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Oracle® Fail Safeリリース・ノート
リリース3.4.2 for Microsoft Windows
B63060-01
 

 

Oracle® Fail Safe

リリース・ノート

リリース3.4.2 for Microsoft Windows

B63060-01(原本部品番号:E14976-02)

2010年5月

このドキュメントでは、このリリースの新機能、ソフトウェアの修正済エラー、ソフトウェア互換性、ハードウェア互換性や、インストールと削除の注意点などを説明します。

1 このドキュメントの構成

このリリース・ノートの以降の部分は、次の各項で構成されています。

2 動作要件

Oracle Fail Safeの最新動作要件の情報は、次のURLのMy Oracle Support(以前の名称はOracleMetaLink)で入手できます。

https://support.oracle.com

Microsoft Windows Server 2008のサポート

Oracle Fail Safeは、32ビットの3.4.1.1パッチ・セットと64ビットの3.4.1.2からMicrosoft Windows Server 2008で認証されています。

信頼できるアプリケーションのみがコンピュータ上で実行されるように、Microsoft Windows Server 2008によってUser Account Controlが提供されます。このセキュリティ機能を有効にすると、その構成方法に応じてOracle Universal Installerによってインストール時に承諾または資格証明が求められます。

3 インストール

Oracle Fail Safeのホーム・ディレクトリ構造の形式での必要な変更により、Oracle Fail Safeの前のバージョンを削除する必要があります。ただし、削除する前にFail_Safe_Home\fs\fsmgr\bin\FsClusters.txtファイルに保存されているクラスタ情報のバックアップを取り、Oracle Fail Safeの新規インストール時に同じホームにその情報を復元する必要があります。

4 新機能

Oracle Fail Safeのこのリリースによって、次の項に説明されている新機能が提供されています。

4.1 Microsoft Windows x64で現在サポートされているOracle Fail Safe Manager

現在、Microsoft Windows x64でOracle Fail Safe Managerがサポートされています。

4.2 Microsoft Windows Server 2008のサポート

リリース3.4.1.1から、Oracle Fail SafeがMicrosoft Windows(32ビット)およびMicrosoft Windows x64プラットフォーム上のMicrosoft Windows Server 2008オペレーティング・システムでサポートされています。

4.3 IPv6のサポート

このリリースでは、IPv6がサポートされています。

5 ソフトウェアの互換性

この項では、Oracle Fail Safeのこのリリースにおけるソフトウェアの互換性について説明します。


注意:

Oracle Fail Safeでは、自動ストレージ管理はサポートされていません。Oracle Fail Safe Serverは、Windows Serverシステムでのみサポートされており、Windows XPやWindows Vistaなどの非サーバー・システムではサポートされません。Itaniumベースのシステムを除くすべてのWindowsプラットフォーム上にOracle Fail Safe Managerをインストールできます。

5.1 Microsoft Windowsのソフトウェアの互換性

Oracle Fail Safeリリース3.4.2では、1つ以上のノードを持つWindows 2003 R2およびWindows 2008のクラスタ上での可用性の高いデータベースおよびアプリケーションの自動クラスタワイド構成がサポートされています。

このリリースには、Oracle Fail Safeの前のリリースと互換性がないOracle Fail Safe Managerが含まれています。Oracle Fail Safeの古いバージョンへのアクセスを続行する必要がある場合には、古いOracle Fail Safe Managerに別のホームを使用する必要があります。

Oracle Fail Safe Managerは、次のオペレーティング・システムと互換性があります。

  • Microsoft Windows 7

  • Microsoft Windows Vista

  • Microsoft Windows XP

  • Microsoft Windows Server 2008 R2

  • Microsoft Windows Server 2008

  • Microsoft Windows Server 2003 R2

Oracle Fail Safe Serverは、次の表に示すソフトウェアと互換性があります。

ソフトウェア リリースまたはバージョン
Oracle Database(Standard EditionおよびEnterprise Edition) Oracle Database 10gリリース2(10.2)

Oracle Database 11gリリース1(11.1)

Oracle Database 11gリリース2(11.2)

Oracle Management Agent リリース10.2

(Microsoft Windows専用の管理エージェントのリリース)

