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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B63028-01
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14 Oracle BIリポジトリの設定の完了

リポジトリ・ファイル、「物理」レイヤー、「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーおよび「プレゼンテーション」レイヤーを作成した後、いくつかのタスクを実行して初期リポジトリ設定を完了する必要があります。これらのタスクには、リポジトリの保存、整合性の確認、NQSConfig.INIのエントリの追加、およびクライアント・アプリケーション用Oracle BIサーバーへのデータソース接続の作成が含まれます。この章では、これらの最終設定タスクについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Scorecardと戦略管理のためのリポジトリの構成

ユーザーの組織がOracle Scorecardと戦略管理をライセンス供与されていて、ユーザーが適切な権限を持っている場合、デフォルト・インストールの一部として追加の構成をせずにこの機能を使用できます。Oracle Scorecardと戦略管理では、コメント(つまり、注釈)を追加する機能またはKPI、目標、およびイニシアティブに関する特定のディメンション値と関連付けられたステータスを上書きする機能も提供されます。KPI監視リストでは、コメントを追加する機能またはKPIに関するステータスを上書きする機能が提供されます。これらの機能を有効にするには、コメントの格納およびステータスの上書き情報のためのデータベース・オブジェクトを含むようにリポジトリを構成する必要があります。

Oracle Business Intelligenceとともに使用するためにインストールしたデータベースには、Business Intelligence Platformスキーマが含まれています。このスキーマには、必須のOracle Scorecardと戦略管理スキーマ表が含まれています。Oracle Business Intelligenceのためのデータベースのインストールおよびリポジトリ作成アシスタント(RCU)を実行して必要なスキーマを作成する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』を参照してください。

コメントおよびステータスの上書きのためにOracle Scorecardと戦略管理を構成するには:

  1. 管理ツールで、リポジトリをオンライン・モードで開きます。

    この手順のステップ12で説明するタスクなどのデータ・アクセス・セキュリティ・タスクを実行する場合、オンライン・モードを強くお薦めします。

  2. 「物理」レイヤーで、右クリックし「新規データベース」を選択します。「データベース」ダイアログが表示されます。

  3. 名前」にBSCと入力します。

  4. データベース」に、Oracle Business Intelligenceとともに使用するためにインストールしたデータベースのタイプを選択します(通常Oracle 11g)。

  5. 「接続プール」タブを選択し、「追加」ボタンをクリックします。「接続プール」ダイアログが表示されます。

  6. 名前」にBSCと入力します。

  7. データベースに適した「呼出しインタフェース」を選択します(たとえば、Oracle Databaseの場合OCI 10g/11g)。

  8. データ・ソース名」に、Oracle Business Intelligenceとともに使用するためにインストールし、構成したデータベースに適した情報を入力します。たとえば、Oracle Databaseの場合、次のような接続文字列を入力します。

    (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=192.168.1.100)(PORT=1521))(CONNECT_
    DATA=(SERVER=DEDICATED)(SERVICE_NAME=KPIOracle)(SID=KPIOracl)))
    

    Oracle Databaseのデータソースに接続するとき、接続文字列全体を含めることができます。または、tnsnames.oraファイルで定義されたネット・サービス名を使用できます。ネット・サービス名のみを入力することを選択した場合、Oracle Business Intelligence環境内の次の場所でtnsnames.oraファイルを設定し、Oracle BIサーバーがエントリを検索できるようにする必要があります。

    ORACLE_HOME/network/admin
    
  9. 共有ログオン」を選択し、「ユーザー名」と「パスワード」に値を入力します。この手順では、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してOracle Business IntelligenceデータベースにBusiness Intelligence Platformスキーマを移入したときに作成したユーザー/スキーマ名およびパスワードを入力します。

    入力するユーザーに、Business Intelligence Platformスキーマ内のANNOTATIONS表およびASSESSMENT_OVERRIDES表に対する読取り/書込み権限があることを確認します。

  10. 「接続プール」ダイアログで「OK」をクリックします。

  11. 「データベース」ダイアログで「OK」をクリックします。

  12. 管理ツールの「Identity Manager」を使用して、デフォルトでBISystemアプリケーション・ロールでBSCデータベース・オブジェクトに対する直接データベース・リクエストを実行できるようにします。詳細は、「直接データベース・リクエストの許可または禁止」を参照してください。

  13. リポジトリを保存して閉じます。

  14. Oracle BIサーバーを再起動します。

リポジトリの保存および整合性のチェック

オフライン編集では、ときどきリポジトリを保存することを忘れないでください。ビジネス・モデル間で整合性がない場合でも、オフライン・モードでリポジトリを保存できます。

ビジネス・モデルに整合性があることを確認するには、「整合性のチェック」コマンドを使用して、コンパイル・エラーを確認します。リポジトリ全体でエラーを確認するには「ファイル」→グローバルな整合性のチェックを選択するか、特定の論理ビジネス・モデルで、ビジネス・モデルを選択し、右クリック・メニューから「整合性のチェック」を選択します。

