owa_utilパッケージには、CGI環境変数の値の取得、クライアントに返されるデータの出力、問合せの結果のHTML表への出力などの操作を実行するための、ユーティリティ・サブプログラムが含まれます。
owa_utilには、3種類のユーティリティ・サブプログラムが含まれます。
動的SQLユーティリティを使用すると、動的に生成されるSQLコードを含むページを生成できます。
HTMLユーティリティを使用すると、CGI環境変数の値を取得したり、URLリダイレクトを実行したりすることができます。
日付ユーティリティを使用すると、適切な日付処理が可能です。日付の値は、HTMLでは単純な文字列ですが、Oracleデータベースではデータ型として扱われます。
owa_util.bind_variablesファンクション: SQL問合せを準備し、変数をSQL問合せにバインドします。
owa_util.calendarprintプロシージャ: カレンダを出力します。
owa_util.cellsprintプロシージャ: 問合せの内容をHTMLのテーブルに出力します。
owa_util.choose_dateプロシージャ: ユーザーが日付を選択できるHTMLフォーム要素を生成します。
owa_util.dateTypeデータ型: 日付情報を保持するデータ型です。
owa_util.get_cgi_envファンクション: 指定されたCGI環境変数の値を返します。
owa_util.get_owa_service_pathファンクション: PL/SQL Gatewayに対するフル仮想パスを返します。
owa_util.get_procedureファンクション: PL/SQL Gatewayによって起動されるプロシージャの名前を返します。
owa_util.http_header_closeプロシージャ: HTTPヘッダーを閉じます。
owa_util.ident_arrデータ型: データ型です。
owa_util.ip_addressデータ型: owa_sec.get_client_ipファンクションによって使用されます。
owa_util.listprintプロシージャ: 問合せ結果のデータを含むHTMLフォーム要素を生成します。
owa_util.mime_headerプロシージャ: HTTPヘッダーにContent-type行を生成します。
owa_util.print_cgi_envプロシージャ: すべてのCGI環境変数とその値のリストを生成します。
owa_util.redirect_urlプロシージャ: HTTPヘッダーにLocation行を生成します。
owa_util.showpageプロシージャ: SQL*Plusで、htpパッケージおよびhtfパッケージによって生成されたページを出力します。
owa_util.showsourceプロシージャ: 指定されたサブプログラムのソースを出力します。
owa_util.signatureプロシージャ: ページがPL/SQL Agentによって生成されたことを示す行を出力します。
owa_util.status_lineプロシージャ: HTTPヘッダーにStatus行を生成します。
owa_util.tablePrintファンクション: データベース表のデータをHTMLの表として出力します。
owa_util.todateファンクション: dateTypeのデータを標準のPL/SQL日付型に変換します。
owa_util.who_called_meプロシージャ: プロシージャのコール元に関する情報を返します。
変数をバインドすることでSQL問合せを作成し、オープンされているカーソルに出力を格納します。このファンクションは、動的に生成された問合せを送信するプロシージャに対するパラメータとして使用します。指定できるバインド変数は最大で25個です。
表9-1にowa_util.bind_variablesファンクションのプロパティを示します。
表9-1 owa_util.bind_variablesファンクション
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.bind_variables( theQuery in varchar2 DEFAULT NULL bv1Name in varchar2 DEFAULT NULL bv1Value in varchar2 DEFAULT NULL bv2Name in varchar2 DEFAULT NULL bv2Value in varchar2 DEFAULT NULL bv3Name in varchar2 DEFAULT NULL bv3Value in varchar2 DEFAULT NULL ... bv25Name in varchar2 DEFAULT NULL bv25Value in varchar2 DEFAULT NULL) return integer; |
パラメータ: |
theQuery: SQL問合せ文。SELECT文を指定する必要がある。 bv1Name: 変数の名前。 bv2Value: 変数の値。 |
戻り値: |
オープンしているカーソルを示す整数値。 |
HTMLにカレンダを作成します。カレンダ内の各日付には、任意の数のハイパーテキスト・リンクを含めることができます。問合せは次のように作成します。
1番目の列はDATEです。この列は、問合せによって生成された情報と、プロシージャによって生成されたカレンダ出力を関連付けます。
問合せの出力は、ORDER BYを使用してこの列でソートする必要があります。
2番目の列には、その日付に対して出力するテキスト(存在する場合)が含まれます。
3番目の列には、生成されたリンクのリンク先が含まれます。2番目の列の各項目は、この列で指定されているリンク先へのハイパーテキスト・リンクになります。この列を省略すると、2番目の列の項目は、リンクではなく単純なテキストになります。