Oracle Application Server(32ビットのみ) リリース10.1.2
Microsoft Windowsプラットフォーム Windows Server 2003 R2

Windows Server 2008

Windows Server 2008 R2


6 ディスク領域の要件

次の表にインストール・タイプごとのディスク領域の要件を示します。

インストール・タイプ ディスク領域(MB)
標準 228
クライアントのみ 75

7 ハードウェアの互換性

ハードウェア・ベンダーに連絡を取り、Oracle Fail Safeを使用するハードウェアで、Microsoft Cluster Serverソフトウェアの使用が保証されていることを確認してください。

8 インストールと構成

この項には、Oracle Fail Safeのインストールに関するトピックが含まれています。

完全なインストールおよび削除の手順については、『Oracle Fail Safeインストレーション・ガイド』を参照してください。

8.1 MSCS Cluster Administratorによって表示されるFail-Safeリソース・タイプの問題

Oracle Fail Safeのインストールの完了後、MSCSクラスタ アドミニストレータでフェイルセーフ・リソース・タイプ(データベースなど)の問題が表示される場合があります。MSCSクラスタ アドミニストレータでは、そのリソース・タイプ名の上にオースラッシュ(Ø)記号を表示して、問題が発生したことを示します。

この問題が発生した場合は、次の手順に従います。

  1. Oracle Fail Safeのインストール後にクラスタ・ノードを起動するのを忘れた場合、すぐに起動します。

  2. PATH環境変数にOracle Services for MSCSパスが含まれていることを確認します(MS-DOSコマンド・プロンプトで「PATH」と入力します)。Oracle Services for MSCSパス(ORACLE_HOME\fs\fssvr\bin)を含める必要があります。それが含まれていない場合、それを追加してからOracle Services for MSCSパスがないノード上で再起動します。

  3. Oracle Fail SafeリソースDLLのFsResOdbs.dllが、ORACLE_HOME\fs\fssvr\binにインストールされていることを確認します。

    リソースDLLがない場合は、Oracle Fail Safeを再インストールします。

  4. Oracle Fail Safe Managerを使用して、クラスタを検証してから(「トラブルシューティング」メニューで「クラスタの検証」を選択)、各クラスタ・ノード(一度に1つ)を再起動します。「クラスタの検証」コマンドによって、OracleリソースDLLの登録が検証されます。すべてのクラスタ・ノードを再起動しないでください。1つのノードを再起動した後、MSCS Cluster Administratorを調べ、斜線付きO記号がリソース・タイプ名から削除されているかどうかを確認します。斜線付きO記号がない場合には、すべてのクラスタ・ノードを再起動しないでください。

9 Oracleデータベース

この項では、Oracleデータベースに関する情報が記載されています。次のトピックで構成されます。

9.1 「スタンドアロン・データベースの検証」コマンド実行時のエラー

場合によっては(おそらくファイルを更新している別のプログラムにより)、Microsoft Windowsでデータベースの初期化パラメータ・ファイルが別のユーザーによってロックされ、ファイルの名前を一時的に変更できない、あるいは読取りまたは書込みアクセスのためにファイルを開くことができないと判断されることがあります。これによって、「スタンドアロン・データベースの検証」コマンドの実行時に問題が発生する可能性があり、少し不可解なエラー・メッセージが通知されることがあります。「スタンドアロン・データベースの検証」コマンドの実行時に次の内容と似ているエラー・メッセージが表示された場合、オペレーティング・システムのエラー・メッセージを取得せずにデータベースの初期化パラメータ・ファイルの名前を一時的に変更できるかどうかを検証してください。

FS-10890: Oracle Services for MSCS failed during the Verify Standalone operation
FS-10818: The Oracle Database resource provider failed during preparation for configuration processing for resource TESTDB1.US.ORACLE.COM
FS-10160: Failed to verify standalone Oracle database TESTDB1.US.ORACLE.COM
FS-10611: Failed to open file d:\oracle\database\initestdb1.ora for read
0xB: An attempt was made to load a program with an incorrect format

別のアプリケーションがファイルを制御し始めた場合は、ファイルが常駐するディスクを所有するクラスタ・ノードを再起動することで、問題を解決できます(再起動後に必ず、データベース・ファイルを含むすべてのクラスタ・ディスクを、データベースのホストとなるノードに移動しなおしてください)。

