Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B63031-01 |
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この章では、Oracle BI Enterprise Editionに対するアクセシビリティ機能の構成方法と使用方法について説明します。次のトピックが含まれています。
この項の構成は、次のとおりです。
Oracle BI EEのアクセシビリティ機能は、障害者や高齢者による製品内の移動や使用を容易にするためのものです。アクセシビリティ機能では、標準ベースの支援技術ハードウェアおよびソフトウェア(Freedom Scientific JAWSやMicrosoft Narratorなど)がサポートされます。アクセシビリティ機能は、次のカテゴリに大別できます。
サードパーティ支援技術製品を使用した機能。これらの機能は、サードパーティ支援技術製品で容易に解釈できる、標準のHTML要素から構成されるユーザー・インタフェースの提供に重点が置かれています。
「アクセシビリティ・モードの変更」に記載されているアクセシビリティ・モード。
マウスの使用が困難であったり、マウスを使用できないユーザーのコンテンツ内の移動を簡単にするキーボード・ショートカット。
詳細は、「キーボード・ショートカット」を参照してください。
コンテンツの作成者が、アクセシビリティを必要とするユーザーをサポートするコンテンツを作成できるようにするコンテンツ設計機能。Oracle BI EEには、様々な機能を自動的に提供するアクセシビリティ・モードが用意されていますが、デザイナは、ユーザー・コミュニティのアクセシビリティ要件を満たすコンテンツを作成する必要があります。
詳細は、「アクセシビリティに対応した設計」および「アクセシビリティを高めるオブジェクトの使用」を参照してください。
次の手順を使用して、マウスではなく、キーストロークを使用してOracle BI EEにサイン・インします。
キーストロークを使用してOracle BI EEにサイン・インする手順:
ブラウザにOracle BI EEのサイン・イン・ページを表示します。
[Tab]キーを押して、「ユーザーID」フィールドに挿入ポイントを置きます。
IDを入力して[Tab]キーを押し、「パスワード」フィールドに挿入ポイントを置きます。
サイン・イン処理を完了させる場合、パスワードを入力し、[Enter]キーを押して「サイン・イン」ボタンをアクティブにします。
Oracle BI EEで使用する言語を変更するには、次のステップに進みます。
[Tab]キー2回を押して、「言語」フィールドに挿入ポイントを置きます。
矢印キーを使用して言語を選択します。
[Shift]キーを押しながら[Tab]キーを押して[Enter]を押し、「サイン・イン」ボタンをアクティブにします。
Oracle BI EEのアクセシビリティ・モードでは、障害を持つユーザーをサポートする機能のみが表示され、スクリーン・リーダーに適したユーザー・インタフェースがレンダリングされます。次のリストで、アクセシビリティ・モードについて説明します。
「「分析」エディタ」のかわりに「BI Composerウィザード」が表示されます。BI Composerの詳細は、第14章「BI Composerを使用した分析操作」を参照してください。
「ホーム」ページには、「管理」ページへのアクセスや、ダッシュボードの編集などの編集機能を実行するためのリンクは含まれていません。
グラフ・ビューとマップ・ビューが表示されないかわりに、1つ以上の注釈付きの表に変換されます。
表およびピボット表は、スクリーン・リーダーがセルの内容を読み上げることができるよう適切な内部用注釈を付けてレンダリングされます。
すべての該当する表のナビゲーション・ショートカットについては、支援技術のドキュメントを参照してください。
表またはピボット表のレイアウトの変更にマウスは使用できません。
ダッシュボード・ビルダーでセクションが縮小不可とマークされている場合でも、ダッシュボード・ページのセクションの左上隅に縮小アイコンが含まれます。ダッシュボード・ページでの移動にキーボードを使用する場合、これによって、アイコンがフォーカスを得る最初の要素になります。
ダッシュボード・ページがリフレッシュされると、別のページに移動した場合でも、フォーカスの場所は保持されません。[Tab]キーを押して、フォーカス可能な項目間を移動する必要があります。
