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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護
11g リリース1(10.3.4)
B61617-02
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2 セキュリティ管理の概要

次の項では、WebLogic Serverのセキュリティ・システムの概要について説明します。より広範囲の概要については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティの理解』を参照してください。

WebLogic Serverのセキュリティ・レルム

WebLogic Serverのセキュリティ・サービスは、セキュリティの構成と管理を簡素化しながらも、WebLogic Serverデプロイメントを保護する堅牢な機能を提供します。セキュリティ・レルムは、スコーピング(有効範囲の設定)メカニズムとして機能します。各セキュリティ・レルムは、構成済みのセキュリティ・プロバイダ、ユーザー、グループ、セキュリティ・ロール、およびセキュリティ・ポリシーで構成されます。1つのドメインに複数のセキュリティ・レルムを構成できますが、アクティブなセキュリティ・レルムに指定できるのはそのうちの1つだけです。WebLogic Serverには、以下の2つのデフォルト・セキュリティ・レルムが用意されています。

新しいセキュリティ・レルムを構成して認証機能と認可機能をカスタマイズし、必要なセキュリティ・サービスを用意します。次に、その新しいセキュリティ・レルムをデフォルト・セキュリティ・レルムとして設定します。

WebLogic Serverのデフォルト・セキュリティ構成については、「WebLogic Serverのデフォルト・セキュリティ構成」を参照してください。

セキュリティ・レルムを構成してデフォルト・セキュリティ・レルムに設定する方法については、第3章「デフォルト・セキュリティ構成のカスタマイズ」を参照してください。

互換性セキュリティの詳細は、第14章「互換性セキュリティの使い方」を参照してください。

セキュリティ・プロバイダ

セキュリティ・プロバイダは、認証や認可など、セキュリティの特定の側面を処理するモジュール・コンポーネントです。アプリケーションではデフォルトのWebLogicセキュリティ・プロバイダでサービスを利用できますが、WebLogic Securityサービスのインフラストラクチャは柔軟性が高いので、セキュリティ・ベンダーで独自のカスタム・セキュリティ・プロバイダをWebLogic Server用に作成することもできます。WebLogicセキュリティ・プロバイダとカスタム・セキュリティ・プロバイダを適宜組み合せて独自のセキュリティ・ソリューションを構築することができるので、ある分野では新たな技術の進歩を利用しつつ、それ以外の分野では実証済みの手法を堅持できるようになります。WebLogic管理コンソールを使用すると、統合された単一の管理インタフェースを通じてすべてのセキュリティ・プロバイダを管理できます。

WebLogic Securityサービスは、以下のセキュリティ・プロバイダをサポートしています。

WebLogicセキュリティ・プロバイダで提供される機能の詳細は、第4章「WebLogicセキュリティ・プロバイダの構成」第5章「認証プロバイダの構成」を参照してください。

デフォルト・セキュリティ構成については、「WebLogic Serverのデフォルト・セキュリティ構成」を参照してください。

カスタム・セキュリティ・プロバイダの作成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティ・プロバイダの開発』を参照してください。

セキュリティ・ポリシーとWebLogicリソース

WebLogic Serverは、セキュリティ・ポリシー(WebLogic Server 6.xで使用していたACLとパーミッションにかわるもの)を使用してWebLogicリソースを保護します。セキュリティ・ポリシーは、WebLogicリソースへの「アクセス権は誰が持つか」という問いに答えます。セキュリティ・ポリシーは、WebLogicリソースとユーザー、グループ、またはセキュリティ・ロールの間の関連付けを定義するときに作成します。また、セキュリティ・ポリシーに時間の制約を関連付けることもできます。WebLogicリソースは、セキュリティ・ポリシーが割り当てられるまでは保護されません。

セキュリティ・ポリシーの作成は、様々なオプションが用意されている複数のステップからなるプロセスです。このプロセスについて理解を深めるには、に目を通してください。Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護を読んでください。WebLogic Serverのデプロイメントに対するセキュリティを完全に構成するには、そのドキュメントをWebLogic Securityの保護とあわせて使用する必要があります。