このプロシージャには2つのバージョンがあります。1番目のバージョンは、varchar2の文字列で格納されるハードコードされた問合せを使用します。2番目のバージョンは、owa_util.bind_variablesファンクションで作成される動的な問合せを使用します。
表9-2にowa_util.calendarprintプロシージャのプロパティを示します。
表9-2 owa_util.calendarprintプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.calendarprint( p_query in varchar2 p_mf_only in varchar2 DEFAULT 'N'); owa_util.calendarprint( p_cursor in integer p_mf_only in varchar2 DEFAULT 'N'); |
パラメータ: |
p_query: PL/SQLの問合せ。問合せから返される内容については、前述の説明を参照。 p_cursor: p_queryと同じフォーマットを含むPL/SQLカーソル。 p_mf_only: 「N」(デフォルト)の場合は、生成されるカレンダには日曜日から土曜日までが含まれる。Nではない場合は、月曜日から金曜日までしか含まれない。 |
実行結果: |
枠付きのHTML表形式のカレンダ。 |
SQL問合せの出力からHTML表を生成します。SQLの基本データ項目はHTMLのセルにマップされ、SQLの行はHTMLの行にマップされます。HTML表を開始および終了するコードを記述する必要があります。このプロシージャには9つのバージョンがあります。
1番目のバージョンは、問合せの結果を索引表に渡します。問合せを実行し、cellsprintにより書式の設定を行います。SQL問合せの出力からのHTML表の生成をより詳細に制御するには、htf.format_cellファンクションを使用します。
2番目と3番目のバージョンは、問合せまたはカーソルから返される行を(指定されている最大数まで)表示します。
4番目と5番目のバージョンは、指定された数の行をHTML表から除外します。表示されている最後の行を非表示フォーム要素に保存することで結果セットをスクロールするには、4番目と5番目のバージョンを使用します。
6番目から9番目のバージョンは、最初の4つのバージョンと同じですが、行数の出力パラメータを返す点が異なります。
表9-3にowa_util.cellsprintプロシージャのプロパティを示します。
表9-3 owa_util.cellsprintプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.cellsprint( p_colCnt in integer p_resultTbl in vc_arr p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL); |
owa_util.cellsprint( p_theQuery in varchar2 p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL); |
|
owa_util.cellsprint( p_theCursor in integer p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL); |
|
owa_util.cellsprint( p_theQuery in varchar2 p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL p_skip_rec in number DEFAULT 0 p_more_data out boolean); |
|
owa_util.cellsprint( p_theCursor in integer p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL p_skip_rec in number DEFAULT 0 p_more_data out boolean); |
|
owa_util.cellsprint( p_theQuery in varchar2 p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL p_reccnt out number); |
|
owa_util.cellsprint( p_theCursor in integer p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL p_reccnt out number); |
|
owa_util.cellsprint( p_theQuery in varchar2 p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL p_skip_rec in number DEFAULT 0 p_more_data out boolean p_reccnt out number); |
|
owa_util.cellsprint( p_theCursor in integer p_max_rows in number DEFAULT 100 p_format_numbers in varchar2 DEFAULT NULL p_skip_rec in number DEFAULT 0 p_more_data out boolean p_reccnt out number); |
|
パラメータ: |
p_colCnt: 表の列数。 p_theQuery: SQLのSELECT文。 p_theCursor: カーソルID。owa_util.bind_variablesファンクションからの戻り値を使用可能。 p_max_rows: 出力する最大行数。 p_format_numbers: このパラメータの値がNULLでない場合は、数値フィールドは右揃えされ、小数点以下第2位に四捨五入される。 p_skip_rec: HTML表から除外する行数。 p_more_data: 問合せまたはカーソルにさらに行がある場合はTRUE、それ以外の場合はFALSE。 p_reccnt: 問合せの結果返された行数。スキップされた行がある場合、この値にはスキップされた行は含まれない。 p_resultTbl: 問合せの結果が格納される索引表。問合せの各エントリは、1つの列の値に対応する。 |