デフォルトでは、Oracle BI EEはアクセシビリティ・モードを使用しません。各ユーザーは次の手順を使用して、アクセシビリティ・モードを有効にするかどうかを決定します。
キーストロークを使用してアクセシビリティ・モードを有効にする手順:
「キーストロークを使用したサイン・イン」に記載のとおり、Oracle BI EEにサイン・インします。
「次としてサインイン」領域の自分の名前がフォーカスされるまで、[Tab]キーを押してグローバル・ヘッダーを移動します。
[Enter]キーを押して[Tab]キーを押し、「マイ・アカウント」リンクを強調表示します。
[Enter]キーを押して、「マイ・アカウント」ダイアログを表示します。
[Tab]キーを押して、「マイ・アカウント」ダイアログ: 「プリファレンス」タブを選択します。
「アクセシビリティ・モード」オプションに達するまで[Tab]キーを押し、タブのフィールドを移動します。
矢印キーを使用して「オン」オプションを選択します。
[Enter]キーを押して変更を保存し、ダイアログを閉じます。
ページをリフレッシュし、ページがアクセシビリティ・モードで表示されることを確認します。
この項では、ショートカットに関する次の情報について説明します。
Oracle BI EEでもBI Publisherでも、ソフトウェア・アプリケーションの多くで使用されている標準的なキーボード・ショートカットがサポートされます。また、両コンポーネントとも、コンポーネントに固有のタスクを実行するショートカットを用意しています。表C-1に、Oracle BI EEとBI Publisherで使用する一般的なキーボード・ショートカットを示します。
表C-1 一般的なキーストローク
キーボード・ショートカット | 結果 |
---|---|
[Ctrl]+[Alt]+[G] |
グローバル・ヘッダー内の最初のフォーカス可能な要素(「コンテンツにスキップ」リンク)に移動します。このリンクによって、グローバル・ヘッダーで使用可能なオプションを無視し、「ホーム」ページのメインの部分で使用できる機能に移動できます。 |
[Ctrl]+[Alt]+[D] |
グローバル・ヘッダーのダッシュボードのポップアップ・メニューに移動します。[Enter]キーを押して、表示するダッシュボードを選択するメニューを表示できます。 |
[Ctrl]+[Alt]+[P] |
タブが表示されている場合、現在のダッシュボード・ページ・タブに移動します。ダッシュボードのページが1つのみの場合、ページ・タブは表示されません。 |
[Ctrl]+[Shift]+[S] |
次のセクションの最初のフォーカス可能な要素に移動します。ダッシュボード・ページの場合、最初の要素は縮小アイコンです。 |
[Ctrl]+[Shift]+[U] |
前のセクションの最初のフォーカス可能な要素に移動します。ダッシュボード・ページの場合、最初の要素は縮小アイコンです。 |
[Tab] |
フォーカス可能な次の要素に移動します。 |
[Shift] + [Tab] |
フォーカス可能な1つ前の要素に移動します。 |
下矢印キー |
次のメニュー・オプションに移動します。 |
上矢印キー |
1つ前のメニュー・オプションに移動します。 |
[Enter] |
URLまたはアクティビティが関連付けられているリンク、イメージまたはボタンにすでにフォーカスがある場合、アクティビティをトリガーします。 |
[Esc] |
フォーカスが置かれているメニューを閉じます。 |
表C-2に、Oracle BI EEのダッシュボードおよびBI Publisherのレポート内を移動するキーボード・ショートカットを示します。
表C-2 Oracle BI EEとBI Publisher内を移動するキーボード・ショートカット
キーボード・ショートカット | 結果 |
---|---|
[Alt] + 上向きまたは下向き矢印 |
ドロップダウンまたはコンボ・ボックスを開きます。 |
[Ctrl] + 上向きまたは下向き矢印 |
コンボ・ボックス内の次の項目または1つ前の項目を表示します。 |
注意: Freedom Scientific JAWSまたは他のスクリーン・リーダー・プログラムを使用する場合、キーストロークの組合せを使用してダッシュボードを移動するには、まず、仮想PCカーソルを無効にする必要があります。ダッシュボードの表オブジェクト内の移動などでは仮想PCカーソルを有効にする必要があります。 |
表C-3に、「BI Composerウィザード」をナビゲートするキーボード・ショートカットを示します(BI Composerの詳細は、第14章「BI Composerを使用した分析操作」を参照)。
