Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド 11gリリース1(11.1.1) B62261-01 |
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この章では、Oracle Data IntegratorでのOracle Business Intelligence Enterprise Editionの使用方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Data Integrator(ODI)では、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(Oracle BI)のデータがシームレスに統合されます。
Oracle Data Integratorには、統合インタフェースを使用し、Oracle BI物理レイヤーを介してADFビュー・オブジェクト(ADF-VO)のデータをリバース・エンジニアリングおよび抽出するための方法が用意されています。
Oracle Business Intelligence Enterprise Editionの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。各Oracle BIサーバーはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、カタログと所有者のペアは、1つのOracle Data Integrator物理スキーマにマップされます。
Oracle Data Integratorは、バイパス接続プールを介してこのサーバーに接続し、ADFビュー・オブジェクトをサポートする物理ソースにアクセスします。
Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity(JDBC)を使用してOracle BIサーバーに接続します。
Oracle Data IntegratorにはOracle BIデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表17-1に示します。これらのKMではOracle BI固有の機能が使用されます。
表17-1 Oracle BIナレッジ・モジュール
ナレッジ・モジュール | 説明 |
---|---|
RKM Oracle BI(Jython) |
Oracle BIの表構造(列および主キー)を取得します。 |
LKM Oracle BI to Oracle(DBLink) |
dblinkを使用して、Oracle BIソースからOracleデータベース領域へデータをロードします。 |
LKM Oracle BI to SQL |
Oracle BIソースから任意のANSI SQL-92準拠データベースへデータをロードします。 |
IKM Oracle BI to SQL Append |
Oracle BIソースからANSI-SQL92ターゲット・データベースへデータを統合します。 |
Oracle BIナレッジ・モジュールの使用を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。
インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。
サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network(OTN)からアクセスできます。
http://www.oracle.com/technology/products/oracle-data-integrator/index.html
Oracle Data IntegratorでOracle BIを使用するためのテクノロジ固有の要件はありません。
この項では、Oracle BIサーバーに接続するための要件をリストします。
JDBCドライバ
Oracle Data Integratorでは、Oracle BIネイティブ・ドライバを使用して、Oracle BIサーバーに接続します。このドライバをOracle Data Integratorのdriversディレクトリにインストールする必要があります。
バイパス接続プール
Oracle BIでは、ADFレイヤーをバイパスして基礎となるデータベースから直接データをフェッチするために、SQLバイパス・データベース接続を設定する必要があります。この接続プールの名前は、Oracle Data IntegratorでOracle BIデータ・サーバーを作成するために必要です。
トポロジの設定には次が含まれます。
各データ・サーバーは1つのOracle BIサーバーに対応します。Oracle Data Integratorは、バイパス接続プールを介してこのサーバーに接続し、ADFビュー・オブジェクトをサポートする物理ソースにアクセスします。これらの物理オブジェクトは、このサーバーで公開されるビュー・オブジェクトの下に配置されます。このサーバーは、複数のカタログとスキーマにアクセス可能なユーザーに接続されます。カタログとスキーマのペアは、データ・サーバーの下に作成される物理スキーマに対応します。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のデータ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracle BIテクノロジ用データ・サーバーを作成します。この項では、Oracle BIデータ・サーバーの定義に関する必須または固有のフィールドのみについて説明します。
「定義」タブ:
名前: Oracle Data Integratorに表示されるデータ・サーバーの名前
サーバー: このフィールドは空のままにします。
ユーザー/パスワード: Oracle BIユーザーおよびそのパスワード
「JDBC」タブ:
JDBCドライバ: oracle.bi.jdbc.AnaJdbcDriver
JDBC URL: jddbc:oraclebi://<host>:<port>
<host>
は、Oracle BIサーバーがインストールされるサーバーです。デフォルトの<port>
番号は9703
です。
「プロパティ」タブで、次のキーと値のペアを使用してJDBCプロパティを追加します。
キー: NQ_SESSION.SELECTPHYSICAL
値: Yes
注意: このオプションは、物理データへのアクセスに必要です。このオプションを使用した場合、Oracle BI接続は読取り専用になります。 |
「フレックスフィールド」タブのCONNECTION_POOLフレックスフィールドで、バイパス接続プールの名前を設定します。
名前: CONNECTION_POOL
値: <connection pool name>
注意: このバイパス接続プールは、Oracle BIサーバー自体でも定義する必要があります。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の物理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracle BI物理スキーマを作成します。
物理スキーマ内で、データ・スキーマおよび作業スキーマは、それぞれOracle BIのカタログとスキーマの1つのペアに対応します。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の論理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、この物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。
Oracle BIサーバーを使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。
Oracle BIでの作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次のナレッジ・モジュールをインポートすることをお薦めします。
RKM Oracle BI(Jython)、LKM Oracle BI to Oracle(DBLink)、LKM Oracle BI to SQL、IKM Oracle BI to SQL Append
使用するプロジェクトに、関係する他のテクノロジに必要なナレッジ・モジュール(IKM、CKM)もインポートします。
この項の内容は次のとおりです。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracle BIモデルを作成します。
Oracle BIでは、カスタマイズされたリバース・エンジニアリングがサポートされています。
RKMを使用して、Oracle BIでカスタマイズされたリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルのリバース・エンジニアリングに関する項に記載されている通常の手順を行います。この項では、Oracle BIテクノロジ固有のフィールドのみについて説明します。
Oracle BIモデルの「リバース」タブでKM: RKM Oracle BI (Jython).<project name>
を選択します。
このKMは、リバース・エンジニアリング・プロセスをトレースするためのUSE_LOGおよびLOG_FILE_NAMEロギング・オプションを実装します。
Oracle BIサーバーでは、データ整合性チェックはサポートされていません。別のテクノロジを使用して、Oracle BIからステージング領域に抽出されたデータをチェックできます。
Oracle BIは統合インタフェースのソースとして使用できます。
インタフェース用に選択したKMによって、このインタフェースの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、Oracle BIサーバーに関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。
インタフェース・フロー・タブでの、Oracle BIと別のタイプのデータ・サーバー間でデータをロードするためのLKMの選択は、インタフェースのパフォーマンスに関してきわめて重要です。
表17-2にリストされているナレッジ・モジュールを使用して、Oracle BIサーバーからターゲットまたはステージング領域のデータベースへデータをロードします。
表17-2 Oracle BIからデータをロードするためのKM
ステージング領域/ターゲット・テクノロジ | KM | 説明 |
---|---|---|
Oracle |
LKM Oracle BI to Oracle(Dblink) |
DBLinkを使用して、Oracle BIソースからOracleデータベース・ステージング領域へデータをロードします。 このナレッジ・モジュールを使用するには、ソースFusion Transaction DB(基礎となるデータ表を格納するデータベース)からOracleステージング領域へのDBLinkを、手動で作成する必要があります。このDBLinkの名前は、Oracleステージング領域のデータ・サーバー接続で指定したものと同じにする必要があります。 |
SQL |
LKM Oracle BI to SQL |
エージェントを介して、Oracle BIソースから任意のANSI SQL-92準拠ステージング領域データベースへデータをロードします。 |
SQL |
IKM Oracle BI to SQL Append |
エージェントを介して、Oracle BIソースから任意のANSI SQL-92準拠ステージング領域データベースへ、データをロードして統合します。 このKMを使用するには、使用するインタフェースのステージング領域をソースOracle BIサーバーで設定する必要があります。 この構成では一時表は作成されず、データはソース表からターゲット表へ直接ロードされて統合されます。 |