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Oracle Fusion Middleware Webサービスのためのセキュリティおよび管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B56247-03
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14 高度な管理

この章では次の項について説明します。

Webサービスとソースの登録

Webサービス・モデルの主要な機能は、Webサービスを幅広く使用可能かつ検出可能にする機能です。UDDIは、ビジネスとレジストリ内のサービスの情報を集中管理するWebサービスをパブリッシュおよび検出する方法の1つです。新しい別の標準として、Web Services Inspection Language(WSIL)仕様があります。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、WSILドキュメントおよびUDDI v3レジストリでパブリッシュされたWebサービスの登録をサポートしています。WSILドキュメントまたはUDDI v3レジストリで使用できる任意のサービスをEnterprise Manager内に登録できます。

Enterprise Manager内の登録済サービスをサービスのソースで管理しやすくするために、メタ情報またはプロファイルを登録することもできます。ソースを登録してそれに論理名を割り当てておくと、その後はWSDLのURLなどの接続情報を指定する必要がなくなります。ドメインは複数の登録済ソースを持つことができ、各登録済ソースが複数の登録済サービスを持つことができます。ソースを登録しておくと、そのソースに登録できるサービスを簡単に検索できるようになります。

サービス名と対応するWSDLは、単一の登録済ソース内で一意である必要があります。あるサービスを登録すると、それと同じ名前の別のサービス、または名前は異なるが同じWSDL URLの別のサービスを登録しようとすると無効になります。

Webサービスを登録しておくと、Enterprise Manager内の選択リストから簡単にサービスを参照できるようになります。たとえば、「Webサービスのテスト」の説明に従ってWebサービスをテストする場合には、WSDLを指定するかわりに、まずは「検索」アイコンをクリックし、図14-1に示されているように、すでに登録してあるサービスのリストからWSDLを選択します。

図14-1 登録済サービスからの選択

図14-1の説明が続きます
「図14-1 登録済サービスからの選択」の説明

UDDIの基本

Universal Description Discovery & Integration(UDDI)は、ビジネスを迅速、簡単、かつ動的に検索し、そして相互の取引を実行可能にすることを目指す業界イニシアティブです。組み込まれるUDDIレジストリには、ビジネスに関するカタログ化された情報、その企業が提供するサービス、および取引の際に使用する通信規格とインタフェースが格納されます。

Webサービスのオーナーは、それらをUDDIレジストリにパブリッシュします。パブリッシュされると、Webサービスの説明およびサービスに対するポインタがUDDIレジストリに保持されます。UDDIにより、クライアントはこのレジストリを検索し、目的のサービスを見つけてその詳細を取得できます。これらの詳細には、サービスの起動ポイントを始め、サービスやその機能性を確認するための情報が含まれます。

WSILの基本

WSILでは、Webサービスの説明の参照にExtensible Markup Language(XML)形式が定義されます。これらの参照はWSILドキュメントに含まれ、Webサービスの説明(WSDLファイルなど)およびWebサービスの他の集合(別のWSILドキュメントまたはUDDIレジストリなど)を参照します。

WSILドキュメントは、通常Webサービス・プロバイダによって配布されます。これらのドキュメントには、プロバイダのWebサイトで使用できるWebサービスを調べる方法が記載されています。このため、WSIL標準ではWebサービス・コンシューマ向けにWSILドキュメントを使用可能にするルールも定義されます。

WSILモデルは、Webサービスの検出を分散化します。複数のビジネス・エンティティおよびサービスに関する情報を集中管理するUDDIレジストリとは対照的に、WSILはWebサービスの記述情報をどの場所からでも提供できるようにします。UDDIとは異なり、WSILはビジネス・エンティティ情報には関係せず、特定の形式によるサービスの記述を必要としません。どのサービス・プロバイダが使用されているかは既知であり、Webサービスの記述はWSDLなどの他の標準に依存しているとみなされます。

登録済ソースとWebサービスの表示

この項の手順に従って登録済ソースとWebサービスを表示および編集します。

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開き、登録済ソースとWebサービスを表示するドメインを表示します。

  2. ドメインを選択します。

  3. Fusion Middleware Controlを使用して、「WebLogicドメイン」「Webサービス」「登録済サービス」の順に選択します。図14-2に示すように、「登録済ソースおよびサービス」ページが表示されます。

    図14-2 登録済ソースとサービスの表示

    図14-2の説明が続きます
    「図14-2 登録済ソースとサービスの表示」の説明

    「ソース」表には、各登録済ソースに関する次の情報が表示されます。

    • 名前: ソースの論理名

    • 説明: ソースの説明

    • ソースURL: URL形式のソースの場所

    • タイプ - ソース・タイプ: UDDI v3レジストリ・インポート、ファイルからのWSILインポート、URLからのWSILインポート

    • ユーザーID: 外部ソースのユーザーID

    「表示」メニューを使用して、表示される情報をカスタマイズできます。ページのこのセクションから、新しいソースの追加および編集、ソースの削除、ソースのWebサービスの登録、そしてソースから事前定義済UDDIレジストリへのWebサービスのパブリッシュを行うこともできます。

  4. 「ソース」表でソースを選択します。

    各登録済ソースは複数の登録済サービスを持つことができます。「サービス」表には、選択したソース場所からインポートされた登録済サービスに関する次の情報が表示されます。

    • 名前: 登録済サービスの名前

    • 説明: サービスの説明

    • サービス場所: URL形式でのサービスの場所

    「表示」メニューを使用して、表示される情報をカスタマイズできます。選択したサービスのWSDLを表示して、選択したWebサービスをテストすることもできます。

ソースの登録

次のタイプのWebサービス・ソースを登録できます。

  • UDDI v3レジストリ・インポート

  • URLからのWSILインポート

  • ファイルからのWSILインポート

この項の手順に従ってソースを登録します。

ソースを登録する手順

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開き、Webサービスのソースを登録するドメインを表示します。

  2. ドメインを選択します。

  3. Fusion Middleware Controlを使用して、「WebLogicドメイン」「Webサービス」「登録済サービス」の順に選択します。図14-2に示すように、「登録済ソースおよびサービス」ページが表示されます。

  4. 「追加」をクリックして新しいソースを登録します。図14-3に示すように、「新規ソースの登録」ページが表示されます。

    図14-3 「新規ソースの登録」ページ

    図14-3の説明が続きます
    「図14-3 「新規ソースの登録」ページ」の説明

  5. 新しいソースに関する次の情報を入力します。

    • 名前: ソースの論理名。

    • 説明: ソースの説明。

    • タイプ: UDDI v3レジストリ・インポートURLからのWSILインポートファイルからのWSILインポートの3つのオプションからいずれかを選択します。

      その他の入力する必要がある情報は、選択したオプションによって異なります。

  6. UDDI v3レジストリ・インポートを選択した場合は、次の情報を入力します。

    • 「ソースURL」フィールドに、UDDI照会URL、たとえばhttp://somehost/uddi/inquiryを入力します。

    • サービスをURRIソース(外部UDDIレジストリ)にパブリッシュできるようにするには、「有効化」ボックスを選択してフィールドに次のように入力します。

      • パブリッシュURLフィールドで、サービスのパブリッシュ先となるレジストリのURLロケーションを入力します。

      • 「セキュリティURL」フィールドに、レジストリにアクセスするために必要なセキュリティ・ポートのURLロケーションを入力します。

      • 「ユーザーID」および「パスワード」フィールドに、レジストリにアクセスするために必要なセキュリティ資格証明を入力します。

  7. 「URLからのWSILインポート」を選択した場合は、次の情報を入力します。

    • 「ソースURL」フィールドに、WSILの場所をURL形式で入力します。

    • WSILにアクセスするためにユーザー名とパスワードが必要な場合は、Basic認証フィールドで「有効化」ボックスを選択します。「ユーザーID」および「パスワード」フィールドに、ユーザー名とパスワードを入力します。