実行結果: |
<tr><td>QueryResultItem</td><td>QueryResultItem</td></tr> <tr><td>QueryResultItem</td><td>QueryResultItem</td></tr> |
ユーザーが日、月、および年を選択できる3つのHTMLフォーム要素を作成します。これらの要素からデータを受け取るプロシージャのパラメータには、owa_util.dateTypeデータ型を使用する必要があります。owa_util.dateTypeデータ型の値をOracle Databaseバージョン7の標準のDATEデータ型に変換するには、owa_util.todateファンクションを使用します。
表9-4にowa_util.choose_dateプロシージャのプロパティを示します。
表9-4 owa_util.choose_dateプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.choose_date( p_name in varchar2, p_date in date DEFAULT SYSDATE); |
パラメータ: |
p_name: フォーム要素の名前。 p_date: HTMLページが表示されるときに最初に選択されている日付の初期値。 |
実行結果: |
<SELECT NAME="p_name" SIZE="1"> <OPTION value="01">1 ... <OPTION value="31">31 </SELECT> - <SELECT NAME="p_name" SIZE="1"> <OPTION value="01">JAN ... <OPTION value="12">DEC </SELECT> - <SELECT NAME="p_name" SIZE="1"> <OPTION value="1992">1992 ... <OPTION value="2002">2002 </SELECT> |
owa_util.todateファンクションは、この型の項目を、データベースに日付として認識され、適切に処理されるDATE型に変換します。owa_util.choose_dateプロシージャを使用すると、ユーザーは必要な日付を選択できます。
表9-5にowa_util.dateTypeデータ型のプロパティを示します。
指定されたCGI環境変数の値を返します。WRBはCGIでは動作しませんが、PL/SQL Gatewayを含む多くのWRBカートリッジはCGI環境変数を利用できます。
表9-6にowa_util.get_cgi_envファンクションのプロパティを示します。
リクエストを処理するPL/SQL Gatewayのフル仮想パスを返します。
表9-7にowa_util.get_owa_service_pathファンクションのプロパティを示します。
PL/SQL Gatewayによって呼び出されるプロシージャの名前を返します。
表9-8にowa_util.get_procedureファンクションのプロパティを示します。
HTTPヘッダーを閉じるための改行文字を生成します。owa_util.mime_headerプロシージャ、owa_util.redirect_urlプロシージャ、またはowa_util.status_lineプロシージャなどのコールで、bclose_headerパラメータを使用してヘッダーを閉じていない場合は、このプロシージャを使用します。htp.print
またはhtp.prn
をコールする前に、HTTPヘッダーを閉じる必要があります。
表9-9にowa_util.http_header_closeプロシージャのプロパティを示します。
owa_sec.get_client_ipファンクションが使用するデータ型です。
表9-11にowa_util.ip_addressデータ型のプロパティを示します。
SQL問合せの出力から、HTMLの選択リスト・フォーム要素を生成します。問合せの出力の列は、次の方法で処理されます。
1番目の列は、返される値を示します。これらの値は、OPTIONタグのVALUE属性に使用されます。
2番目の列は、ユーザーに表示される値を示します。
3番目の列は、その行をOPTIONタグでSELECTEDとしてマークするかどうかを示します。値がNULLでない場合、その行は選択されています。
このプロシージャには2つのバージョンがあります。1番目のバージョンにはハードコードされたSQL問合せが含まれ、2番目のバージョンにはowa_util.bind_variablesファンクションで作成される動的な問合せが使用されます。
表9-12にowa_util.listprintプロシージャのプロパティを示します。
表9-12 owa_util.listprintプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.listprint( p_theQuery in varchar2 p_cname in varchar2 p_nsize in number p_multiple in boolean DEFAULT FALSE); owa_util.listprint( p_theCursor in integer p_cname in varchar2 p_nsize in number p_multiple in boolean DEFAULT FALSE); |
パラメータ: |