注意: BI Composerウィザードの「カタログ」タブに表示されているカタログ・ツリーは、表として解釈されます。ツリーをナビゲートするには、ご使用のスクリーン・リーダー・プログラムのテーブル・キーストロークを使用してください。 |
表C-3 BI Composerウィザード内をナビゲートするキーボード・ショートカット
キーボード・ショートカット | 結果 |
---|---|
[Alt]+[Shift]+[B] |
「戻る」ボタンに移動します。 |
[Alt]+[Shift]+[C] |
「取消」ボタンに移動します。 |
[Alt]+[Shift]+[L] |
「終了」ボタンに移動します。 |
[Alt]+[Shift]+[X] |
「次へ」ボタンに移動します。 |
[Alt]+[Ctrl]+[M] |
コンテキスト・メニューに移動します。たとえば、カタログ・ツリーでアイテムを選択して、[Alt]、[Ctrl]、[M]の各キーを同時に押すと、メニュー・アイテムを展開および縮小するオプションが付いたメニューが表示されます。 |
[Alt]+下矢印キー |
ポップアップ・ウィンドウで一つずつメッセージを読み取ります。 |
Oracle BI EEへのサイン・イン後またはOracle BI EEの他の場所から移動してホーム・ページを表示した場合、[Ctrl]+[Alt]+[G]を押して、ホーム・ページの左上隅の「コンテンツにスキップ」リンクにフォーカスを置きます。
ホーム・ページをキーストロークで移動する手順:
「キーストロークを使用したサイン・イン」に記載のとおり、Oracle BI EEにサイン・インします。
[Ctrl]+[Alt]+[G]を押して、ホーム・ページの左上隅の「コンテンツにスキップ」リンクを表示します。
次のいずれかを押します。
ホーム・ページのデフォルトの開始位置である、グローバル・ヘッダーの下の左上隅にある最初のリンクに移動するには、このリンクで[Enter]キー。
グローバル・ヘッダーの最初のフォーカス可能な要素に移動するには、[Tab]キー。
[Tab]キーを押して、ホーム・ページの要素間を移動します。
次の手順に、キーボード・ショートカットを使用して、ダッシュボード内を移動する1つの方法を示します。この手順に、キーボード・ショートカットとオプションがすべて含まれているわけではありません。1つの例として参照してください。
ダッシュボードをキーストロークで移動する手順:
「キーストロークを使用したサイン・イン」に記載のとおり、Oracle BI EEにサイン・インします。
最初に「ホーム」ページが表示されたら、キーストロークを使用してダッシュボードを表示します。[Alt]、[Ctrl]、[D]の各キーを同時に押すと、グローバル・ヘッダーの「ダッシュボード」メニューに移動し、[Enter]キーを押してメニューを表示します。[Tab]キーまたは矢印キーを押してダッシュボード名を移動し、表示するダッシュボードの名前で[Enter]キーを押します。
次のステップに進みます。
ダッシュボードが表示されたら、次のステップに進みます。
次のようにして、目的のダッシュボード・ページに移動します。
[Ctrl]+[Alt]+[G]を押して、「コンテンツにスキップ」リンクを表示します。
[Tab]キーを押してグローバル・ヘッダーを移動し、ダッシュボードの最初のページに相当するタブに移動します。
ページ・タブがない場合、ダッシュボード・ページの最初のフォーカス可能な要素に移動します。
[Tab]キーを押してダッシュボード・ページ間を移動します。最後のページで[Tab]キーを押すと、ダッシュボード・ページ・メニューにフォーカスが移ります。
適切なページ・タブにフォーカスがある状態で[Enter]キーを押し、ダッシュボードのそのページを開きます。
[Ctrl]+[Shift]+[S]を押して、次のセクションの最初のフォーカス可能な要素(縮小アイコン)に移動します。
[Tab]キーを押して、現在のセクション内の次のフォーカス可能な要素に移動します。
[Ctrl]+[Shift]+[S]を押して、次のセクションの最初のフォーカス可能な要素に移動します。
セクションの縮小および展開アイコンにフォーカスがある状態で[Enter]キーを押し、現在のセクションを縮小します。
表またはピボット表で移動するには、次のようにします。
[Tab]キーで表を選択します。
[Tab]キーで表のヘッダーを移動し、そこにあるメニューを選択します。
表にフォーカスがある状態で矢印キーを押し、表の列および本体のセルの間を移動します。