  8. 「ファイルからのWSILインポート」を選択した場合は、「参照」(「WSILファイル」フィールドの横)をクリックしてインポートするWSILファイルを選択します。

  9. 「OK」をクリックしてソースを登録します。

UDDIソースからのWebサービスの登録

登録済UDDIソースからWebサービスを登録するには、この項の手順に従います。

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開き、Webサービスを登録するドメインを表示します。

  2. ドメインを選択します。

  3. Fusion Middleware Controlを使用して、「WebLogicドメイン」「Webサービス」「登録済サービス」の順に選択します。図14-1に示すように、「登録済ソース」ページが表示されます。

  4. サービスの登録元となるUDDIソースを選択します。UDDIソースの「タイプ」は、UDDI v3レジストリ・インポートとして指定することに注意してください。

  5. Webサービスの登録を選択します。

    図14-4に示すように、「新規サービスの登録」ページが表示されます。

    図14-4 UDDIソースからの新規サービスの登録

    図14-4の説明が続きます
    「図14-4 UDDIソースからの新規サービスの登録」の説明

    「新規サービスの登録」ページには、読取り専用形式のソース情報、および登録できるUDDIで使用可能なサービスのリストが表示されます。

    サービス名および「サービス・キー」フィールドを使用して、表示される使用可能なサービスのリストをフィルタできます。たとえば、電卓(calculator)サービスを検索するには、サービス名フィールドにcalcと入力します。電卓(calculator)サービスなど、文字列calcを含むサービスのみが表示されます。検索では大文字と小文字は区別されません。

    ページのUDDIで使用可能なサービスセクションで、サービス詳細の表示アイコンをクリックして、表内の各サービスのサービス詳細をUDDIから表示できます。UDDIからのサービス詳細ウィンドウには、特にサービス名、サービスの説明、サービスのWSDL、サービス・キー、ビジネス・キー、およびサービス場所などのサービスに関する情報が表示されます。

    「編集」アイコンをクリックして、サービスの詳細を編集できます。これにより、選択したサービスの名前と説明を変更できます。

  6. ページのUDDIで使用可能なサービスセクションで、ソースから登録する1つ以上のサービスを選択し、「登録」をクリックします。

    サービスが正常に登録されたことを示す確認メッセージが表示されます。

WSILソースからのWebサービスの登録

登録済WSILソースからWebサービスを登録するには、この項の手順に従います。

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開き、Webサービスを登録するドメインを表示します。

  2. ドメインを選択します。

  3. Fusion Middleware Controlを使用して、「WebLogicドメイン」「Webサービス」「登録済サービス」の順に選択します。図14-1に示すように、「登録済ソースおよびサービス」ページが表示されます。

  4. サービスの登録元となるWSILソースを選択します。WSILソースの「タイプ」は、「ファイルからのWSILインポート」または「URLからのWSILインポート」として指定することに注意してください。

  5. Webサービスの登録を選択します。

    図14-5に示すように、「新規サービスの登録」ページが表示されます。

    図14-5 WSILソースからの新規サービスの登録

    図14-5の説明が続きます
    「図14-5 WSILソースからの新規サービスの登録」の説明

    「新規サービスの登録」ページには、読取り専用形式のソース情報、およびWSILで使用可能なサービス表に示すように、登録できるWSILで使用可能なサービスのリスト(あれば)が表示されます。WSILにWSIL参照がある場合は、それらが「WSILで使用可能な参照」表にリストされます。

    WSILで使用可能なサービス表で、「編集」アイコンをクリックして、サービスの詳細を編集できます。これにより、選択したサービスの名前と説明を変更できます。

  6. 現在のWSILから使用可能なサービスを登録するには、WSILで使用可能名サービス表でサービスを選択して、「登録」をクリックします。

    サービスが正常に登録されたことを示す確認メッセージが表示されます。

  7. 現在のWSILが別のWSIL URLや参照も参照している場合は、「WSILで使用可能な参照」を開いて表示します。参照されているWebサービスも登録できます。

    現在のWSILのかわりに参照されているWSILからサービスを登録するには、「WSILで使用可能な参照」表でその参照の「プロセス」アイコンをクリックします。

    WSLが正常に解析されると、新しいソースが登録され、現在のWSILソースが参照されているWSILに置き換えられます。参照されているWSILソースで使用可能なサービスが、WSILで使用可能なサービス表にリストされます。これで参照されているWSILからサービスを登録できます。


    注意:

    作成された各新規ソースには、親ソース名に_nを付加した名前が付けられます。たとえば、親ソース名がwsil_file_1の場合、参照されている新規ソースの名前は、ソース・タイプWSIL URLを含むwsil_file_1_1wsil_file_1_2)になります。新しいソースは、登録済ソースとサービスページの「ソース」表にリストされます。

    WSILが正常に解析されなかった場合は、エラー・メッセージが表示されます。通常そのような場合でも、選択されたWSIL参照に対して新しいソースは正常に登録されます。ただし、システムがWSILドキュメントを解析できなかったために、エラー・メッセージが表示されます。エラー・ダイアログを閉じて、「OK」をクリックして登録済ソースとサービスページに戻ります。

    WSIL解析は、参照が不適切であるか認可証明書が必要な場合には失敗します。[ソースの登録]で説明されているように、WSILソースの認可を有効化できます。


    注意:

    接続やその他の不具合が原因で、システムが登録済ソースからのWebサービスの取得に失敗した場合は、「新規サービスの登録」ページにソースの読取り専用情報が表示されますが、Webサービスは表示されません。このような場合は、エラー・ダイアログが表示されている場合は、エラー・ダイアログで「OK」をクリックし、それから「新規サービスの登録」ページで「OK」をクリックして、ソースとサービスの登録ページに戻ります。問題解決方法として、他の方法により登録済ソースを表示します。たとえば、ソースのタイプに応じて、次の方法を実行します。