整合性チェックでは、リポジトリにある種のエラーがないかどうかおよび整合性があるかどうかが分析されます。たとえば、整合性チェックは、論理ソースが構成されていない論理表や物理ソースにマップされていない論理列を検出し、定義されていない論理結合条件を確認し、ビジネス・モデルで参照されている物理表がビジネス・モデル内で参照されている他の表に結合されていないかどうか確認し、各ビジネス・モデルのサブジェクト・エリアの存在を確認します。


注意:

整合性チェックに合格しても、ビジネス・モデルが正しく作成されていることは保証されませんが、多くの一般的な問題が除去されます。

整合性をチェックするとき、発生したエラーまたは警告がダイアログに表示されます。エラーをすべて修正し、整合性を再確認し、エラーがなくなるまでこのプロセスを繰り返します。エラー・メッセージは、修正する必要のある問題を示します。警告メッセージは、問題の可能性を特定します。詳細は、「リポジトリまたはビジネス・モデルの整合性のチェック」を参照してください。

以前のバージョンのソフトウェアからアップグレードし、リポジトリの整合性をチェックした後、以前の整合性チェックを受けていないというメッセージが表示される場合があります。通常、これはアップグレード前に検出されなかった非整合性を示します。新しいエラーではありません。

リポジトリのテストおよび絞り込み

リポジトリが完全になったら、このリポジトリに対してサンプル問合せを実行して、これが正しく作成されているかどうかテストできます。検出された問題をすべて修正して再度テストします。満足のいく結果が得られるまでこのプロセスを繰り返します。

Oracle BIサーバー・ユーティリティnqcmdを使用して、リポジトリに対してテスト問合せを実行できます。このユーティリティは、Oracle BIサーバーのODBC DSNを使用して接続します。nqcmdを使用するには、Oracle BIサーバーが稼働中である必要があります。

nqcmdユーティリティは、WindowsシステムとUNIXシステムの両方で使用できます。

このユーティリティは、健全性のテスト用です。大きな負荷がかかるテストには、「アンサー」または別のクライアントを使用してください。数千行の問合せはnqcmdでは動作しません。

nqcmdを使用して他のODBCデータソースに対して問合せを実行することは可能ですが、この項では、このユーティリティを使用してOracle BIサーバーに問合せを行う方法のみを説明します。

nqcmdを実行する前に、まずbi-init.cmd(またはUNIX上でbi-init.sh)を実行し、ご使用のOracleインスタンスに対して初期化されたコマンド・プロンプトまたはシェル・ウィンドウを起動する必要があります。このユーティリティは、次の場所にあります。

ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIApplication/coreapplication/setup

次に結果として得られたシェル・ウィンドウで希望のオプションを指定してnqcmdを実行します。たとえば次のようにします。

nqcmd -dmy_dsn -umy_username [-pmy_password] -ssql_input_file -omy_result_file

SQL文を含むテキスト・ファイルをユーティリティに渡すことができます(スクリプト・モード)。または、コマンドラインにSQLを入力できます(対話モード)。問合せは、問合せで使用されているオブジェクト名が完全修飾名でない場合、デフォルトのサブジェクト・エリアに対して実行されます。

表14-1に、nqcmdのコマンドライン引数をリストします。

表14-1 nqcmdのコマンドライン引数

引数 説明

-?

使用可能なコマンドライン引数をリストします。

-ddata_source_name

接続先のOracle BIサーバーのODBCデータソース名。

このパラメータを省略すると、コマンドラインにDSNを入力するように求めるプロンプトが表示されます。

ヒント: Windowsでは、「コントロール パネル」→「管理ツール」→「データ ソース (ODBC)」に移動し、使用可能なローカルODBCデータソース名を確認できます。「システム DSN」タブをクリックし、使用可能なDSN(たとえば、AnalyticsWeb_coreapplication)のリストを表示します。

-uuser_name

有効なOracle Business Intelligenceのユーザー名。

-ppassword

対応するOracle Business Intelligenceのユーザー・パスワード。

パスワード引数はオプションです。パスワード引数を指定しない場合は、コマンド実行時にパスワードを入力するように求められます。セキュリティ違反のリスクを最小化するため、コマンドラインでも、スクリプトでもパスワードを指定しないことをお薦めします。パスワード引数のサポートは下位互換性の保持を目的としており、将来のリリースでは削除される予定です。