WebLogicリソース

WebLogicリソースは、権限のないアクセスから保護することができる基底のWebLogic Serverエンティティを表す構造化オブジェクトです。WebLogic Serverでは、以下のリソースが定義されます。

  • WebLogic Server管理コンソールやWebLogic Scripting Toolなどの管理リソース。

  • エンタープライズ・アプリケーションを表すアプリケーション・リソース。このタイプのリソースには、EAR (エンタープライズ・アプリケーション・アーカイブ)ファイルと、EARに含まれるEJB JARファイルのような個々のコンポーネントがあります。

  • Microsoftのフレームワークに従ってプログラム・コンポーネント・オブジェクトとして設計されるComponent Object Model (COM)リソース。このタイプのリソースには、Oracleの双方向型COM-Java (jCOM)ブリッジング・ツールを介してアクセスするCOMコンポーネントがあります。

  • リソース・アダプタとして設計されるエンタープライズ情報システム(EIS)リソース。Javaアプリケーションと既存のエンタープライズ情報システムを統合できます。これらのリソース・アダプタは、コネクタとも呼ばれます。

  • Enterprise JavaBeans (EJB)リソース。EJB JARファイル、EJB JAR内の個々のEJB、およびEJBの個々のメソッドがあります。

  • Java DataBase Connectivity (JDBC)リソース。接続プールのグループ、個々の接続プール、およびマルチプールがあります。

  • Java Naming and Directory Interface (JNDI)リソース。

  • Java Message Service (JMS)リソース。

  • WebLogic Serverインスタンス(サーバー)に関連するサーバー・リソース。このタイプのリソースには、サーバーを起動、停止、ロック、またはロック解除する操作があります。

  • Webアプリケーションに関連するURLリソース。このタイプのリソースには、Webアプリケーション・アーカイブ(WAR)ファイル、またはWebアプリケーションの個々のコンポーネント(サーブレットやJSPなど)があります。


    注意:

    Webリソースは非推奨になりました。かわりにURLリソースを使用してください。

  • Webベースの分散アプリケーションのコンポーネント間で共有したり、コンポーネントとして使用したりできるサービスに関連したWebサービス・リソース。このタイプのリソースには、Webサービス全体、またはWebサービスの個々のコンポーネント(ステートレス・セッションEJB、そのEJB内の特定のメソッド、web-services.xmlファイルを含むWebアプリケーションなど)があります。

  • リモート・リソース。

デプロイメント記述子とWebLogic Server管理コンソール

WebLogic Serverでは、セキュリティ・ロールおよびポリシーの構成モデルを選択できます。標準のJava Enterprise Editionモデルでは、ロール・マッピングやポリシーをWebアプリケーションまたはEJBのデプロイメント記述子に定義します。WebLogic Securityサービスでは、デプロイメント記述子に定義された情報を使用して、セキュリティ・ロールを付与したり、WebアプリケーションとEJBのセキュリティ・ポリシーを定義したりできます。WebLogic Serverを最初に起動するときに、web.xmlweblogic.xmlejb-jar.xml、またはweblogic-ejb-jar.xmlデプロイメント記述子に格納されたセキュリティ・ロールとセキュリティ・ポリシーの情報が、デフォルト・セキュリティ・レルムに構成されている認可プロバイダとロール・マッピング・プロバイダにロードされます。ロールやポリシーの情報は、後から管理コンソールで確認できます(必要に応じ、別のセキュリティ・モデルを使用するようにセキュリティ・レルムを構成して、管理コンソールからこれらの情報を変更できるようにすることも可能です)。

デプロイメント記述子内の情報を利用するには、セキュリティ・レルム内の少なくとも1つの認可プロバイダとロール・マッピング・プロバイダがそれぞれDeployableAuthorizationProviderおよびDeployableRoleProviderセキュリティ・サービス・プロバイダ・インタフェース(SSPI)を実装している必要があります。このSSPIを使用すると、プロバイダはデプロイメント記述子から情報を(検索ではなく)格納できます。デフォルトでは、WebLogic認可プロバイダとロール・マッピング・プロバイダがこのSSPIを実装しています。