    • WSIL URLソース: URLをブラウザのアドレス・バーにコピーしてその内容を表示します。

    • WSILファイル・ソース: XMLエディタを使用してWSILファイルを調べます。

    • UDDIソース: UDDIレジストリに直接アクセスして調べます。

    また、関連するEnterprise Managerエラー・ログを確認することもできます。


WebサービスまたはWebサービスのソースの削除

この項の手順に従って、WebサービスまたはWebサービスのソースを削除します。

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開き、Webサービスを削除するドメインを表示します。

  2. ドメインを選択します。

  3. Fusion Middleware Controlを使用して、「WebLogicドメイン」「Webサービス」「登録済サービス」の順に選択します。図14-2に示すように、「登録済ソースおよびサービス」ページが表示されます。

  4. 次のいずれかを実行します。

    • ソースを削除するには、「ソース」表からソースを選択し、「削除」をクリックします。

      確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックしてソースを削除します。

    • サービスをソースから削除するには、「ソース」表からソースを選択します。

      「サービス」表に登録済Webサービスが表示されます。

      「サービス」表から削除するサービスを選択し、「削除」をクリックします。

      確認メッセージが表示されます。「OK」をクリックしてサービスを削除します。

WebサービスのUDDIへのパブリッシュ

WebサービスをUDDIにパブリッシュするには、登録済UDDIソースから、またはADF、WebCenter、Java EEアプリケーションの「Webサービスのサマリー」ページから行うことができます。登録済UDDIソースは、「登録済ソースおよびサービス」ページにリストされます。これにはドメインに登録されているすべてのソースとサービスが含まれます。「Webサービスのサマリー」ページには、アプリケーション内のWebサービスがリストされます。次の手順では、この両方の方法について説明します。


注意:

サービスをUDDIにパブリッシュするには、プロキシを使用する必要があります。これはファイアウォールより外側のURLにアクセスする必要があるためです。必要なプロキシ設定の詳細は、「UDDIのプロキシ・サーバーの構成」を参照してください。

Webサービスを登録済ソースからUDDIにパブリッシュする手順

  1. 「登録済ソースとWebサービスの表示」の説明に従って、登録済ソースとサービスページに移動します。

  2. 「ソース」表でソース行を選択してから、「UDDIにパブリッシュ」を選択します。

    図14-6 「UDDIにパブリッシュ」が選択された登録済ソースとサービスページ

    図14-6の説明が続きます
    「図14-6 「UDDIにパブリッシュ」が選択された「登録済ソースおよびサービス」」の説明

  3. サービスをUDDIにパブリッシュウィンドウで、パブリッシュするサービスに関する情報を入力します。

    • 「サービス名」は、UDDIレジストリにパブリッシュされるWebサービスの名前です。これは必須フィールドです。

    • 「サービスの説明」は、選択したWebサービスの説明です。

    • サービス定義の場所は、サービス定義のURLロケーションです。これは必須フィールドです。

    • UDDIソースは、サービスの登録元となるUDDIソースの名前です。これは読取り専用フィールドです。

    • 「ビジネス名」は、UDDIレジストリ内のデータ構造の名前です。ビジネスがすでにUDDIに登録されていることを前提としています。リストからビジネス名を選択します。これは必須フィールドです。

      図14-7 サービスをUDDIソースからUDDIウィンドウにパブリッシュ

      図14-7の説明が続きます
      「図14-7 サービスをUDDIソースからUDDIウィンドウにパブリッシュ」の説明

  4. サービスをUDDIにパブリッシュウィンドウで「OK」をクリックします。

    システムにより、指定されたサービスが有効なWSDLを持つこと、そしてUDDIレジストリが新しいエントリを受け入れたか既存のエントリを更新したことが検証されます。正常であれば、確認メッセージが表示され、サービスがレジストリにパブリッシュされます。サービスがUDDIにパブリッシュされると、「UDDIソースからのWebサービスの登録」の説明に従って、そのサービスをソースに登録できるようになります

    操作中にエラーが発生すると、エラー・メッセージが出力されます。

    ソースに登録できるのは、一意のWSDLを使用しているサービスのみであることに注意してください。

WebサービスをアプリケーションからUDDIにパブリッシュする手順

  1. 「アプリケーションの「Webサービスのサマリー」ページへの移動」の説明に従って、「Webサービスのサマリー」ページに移動します。

  2. ページの「Webサービスの詳細」セクションで、パブリッシュするサービスを選択します。

  3. 「アクション」「UDDIにパブリッシュ」の順に選択します。図14-8を参照してください。

    図14-8 「UDDIにパブリッシュ」が選択された「Webサービスのサマリー」ページ

    図14-8の説明が続きます
    「図14-8 「UDDIにパブリッシュ」が選択された「Webサービスのサマリー」ページ」の説明

  4. 「UDDIへのサービスの公開」ダイアログ・ボックス(図14-9)で、パブリッシュするサービスに関する情報を入力します。

    • 「サービス名」は、UDDIレジストリにパブリッシュされるWebサービスの名前です。これは必須フィールドです。

    • 「サービスの説明」は、選択したWebサービスの説明です。

    • サービス定義の場所は、サービス定義のURLロケーションにより事前に入力されています(これは読取り専用フィールドです)。

    • UDDIソースは、UDDIレジストリ・ソースの論理名です。リストからUDDIソースを選択します。これは必須フィールドです。


      注意:

      リストには、ドメインに登録済のパブリッシュを有効化されたUDDIソースが含まれます。登録済ソースの詳細は、「Webサービスとソースの登録」を参照してください。

    • 「ビジネス名」は、UDDIレジストリ内のデータ構造の名前です。ビジネスがすでにUDDIに登録されていることを前提としています。リストからビジネス名を選択します。これは必須フィールドです。

    図14-9 サービスをUDDIにパブリッシュダイアログ・ボックス

    図14-9の説明が続きます
    「図14-9 「UDDIへのサービスの公開」ダイアログ・ボックス」の説明

  5. 「OK」をクリックして外部のUDDIレジストリに接続し、Webサービスを登録します。

    サービスが正常に登録されると、確認メッセージが表示されます。操作中にエラーが発生すると、エラー・メッセージが出力されます。

UDDIのプロキシ・サーバーの構成

ファイアウォールの外側のURLにアクセスするには、サービスをUDDIにパブリッシュする際に必ずプロキシを使用する必要があります。

Oracle WebLogicを起動する前に、必ず表14-1に定義したJavaシステム・プロパティを設定しておく必要があります。Javaシステム・プロパティは環境変数として設定するか、Oracle WebLogic起動ファイルで設定できます。

表14-1 UDDIのプロキシ・サーバーを指定するために使用されるJavaシステム・プロパティ

プロパティ 説明

proxySet=true

WebLogicプロキシ・プロパティを使用するかどうかを指定するフラグ。

http.proxyHost=proxyHost

プロキシ・サーバーを実行しているホスト・コンピュータの名前。

http.proxyPort=proxyPort

プロキシ・サーバーがリスニングしているポート。

http.nonProxyHosts=hostname | hostname | ...

