
ディレクトリにあるとします。
WebLogic Event Server 2.0ドメインをOracle CEP 10.3にアップグレードするには:
Configuration Wizardを使用して一時的なOracle CEP 10.3ドメインを作成します。この手順の後半のステップで、新しいOracle CEP 10.3ドメイン内のファイルを使用または参照する必要があります。新しいドメインを使用するのが最適な方法です。このドメインは後で必要に応じて削除できます。
この手順では、新しいOracle CEP 10.3ドメインをmydomain30
とし、そのドメインにdefaultserver
という単一のサーバーがあるとします。サーバー・ファイルは/oracle_cep/user_projects/domains/mydomain30/defaultserver
ディレクトリにあるとします。
Oracle CEP管理者ガイドのOracle CEPスタンドアロンサーバー・ドメインの作成に関する項を参照してください。
WebLogic Event Server 2.0サーバーが現在実行中の場合は、停止します。
必要に応じてドメインを復元できるように、WebLogic Event Server 2.0ドメインのバックアップ・コピーを作成します。
WebLogic Event Server 2.0ドメインにある次の2つのファイルをOracle CEP 10.3ドメインの同等のファイルで置き換えます。
lib/XACMLAuthorizerInit.ldift
lib/XACMLRoleMapperInit.ldift
WebLogic Event Server 2.0のファイルはドメイン・ディレクトリ(この例では/bea/user_projects/domains/mydomain20
)を基準にして相対的な場所にあり、Oracle CEP 10.3のファイルはドメイン・ディレクトリの下のサーバー・ディレクトリ(この例では/oracle_cep/user_projects/domains/mydomain30/defaultserver
)を基準にして相対的な場所にあります。
任意のテキスト・エディタを使用して、WebLogic Event Server 2.0ドメインのatnstore.txt
ファイルを開きます。このファイルは、メイン・ドメイン・ディレクトリのconfig
サブディレクトリにあります。このファイルに新しいOracle 10.3グループを追加します。
group: wlevsDeployers description: group: wlevsApplicationAdmins description: group: wlevsBusinessUsers description: group: wlevsOperators description:
WebLogic Event Server 2.0ドメインにある次のファイルとディレクトリ(存在する場合)を削除します。
FileBasedDefaultCredentialMappermy-realmInit.initialized
FileBasedXACMLAuthorizermy-realmInit.initialized
FileBasedXACMLRoleMappermy-realmInit.initialized
rm
cm
atz
WebLogic Event Server 2.0ドメインのstartwlevs.cmd
(Windows)またはstartwlevs.sh
(UNIX)コマンド・スクリプトを更新し、新しいOracle 10.3バイナリを指すようにします。
WebLogic Event Server 2.0ドメインのstopwlevs.cmd
(Windows)またはstopwlevs.sh
(UNIX)コマンド・スクリプトを更新し、新しいOracle 10.3バイナリを指すようにします。
Oracle 10.3バイナリを使用して2.0ドメインでサーバーを起動します。
Oracle CEP管理者ガイドのスタンドアロンサーバー・ドメインでのOracle CEPの起動と停止に関する項。
このアップグレード手順で、新しいユーザーを作成してグループに割り当てた場合は特に、2.0ドメインのセキュリティ構成が変更される可能性があります。その場合は、Visualizerを使用してセキュリティを再構成します。
参照:
『Oracle Complex Event Processing Visualizerユーザーズ・ガイド』のセキュリティ・タスクに関する項
『Oracle CEP管理者ガイド』のOracle CEPのセキュリティ構成に関する項
ここでは、Oracle CEP 11g リリース1(11.1.1)で正常に実行できるようにOracle CEP 10.3ドメインをアップグレードするために実行する手順を説明します。便宜上、既存のOracle CEP 10.3ドメインは/bea/user_projects/domains/mydomain103
ディレクトリにあるとします。
Oracle CEP 10.3ドメインからOracle CEP 11gのリリース1(11.1.1.4.0)にアップグレードするには、次の手順を実行します。
構成ウィザードを使用して一時的なOracle CEP 11g リリース1(11.1.1.4.0)ドメインを作成します。この手順の後半のステップで、新しいOracle CEP 11g リリース1(11.1.1.4.0)ドメイン内のファイルを使用または参照する必要があります。新しいドメインを使用するのが最適な方法です。このドメインは後で必要に応じて削除できます。
この手順では、新しいOracle CEP 11g リリース1(11.1.1)ドメインをmydomain11
とし、そのドメインにdefaultserver
という単一のサーバーがあるとします。サーバー・ファイルは/oracle_cep/user_projects/domains/mydomain11/defaultserver
ディレクトリにあるとします。
Oracle CEP管理者ガイドのOracle CEPスタンドアロンサーバー・ドメインの作成に関する項を参照してください。
WebLogic Event Server 10.3サーバーが現在実行中の場合は、停止します。