p_theQuery: SQL問合せ。 p_theCursor: カーソルID。owa_util.bind_variablesファンクションからの戻り値を使用可能。 p_cname: HTMLフォーム要素の名前。 p_nsize: フォーム要素のサイズ(スクロールしないで表示可能な項目数が決まる)。 p_multiple: 複数の選択を許可するかどうか。 |
実行結果: |
<SELECT NAME="p_cname" SIZE="p_nsize"> <OPTION SELECTED value='value_from_the_first_column'>value_from_the_second_column <OPTION SELECTED value='value_from_the_first_column'>value_from_the_second_column ... </SELECT> |
スクリプトが返すデフォルトのMIMEヘッダーを変更します。スクリプトでデフォルトのMIMEヘッダーを使用しないようにするため、このプロシージャはhtp.print
またはhtp.prn
コールより前に置く必要があります。
表9-13にowa_util.mime_headerプロシージャのプロパティを示します。
表9-13 owa_util.mime_headerプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.mime_header( ccontent_type in varchar2 DEFAULT 'text/html', bclose_header in boolean DEFAULT TRUE, ccharset in varchar2 DEFAULT NULL); |
パラメータ: |
ccontent_type: 生成するMIMEタイプ。 bclose_header: HTTPヘッダーを閉じるかどうか。TRUEの場合は、2つの改行が送信されて、HTTPヘッダーが閉じられる。TRUE以外の場合は、1つの改行が送信されて、HTTPヘッダーは開いたままになる。 ccharset: 使用するキャラクタ・セット。 |
実行結果: |
Content-type: <ccontent_type>; charset=<ccharset> |
例: |
owa_util.mime_header('text/plain', false, 'ISO-8859-4') generates: Content-type: text/plain; charset=ISO-8859-4\n |
PL/SQL Gatewayによりストアド・プロシージャで使用可能なCGI環境変数とその値をすべて生成します。
表9-14にowa_util.print_cgi_envプロシージャのプロパティを示します。
アプリケーション・サーバーが特定のURLに進むように指定します。URLにより、返されるWebページまたは実行されるプログラムを指定できます。このプロシージャは、htpまたはhtfのプロシージャまたはファンクション・コールより前に置く必要があります。
表9-15にowa_util.redirect_urlプロシージャのプロパティを示します。
SQL*Plus、SQL*DBA、またはOracle Server ManagerにおけるプロシージャのHTML出力を表示します。このプロシージャは、htp
パッケージまたはhtf
パッケージを使用してHTMLページを生成する必要があります。また、プロシージャをコールされた後で、かつHTPまたはHTFの他のサブプログラムを直接または間接にコールする前に、このプロシージャを発行する必要があります。この方法は、静的なデータを設定したページを生成する際に便利です。このプロシージャは、dbms_outputを使用し、個々の行は255文字に、また全体のバッファ・サイズは1,000,000バイトに制限されています。
表9-16にowa_util.showpageプロシージャのプロパティを示します。
表9-16 owa_util.showpageプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.showpage; |
パラメータ: |
なし |
実行結果: |
htpプロシージャの出力は、SQL*Plus、SQL*DBA、またはOracle Server Managerで表示される。例は次のとおり。 SQL> set serveroutput on SQL> spool gretzky.html SQL> execute hockey.pass("Gretzky") SQL> execute owa_util.showpage SQL> exit これにより、WebブラウザからアクセスできるHTMLページが生成される。 |
指定されたプロシージャ、ファンクション、またはパッケージのソースを出力します。パッケージに属するプロシージャまたはファンクションが指定されると、パッケージ全体が表示されます。
表9-17にowa_util.showsourceプロシージャのプロパティを示します。
HTMLドキュメントでシグネチャ行が後に付いたHTML行を生成します。パラメータが指定された場合は、そのプロシージャに対するPL/SQLソースを表示するハイパーテキスト・リンクも生成します。このリンクは、owa_util.showsourceプロシージャをコールします。
表9-18にowa_util.signatureプロシージャのプロパティを示します。
表9-18 owa_util.signatureプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.signature; owa_util.signature (cname in varchar2); |
パラメータ: |
cname: ソースを表示するファンクションまたはプロシージャ。 |
実行結果: |
パラメータを指定しないと、次のような行が生成される。
This page was produced by the PL/SQL Agent on August 9, 2001 09:30.