プロキシを回避して直接到達する必要のあるホストのリスト。各ホスト名を「|」記号で区切ります。


たとえば、次のようにします。

set PROXY_SETTINGS="-DproxySet=true -Dhttp.proxyHost=www-proxy.us.oracle.com -Dhttp.proxyPort=80 -Dhttp.nonProxyHosts=localhost|${HOST}|*.us.oracle.com" 

Webサービスの監査

監査は、セキュリティ・イベントおよびそれらのイベントの結果に関する情報の収集および格納のプロセスを説明します。監査では、選択したシステムのアクティビティに関する電子的証跡が提供されます。

監査ポリシーでは、実行時に取得されるイベントのタイプおよびスコープが定義されます。操作中は非常に大きなシステムおよびユーザー・イベントの配列が出現しますが、実際に監査されるイベントは、実行時に有効な監査ポリシーによって異なります。コンポーネント固有またはアプリケーション固有のポリシーを定義するか、個々のユーザーを監査できます。

監査ポリシーページを使用して、Webサービスおよびドメイン・レベルのアプリケーションなどの、システム・コンポーネントの監査を構成できます。SOA、ADFおよびWebCenterサービスを監査できます。

図14-10 監査ポリシーページ

図14-10の説明が続きます
「図14-10 「監査ポリシー」ページ」の説明

ページ中央の監査ポリシーの表には、現在有効な監査が表示されます。表には、次の情報が含まれます。

次の表では、Webサービスおよび関連するコンポーネントで監査できるイベントがまとめられています。

表14-2 Webサービスのイベントの監査

監査を有効にするWebサービスのイベント 使用するシステム・コンポーネント
  • ユーザー認証。

  • ユーザー認可。

  • メッセージ整合性、メッセージ機密保護およびセキュリティ・ポリシーを含むポリシー強制。

Oracle Web Services Manager: エージェント

  • Webサービス・リクエストの送信と、レスポンスの受信。

  • SOAPフォルトの発生。

Oracle Webサービス

  • Oracle WSMポリシーの作成、削除または変更。

  • アサーション・テンプレートの作成、削除または変更。

Oracle Web Services Manager

  • Oracle WSMポリシー添付。

Oracle Web Services Manager: ポリシー添付


また、管理者によるすべてのイベントを監査するなど、特定ユーザーのイベントを監査できます。

監査ポリシーの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の監査の構成および管理に関する項を参照してください。

次の項では、監査ポリシーを定義し監査データを表示する方法を説明します。

監査ポリシーの構成

この項の手順に従って監査ポリシーを構成します。

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開きます。

  2. アサーション・テンプレートを管理するドメインをクリックします。

  3. 「WebLogicドメイン」メニューから、「セキュリティ」→「監査ポリシー」の順に選択します。

    「監査ポリシー設定」ページが表示されます。

  4. 「監査レベル」メニューから監査レベルを選択します。

    有効な監査レベルは次のとおりです。

    • なし: 監査を無効にします。

    • 低: 小さいスコープのイベントを監査します。イベントのサブセットは、各コンポーネントについて個別に事前定義されます。たとえば、あるコンポーネントに「低」を指定すると、認証および認可イベントのみが収集されます。

    • 中: 中程度のスコープのイベント(「低」レベルで収集されたイベントのスーパーセット)を監査します。たとえば、あるコンポーネントに「中」を指定すると、認証、認可およびポリシー認可イベントが収集されます。

    • カスタム: カスタム監査ポリシーを使用できるようになります。

    監査ポリシー・リストの各レベルで、監査に対して選択したコンポーネントおよびアプリケーションを表示できます。「カスタム」以外のすべての監査レベルで、監査ポリシー・リストの情報はグレーで表示され、他の監査レベル設定はカスタマイズできなくなっています。

  5. 「カスタム」監査レベルを選択した場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • 「監査の有効化」列で、関連するチェック・ボックスを選択して、監査する情報を選択します。

      コンポーネントのすべてのイベント、コンポーネント・イベント・グループ内のすべてのイベント、個々のイベント、または個々のイベントの特定の結果(成功または失敗など)などの粒度のレベルで監査できます。

      イベントの結果レベルで編集フィルタを指定できます。フィルタはルールベースの式で、戻りイベントを制御するように定義できます。たとえば、ポリシーが特定のユーザーによって作成、変更または削除された場合に、ポリシー管理操作を追跡するフィルタとしてイニシエータを指定できます。結果レベルでフィルタを定義するには、適切な列で「フィルタの編集」アイコンをクリックし、フィルタ属性を指定して「OK」をクリックします。フィルタ定義は「フィルタ」列に表示されます。

      サブコンポーネントの監査をカスタマイズするには、より高いレベルのコンポーネントのチェック・ボックスを選択解除します。列名に隣接するチェック・ボックスを選択して、すべてのコンポーネントとアプリケーションを選択できます。

    • すべてのシステム・コンポーネントおよびアプリケーションの障害のみを監査するには、「障害のみ選択」を使用します。

      選択すると、「監査の有効化」列のすべてのチェック・ボックスが選択解除されます。

  6. 必要に応じて、ユーザーを常に監査テキスト・ボックスに、カンマで区切ったユーザー・リストを入力します。

    指定されたユーザーは、監査が有効または無効にされているか、またはどのレベルの監査が設定されているかにかかわらず常に監査されます。

  7. 「適用」をクリックします。

    現在のセッション中に行ったすべての変更を戻すには、「元に戻す」をクリックします。

監査データの収集および格納の管理

監査情報のデータの収集および格納を管理するには、次のタスクを実行する必要があります。

  • 監査データ・リポジトリの設定および管理。

    ファイルおよびデータベースのいずれかのリポジトリ・モードを使用してレコードを格納できます。データベース・リポジトリ・モードの使用をお薦めします。Oracle Business Intelligence Publisherベースの監査レポートは、データベース・リポジトリ・モードでのみ機能します。

  • 監査イベント収集の設定。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の監査データの収集および格納の管理に関する項を参照してください。

監査レポートの表示

データベース・リポジトリの場合、データはOracle Business Intelligence Publisherで事前定義されたレポートを介して公開されます。

認証および認可の履歴、Oracle WSMポリシー強制および管理など、多くの事前定義済レポートを使用できます。Oracle Business Intelligence Publisherを使用した監査レポートの生成および表示の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareセキュリティ・ガイド』の監査分析の使用およびレポートに関する項を参照してください。

ファイルベース・リポジトリの場合、テキスト・エディタを使用してバスストップ・ファイルを表示し、独自のカスタム問合せを作成できます。

WSDLの管理

WebサービスWSDLを一般に公開したくない場合もあります。「Webサービス・エンドポイント」ページから、WSDLへのパブリック・アクセスを有効または無効にできます。


注意:

起動中に、Webサービス・クライアントからWSDLへのアクセスが必要な場合もあります。WSDLへのパブリック・アクセスを無効にすると、クライアントにはWSDLのローカル・コピーが必要になります。