9.2 サンプル・データベースの作成

Oracle Fail Safeには、ユーザーによって指定されているクラスタ・ディスク上に事前構成済のサンプル・データベースをインストールする「サンプル・データベースの作成」コマンドが含まれています。サンプル・データベースの機能が制限され、その用途がテスト目的とオンラインのOracle Fail Safeチュートリアルとの併用に限定されるため、それを本番用に使用しないでください。本番用のデータベースを作成するには、Oracle Database Configuration Assistantを使用するか、手動でデータベースを作成します。

9.3 データベースのユーザー名をSYSにする

データベースでオペレーティング・システム認証を使用しない場合、Oracle Fail Safeのすべての操作が正常に実行されるように、データベースのユーザー名をSYSにします。オペレーティング・システム認証を使用する場合、Oracle Fail SafeではSYSアカウントは使用されません。

10 ディスク・リソース

Oracle Fail Safeでは、以前はEMC GeoSpanと呼ばれていたEMC SRDF/CEディスクを使用できます。ただし、リソースをグループとそのグループに存在しないリソースによって使用されているEMC SRDF/CEディスクに追加すると、Oracle Fail SafeによってエラーFS-10203が返され、操作がロールバックされます。

これが発生した場合、リソースに必要なEMC SRDF/CEディスクが含まれているグループにリソースを割り当てます。

11 仮想アドレス

MSCSネットワーク名に後続スペースが含まれている場合に、Oracle Fail Safe Managerで仮想アドレスをグループに追加しようとすると、操作は失敗し、次のエラーが返されます。

NT-5045: The cluster network was not found

MSCSクラスタ アドミニストレータを使用して、後続スペースを削除するようにネットワーク名を変更すると、この問題を回避できます。

12 解決された問題

この項では、解決されたOracle Fail Safeの問題に関する情報が記載されています。次のトピックで構成されます。

12.1 FSCMDによってパスワードの入力が要求される

Oracle Fail Safeのこのリリースでは、fscmdユーティリティの認証情報(ドメイン、ユーザー名またはパスワード)はオプションです。認証情報を指定しない場合、そのデフォルトのローカル認証情報を使用してfscmdによってサーバーへの接続が試行されます。認証をコマンド行に指定しても(ドメイン、ユーザー名またはパスワード)、項目がない場合、fscmdによって存在しない情報の入力が求められます。たとえば、fscmdコマンドの発行時に/domain/usernameのスイッチが存在しても、/passwordスイッチが指定されていない場合には、fscmdによってパスワードの入力が要求されるため、パスワードがコンソールにエコーされません。

12.2 ORA_DBAグループにない場合にパスワード・ファイル認証を使用した場合のORA-1017エラー

パスワード・ファイルを使用するようにOracleデータベースを設定した場合、つまりオペレーティング・システム認証が無効で、Oracle Fail SafeのユーザーがORA_DBAまたはORA_sid_DBAのWindowsユーザー・グループに含まれていない場合、Oracle Fail Safeサーバーによってデータベースへのアクセスの試行時にORA-1017エラーがが表示されます。この問題が発生するには、Oracle Database 11gを使用している場合だけです。Oracle Database 10gリリース2(10.2)では、このエラーは表示されません。

Oracle Database 11gでは、Oracle Fail Safeの前のリリースによって使用される古いデータベースAPIと互換性がない新しい認証メカニズムが導入されています。Oracle Fail SafeのこのリリースでデータベースへのアクセスにOCIインタフェースが利用されます。

12.3 オプションのソフトウェアがインストールされなかった場合に「クラスタの検証」で警告が表示される

インストールされていないソフトウェア製品を実際に利用するクラスタ・リソースがある場合、「ソフトウェアがインストールされていない」メッセージの警告ステータスのみを表示するように「クラスタの検証」コマンドが変更されています。リソースでその製品を使用しない場合、前のリリースの場合と同じように警告の代わりに情報メッセージとしてメッセージが表示されます。したがって、標準システムでは、警告メッセージではなく、情報として次のようなメッセージが表示されます。

FS-10658: The Oracle Management Agent software is not installed on any of the cluster nodes 