-ssql_input_file_name

テストSQL問合せを含むテキスト・ファイルの名前およびパス。

-ooutput_result_file_name

ユーティリティが問合せの結果を書き込むファイルの名前およびパス。このオプションは、必ず-sととも使用します。

-Ddelimiter

SQL入力ファイルで使用されるデリミタ(セミコロン(;)やコロン(:)など)。このオプションは、必ず-sとともに使用します。

-a

非同期処理を可能にします。

複数のSQL文を含むSQL入力ファイルを渡す場合、一般的にこのオプションは、-sとともに使用されます。

-z

出力結果ファイルでACPのかわりにUTF8出力を使用できるようにします。

このオプションを含めて問合せ結果に国際文字を表示する必要がある場合があります。

-utf16

nqcmdとOracle BI ODBCドライバの間の通信にACPのかわりにUTF16を使用できるようにします。

このオプションを含めて問合せ結果に国際文字を表示する必要がある場合があります。

-NotForwardCursor

ODBCの順方向専用カーソルを無効にします。

この引数が含まれていると、ODBC DSNで指定された設定は上書きされます。

-v

nqcmdユーティリティのバージョンを表示します。

-SessionVar session_variable_name=session_variable_value

指定したセッション変数を含み、これを指定した値に設定します。


-C、-R、-f、-H、-qおよび-NoFetchは、使用可能な引数としてユーティリティにリストされていますが、一般的にこれらのオプションは使用されません。

nqcmdをスクリプト・モードではなく対話モードで実行した場合(つまり、SQL入力ファイルを渡さない場合)、データソース名およびユーザー資格証明を入力した後、nqcmdがオプションのメニューを表示します。多くのオプションが表示されますが、一般的にOracle BIサーバーに対しては、Q、TおよびCのみを使用します。

コマンドラインに問合せを入力するには、Qを入力します。問合せは1行に入力する必要があります。また、デリミタとしてセミコロンは使用できません。[Enter]を押すとSQLがOracle BIサーバーに送信されます。

プレゼンテーション表を参照するには、Tを入力し、プレゼンテーション列を参照するには、Cを入力します。カタログ・パターン、ユーザー・パターン、表パターンおよび表タイプ・パターンの入力を求めるプロンプトがユーティリティによって表示され、それから結果が返されます。

カタログ・パターンに、表示する表を含むサブジェクト・エリアを入力します。表パターンに、特定の表を入力します。パーセント(%)を入力して、すべてのサブジェクト・エリアまたはすべての表を表示できます。%を他の文字とともに使用して、一連の文字と置き換えることができます。また、アンダースコア(_)を他の文字とともに使用して、1文字と置き換えることができます。

ユーザー・パターンおよび表タイプ・パターンは、Oracle BIサーバーに対する問合せには使用しません。これらのオプションには、%を入力してください。

また、Dを入力してOracle BIサーバーがサポートしているデータ・タイプの静的リストを表示できます。

リポジトリを問合せで使用可能にする

リポジトリを作成し、これに整合性がある場合、すべてのOracle BIサーバー・インスタンスがこれにアクセスできるように、Fusion Middleware Controlを使用してリポジトリをアップロードする必要があります。リポジトリをアップロードすると、起動時にOracle BIサーバーでリポジトリをメモリーにロードすることができ、リポジトリを問合せで使用可能にできます。

このタスクの実行方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のリポジトリの構成に関する項を参照してください。

リポジトリがアップロードされ、これに接続できたら、このリポジトリに対してサンプル問合せを実行して、これが正しく作成されているかどうかテストします。検出された問題をすべて修正して再度テストします。満足のいく結果が得られるまでこのプロセスを繰り返します。

クライアント・アプリケーション用Oracle BIサーバーへのデータソース接続の作成

エンド・ユーザーのクライアント・アプリケーションを新しいリポジトリに接続できるようにする場合、各アプリケーション用Oracle BIサーバーへのODBCデータソース接続を定義する必要があります。Oracle BIプレゼンテーション・サービスとOracle BIサーバーの関係は、他のクライアント・アプリケーションとOracle BIサーバーの関係と同じです。

Oracle BIサーバー用のODBCデータソース接続の作成に関する詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』の他のクライアントとOracle Business Intelligenceの統合に関する項を参照してください。

ユーザー・コミュニティへの公開

テストが完了した後、問合せにデータソースを使用できることをユーザー・コミュニティに通知します。プレゼンテーション・サービスのユーザーが知っている必要があるのは、ブラウザに入力するURLのみです。クライアント/サーバー・ユーザー(たとえば、問合せツールまたはレポート・ライター・クライアント・アプリケーションを使用してOracle BIサーバーにアクセスするユーザー)は、サブジェクト・エリア名、サーバーが稼働しているコンピュータ、これらのユーザーIDおよびパスワードを知っている必要があります。クライアント/サーバー・ユーザーは、コンピュータにインストールしたOracle BIサーバーのODBC DSNを持っている必要もあります。また、複数のリポジトリが使用され、作成されたデータソース名(DSN)がデフォルトのリポジトリを指していない場合、リポジトリの論理名を知っている必要があります。