本体のセルにフォーカスがある状態でヘッダー行のドロップダウン・メニューにアクセスするには、[Tab]キーを押してから[Enter]キーを押し、最初のヘッダー行のメニュー・オプションを表示します。[Tab]キーを押して、矢印キーでメニュー内のオプションを強調表示し、[Enter]キーを押してオプションを選択します。
様々なユーザーが消費するコンテンツを作成する場合、障害を持つユーザーへのサポートを提供できるように設計する必要があります。このようなサポートは、世界中のいたる所で法的要件となっています。
異なる障害を持つ様々なユーザーが消費するコンテンツを設計する際に使用できる一般的なガイドラインがいくつかあります。これらのガイドラインを、Oracle BI EEやその他のアプリケーション用に作成するコンテンツに適用します。Oracle BI EEに固有の機能にも注意し、作成するコンテンツがアクセシビリティ要件を必ずサポートするようにする必要があります。
この項には、アクセシビリティに対応した設計に関する次のトピックが含まれています。
IT産業におけるアクセシビリティに関する情報は、出版されている様々な書籍から得ることができます。このガイドでは、それらの情報を繰り返すつもりはありません。様々な規格や法律(特にWorld Wide Web Consortium(W3C)や米国リハビリテーション法第508条)がドキュメントになっています。
テクノロジとアクセシビリティについて特定の想定をしているデザイナが多くいます。よくある誤解には次のようなものがあります。
HTMLのコンテンツは自動的にアクセシブルなコンテンツになります。
アクセシブルなツールは自動的にアクセシブルなコンテンツを作成します。
自動化されたテスティング・ツールは、アクセシビリティを確実に判断できます。
しかし、これらの想定はいずれも正しくありません。開発者は、HTMLを使用してアクセシブルでないコンテンツを作成できます。アクセシブルなコンテンツを生成できるツールがデフォルトではそのように動作しない場合もあれば、既存のアクセシブルなコンテンツ内でアクセシビリティ機能を無効にするオプションを開発者が選択できる場合もあります。自動化されたテスティング・ツールは、必ずしもエンド・ユーザーが行うのと同じようにコンテンツと対話するわけではありません。その結果、アクセシブルな要素をアクセシブルでないと誤ってレポートする可能性があります。したがって、アクセシビリティは、最終的にはコンテンツ・デザイナが責任を負います。コンテンツの作成時、デザイナはよく行われる特定の操作に注意し、コンテンツがすべてのユーザーにアクセシブルであるようにします。
ダッシュボード・ページのコンテンツを構成または作成する場合、推奨される次のベスト・プラクティスについて考慮してください。
ティッカはサポートされていないため、使用を控えます。
ページの双方向性と複雑性を減らします。たとえば、プロンプトやドロップダウン・メニューの数を制限したり、セクションのドリル・インライン機能の使用や多数の行を表示する表の構成を避けます。
障害には様々なものがあるという事実および1人の人間が複数の障害を持っている場合があるという事実を常に考慮に入れてください。様々な障害の程度(様々な色覚異常のタイプなど)があるということにも注意する必要があります。設計の際、これらの可能性をすべて考慮に入れる必要があります。
この項では、設計の次の一般的な分野に関するガイドラインを示します。
視力の弱いユーザーは、多くの場合、画面拡大ソフトウェアを使用して画面を読み易くします。使用するフォントは、アクセシビリティ・ツールで20倍に拡大されても判読可能である必要があります。フォントには、拡大すると適切に表示されないものと、適切に表示されるものがあります。
Oracle BI EEのダッシュボードでは、スタイル・シートを使用して標準的な表示定義を設定します。これらのスタイル・シートで、適切に拡大されるフォントが常に選択されているようにします。そのようにすると、コンテンツの作成者によって、アクセシブルなフォントを使用するよう自動的にデフォルト設定されます。
色覚異常には、赤と緑(最も一般的な色覚異常)などのような一般的な2つの色の区別がつきにくいものから、灰色と黒の濃淡のみがわかる全色覚異常まで様々なタイプがあります。重要な情報の伝達に色のみを使用すると、特定のユーザーが関連するすべての情報に完全には気付かない可能性があります。視覚障害者は、色によって伝達される情報を代替テキストの形式で示される必要があることは言うまでもありません。