Oracle Fail Safeのこのリリースでは、「クラスタの検証」コマンドが完了したときにオプションの不要なソフトウェア製品がインストールされていない場合、「クラスタの検証でいくつかの警告が発生しました」というメッセージは表示されません。その代わりに「正常に完了しました」というメッセージが表示されます。

12.4 REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータをSHAREDに設定しなかった場合にOracle Fail Safe Managerを使用してデータベースのSYSパスワードを変更できない

Oracle Fail Safeの前のリリースでは、パスワード・ファイルが無効で、データベース・パラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILESHAREDに設定された場合、Oracle Fail Safe ManagerによるSYSのユーザー・パスワード変更が失敗します。Oracle9iデータベースの場合、変更が正常に完了したように見えますが、実際にはパスワードは変更されていません。それ以降のOracleデータベースのリリースの場合、「ORA-28046: SYSのパスワードは変更できません」というメッセージが表示されます。

この問題を回避するには、次の手順を使用します。

  1. オフラインのデータベースにアクセスします。

  2. REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータをEXCLUSIVEに変更します。

  3. データベースをオンラインに戻します。

  4. パスワードを変更します。

  5. オフラインのデータベースにアクセスします。

  6. REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータをSHAREDに変更します。

  7. データベースをオンラインに戻します。

Oracle Fail Safeによって、REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータがSHAREDに設定されているかどうかが確認され、そのように設定されている場合、パスワード更新はデータベースが再起動するまでキューに入れられます。つまり、実際のパスワード変更は、次回にデータベースがオフラインに設定され、その後にオンラインに戻したときに行われます。その時点でパスワードを変更できないことを通知するメッセージが表示され、後でデータベースを再起動したときにパスワード変更が発生します。

12.5 Oracle Fail Safeで15文字を超えるノード名が受け入れられない

以前は、Oracle Fail Safeではネットワーク・ノード名がNetBIOS形式に制限されていたため、ノード名を15文字を超える長さにすることはできませんでした。このリリースでは、ノード名を最大63文字までの長さにすることができます。

12.6 多くのリソースまたはグループの定義時にサーバーがクラッシュする

クラスタに多くのリソースまたはグループが定義された場合、Oracle Fail Safe Managerによってクラスタのリソースおよびグループのリストが要求されたときにOracle Fail Safeで障害が発生する可能性があります。問題を引き起こすのに要する実際のリソース数はさまざまですが、一般に約200個を超えるリソースがあった場合にOracle Fail Safeサーバーでバッファのオーバーランが発生する可能性があり、場合によっては、ループまたはアクセス違反による中断が発生します。

クラスタ構成情報をサーバーからOracle Fail Safe Managerに送信するために使用されるメッセージ交換プロトコルが、固定サイズのバッファではなく、動的に割り当てられたバッファを使用するように修正されています。

12.7 IsAliveタイムアウトの無効時にデータベースでIsAliveタイムアウト・エラーが発生する

まれな状況で、IsAliveタイムアウトを無効にした場合でもIsAliveタイムアウト・エラーによってデータベース・リソースが強制的にオフラインになることがあります。Windowsのアプリケーション・イベント・ログに、次のようにIsAliveポーリングがデータベース・リソースに対して無効になっていることを表すエントリが表示されます。

Oracle Fail Safe IsAlive polling has been disabled for resource ORCL.

その後、データベースがタイムアウトになったことがログに表示されます。

Oracle Fail Safe IsAlive thread for resource ORCL has exceeded the duration of the IsAlive interval.
Oracle Fail Safe is forcing resource ORCL offline.

この問題は、IsAliveメカニズムが無効でもそれをトリガーできる小さいタイミング・ウィンドウが存在することが原因です。この問題は、システムの処理負荷が高い場合に発生する可能性が高くなります。この問題は修正されています。IsAliveポーリングを無効にした後、それが発生することはありません。

12.8 20文字を超えるユーザー名がSecurity Setupツールによって切り捨てられる

Oracle Services for MSCS Security Setupツールによって、ドメイン名、ユーザー名またはパスワード文字列が20文字に切り捨てられます。システムにある既存の名前が初期の20文字と同じである場合、ツールは正常に完了しますが、目的のユーザー・アカウントに対して認証が設定されません。