必要に応じてドメインを復元できるように、WebLogic Event Server 10.3ドメインのバックアップ・コピーを作成します。
WebLogic Event Server 10.3ドメインにある次の2つのファイルをOracle CEP 11g リリース1(11.1.1)ドメインの同等のファイルで置き換えます。
lib/XACMLAuthorizerInit.ldift
lib/XACMLRoleMapperInit.ldift
WebLogic Event Server 10.3のファイルはドメイン・ディレクトリ(この例では/bea/user_projects/domains/mydomain30
)を基準にして相対的な場所にあり、Oracle CEP 11g リリース1(11.1.1)のファイルはドメイン・ディレクトリの下のサーバー・ディレクトリ(この例では{/oracle_cep/user_projects/domains/mydomain11/defaultserver
)を基準にして相対的な場所にあります。
任意のテキスト・エディタを使用して、WebLogic Event Server 10.3ドメインのatnstore.txt
ファイルを開きます。このファイルは、メイン・ドメイン・ディレクトリのconfig
サブディレクトリにあります。このファイルに新しいOracle 11g リリース1(11.1.1.4.0)グループを追加します。
group: wlevsDeployers description: group: wlevsApplicationAdmins description: group: wlevsBusinessUsers description: group: wlevsOperators description:
WebLogic Event Server 10.3ドメインにある次のファイルとディレクトリ(存在する場合)を削除します。
FileBasedDefaultCredentialMappermy-realmInit.initialized
FileBasedXACMLAuthorizermy-realmInit.initialized
FileBasedXACMLRoleMappermy-realmInit.initialized
rm
cm
atz
WebLogic Event Server 10.3ドメインのstartwlevs.cmd
(Windows)またはstartwlevs.sh
(UNIX)コマンド・スクリプトを更新し、新しいOracle 11g リリース1(11.1.1.4.0)バイナリを指すようにします。
WebLogic Event Server 10.3ドメインのstopwlevs.cmd
(Windows)またはstopwlevs.sh
(UNIX)コマンド・スクリプトを更新し、新しいOracle 11g リリース1(11.1.1.4.0)バイナリを指すようにします。
Oracle 11g リリース1(11.1.1.4.0)のバイナリを使用して10.3ドメインのサーバーを起動します。
Oracle CEP管理者ガイドのスタンドアロンサーバー・ドメインでのOracle CEPの起動と停止に関する項。
このアップグレード手順で、新しいユーザーを作成してグループに割り当てた場合は特に、10.3ドメインのセキュリティ構成が変更される可能性があります。その場合は、Visualizerを使用してセキュリティを再構成します。
参照:
『Oracle Complex Event Processing Visualizerユーザーズ・ガイド』のセキュリティ・タスクに関する項
『Oracle CEP管理者ガイド』のOracle CEPのセキュリティ構成に関する項
この節では、WebLogic Event Serverバージョン2.0で開発したアプリケーションをOracle CEP 10.3で実行できるようにアップグレードするために必要な手順を説明します。
Oracle CEP 10.3で実行するようにWebLogic Event Server 2.0アプリケーションをアップグレードするには、つぎの手順を実行します。
MANIFEST.MF
ファイルを更新して、SpringフレームワークおよびOracle CEPパッケージの新しいバージョンと新しい必須のパッケージがインポートされるようにします。具体的には次のとおりです。
インポートされたすべてのSpringフレームワーク・パッケージのバージョンを2.5.5に更新します。例:
Import-Package: org.springframework.aop.framework;version="2.5.5", org.springframework.aop;version="2.5.5", ...
インポートされたOracle CEPパッケージのバージョンを3.0.0.0に更新します。例:
Import-Package: com.bea.wlevs.ede;version="3.0.0.0", com.bea.wlevs.ede.api;version="3.0.0.0", ...
次のパッケージが Import-Package ヘッダーに含まれていない場合は、追加します。
Import-Package: com.bea.wlevs.management.configuration.spi;version="3.0.0.0", com.bea.wlevs.management.spi;version="3.0.0.0", com.bea.wlevs.monitor;version="3.0.0.0", com.bea.wlevs.spi;version="3.0.0.0", com.bea.wlevs.spring.support;version="3.0.0.0", commonj.work;version="1.4.0.0", org.springframework.osgi.extensions.annotation;version="1.1.0", com.bea.wlevs.ede.spi;version="3.0.0.0", com.bea.wlevs.configuration.internal;version="3.0.0.0", ...