このことは、開発者にとって、重要な情報を色のみで示すコンテンツを作成するべきではありません。アクセシブルでないデザインの1つの例に、テキストを赤に色付けすることでのみ負の数値を表すことがあります。もう1つの例には、コンテキスト情報が色のみで示される(よい場合は緑、悪い場合は赤)信号形式のインジケータがあります。
同系色の微妙な濃淡を区別できない色覚異常もあるため、すべての画面要素の全体的な色彩設計では、色の対比を大きくする必要があります。色の明度のコントラスト比が最低でも4.5:1になるようにする必要があります。たとえば、薄い灰色の背景に濃い灰色のテキストを使用するのではなく、白い背景に黒のテキストを使用します。
次のWebサイトを活用できます。
このサイトには、コントラストが適切なレベルかどうかをテストできるツールがあります。
http://www.paciellogroup.com/resources/contrast-analyser.html
このサイトには、様々なタイプの色覚異常のユーザーにWebサイトがどのように見えるかを確認するためのツールがあります。
アクセシブルなダッシュボードを設計するには、次の項のガイドラインを使用します。
次のガイドラインを使用して、ダッシュボードに一貫した構造を使用するよう努めます。
複数のダッシュボードに同様の機能やコンテンツが含まれる場合、それらのリンクやフォームをすべてのダッシュボードで同じ位置に配置します。
同じ機能やリンク先のボタンやリンクには同じテキストとラベルを使用します。グラフィック要素を使用して、コントロール、ステータス・インジケータまたは他のプログラム要素が表されている場合、各グラフィック要素に割り当てられている意味が、ダッシュボードの全ページで一貫しているようにします。
同じ機能に使用されているアイコンや他のグラフィックに同じテキストを割り当てます。グラフィックは支援技術では読み取ることができず、弱視のユーザーはグラフィックの意味を認識できない可能性があります。したがって、すべてのグラフィックに、機能を表す追加テキストを付ける必要があります。
グラフィックには、ALTテキストを付ける必要があります。これは、グラフィックに関連付けられている、用途を適切に説明するテキストです。この代替テキストは、HTMLコードの要素のALT属性で指定されます。グラフィックが美術的な目的のために存在し、機能上意味がない場合でも、要素にnullのALTテキスト(alt="")を指定し、テキストをスキップする必要があることをスクリーン・リーダーが認識できるようにします。
ALTテキストの作成がサポートされない他のグラフィック要素の場合、上部または横に機能を表すテキスト・フィールド(「下の表示ビューを選択」など)を含めます。
ダッシュボード・ページが単純になるよう努めます。1つのページに多数のオブジェクトを含めないようにします。複雑で移動が難しい1つのページではなく、移動が簡単な複数のページを含めます。
次のガイドラインを使用して、ダッシュボードの画面上のコンテンツを改良します。
グラフで色の明度差が大きくなるようにするのと同様に、ダッシュボード・ページに色付きまたはパターン付きの背景を使用しません。
ダッシュボードのヘッダー領域および複数ページのダッシュボードのタブに、背景とテキストとの高コントラストをサポートするスタイルを使用します。
最も重要なコンテンツをページの最上部に配置し、スクリーン・リーダーのユーザーが画面全体を移動しなくてもコンテンツにアクセスできるようにします。
インタラクティブなGISマップやオーディオ・ビデオ・フィードなどの元来視覚的な表示の場合、これらの要素を直接アクセシブルにする方法はありません。この種のコンテンツをデプロイする場合、同様の対話機能を持った、同じ情報をテキスト・ベースで表したものも用意する必要があります。通常、これは、関連するデータ(ある場合)で対応する表またはピボット表を作成するか、オーディオビジュアル・コンテンツに対してはキャプションとテキストの説明を付けることを意味します。
ダッシュボード・ページでは、説明フィールドに基づいてオブジェクトに説明テキストが生成されます。作成する各分析に、機能の短い説明が含まれていることを確認します。この説明は、分析の「保存」ダイアログの「説明」フィールドに指定します。
Oracle BI EEシステムで使用できるスタイルとスキンのセットによって、ダッシュボードの全体的なルック・アンド・フィールが制御されます。次の項に記載のとおり、スタイルとスキンをアクセシビリティに使用できます。