パラメータを指定すると、次のように、HTMLドキュメントにシグネチャ行が生成される。 This page was produced by the PL/SQL Agent on 8/09/01 09:30 View PL/SQL Source |
標準のHTTPステータス・コードをクライアントに送信します。コンテンツ・データではなくヘッダーの一部としてステータス・コードを返すには、このプロシージャは、htp.print
またはhtp.prn
コールより前に置く必要があります。
表9-19にowa_util.status_lineプロシージャのプロパティを示します。
表9-19 owa_util.status_lineプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.status_line( nstatus in integer, creason in varchar2 DEFAULT NULL bclose_header in boolean DEFAULT TRUE); |
パラメータ: |
nstatus: ステータス・コード。 creason: ステータス・コードに対する文字列。 bclose_header: HTTPヘッダーを閉じるかどうか。TRUEの場合は、2つの改行が送信されて、HTTPヘッダーが閉じられる。TRUE以外の場合は、1つの改行が送信されて、HTTPヘッダーは開いたままになる。 |
実行結果: |
Status: <nstatus> <creason>\n\n |
データベース表から、事前に書式設定された表またはHTML表を生成します(ユーザーのブラウザの機能によって決まります)。RAW列はサポートしますが、LONG RAW列はサポートしません。LONG RAW列を参照すると、Not Printableと表示されます。このファンクションでは、cattributesは最後のパラメータではなく2番目のパラメータです。
表9-20にowa_util.tablePrintファンクションのプロパティを示します。
表9-20 owa_util.tablePrintファンクション
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.tablePrint( ctable in varchar2 cattributes in varchar2 DEFAULT NULL ntable_type in integer DEFAULT HTML_TABLE ccolumns in varchar2 DEFAULT '*' cclauses in varchar2 DEFAULT NULL ccol_aliases in varchar2 DEFAULT NULL nrow_min in number DEFAULT 0 nrow_max in number DEFAULT NULL) return boolean; |
パラメータ: |
ctable: データベース表。 cattributes: タグにそのまま追加するその他の属性。 ntable_type: 表を生成する方法。 ccolumns: 生成されるテーブルに含めるctableの列のカンマ区切りリスト。 cclauses: WHERE句またはORDER BY句。データベース表から取得する行、および行を並べ替える方法を指定する。 ccol_aliases: 生成されるテーブルの見出しのカンマ区切りリスト。 nrow_min: 取得された行の中で最初に表示する行。 nrow_max: 取得された行の中で最後に表示する行。 |
実行結果: |
事前に書式設定されている表またはHTML表。リクエストされたnrow_maxより多くの行がある場合はTRUEを返す。それ以外の場合はFALSEを返す。 |
例: |
HTMLテーブルをサポートしないブラウザの場合は、次のようなプロシージャを作成する。 create or replace procedure showemps is ignore_more boolean; begin ignore_more := owa_util.tablePrint('emp', 'BORDER', OWA_UTIL.PRE_TABLE); end;
<PRE> ----------------------------------------------------------------- | EMPNO |ENAME |JOB |MGR |HIREDATE | SAL | COMM | DEPTNO | ----------------------------------------------------------------- | 7369| SMITH | CLERK | 7902 | 17-DEC-80 | 800 | | 20 | | 7499| ALLEN | SALESMAN| 7698 | 20-FEB-81 | 1600 | 300 | 30 | | 7521| WARD | SALESMAN| 7698 | 22-FEB-81 | 1250 | 500 | 30 | | 7566| JONES | MANAGER | 7839 | 02-APR-81 | 2975 | | 20 | | 7654| MARTIN | SALESMAN| 7698 | 28-SEP-81 | 1250 | 1400| 30 | | 7698| BLAKE | MANAGER | 7839 | 01-MAY-81 | 2850 | | 30 | | 7782| CLARK | MANAGER | 7839 | 09-JUN-81 | 2450 | | 10 | | 7788| SCOTT | ANALYST | 7566 | 