SpringまたはSpring Dyanmic Modules for OSGI (Spring DM)の機能をアプリケーションで使用する場合、Springアプリケーションのコンテキスト・ファイルでの機能の宣言が変更されている可能性があります。これに該当する場合は、Oracle CEPアプリケーションのEPNアセンブリ・ファイル内の宣言を更新する必要があります。
注意: この変更はWebLogic Event Server 2.0とOracle CEP 10.3の間で行われるSpringフレームワークのアップグレード(2.0から2.5へ)に起因するものであり、Oracle CEPのアップグレードに直接起因するものではありません。 |
変更については、該当する2.5 XSDスキーマを参照してください。
Spring: http://www.springframework.org/schema/beans/spring-beans.xsd
Spring DM: http://www.springframework.org/schema/osgi/spring-osgi.xsd
次に、必要になる可能性がある一般的な変更の一部を示します。変更はこれらに限定されません。
<osgi:service-property>
タグにプロパティを指定するとき、古い<prop>
ではなく、key属性とvalue属性を含む<entry>
タグを使用します。
たとえば、次の2.0タグを変更します:
<osgi:service-properties> <prop key="type">SocketAdapterType</prop> </osgi:service-properties>
先:
<osgi:service-properties> <entry key="type" value="SocketAdapterType"/> </osgi:service-properties>
instance-property
のvalue
またはref
属性は常に明示的な値に設定する必要があります。デフォルト値の暗黙的な使用を示す空の文字列は設定できなくなりました。
たとえば、次の2.0タグを変更します:
<wlevs:adapter id="fileAdapter" provider="FileAdapterType"> <!-- file: empty value uses default <wlevs:instance-property name="file" value="" /> <wlevs:listener ref="algoTradingProcessor"/> </wlevs:adapter>
先:
<wlevs:adapter id="fileAdapter" provider="FileAdapterType"> <wlevs:instance-property name="file" value="test.file" /> <wlevs:listener ref="algoTradingProcessor"/> </wlevs:adapter>
IDEを使用して2.0アダプタとビジネスPOJO実装のJavaコードを再コンパイルします。コンパイル時エラーが発生した場合は、新しいOracle CEP APIについて記載されている最新の10.3 Javadoc(http://download.oracle.com/docs/cd/E13157_01/wlevs/docs30/javadocs/wlevs/index.html
)を調べて、ソース・コードを適切に変更してください。
2.0アプリケーションのアダプタがloadgen
プロバイダを例2-3のように使用している場合、EPNアセンブリ・ファイルでStockTick
イベント・タイプを例2-4のように登録する必要があります。
これらの変更を行った後で、アプリケーションを再アセンブルしてOracle CEP 10.3にデプロイします。
『Eclipse用Oracle CEP開発者ガイド』のOracle CEPアプリケーションのアセンブルとデプロイに関する項を参照してください。
デプロイメント中にパッケージを検出できないことを示す例外が発生した場合は、該当のパッケージをMANIFEST.MF
ファイルのImport-Packageヘッダーに追加してから、アプリケーションを再アセンブルし、再デプロイします。アプリケーションが正常にデプロイされるまで、この方法でパッケージの追加を続けてください。
ここでは、Oracle CEP 10.3で開発したアプリケーションをOracle CEP 11g リリース1(11.1.1.4.0)で実行できるようにアップグレードする手順を説明します。
Oracle CEP 10.3アプリケーションをOracle CEP 11gのリリース1(11.1.1.4.0)で実行するためにアップグレードするには、次の手順を実行します。
MANIFEST.MF
ファイルを更新して、SpringフレームワークおよびOracle CEPパッケージの新しいバージョンと新しい必須のパッケージがインポートされるようにします。
または、更新を必要としないバージョニングなしのパッケージを指定できます。また、マイナー・バージョンの更新を回避するためにメジャー・バージョンを指定することもできます(「2.5.6」ではなく「2.5」を使用)。
具体的には、次のとおりです。
インポートされたすべてのSpringフレームワーク・パッケージのバージョンを2.5.6に更新します。例:
Import-Package: org.springframework.aop.framework;version="2.5.6", org.springframework.aop;version="2.5.6", ...