管理コンソールからデプロイメント記述子内のセキュリティ・ロールとセキュリティ・ポリシーを変更し、それ以降もこの情報を管理コンソールから変更する予定がある場合は、管理コンソールで行った変更がWebLogic Serverの再起動時にデプロイメント記述子の古い情報で上書きされないように、セキュリティ・レルムに構成オプションを設定できます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護のWebアプリケーションおよびEJBリソースの保護のオプションに関する項を参照してください。

WebLogic Serverのデフォルト・セキュリティ構成

WebLogic Serverのセキュリティの構成と管理を簡素化するために、デフォルトのセキュリティ構成が用意されています。デフォルト・セキュリティ構成では、myrealmがデフォルト・セキュリティ・レルムとして設定され、WebLogic裁決、認証、IDアサーション、XACML認可、資格証明マッピング、XACMLロール・マッピング、および証明書パスの各プロバイダがセキュリティ・プロバイダとして定義されています。WebLogic Serverの組込みLDAPサーバーは、これらのデフォルト・セキュリティ・プロバイダ用のデータ・ストアとして使用されます。デフォルト・セキュリティ構成を使用するには、セキュリティ・レルムでユーザー、グループ、およびセキュリティ・ロールを定義し、セキュリティ・ポリシーを作成してドメイン内のWebLogicリソースを保護する必要があります。


注意:

WebLogic Serverには、WebLogic認可プロバイダとWebLogicロール・マッピング・プロバイダがあります。これらのプロバイダは、管理コンソールなどではそれぞれ「デフォルト認可プロバイダ」、「デフォルト・ロール・マッピング・プロバイダ」と呼ばれています。WebLogic Server 9.1から、新しく作成されるセキュリティ・レルムでは、これらのプロバイダはデフォルトのプロバイダではなくなりました。かわりに、XACML認可プロバイダとXACMLロール・マッピング・プロバイダがデフォルトのプロバイダになっています。

WebLogicセキュリティ・プロバイダで提供される機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティの理解』を参照してください。これらのWebLogicセキュリティ・プロバイダがセキュリティ要件を必ずしも完全に満たしていない場合には、それらを補うか、あるいは入れ替えることができます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティ・プロバイダの開発』を参照してください。

デフォルト・セキュリティ構成では要件が満たされない場合、WebLogicセキュリティ・プロバイダとカスタム・セキュリティ・プロバイダを自由に組み合せて新しいセキュリティ・レルムを作成し、そのセキュリティ・レルムをデフォルト・セキュリティ・レルムとして設定できます。第3章「デフォルト・セキュリティ構成のカスタマイズ」を参照してください。

WebLogicセキュリティの構成:主な手順

WebLogic Serverのセキュリティ機能は互いに関連しているので、セキュリティを構成する場合にどこから始めるべきか判断しにくいものです。実際、WebLogic Serverデプロイメントのセキュリティを構成する場合には、同じ作業を繰り返すこともあります。構成の手順はいくつかありますが、次の手順を実行することをお薦めします。

  1. 「デフォルト・セキュリティ構成をカスタマイズする理由」に目を通して、デフォルト・セキュリティ構成を使用するかどうかを決定します。

    • デフォルト・セキュリティ構成を使用する場合は、ステップ3に進みます。

    • デフォルト・セキュリティ構成を使用しない場合は、ステップ2に進みます。

  2. デフォルト・セキュリティ・レルムで、追加のセキュリティ・プロバイダを構成するか(たとえば、WebLogic認証プロバイダを使用するかわりにLDAP認証プロバイダを構成します)、またはカスタム・セキュリティ・プロバイダを構成します。この手順はオプションです。デフォルトでは、WebLogic Serverはデフォルト・セキュリティ・レルム(myrealm)のWebLogicセキュリティ・プロバイダを構成します。デフォルト・セキュリティ構成をカスタマイズする必要がある状況については、「デフォルト・セキュリティ構成をカスタマイズする理由」を参照してください。カスタム・セキュリティ・プロバイダの作成については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティ・プロバイダの開発』を参照してください。