カスタムのスタイルとスキンを作成して、デフォルトのフォント選択、高コントラスト色スキームなどのアクセシビリティをサポートする標準設定を実装できます。デフォルトのスタイルをコピーして修正することで開始できます。これらのファイルを修正することによって、特定の障害をお持ちのユーザーに役立つデフォルトの色、コントラストおよびフォントを選択できます。
すべてのダッシュボードに対するデフォルト・スタイルを設定することも、個々のダッシュボードに適用するスタイルを選択することもできます。アクセシビリティの必要なユーザー向けに特に最適化されたコンテンツを含むダッシュボードのセットを作成できます。必要なユーザー用に、1つ以上の個々のダッシュボードに特別なアクセシビリティ用スタイルを適用することもできます。
特定のダッシュボードのダッシュボードのプロパティ・ページでスタイルを指定します。
2Hzから55Hzまでの周波数で点滅する要素やアニメーションを過度に使用する要素(証券ティッカ表示ウィジェットなど)などの特定の機能は絶対に使用しないでください。法律で規定されたデザインの禁止事項に精通し、それらの要素をダッシュボード・ページに含めないようにします。
この項には、アクセシビリティを高めるオブジェクトの使用例を示す次のトピックが含まれています。
アクセシビリティの必要なユーザー向けに特に最適化された追加コンテンツの作成が必要な場合があります。すべてのユーザー・コミュニティに最も機能に富んだコンテンツを提供する場合、ビュー・セレクタが便利です。
たとえば、色を使用してスライス内の仕事のカテゴリを示す、HR円グラフという名前のビューがあるとします。このグラフが、ダッシュボード・ページのデフォルトのビューとします。ページにビュー・セレクタを含めて、データの表示に色ではなくクロスハッチングを使用する表またはグラフをユーザーが選択できるようにします。グラフに、各スライスが表す実際の値を示すテキスト要素を追加したり、背景グリッドを単純にしたり、説明的なタイトルを含めたりできます。
スクリーン・リーダーは通常、標準HTMLマークアップを使用して、ページの移動に関する情報を指定します。最も一般的に使用されているタグの1つは、ヘッダー・タグです。アクセシビリティ・モードが有効な場合、Oracle BI EEダッシュボードのデフォルトのタイトル・ビューには、Titleタグが含まれます。ただし、タイトル・ビューのデザインに他のタグを追加することはできません。
静的テキスト・ビューを使用してタイトル・ビューを置き換え、同時に必要なHTMLタグを指定します。「結果」タブ: 「静的テキスト」エディタの「HTMLマークアップを含む」ボックスを選択し、適切なHTMLコードを入力します。Oracle BI EEシステムのスタイル・シートに含まれているスタイルにアクセスし、残りのダッシュボードに一貫性を持たせるようにします。
たとえば、ダッシュボードにヘッダーを作成し、H3タグを使用してタイトルを入力して、その下に横罫線を挿入できます。静的テキスト・ビューとして次のHTMLコードを入力します。
<H3>My HR Report</H3><HR WIDTH=650 ALIGN=LEFT>
BI Composer for Oracle BI EEをインストールおよび構成するには:
BI Composer共有ライブラリをインストールします。共有ライブラリのインストールの詳細は、「BI Composer実行時実装共有ライブラリをインストールするためWebLogic Serverドメインを拡張」を参照してください。
デプロイ後の接続変更を可能にするためMDSデータ・ソースを作成します。これを行うには、次の操作を実行します。
WebLogic Server管理コンソールを起動します。
「チェンジ・センター」で、「ロックして編集」をクリックします。
「ドメイン構造」ペインで「サービス」を開いて、「データ・ソース」をクリックします。「JDBCデータ・ソースのサマリー」ペインの「構成」タブが表示されます。
「新規」をクリックして、「汎用データ・ソース」を選択します。「JDBCデータ・ソースのプロパティ」ページが表示されます。
「名前」フィールドに、「mds-bicomposer」と入力します。
「JNDI名」フィールドに、「jdbc/mds/bicomposer」と入力します。
「データベースのタイプ」ボックスで、Oracleを選択します。
「次へ」をクリックします。
「データベース・ドライバ」フィールドで、Oracleのサービス接続用ドライブ(Thin)、バージョン:9.0.1以上を選択します。
「次へ」をクリックします。「トランザクション・オプション」ページが表示されます。
デフォルトのオプションを受け入れ、「次へ」をクリックします。「接続プロパティ」ページが表示されます。