インポートされたすべてのSpring-DMフレームワーク・パッケージのバージョンを1.2.0に更新します。例:
Import-Package: org.springframework.osgi.context="1.2.0", ...
インポートされたOracle CEPパッケージのバージョンを11.1.1.4_0に更新します。例:
Import-Package: com.bea.wlevs.ede;version="11.1.1.4_0", com.bea.wlevs.ede.api;version="11.1.1.4_0", ...
次のパッケージがImport-Packageヘッダーに含まれていない場合は、追加します(必要になる可能性があるすべてのヘッダーのリストは、サンプル・ソースを参照してください)。
Import-Package: com.bea.wlevs.management.spi;version="11.1.1.4_0", com.bea.wlevs.spring.support;version="11.1.1.4_0", com.bea.wlevs.ede.spi;version="11.1.1.4_0", org.springframework.osgi.extensions.annotation;version="1.2.0", ...
SpringまたはSpring Dyanmic Modules for OSGI (Spring DM)の機能をアプリケーションで使用する場合、Springアプリケーションのコンテキスト・ファイルでの機能の宣言が変更されている可能性があります。これに該当する場合は、Oracle CEPアプリケーションのEPNアセンブリ・ファイル内の宣言を更新する必要があります。
注意: この変更はOracle CEP 10.3とOracle CEP 11.1の間で行われるSpring-DMフレームワークのアップグレード(1.1から1.2へ)に起因するものであり、Oracle CEPのアップグレードに直接起因するものではありません。 |
変更については、該当する2.5 XSDスキーマを参照してください。
Spring: http://www.springframework.org/schema/beans/spring-beans.xsd
Spring DM: http://www.springframework.org/schema/osgi/spring-osgi.xsd
特に、<wlevs:factory/>
タグを使用するように、Spring-DM宣言済アダプタ・ファクトリを変換します。たとえば、10.3 EPNアセンブリ・ファイルに例2-5に示すservice
が含まれる場合、例2-6に示すようにこのserviceをwlevs:factory
で置き換えます。
IDEを使用して10.3アダプタのJavaコードとビジネスPOJOの実装を再コンパイルします。コンパイル・エラーが発生した場合は、新しいOracle CEP APIについて説明した最新の11g リリース1(11.1.1)Javadoc(『Oracle Fusion Middleware Java API Reference for Oracle Complex Event Processing』を参照)を確認し、ソース・コードに適切な変更を加えてください。
次のように、非推奨となったJava APIおよびOracle CEPスキーマの変更を検討してください。
『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』の推奨されていないAPIおよびスキーマに関する項
『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』のアダプタの変更に関する項
これらの変更を行った後で、アプリケーションを再アセンブルしてOracle CEP 11g リリース1(11.1.1)にデプロイします。
『Eclipse用Oracle CEP開発者ガイド』のOracle CEPアプリケーションのアセンブルとデプロイに関する項を参照してください。
デプロイメント中にパッケージを検出できないことを示す例外が発生した場合は、該当のパッケージをMANIFEST.MF
ファイルのImport-Packageヘッダーに追加してから、アプリケーションを再アセンブルし、再デプロイします。アプリケーションが正常にデプロイされるまで、この方法でパッケージの追加を続けてください。
管理フレームワークにおける次の変更点には下位互換性がありません。
次のクラスが非推奨になり、すべてのオペレーションのシグネチャから削除されました。
com.bea.wlevs.management.ManagementException
com.bea.wlevs.management.ManagementRuntimeException
com.bea.wlevs.management.MbeanOperationsException
次のメソッドがすべてのMBeanから削除されました。isRegistered()
、preRegister()
、postRegister()
、getMBeanInfo()
モニター関連のメソッドがStageMBean
から削除され、com.bea.wlevs.monitor.management.MonitorRuntimeMBean
に置き換えられました。
com.bea.wlevs.management.boot.BootMBean
が削除されました。
com.bea.wlevs.management.configuration.ConfigSessionBean
が削除されました。
AppDeploymentMBean
のObjectName
が変更され、DomainMBean
が親として含まれるようになりました。
クラスcom.bea.wlevs.server.management.mbean.ServerRuntimeMBean
がcom.bea.wlevs.management.runtime.ServerRuntimeMBean
に変更されました。
既存のcom.bea.wlevs.management_*
以外に、com.bea.wlevs.management.api_*
およびcom.bea.wlevs.management.spi_*
という2つのモジュールが追加されました。
サービスcom.bea.wlevs.spi.ManagementService
が、バンドルcom.bea.wlevs.spi_*
からcom.bea.wlevs.management.spi_*
に移されました。