    注意:

    また、新しいセキュリティ・レルムを作成し、そのセキュリティ・レルムでセキュリティ・プロバイダ(WebLogicまたはカスタム)を構成し、そのセキュリティ・レルムをデフォルト・セキュリティ・レルムとして設定することもできます。第3章「デフォルト・セキュリティ構成のカスタマイズ」を参照してください。

  3. 必要に応じて、組込みLDAPサーバーを構成します。WebLogic Serverの組込みLDAPサーバーは、デフォルト・オプションで構成されています。ただし、これらのオプションを変更して、組込みLDAPサーバーの使い方を環境に合わせて最適化できます。第9章「組込みLDAPサーバーの管理」を参照してください。

  4. ユーザー・アカウントが適切に保護されていることを確認します。WebLogic Serverにはユーザー・アカウントを保護するための構成オプションが用意されています。デフォルトでは、属性は最高のセキュリティ・レベルに設定されています。ただし、WebLogic Serverの開発およびデプロイメント時には、ユーザー・アカウントに対する制限の緩和が必要な場合もあります。本番環境に移行する前に、ユーザー・アカウントのオプションが最高の保護レベルに設定されていることを確認してください。新しいセキュリティ・レルムを作成する場合は、ユーザーのロック・アウトのオプションを設定する必要があります。「WebLogic Serverでのパスワードの保護の仕組み」「ユーザー・アカウントの保護」を参照してください。

  5. セキュリティ・ポリシーでWebLogicリソースを保護します。セキュリティ・ポリシーの作成手順にはいくつかの段階があり、様々なオプションが用意されています。この手順について理解を深めるには、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護に目を通してください。WebLogic Serverのデプロイメントにおいてセキュリティを完全に構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの保護』とOracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護を併読する必要があります。

  6. WebLogic ServerのIDと信頼を構成します。この手順は省略可能ですが、実行することをお薦めします。第11章「IDと信頼の構成」を参照してください。

  7. WebLogic Serverに対してSSLを有効にします。この手順は省略可能ですが、実行することをお薦めします。第12章「SSLの構成」を参照してください。

  8. 本番に移行する場合、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server本番環境の保護』で説明されている追加のセキュリティ・オプションを確認し、実装してください。

また、以下のことを行うことができます。

セキュリティの構成方法

多くの場合、このドキュメントではWebLogic Server管理コンソールを使用してWebLogicセキュリティを構成する方法について説明しています。一般に、管理コンソールで実行できる構成タスクは、WebLogic Scripting ToolまたはJava Management Extensions (JMX) APIを使用して実行することもできます。WLSTを使用したWebLogicセキュリティの管理については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool』の「セキュリティ・データの管理」を参照してください。JMX APIの使い方については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMXによるカスタム管理ユーティリティの開発』の「セキュリティ・レルムを管理するMBeanサーバーの選択」を参照してください。

セキュリティ・レルムを管理する場合は、タスクに応じて2つの異なるMBeanサーバーを使用する必要があります。

また、両立不能な変更が発生しないように、自身のクライアントや別のJMXクライアントに現在アクティブな編集セッションがある場合にはセキュリティ・プロバイダMBeanでオペレーションを呼び出すことはできません。管理コンソールでは、この制限が自動的に適用され、適切なMBeanサーバーへのアクセスが自動的に行われます。管理コンソールを使用する場合には、「ドメイン」「セキュリティ」「全般」ページで「動的でない変更が行われた場合にセキュリティ管理操作を許可する」を有効化することで、この制限をオーバーライドできます。この属性をtrueに設定すると、ユーザーはサーバーを再起動しなくてもセキュリティ管理操作を実行できるようになります。この属性は、新しいMBean編集セッションが開始されると、falseにリセットされます。