この問題は修正されています。65文字までのドメイン名またはユーザー名と32文字までのパスワード文字列を受け入れるようにOracle Services for MSCS Security Setupツールが変更されています。

12.9 言語を日本語に設定したときに英語のメッセージが表示される

Oracle Fail Safeのインストール時にクライアントのみオプションを選択し、インストールに選択した言語が日本語であった場合、Oracle Fail Safe Managerで日本語のメッセージが表示されず、すべてのメッセージが英語で表示されます。この問題が発生するのは、リリース3.4.1.0、3.4.1.1および3.4.1.2の場合だけです。

このインストールの問題はこのリリースで修正されています。

12.10 スタンドアロン・データベースのリソースの検証または追加がFS-10061で失敗する

Oracle Fail Safeによって作成されたスタンドアロン・データベースへのアクセスにOracle Fail Safeリリース3.4.1.1を使用すると、次のエラー・メッセージが表示され、操作が失敗しました。

FS-10890: Oracle Services for MSCS failed during the get_data operation 
FS-10153: Failed trying to query database information for orcl 
FS-10061: Unable to find the corresponding Oracle Net service name orcl

Oracle Fail Safeでは、Oracle Fail Safe以外で作成されたデータベースが正しく認識されません。この問題は修正されています。

12.11 管理エージェントのリソースの追加によってエージェントが保護されない

Oracle Management Agentのリソースを追加すると、Oracle Fail Safeによってemctl secure agentコマンドを使用してエージェントを保護する手順が無視されます。これによって、リソースの追加コマンドがOracle Management Service(OMS)による確認を待機しながらハングします。emctl secure agentコマンドを別のコマンド・ウィンドウから発行すると、リソースの追加コマンドが続行されます。

OMSパスワードの入力を要求し、新しいManagement Agentの作成時にそのパスワードを使用してそれを保護するようにリソースの追加コマンドが修正されています。

12.12 GPTディスク・リソースにアクセスすると、Oracle Fail Safeサーバーがループする

クラスタがGUIDパーティショニング表(GPT)のディスク(Windows Server 2008の新しいディスク)を使用して構成された場合、Oracle Fail Safeサーバーがクラスタ内のすべてのディスクを一覧表示しようとすると、それがループします。

この問題は修正されています。現在、Oracle Fail SafeでGPTディスクが正しく認識されます。

12.13 64ビットのプラットフォーム上で3.4.1.2を使用してデータベースを起動したときにFS-10032エラーが発生する

Oracle Fail Safe 3.4.1.2を使用しているときに、データベースを起動しようとすると、次の内容と似ているエラーで失敗する場合があります。

ERROR : FS-10032: Failed to start the database orcl

Oracle Fail Safe Serverのトレースを有効にした場合、トレース・ログに次の内容と似ているエントリが生成されます。

[nodename] DB_RES Event start 
OCI routine OCIServerAttach returned error -2 - OCI_INVALID_HANDLE 
[nodename] DB_RES Event end 
[nodename] DB_RES Out FsOciConnect with status: -2

この問題は、64ビットのサブルーチンに渡されている32ビット引数によって発生します。常に64ビット・パラメータをサブルーチンに渡すように不適切なルーチンが修正されています。

12.14 サイレント・インストールを使用できない

Oracle Fail Safeリリース3.4.1は、サイレント・インストール・オプションを使用してOracle Fail Safeサーバーを正常にインストールできるように正しく構成されていない場合があります。Oracle Services for MSCS Security Setup構成ツールが正常に実行されず、インストールでOracle Fail Safeサーバに有効なユーザーが定義されない状態になります。

サイレント・インストールの実行時にOracle Services for MSCS Security Setup構成ツールを正しく起動するにインストール・キットが修正されています。

12.15 リスナー・リソースがオフラインであったときにデータベースがオンラインにならない

クラスタ・リソース・モニターでデータベースを起動しようとしたときにデータベース・リスナー・リソースが起動しない場合、データベースは起動しません。Windowsのアプリケーション・イベント・ログに次の内容と似ているエラーが表示されます。

Oracle Fail Safe is bringing resource orcl online.
Oracle Fail Safe successfully forced resource orcl offline.
Oracle Fail Safe is forcing resource OFS11106 offline.
Oracle Fail Safe caught an unexpected error 5 (0xC0000005) in module odbs.c at line 1281.
Oracle Fail Safe caught an unexpected error 5 (0xC0000005) in module ..\FscLib\FsDdbsUpi.c at line 5181.
Oracle Fail Safe caught an unexpected error 5 (0xC0000005) in module ..\FscLib\FsDdbsUpi.c at line 4194.