WSDLを管理する手順

  1. 「Webサービス・エンドポイントの構成」で説明されているように、Webサービスのエンドポイント構成ページに移動します。

  2. 「構成」タブで、「WSDL対応」フィールドを「TRUE」または「FALSE」に設定して、WSDLへのパブリック・アクセスを有効または無効にします。

  3. 「適用」をクリックします。

実行中のクライアントへのセキュリティの追加

セキュリティ・ポリシーは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、実行中のクライアントに添付できます。クライアントへのポリシーの添付または添付の解除を実行するために、クライアント・アプリケーションを再デプロイする必要はありません。Fusion Middleware Controlを使用したポリシーの添付方法の詳細は、第8章「Webサービスへのポリシーの添付」を参照してください。

プラットフォーム・ポリシー・プロパティの構成

次のコンポーネントのプロパティは、「プラットフォーム・ポリシー構成」ページから管理できます。

ポリシー・アクセッサ、ポリシー・キャッシュ、ポリシー・インターセプタ、およびアイデンティティ拡張プロパティを管理する手順

  1. ナビゲータ・ペインで「WebLogicドメイン」を開いてドメインを表示します。

  2. プロパティを管理するドメインを選択します。

  3. 「WebLogicドメイン」→「Webサービス」→「プラットフォーム・ポリシー構成」の順に選択します。

    図14-11に示すように、「プラットフォーム・ポリシー構成」ページが表示されます。

    図14-11 「プラットフォーム・ポリシー構成」ページ

    図14-11の説明が続きます
    「図14-11 「プラットフォーム・ポリシー構成」ページ」の説明

  4. プロパティを定義するコンポーネントに対応するタブを選択します。

リモートのPolicy ManagerでのWebサービスの構成とポリシー・キャッシュのチューニング

デフォルトでは、Oracle Web Services Manager (WSM)は自動検出機能をサポートしており、この機能を使用して同じWebLogicドメイン内のOracle WSM Policy Managerを検索してこれに接続します。シナリオによっては、自動検出が期待通りに機能しない場合があります。


注意:

Oracle WSM Policy Managerが、SSLを使用する構成のサーバー上にデプロイされている場合、自動検出メカニズムは、他のSSL構成型サーバー上のPolicy Managerに接続を試みるのみです。セキュアな接続を確実に維持するために、非SSL構成のサーバー上にデプロイされたPolicy Managerは無視されます。

たとえば次のシナリオのように、自動検出機能を無効化したほうがよい場合もあります。

Oracle Infrastructure Webサービス・ポリシーでは、「ポリシー・アクセッサ」タブでリモートJNDIプロバイダURLおよび対応するcsf-key資格証明を明示的に設定して、リモート・ドメイン内または別のプラットフォーム上のPolicy Managerにアクセスできます。「 ポリシー・キャッシュ」タブにより、Webサービスのエンドポイントのポリシー・キャッシュでの遅延動作をチューニングしてネットワーク・コールを回避し、リモートのOracle WSM Policy Managerからポリシーをフェッチする間のパフォーマンスを向上できます。

  1. 「プラットフォーム・ポリシー・プロパティの構成」で説明されているように、「プラットフォーム・ポリシー構成」ページにアクセスします。

  2. 「ポリシー・アクセッサ」タブを選択します。

  3. 「追加」をクリックして、リモートJNDIプロバイダを定義します。

    「プロパティの追加」ウィンドウで、次の値を指定します。

    1. 「名前」フィールドで、JNDIプロバイダURLプロパティをjava.naming.provider.urlとして入力します。

    2. 「値」フィールドで、リモート・ドメインのJNDIプロバイダのURLを入力します。

      これは、異なるドメインにある実行中のポリシー・マネージャの場所を指定して、そのPolicy Managerにアクセスできるようにします。このプロパティが指定されていないと、自動検出機能は同じドメインにあるPolicy Managerを検索しようとします。

    3. 「OK」をクリックします。

  4. 「追加」をクリックして、対応するcsf-key資格証明プロパティを定義します。「プロパティの追加」ウィンドウで、次の値を指定します。

    1. 「名前」フィールドで、JNDIプロバイダのcsf-key資格証明プロパティの名前をjndi.lookup.csf.keyとして入力します。

    2. 「値」フィールドで、csf-key資格証明を入力します。

      Policy Managerはセキュリティが有効なため、JNDI URLを使用してPolicy Managerを検索するときに、csf-keyはjava.naming.security.principalおよびjava.naming.security.credentialsを指定します。

    3. 「OK」をクリックします。

    資格証明の格納、取得および削除の詳細は、「資格証明ストア・プロバイダの構成」を参照してください。

  5. 「ポリシー・キャッシュ」タブを選択します。

  6. Webサービスのエンドポイントのポリシー・キャッシュのプロパティを変更するには、それを選択して「編集」をクリックします。「プロパティの編集」ウィンドウで、「値」フィールドを編集して各プロパティのデフォルト値を変更できます。

    1. cache.tolerance: ポリシー・キャッシュのリフレッシュ間隔(ミリ秒単位)。この設定により、Webサービスのエンドポイントでのポリシー・キャッシュから取得されるポリシー・セットは最新バージョンになります(つまり、cache.tolerance値を超過)。ポリシー・セットが失効していると判断された場合は、更新後のポリシー・セットがWSM Policy Managerから取得され、Webサービスのエンドポイントでのポリシー・キャッシュでリフレッシュされます。デフォルト値は60000ミリ秒(1分)です。

      注意: Webサービスのエンドポイントでのリフレッシュ間隔の遅延時間は、Oracle WSM Policy Managerの「ポリシー・アクセッサ」タブのcache.refresh.repeatプロパティの値(指定されている場合)とともに集計されます。したがって、cache.refresh.repeatの時間と組み合せた場合に、この追加の値によって目的とするリフレッシュ遅延が発生するかどうかを検証する必要があります。詳細は、「Webサービス・ポリシー取得の構成」を参照してください。

    2. 別のプロパティを追加するには、「追加」をクリックし、「プロパティの追加」ウィンドウで、必要な値を指定します。

    3. 「OK」をクリックします。

  7. 既存のプロパティを変更するには、それを選択してから「編集」をクリックします。

  8. 既存のプロパティを削除するには、それを選択してから「削除」をクリックします。

  9. 「適用」をクリックしてプロパティの更新を適用します。

Webサービス・ポリシー取得の構成

「ポリシー・アクセッサ」タブでは、リポジトリからのOracle WebLogic Webサービス・ポリシーの取得を構成することもできます。この構成には、リポジトリ・アクセッサ・タイプ(クラスパス、ローカルまたはリモートなど)、リポジトリの場所(JAR、ディレクトリまたはホストおよびポート)、アカウント情報(リモート・リポジトリ)、再試行ロジック(高可用性)およびキャッシュ・チューニングの指定が含まれます。