09-DEC-82 | 3000 | | 20 | | 7839| KING |PRESIDENT| | 17-NOV-81 | 5000 | | 10 | | 7844| TURNER | SALESMAN| 7698 | 08-SEP-81 | 1500 | 0 | 30 | | 7876| ADAMS | CLERK | 7788 | 12-JAN-83 | 1100 | | 20 | | 7900| JAMES | CLERK | 7698 | 03-DEC-81 | 950 | | 30 | | 7902| FORD | ANALYST | 7566 | 03-DEC-81 | 3000 | | 20 | | 7934| MILLER | CLERK | 7782 | 23-JAN-82 | 1300 | | 10 | ----------------------------------------------------------------- </PRE> 部署10の従業員について、その従業員ID、名前、および給与のみを表示するには、次のようなプロシージャを作成する。 create or replace procedure showemps_10 is ignore_more boolean; begin ignore_more := owa_util.tablePrint ('EMP', 'BORDER', OWA_UTIL.PRE_TABLE, 'empno, ename, sal', 'where deptno=10 order by empno', 'Employee Number, Name, Salary'); end; |
http://myhost:8080/ows-bin/hr/plsql/showemps_10のようなURLをリクエストすると、次のような結果がクライアントに返される。 <PRE> ------------------------------------- | Employee Number |Name | Salary | ------------------------------------- | 7782 | CLARK | 2450 | | 7839 | KING | 5000 | | 7934 | MILLER | 1300 | ------------------------------------- </PRE> HTML表をサポートするブラウザの場合、部署表をHTML表で表示するには、次のようなプロシージャを作成する。 create or replace procedure showdept is ignore_more boolean; begin ignore_more := owa_util.tablePrint('dept', 'BORDER'); end; |
|
http://myhost:8080/ows-bin/hr/plsql/showdeptのようなURLをリクエストすると、次のような結果がクライアントに返される。 <TABLE BORDER> <TR> <TH>DEPTNO</TH> <TH>DNAME</TH> <TH>LOC</TH> </TR> <TR> <TD ALIGN="LEFT">10</TD> <TD ALIGN="LEFT">ACCOUNTING</TD> <TD ALIGN="LEFT">NEW YORK</TD> </TR> <TR> <TD ALIGN="LEFT">20</TD> <TD ALIGN="LEFT">RESEARCH</TD> <TD ALIGN="LEFT">DALLAS</TD> </TR> <TR> <TD ALIGN="LEFT">30</TD> <TD ALIGN="LEFT">SALES</TD> <TD ALIGN="LEFT">CHICAGO</TD> </TR> <TR> <TD ALIGN="LEFT">40</TD> <TD ALIGN="LEFT">OPERATIONS</TD> <TD ALIGN="LEFT">BOSTON</TD> </TR> </TABLE> Webブラウザは、書式を設定して次のようなテーブルを表示する。
|
owa_util.dateTypeデータ型をOracleデータベースの標準のDATE型に変換します。
表9-21にowa_util.todateファンクションのプロパティを示します。
起動したPL/SQLコード単位に関する情報を(出力パラメータの形式で)返します。
表9-22にowa_util.who_called_meプロシージャのプロパティを示します。
表9-22 owa_util.who_called_meプロシージャ
プロパティ | 定義 |
---|---|
構文: |
owa_util.who_called_me( owner out varchar2 name out varchar2 lineno out number caller_t out varchar2); |
パラメータ: |
owner: プログラム単位の所有者。 name: プログラム単位の名前。コール元のプログラム単位がパッケージにラップされている場合はパッケージの名前、コール元のプログラム単位がスタンドアロンのプロシージャまたはファンクションである場合はプロシージャまたはファンクションの名前。コール元プログラム単位が無名ブロックの一部である場合はNULL。 lineno: コールが実行されたプログラム単位内の行番号。 caller_t: コールを実行したプログラム単位のタイプ。パッケージ本体、無名ブロック、プロシージャ、ファンクションなど。プロシージャとファンクションは、スタンドアロンのプロシージャおよびファンクションの場合のみ。 |
実行結果: |
なし |