問題を回避するには、データベースの起動を試みる前にリスナーが起動していることを確認します。データベースの起動前にデータベース・リスナーを強制起動するためにWindows Cluster Administratorユーティリティを使用してリソース依存性を作成できます。

このリリースには、この問題が発生しないOCIに基づいた新しいデータベース・インタフェース・サブシステムが含まれています。

12.16 ドライブ文字が割り当てられていない多くのパーティションがディスクにあると、Oracle Fail Safeサーバーがクラッシュする

システム上のディスクがパーティション化され、パーティションの多くにドライブ文字が割り当てられていない場合に、クラスタで使用されているディスク文字をフェッチしようとすると、Oracle Fail Safe Serverが失敗したり、ループしたりする可能性があります。Oracle Fail Safeトレースを有効にした場合、次の内容と似ている出力がトレース・ファイルに表示されます。

[nodename] CLUSTER_MGR FscCluResDisk::IsPathOnThisClusterDisk DriveNameBuf contains 160 chars: 
[nodename] CLUSTER_MGR  "M:" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "N:" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "L:" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "R:" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "Dis" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "k4P" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "art" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "iti" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "on5" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "" 
[nodename] CLUSTER_MGR  "sk4"

Oracle Fail Safeでは、Windowsからドライブ名を要求したときにドライブ文字がA~Zであることを想定するだけであり、システム・コールによって返されるディスク・パーティション名が多いと、バッファー・オーバーフローが発生します。現在、Oracle Fail Safeでは、ディスク・パーティション名を想定し、正しく処理します。

12.17 ホーム・ディレクトリ名が「bin」で始まらない場合、データベース操作が失敗する

Oracleデータベース・ホームをbinから始まるディレクトリ(たとえば、c:\oracle\bin3_database11g)に作成すると、Oracle Fail Safeのデータベース操作が失敗します。たとえば、スタンドアロン・データベースの作成操作が次のエラーで失敗します。

FS-10374: S089A7620 : Gathering cluster information needed to perform the specified operation
** ERROR : FS-10791: The Oracle Database resource provider failed while gathering cluster information for resource test
** ERROR : FS-10890: Oracle Services for MSCS failed during the createStandalone operation
The clusterwide operation failed !

Oracle Fail Safe Serverのトレースを有効にした場合、トレース・ファイルに次の内容と似ているメッセージが含まれます。

[nodename] HOME Event start 
FscHomeBase::LoadHomeInfoPath - Found = 0 
Home Name = , Path = 
[nodename] HOME Event end

Oracle Fail Safeでデータベース・ソフトウェアのバイナリ・ファイルのディレクトリが検索されると、binで始まるホーム・ディレクトリ名による混乱が発生し、実行可能ファイルがデータベース・ホームに関連付けられていないと間違って判断されます。この問題を回避するには、binで始まるホーム・ディレクトリ名を使用しないでください。

実行可能ファイルの検索時にディレクトリ名を正しく解析するようにOracle Fail Safeが修正されています。

12.18 メンバーシップを間接的に付与すると、管理者が認識されない

Oracle Fail Safeでユーザーが管理者ユーザー・グループのメンバーであるかどうかを確認したときに、メンバーシップが別のグループによって間接的に付与されている場合、ユーザーがメンバーでないと判断します。つまり、ユーザーは管理者グループの直接メンバーではなく、管理者グループのメンバーである別のグループのメンバーです。

この問題は、Oracle Services for MSCS Security Setupツールを実行したり、fssvr /getsecurityコマンドを実行したりした場合に発生することがあります。例を次に示します。

fssvr /getsecurity
.
.
.
  User account specified for OracleMSCSServices is domain\ofsaccount
  ** User does not have proper local Administrator privileges **