  1. 「プラットフォーム・ポリシー・プロパティの構成」で説明されているように、「プラットフォーム・ポリシー構成」ページにアクセスします。

  2. 「ポリシー・アクセッサ」タブを選択します。

  3. 「追加」をクリックして、ポリシー取得のプロパティを追加します。

  4. 次の表を使用して、「プロパティの追加」ウィンドウで使用可能なプロパティ名と値を指定します。

    表14-3 「プロパティの追加」ウィンドウのプロパティ

    要素 説明

    java.naming.provider.url

    別のドメインで実行しているOracle WSMポリシー・マネージャの場所を指定するJNDI URL。デフォルトでは、このプロパティは指定されません。このプロパティを指定しないと、Oracle WSM自動検出は同じドメイン内でポリシー・マネージャの検出を試みます。

    jndi.lookup.csf.key

    Oracle WSMポリシー・マネージャの場所をjava.naming.provider.urlプロパティで指定する場合は、jndi.lookup.csf.keyで資格証明の構成を指定します。Oracle WSMポリシー・マネージャはセキュリティが有効になっているため、JNDI URLを使用してOracle WSMポリシー・マネージャを探す場合は、jndi.lookup.csf.keyjava.naming.security.principaljava.naming.security.credentialsを指定します。デフォルトでは、このプロパティは指定されていません。

    次の場合には、このプロパティを構成する必要があります。

    • Oracle WSM Policy Managerに接続するために、デフォルトでOracle WSMが使用するシステム・アカウントOracleSystemUserではなく、明示的にアカウントを指定する場合。

    • 構成される認証プロバイダおよびLDAPディレクトリは、Oracle WebLogicで使用されるシステム・アカウントをサポートしませんが、Oracle WSMはデフォルトでこれに依存します。そのために、LDAPディレクトリ内の別のアカウントを使用する必要がある場合。

    • 特定のアプリケーション・サーバーにデフォルトのシステム・アカウントの概念がなく、システムがシステム・アカウントに依存できない場合。

    cache.refresh.initial

    最初のキャッシュ・リフレッシュまでの待機時間(ミリ秒数)。デフォルトは600000ミリ秒(10分)です。

    cache.refresh.repeat

    次のキャッシュ・リフレッシュまでに待機するミリ秒数。デフォルトは600000ミリ秒(10分)です。

    missing.entry.delay

    不足ドキュメントの取得を試行するまでの待機時間(ミリ秒数)。デフォルトは15000ミリ秒です。

    usage record.delay

    使用状況データを送信するまでの待機時間(ミリ秒数)。デフォルトは30000ミリ秒です。

    failure.retry.count

    通信失敗後に再試行する回数。デフォルトの再試行回数は、2回です。

    failure.retry.delay

    次の再試行までの待機時間(ミリ秒数)。デフォルトは5000ミリ秒です。

    oracle.wsm.policymanager.accessor.IRepositoryAccessor

    リポジトリ・アクセッサ・クラスのタイプ。値は次のとおりです。

    • remote (Java EE)

    • classpath (Java SEの場合のデフォルト)

    • local (Java SE)

    access.protocol

    oracle.wsm.policymanager.accessor.IRepositoryAccessorプロパティの別名。値は次のとおりです。

    • remote (Java EE)

    • classpath (Java SEの場合のデフォルト)

    • local (Java SE)

    wsm.repository.path

    oracle.wsm.policymanager.accessor.IRepositoryAccessorプロパティの値に基づいて、次のようにドキュメントのロード元であるJARファイルまたはローカル・ファイルベース・リポジトリの場所を定義します。

    • repository accessor type=local – ローカル・ファイルベース・リポジトリの場所を指定します。

    • repository accessor type=classpath – ドキュメントのロード元であるJARファイルの場所を指定します。JARファイルが複数ある場合は、「:」パス・セパレータで区切る必要があります。JARファイルの前にディレクトリを追加することもできます。たとえば、libraryというディレクトリにあるJARファイルのみを受け入れるように/library/policies.jarと定義します。これによって、管理者が、目的の内容が含まれていない同じ名前のJARファイルを選択することがないようにできます。

    • repository accessor type=remoteremote (Java EE)アクセッサを使用する場合、このプロパティは不要です。

    mds.module.home

    wsm.repository.pathプロパティの別名。


  5. 既存のプロパティを変更するには、それを選択してから「編集」をクリックします。

  6. 既存のプロパティを削除するには、それを選択してから「削除」をクリックします。

  7. 「適用」をクリックしてプロパティの更新を適用します。

Webサービス・セキュリティ・ポリシー強制のチューニング

「ポリシー・インターセプタ」タブのBindingSecurityInterceptorプロパティにより、システム・クロック間のデフォルト・メッセージ・タイムスタンプの時差、ポリシー・キャッシュ内のNonceメッセージの存続時間、およびメッセージの有効期限を調整することにより、セキュリティ・ポリシー強制をチューニングできます。

  1. 「プラットフォーム・ポリシー・プロパティの構成」で説明されているように、「プラットフォーム・ポリシー構成」ページにアクセスします。

  2. 「ポリシー・インターセプタ」タブを選択します。

  3. リストでBindingSecurityInterceptorセキュリティ・プロパティを選択します。

  4. BindingSecurityInterceptorセキュリティ・プロパティを変更するには、それを選択してから「編集」をクリックします。「プロパティの編集」ウィンドウで、「値」フィールドを編集して各プロパティのデフォルト値を変更できます。

    1. agent.clock.skew: クライアントとサーバーのマシン間の許容時差(秒)。たとえば、メッセージのタイムスタンプがタイムゾーンの異なるサービスに送信された場合に、このプロパティで指定された許容時間が許容されます。デフォルト値は300秒です。

    2. agent.nonce.ttl: メッセージでNonceが送信された場合の、Nonceのキャッシュ内での合計存続時間(秒)。このプロパティにより、Nonceはキャッシュされ、この時間を超えるとキャッシュから削除されます。デフォルト値は28800秒です。

    3. agent.expire.time: メッセージが作成されてから期限切れになるまでの時間(秒)。このプロパティは、タイムスタンプがSOAPヘッダーで送信される場合に、タイプスタンプが期限切れかどうかを検証するために使用されます。デフォルト値は300秒です。

    4. 「OK」をクリックします。

  5. 既存のプロパティを削除するには、それを選択してから「削除」をクリックします。

  6. 「適用」をクリックしてプロパティの更新を適用します。

アイデンティティ拡張プロパティの定義

「アイデンティティ拡張」タブのプロパティにより、WSDLのX509資格証明をパブリッシュしてWebサービス・ポリシーを強制するかどうかを指定できます。X509資格証明をパブリッシュする必要がない場合は(たとえばSSLを使用する場合など)、デフォルト設定をオーバーライドして資格証明のパブリッシュを回避できます。さらに、X509をパブリッシュする場合は、hostname検証機能を無視するかどうかも指定できます。