たとえば、DefaultAuthenticatorMBeanMinimumPasswordLength属性の値は、ドメインの構成ドキュメントに格納されています。このドキュメントに対するすべての変更はWebLogic Serverによって制御されているため、この属性の値を変更するには、編集MBeanサーバーを使用してドメインの構成に対してロックを取得する必要があります。DefaultAuthenticatorMBeancreateUserオペレーションは、LDAPサーバーにデータを追加します。このオペレーションはWebLogic Serverによって制御されていません。DefaultAuthenticatorMBeanの構成とそれがLDAPサーバーで使用するデータの間で両立不能な変更が発生しないように、自身や別のユーザーがMinimumPasswordLength属性の変更を行っている場合にはcreateUserオペレーションを呼び出すことはできません。さらに、この属性の変更にはWebLogic Serverの再起動が必要になるため、サーバーが再起動するまでcreateUserオペレーションを呼び出すことができません。

互換性セキュリティとは

互換性セキュリティとは、WebLogic Server 6.xで行ったセキュリティ構成をこのリリースのWebLogic Serverで実行するための機能です。互換性セキュリティでは、6.xのセキュリティ・レルム、ユーザー、グループ、およびACLの管理、ユーザー・アカウントの保護、レルム・アダプタ監査プロバイダの構成や、必要に応じてレルム・アダプタ認証プロバイダ内のIDアサーション・プロバイダの構成を行うことができます。

互換性セキュリティで使用可能なセキュリティ・レルムはCompatibilityRealmだけです。互換性レルムのレルム・アダプタ・プロバイダ(監査、裁決、認可、および認証)を使用すると、6.xセキュリティ・レルムの認証、認可、および監査サービスとの下位互換性を保持できます。詳細については、第14章「互換性セキュリティの使い方」を参照してください。


注意:

互換性セキュリティは非推奨になりました。今後のメジャー・リリースではサポートされなくなります。WebLogic ServerデプロイメントをこのリリースのWebLogic Serverのセキュリティ機能にアップグレードすることを強くお薦めします。互換性セキュリティは、このアップグレードの間だけ使用してください。

互換性セキュリティで実行できる管理タスク

互換性セキュリティではWebLogic Server 6.xでサポートされる認証、認可、およびカスタム監査の実装にしかアクセスできないので、6.xのすべてのセキュリティ・タスクが実行できるわけではありません。互換性セキュリティを使用するには、次の手順に従います。

  • レルム・アダプタ監査プロバイダを構成します。詳細は、「レルム・アダプタ監査プロバイダの構成」を参照してください。

  • weblogic.security.acl.CertAuthenticatorクラスの実装を使用するために、レルム・アダプタ認証プロバイダ内にIDアサーション・プロバイダを構成します。詳細は、「レルム・アダプタ認証プロバイダ内のIDアサーション・プロバイダの構成」を参照してください。


    注意:

    レルム・アダプタ裁決プロバイダおよびレルム・アダプタ認可プロバイダは、6.xの既存のconfig.xmlファイルの情報を使用して、CompatibilityRealmにデフォルトで構成されています。これらのプロバイダはCompatibilityRealmでのみ使用できます。レルム・アダプタ認証プロバイダもCompatibilityRealmに自動的に構成されます。ただし、このプロバイダは、6.xセキュリティ・レルムに格納されたユーザーとグループにアクセスするために、他のレルムで構成することもできます。詳細は、「RDBMS認証プロバイダの構成」を参照してください。

  • systemユーザーのパスワードを変更して、WebLogic Serverのデプロイメントを保護します。

  • CompatibilityRealmでセキュリティ・レルムを管理します。

  • CompatibilityRealmでセキュリティ・レルムの追加のユーザーを定義します。セキュリティ・レルムにグループを実装して、ユーザーをさらにまとめます。

  • WebLogic ServerデプロイメントにあるリソースのACLとパーミッションを管理します。

  • WebLogicリソースのセキュリティ・ロールとセキュリティ・ポリシーを作成してCompatibilityRealmに追加します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護を参照してください。

IDと信頼の構成、SSLの使用、接続フィルタの構成、およびドメイン間の相互運用性の有効化も可能ですが、これらのタスクはこのリリースのWebLogic Serverのセキュリティ機能を使用して実行します。以下を参照してください。