Oracle Fail Safeでは、ユーザー・アカウントのグループ・メンバーシップを取得するために古いWindowsシステム・サービスを使用していました。その機能では間接的なメンバーシップが認識されませんでした。新しいAuthz APIを使用してグループ・メンバーシップ情報を取得するようにOracle Fail Safeが更新されています。

この問題を回避するには、Oracle Services for MSCSのアカウントを管理者グループに直接割り当てます。

12.19 ロジカル・スタンバイ・データベースが起動しない

ロジカル・スタンバイ・データベースとして構成されたデータベースをオンラインにすることができませんでした。トレースを有効にした場合、次の内容と似ているエラーがトレース・ファイルに表示されました。

Sat Sep 12 15:26:30 [nodename] <DB_RES> ALTER DATABASE START LOGICAL STANDBY APPLY IMMEDIATE WAIT
Sat Sep 12 15:26:30 [nodename] <DB_RES> Event start upiosq returned error ORA-00922: missing or invalid option

この問題は、ロジカル・スタンバイの適用を開始するためにOracle Fail Safeで使用されている間違った構文によって発生します。構文はこのリリースで修正されています。

13 既知の問題

この項では、Oracle Fail Safeの既知の問題に関する情報が記載されています。次のトピックで構成されます。

13.1 クラスタの検証時にOracle Fail Safe Managerによって間違ったOracle Enterprise Management Agentが一覧表示される

「検証」コマンドによって表示されるManagement Agentのバージョンが正確でない可能性があります。たとえば、Oracle Fail Safeにイメージのoranmemso.dllで見つかったバージョンが表示されますが、必ずしもManagement Agentの各リリースで更新されるとは限りません。

13.2 Oracle Application Serverとともに使用するためにドキュメントに記載された手順が役に立たない

『Oracle Application Serverインストレーション・ガイド』に説明されているOracle Fail SafeとともにOracle Application Serverをインストールするための手順はすべてが正しいとは限りません。一般的なOracle Application Server環境では、データベース・ソフトウェアは共有ディスク上にインストールされますが、Oracle Fail Safeでは、ローカル・ディスク上にインストールされているデータベース・ソフトウェアの同一コピーが各ノードに存在しなければなりません。Oracle Fail Safeが正しく動作するように、クラスタの各ノードのローカル・ディスク上にデータベース・ホームをインストールする必要があります。

13.3 管理者権限を使用してSecurity Setupツールを実行する必要がある

ユーザーが管理権限を使用してアカウントにログインせずにWindowsの「スタート」メニューから「Oracle Services for MSCS Security Setup」ユーティリティ(FsSvrSec.bat)を起動すると、OracleMSCSServicesサービスのアカウントまたはパスワードが実際に変更されなかった場合でも、ユーティリティが実行され、正常に実行されたことがレポートされます。Windowsのアプリケーション・イベント・ログに次のイベントが表示されます(エラー5はERROR_ACCESS_DENIEDであり、「アクセス拒否」であることに注意してください)。

Failed to open Service Control Manager with error: 5
Unable to set the user account for OracleMSCSServices service.
Unable to open cluster on local node.
Failed to open cluster with error 0 
Failed to register Oracle Services for MSCS server with error: 10007.
Failed to create NT registry key AppID\{239D150B-FA41-11D1-BF40-00805FE9145B} with error: 5
Unable to set RunAs for OracleMSCSServices DCOM component. 

ツールを正常に実行するには、管理権限を持つアカウントにログインするか、管理者として実行オプションを選択して開始されたMS-DOSコマンド・プロンプトからFsSvrSec.batファイルを開始する必要があります。

13.4 実行時間の適用を有効にする前にIsAliveポーリングを無効にする必要がある

現在、Oracle Fail Safeには、Data Guard実行時間の適用機能を有効にする機能が備わっていません。手動で管理リカバリを停止してから、実行時間の適用を開始した場合に限り、そのオプションを有効にすることができます。ただし、Oracle Fail Safeによって適用が停止されたことが通知された場合、データベースが強制的にオフラインにされ、データベースの再起動またはフェールオーバーが試行されます。

この問題を回避するには、実行時間の適用機能を有効にしたときにIsAliveポーリングを一時的に無効にします。実行時間の適用の開始後にポーリングを再開できます。これは、FSCMDコマンドライン・インタフェースを介して、あるいはOracle Fail Safe ManagerクライアントGUIから実行できます。

13.5 Oracle Fail Safe Managerで起動時にシステム・レジストリを更新できない

管理権限を使用せずにOracle Fail Safe Managerクライアントを起動した場合、次のエラー・メッセージが表示されることがあります。

Failed to update the system registry. Please try using REGEDIT.