詳細は、「サービス・アイデンティティ証明拡張の使用」を参照してください。

信頼できるSAML署名証明書識別名リストの定義

「信頼できるSAMLクライアント」および「信頼できるSTSサーバー」タブで、SAML署名証明書の信頼できる識別名(DN)リストを定義できます。

デフォルトの場合、Oracle WSMでは、受信した発行者名を構成済の発行者のリストと照合してチェックし、SAML署名をOracle WSMキーストアにある構成済の証明書と照合してチェックします。また、信頼できるDNリストを定義する場合は、SAML署名がその発行者に関連付けられている特定の証明書に基づいて署名されているかどうかが検証されます。

信頼できるDNリストの構成はオプションです。この構成オプションは、1つ以上の署名証明書を含むリストに各発行者を関連付けるためにより高度なファイングレイン制御を必要とするユーザが使用できるオプションです。信頼できる発行者のDNリストを自分で定義しない場合には、その証明書がOracle WSMのキーストアに存在する証明書によって信頼されている限り、Oracle WSMが任意の証明書による署名を許可します。

注意(重要):

SAML署名証明書の、信頼できる識別名(DN)リストを定義する手順:

  1. 「SAMLの構成」の説明に従って、信頼できるSAML発行者を構成します。

    オプションとして、ポリシーを添付する場合にはSAML発行者をオーバーライドすることもできます。詳細は、「オーバーライド可能なクライアント・ポリシーの添付」を参照してください。

  2. 「プラットフォーム・ポリシー・プロパティの構成」で説明されているように、「プラットフォーム・ポリシー構成」ページにアクセスします。

  3. 信頼できるDNリストの定義をSAMLクライアント用とするのか、信頼できるSTSサーバー用とするのかに応じて、「信頼できるSAMLクライアント」または「信頼できるSTSサーバー」タブを選択します。

  4. ページの「信頼できる発行者」セクションで、信頼できる発行者を1件以上追加します。

    「追加」ボタンを使用して、信頼できる発行者を新規に追加します。例: www.oracle.com

  5. ページの「信頼できる発行者」セクションで、DNリストを定義する信頼できる発行者を選択します。

  6. ページの「信頼できるSAMLクライアント」または「信頼できるSTSサーバー」領域で、信頼できるDNを1件以上追加します。RFC 2253に準拠する文字列を使用してください。例: CN=abc

    RFC 2253の詳細は、http://www.ietf.org/rfc/rfc2253.txtを参照してください。

Javaオブジェクト・キャッシュの設定

リプレイ攻撃から保護するために、ポリシーwss_username_token_client_policyおよびwss_username_token_service_policyには、ユーザー名トークンにNonceを必要とするオプションがあります。Nonceは、SOAPリクエストで1回のみ使用できる一意の番号で、リプレイ攻撃を防止するために使用されます。

Nonceは再使用を防ぐためにキャッシュされます。ただし、クラスタ環境では、このキャッシュを管理対象サーバー間で同期化する手順が必要になります。そうしないと、Webサービスに送信されて1つのサーバーで実行中のリクエストが、リプレイされて別の管理対象サーバーに送信され、そこで処理される可能性があります。Oracle WSMは、Javaオブジェクト・キャッシュ(JOC)のインスタンスを使用してNonceをキャッシュします。

PythonスクリプトORACLE_HOME/bin/configure-joc.pyを使用して、分散モードのすべての管理対象サーバーでJOCを構成します。このスクリプトは、WLSTオンライン・モードで実行され、管理サーバーが起動されて実行中であることが必要です。


注意:

Javaオブジェクト・キャッシュの構成後、構成を反映するために影響を受けるすべての管理対象サーバーを再起動してください。

configure-joc.pyスクリプトの実行

分散モードでJOCを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. コマンドラインのOracle WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用して、管理サーバーに接続します。たとえば、次のようにします。

    ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
    $ connect()
    

    プロンプトが表示されたら、Oracle WebLogic管理サーバーのユーザー名とパスワードを入力します。

  2. WLSTを使用して管理サーバーに接続後、execfileコマンドを使用してスクリプトを開始します。たとえば、次のようにします。

    wls:/mydomain/serverConfig>execfile('ORACLE_HOME/bin/configure-joc.py')
    
  3. 指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーに対してJOCを構成します。

    スクリプトにより、クラスタ名を指定するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら「y」と入力し、さらにプロンプトが表示されたらクラスタ名と検出ポートを指定します。これにより、指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーが検出され、各管理対象サーバーに対してJOCが構成されます。検出ポートは、クラスタ内のJOC構成全体で共通です。たとえば、次のようにします。

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>
    Enter Cluster Name : Spaces_Cluster
    Enter Discover Port : 9988
    

    ここに、HA環境でのconfigure-joc.pyの使用例を1行ずつ順に記載します。

    execfile('ORACLE_HOME/bin/configure-joc.py')
    .
    Enter Hostnames (eg host1,host2) : SOAHOST1, SOAHOST2
    .
    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y
    .
    Enter Cluster Name : Spaces_Cluster
    .
    Enter Discover Port : 9988
    .
    Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true
    .
    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n
    

スクリプトを使用して、次のJOC構成を実行することもできます。

  • 指定されたすべての管理対象サーバーに対してJOCを構成します。

    スクリプトにより、クラスタ名を指定するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら「y」と入力し、そしてプロンプトが表示されたらクラスタ名と検出ポートも指定します。たとえば、次のようにします。

    Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>n
    Enter Managed Server and Discover Port (eg WLS_Spaces1:9988, WLS_Spaces2:9988) : WLS_Spaces1:9988,WLS_Spaces2:9988
    
  • 特定の管理対象サーバーのJOC構成を除外します。

    スクリプトにより、JOC構成「DistributeMode」を「false」に設定する管理対象サーバーのリストを指定できます。スクリプトにより特定のサーバーをJOC構成から除外するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら「y」と入力し、そしてプロンプトが表示されたら除外する管理対象サーバー名を入力します。たとえば、次のようにします。

    Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n>y
    Exclude Managed Server List (eg Server1,Server2) : WLS_Spaces1,WLS_Spaces3
    
  • すべての管理対象サーバーに対して分散モードを無効にします。

    スクリプトにより、指定されたクラスタのすべての管理対象サーバーに対して分散を無効化できます。スクリプトにより分散モードに対するプロンプトが表示されたら、「false」を指定します。デフォルトでは、分散モードは「true」に設定されます。

CacheWatcherユーティリティを使用してJOC構成を検証します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のJavaオブジェクト・キャッシュの検証のためのCacheWatcherの実行に関する項を参照してください。

『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』の「HAパワー・ツールの使用」で説明されているように、Oracle WebLogic管理コンソールで「HAパワー・ツール」タブを使用してJavaオブジェクト・キャッシュ(JOC)を構成できます。