接続プロパティを定義します。mds-owsmデータ・ソースと同じプロパティを使用します。
「次へ」をクリックします。「データベース接続のテスト」ページが表示されます。
「構成のテスト」をクリックして接続を確認します。
「次へ」をクリックします。「ターゲットの選択」ページが表示されます。
ドメインに対する適切なサーバー・ターゲットを選択します。
「終了」をクリックします。
チェンジ・センターで、変更のアクティブ化をクリックします。
BI Composerアプリケーションをインストールします。これを行うには、次の操作を実行します。
Fusion Middleware Controlを起動します。
「WebLogicドメイン」を開き、「bifoundation_domain」を右クリックして「アプリケーション・デプロイメント」を選択し、「デプロイ」を選択します。
「アーカイブの選択」ページで、「参照」を使用して<ORACLE_HOME>/modules/oracle.bi.presentation_11.1.1/bicomposer.earファイルを選択します。
「ターゲットの選択」ページで、ドメインに対する適切なサーバー・ターゲットを選択します。
「アプリケーション属性」ページで、「ターゲット・メタデータ・リポジトリ」の下の鉛筆アイコンをクリックしてリストからmds-bicomposerを選択し、パーティションに対して「bicomposer」と入力します。
デプロイメント・ウィザードの「デプロイ設定」ページで、「デプロイ」をクリックします。
Business Intelligence Presentation Services(BIPS)接続を変更します。これを行うには、次の操作を実行します。
Fusion Middleware Controlを起動します。
「アプリケーション・デプロイメント」を開き、「bicomposer」を右クリックして「システムMBeanブラウザ」を選択します。
System MBeanブラウザで「oracle.adf.share.connections」を開き、「アプリケーション: bicomposer」を開いて「bi-default」をクリックします。
ホスト、ポート、ユーザー名、パスワードなど、インストール済のOracle BI EE属性を使用するために接続bi-defaultの属性を変更し、「適用」をクリックします。
注意: 「ユーザー」フィールドの値としては「user」と入力し、パスワードフィールドの値としては「password」と入力します。これらの値はOracle BI EEに現在サイン・インしているユーザーの値に置き換えられます。 |
ツリー・ノードADFConnectionsをクリックし、「操作」タブをクリックし、「保存」をクリックし、「起動」をクリックします。
Oracle Business Intelligenceの次の構成設定を<ServerInstance>要素内に手動で追加して、Oracle BI EEでBI Composerを有効にします。
<BIComposer> <Enabled>true</Enabled> </BIComposer>
Oracle Business Intelligenceの構成設定を手動で追加する手順の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のテキスト・エディタを使用した構成設定の更新に関する項を参照してください。
WebLogic Serverドメインを拡張してBI Composer実行時実装共有ライブラリをインストールするには:
WebLogic Serverを停止します。
構成ウィザードを起動します。
「既存のWebLogicドメインの拡張」を選択し、「次へ」をクリックします。
ドメイン・フォルダ (たとえば、<mw_home>/user_projects/domains/bifoundation_domain) を選択して、「次へ」をクリックします。
拡張テンプレートを使用して拡張を選択し、「参照」を使用して次のテンプレートを選択します。
<ORACLE_HOME>/common/templates/applications/oracle.bicomposer.slib_template_11.1.1.jar
インストール済のテンプレートをオーバーライドするように求められたら、「はい」をクリックします。
「次へ」を続けてクリックし、必要に応じて設定を変更します。
「拡張」をクリックし、「完了」をクリックします。
WebLogic Serverを起動します。