この章では、コマンドライン・オプションを最適化する方法およびMySQLデータベース・サーバーにSQL Developerを接続する際に問題が発生しないようにする方法について説明します。内容は次のとおりです。
Oracleに移行する際、SQL Developerは、現行のデータベース接続に関連付けられるMySQLユーザーとしてMySQLデータベースに接続しようとします。(SQL DeveloperはMySQLのroot
ユーザーを使用しません。) SQL Developerでは、指定したMySQLユーザーがアクセス権を所有しているMySQLデータベース・オブジェクトのみを取得できます。
そのため、MySQLの移行に使用するデータベース接続を作成する場合は、Oracleに移行する予定のすべてのオブジェクトおよびデータにアクセスするのに十分な権限を所有しているMySQLユーザーを必ず指定してください。
MySQLからOracleへの移行で問題が発生する場合は、Oracle Technology NetworkにあるSQL Developerディスカッション・フォーラムを確認できます。
サポート契約がある場合は、SQL Developerのサポート・チームからMySQLデータベースのダンプの提供を求められることがあります。これによって、問題の追跡および迅速な解決策の提供がより簡単になります。mysqldump
メソッドを使用してMySQLデータベースのコピーを作成するには、他のシステム(異なるハードウェア・アーキテクチャを持つシステムも含む)に移植可能なテキスト・ファイルを生成します。SQL Developerのサポート・チームは、その出力を別のデータベースに再生成できます。
次の表に、MySQLデータのダンプ、およびmysqldump
出力テキスト・ファイルからのデータベースの生成に使用されるコードの説明を示します。
コマンド | 説明 |
---|---|
mysqldump | MySQLデータベース内のスキーマおよびデータをファイルに抽出できます。 |
mysql | コマンドを実行できるようにMySQLをロードします。 |
-u ユーザー名 |
MySQLユーザー名です。 |
-p パスワード |
指定したユーザーのパスワードです。 |
--opt |
表ダンプの速度を最適化し、リロード速度のためにダンプ・ファイルを作成します。--opt で有効になるオプションの定義リストは、「コマンドライン・オプションの最適化」を参照してください。 |
database_name |
出力テキスト・ファイルにダンプする情報が含まれているデータベースの名前です。 |
> |
UNIXおよびNTで入力のリダイレクトに使用される記号です。 |
file_name.sql |
MySQLデータベース情報が含まれているファイルの名前です。 |
MySQLデータをダンプするには、次のコマンドを使用します。
% mysqldump -u user name -ppassword --opt database_name > file_name.sql
mysqldump
出力テキスト・ファイルのデータベースをデータベースに再生成するには、次のコマンドを使用します。
% mysql -u user name -ppassword database_name < file_name.sql
--opt
を使用すると、mysqldump
コマンドラインのオプションが自動的に有効になります。次の表に、-opt
コマンドで囲まれたコマンドを示します。
コマンド | 説明 |
---|---|
--add-drop-table |
各CREATE TABLE 文の前にDROP TABLE IF EXISTS を追加します。 |
--all |
MySQL固有のすべての作成オプションを含めます。 |
--extended-insert |
複数行のINSERT 文を作成します。 |
--quick |
問合せをバッファに入れないで、表を標準出力に直接ダンプします。このオプションの使用中にmysqldump を一時停止すると、サーバーが応答を停止する可能性があるため、他のクライアントに影響を与える場合があります。 |
--lock-tables |
すべての表を読取り専用でロックします。 |