デフォルト・ユーザーOracleSystemUserの変更

デフォルトでは、Oracle WSM Policy ManagerはOracleSystemUserアカウントを使用して、サーバーとの通信を行います。新しいデフォルト・ユーザーを構成するには、次の手順を実行します。

認証プロバイダの構成

認証プロバイダを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの認証プロバイダとIDアサーション・プロバイダの構成に関する項の説明に従って、認証プロバイダを作成します。

    • 構成しているレルムの名前(例:myrealm)を選択します。

    • 「新しい認証プロバイダの作成」ページで、認証プロバイダの名前(例:OID)を入力し、タイプ「Oracle Internet Directory」を選択します。

    • 「設定」セクションで、「制御フラグ」OPTIONALに設定します。

    「プロバイダ固有」で、次の項目に入力します。

    • ホスト: LDAPプロバイダのURL

    • ポート: ポート番号

    • プリンシパル: 管理ユーザーの詳細(新しいデフォルト・ユーザー)

      例: CN=orcladmin,CN=Users,DC=us,DC=oracle,DC=com

    • 資格証明: LDAPのパスワード

    • 資格証明の確認: LDAPのパスワード

    • ユーザー・ベースDN

      例: CN=Users,DC=us,DC=oracle,DC=com

    • グループ・ベースDN

      例: CN=Groups,DC=us,DC=oracle,DC=com

  2. WebLogic Serverを再起動します。

  3. LDAPで、「Administrators」という名前のグループを作成します。

  4. デフォルト管理ユーザーとして使用するユーザーを追加します。

  5. Administratorsグループに追加したユーザー・アカウントで管理コンソールにログインできることを検証します。

  6. 「プロバイダ」「認証」の順にクリックし、新しい認証プロバイダの名前をクリックします(この例ではOIDです)。

  7. 「設定」セクションで、「制御フラグ」REQUIREDに設定します。

  8. 認証プロバイダの順序をもう一度並べ替えて、新しい認証プロバイダ(この例ではOID)を先頭に移動します。詳細は、Oracle WebLogic Server Administration Console Helpのセキュリティ・プロバイダの順序の並べ替えに関する項を参照してください。

  9. WebLogic Serverを再起動します。

資格証明ストア・プロバイダの構成

「資格証明ストア・プロバイダの構成」の説明に従って、次のパラメータを持つ資格証明ストア・プロバイダを構成します。

新しいデフォルト・ユーザーのためのPolicy Manager構成

新しいデフォルト・ユーザー用にPolicy Managerを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 新しいデフォルト・ユーザーのアカウントでFusion Middleware Controlにログインします。

  2. ナビゲータ・ペインで 「WebLogicドメイン」 を開いてドメインを表示します。

  3. プロパティを管理するドメインを選択します。

  4. 「 WebLogicドメイン」「Webサービス」「プラットフォーム・ポリシー構成」の順に選択します。

    The 「プラットフォーム・ポリシー構成」ページが表示されます。

  5. 「ポリシー・アクセッサ」タブを選択します。

  6. 「アサーション」セクションで、「ポリシー・アクセス・プロパティ」をクリックします。

  7. 「新規構成プロパティの追加」ダイアログ・ボックスで、次の項目を入力します。

    • jndi.lookup.csf.keyという名前を入力します。このプロパティで、資格証明の構成(java.naming.security.principal and java.naming.security.credentials)が指定され、LDAPディレクトリのアカウントをOracle WSM Policy Managerに接続する構成にする際には、このプロパティが使用されます。

    • 値(この例ではOID)を入力します。


    注意:

    この手順で指定するcsf-keyは、資格証明ストアのPolicy Manager管理ユーザーに対して指定したcsf-keyに必ず一致する必要があります。詳細は、「資格証明ストア・プロバイダの構成」を参照してください。

  8. 「OK」をクリックします。

  9. 「適用」をクリックし、WebLogic Serverを再起動します。

非同期WebサービスのJMSシステム・ユーザーの変更

デフォルトでは、JMSシステム・ユーザーはOracleSystemUserとして設定されます。大多数のユーザーにとっては、このデフォルト値で十分です。ただし、この値をセキュリティ・レルム内のカスタム・ユーザーに変更する必要がある場合は、次の手順に従ってOracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびWebLogic Server管理コンソールでユーザーの値を変更することにより、これを行うことができます。

JMSシステム・ユーザーを変更する手順

  1. 「非同期Webサービスの構成」で説明されているように、非同期Webサービスの「Webサービス・エンドポイント」ページで「構成」タブにアクセスします。

  2. 「JMSシステム・ユーザー」フィールドにカスタム・ユーザーの名前を入力し、「適用」をクリックします。図14-12を参照してください。


    注意:

    カスタム・ユーザーは、セキュリティ・レルムに存在し、JMSリソースにアクセスするのに必要な権限を持つ必要があります。

    図14-12 非同期WebサービスのJMSシステム・ユーザーの設定

    図14-12の説明が続きます
    「図14-12 非同期WebサービスのJMSシステム・ユーザーの設定」の説明

  3. WebLogic Server管理コンソールにアクセスします。Fusion Middleware Controlからアクセスするには、ナビゲータ・ペインでドメインを選択します。「WebLogicドメイン」メニューから、「WebLogic Server管理コンソール」を選択します。

  4. 必要な管理者権限を持つ有効なユーザー名とパスワードを使用して、WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  5. 「ドメイン構造」ペインで「デプロイ」をクリックし、対応するMDB、service_AsynchRequestProcessorMDBまたはservice_AsynchResponseProcessorMDBに移動します。これらのMDB名では、serviceは、ユーザー名を変更する非同期サービスの名前です。

  6. 「チェンジ・センター」で、「ロックして編集」を選択します。

  7. リクエストまたはレスポンスMDBのMDB名を選択します。(リクエストMDBとレスポンスMDBの両方のユーザー名を更新する必要があります。) 「設定」ページで、「構成」タブを選択します。

  8. ページの「エンタープライズBean構成」セクションで、「実行プリンシパル名」フィールドにカスタム・ユーザー名を入力し、「保存」をクリックします。図14-13を参照してください。

    このフィールドに入力するユーザー名は、Fusion Middleware ControlのJMSシステム・ユーザーに入力したユーザー名と一致している必要があることに注意してください。

    図14-13 WebLogic Server管理コンソールのJMSシステム・ユーザーの更新

    図14-13の説明が続きます
    「図14-13 WebLogic Server管理コンソールのJMSシステム・ユーザーの更新」の説明

    構成の変更内容は、新しいデプロイ・プランに保存する必要があります。

  9. 「デプロイメント・プラン保存アシスタント」を使用して、新しいデプロイ・プランを保存します。

  10. 2番目のMDBに対してステップ7と8を繰り返します。変更内容は新しいデプロイ・プランに自動的に保存されます。

  11. 「チェンジ・センター」で、「変更のアクティブ化」をクリックします。

  12. アプリケーションを再デプロイします。詳細は、第5章 「Webサービス・アプリケーションのデプロイ」を参照してください。