この問題は、Oracle Fail Safe Managerで更新する権限がない可能性がある共通のレジストリ・エントリの更新が試行されたときに発生します。

この問題を回避するには、Safe Managerのスタート・メニューで管理者として実行オプションを有効にします。

13.6 Windows Vista以降のOSでOracle Fail Safe Managerの「ヘルプ」メニュー項目が機能しない

Windows Vista、Windows Server 2008またはWindows 7を実行しているシステムで、Oracle Fail Safe Managerの「ヘルプ」メニューからヘルプ目次を選択すると、次のエラー・メッセージが表示されます。

Failed to launch help.

この問題は、Oracle Fail Safe Managerに付属のヘルプ・ファイルの形式がWindowsオペレーティング・システムの新しいバージョンと互換性がないために発生します。Oracle Fail Safeによって使用されるヘルプ・ファイルの形式は、将来のリリースでアップグレードされます。

詳細は、http://support.microsoft.com/kb/917607を参照してください。

14 このリリースに対して更新されたドキュメント

追加情報については、このリリースに対して更新され、キットに含まれている次のドキュメントを参照してください。

キットに付属のドキュメントは、HTMLおよびPDFオンライン形式で提供されます。PDFファイルを表示するには、Adobe Acrobat Reader 4.0以上が必要です。最新バージョンは、次のAdobe Webサイトからダウンロードできます。

http://www.adobe.com/prodindex/acrobat/readstep.html

15 Oracle Fail Safeに関する追加情報

Oracle Fail Safeの詳細は、次のWebサイトを参照してください。

16 ドキュメントのアクセシビリティについて

オラクル社は、障害のあるお客様を含む、すべてのお客様にオラクル社の製品、サービスおよびサポート・ドキュメントをご利用いただけることを目標としています。 オラクル社のドキュメントには、ユーザーが障害支援技術を使用して情報を利用できる機能が組み込まれています。 HTML形式のドキュメントで用意されており、障害のあるお客様が簡単にアクセスできるようにマークアップされています。 標準規格は改善されつつあります。オラクル社はドキュメントをすべてのお客様がご利用できるように、市場をリードする他の技術ベンダーと積極的に連携して技術的な問題に対応しています。 オラクル社のアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/accessibility/を参照してください。

ドキュメント内のサンプル・コードのアクセシビリティについて

スクリーン・リーダーは、ドキュメント内のサンプル・コードを正確に読めない場合があります。コード表記規則では閉じ括弧だけを行に記述する必要があります。しかしJAWSは括弧だけの行を読まない場合があります。

外部Webサイトのドキュメントのアクセシビリティについて

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Oracleサポートへのアクセス

Oracleカスタマは、My Oracle Supportから電子サポートにアクセスできます。詳細は、http://www.oracle.com/support/contact.htmlまたはhttp://www.oracle.com/accessibility/support.html(聴覚障害者向け)を参照してください。


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このソフトウェアは様々な情報管理アプリケーションでの一般的な使用のために開発されたものです。このソフトウェアは、危険が伴うアプリケーション(人的傷害を発生させる可能性があるアプリケーションを含む)への用途を目的として開発されていません。このソフトウェアを危険が伴うアプリケーションで使用する際、このソフトウェアを安全に使用するために、適切な安全装置、バックアップ、冗長性(redundancy)、その他の対策を講じることは使用者の責任となります。このソフトウェアを危険が伴うアプリケーションで使用したことに起因して損害が発生しても、オラクル社およびその関連会社は一切の責任を負いかねます。

OracleはOracle Corporationおよびその関連企業の登録商標です。その他の名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。

このソフトウェアおよびドキュメントは、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセス、あるいはそれらに関する情報を提供することがあります。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスに関して一切の責任を負わず、いかなる保証もいたしません。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセスまたは使用によって損失、費用、あるいは損害が発生しても、一切の責任を負いかねます。