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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E51906-01
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4 End User Layerの作成とメンテナンス

この章では、Discoverer Administratorを使用してEnd User Layerを作成およびメンテナンスする方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。

4.1 End User Layer

End User Layer (EUL)とは、Discovererエンド・ユーザーにとって理解しやすい単純なメタデータ(データベースの実際のデータに関するデータ)です。ユーザーがDiscovererのデータに簡単にアクセスできるように、Discoverer Administratorを使用してこのビューをユーザー用に作成、カスタマイズおよびメンテナンスします。Discovererを使用するには、少なくとも1つのEULに対するアクセス権が必要です。アクセス権は、第7章「情報に対するアクセス制御」で説明する「権限」ダイアログを使用して付与します。

4.2 End User Layerが便利な理由

EULにより、Discovererエンド・ユーザーはデータベースに関連する複雑な概念から解放されます。Discovererエンド・ユーザーにとって使い慣れた理解しやすい用語を使用して、直観的でビジネスに焦点が合ったデータベースのビューが提供されます。そのため、Discovererエンド・ユーザーは、データ・アクセスの問題ではなくビジネスの問題に集中できます。

注意

4.3 End User Layer所有者

End User Layer (EUL)所有者とは、EULの作成対象となるデータベース・ユーザーです。

1人のデータベース・ユーザーが所有できるEULは、1つのみです。自分のEULに接続している場合に新規EULを作成しようとすると、既存のEULを削除するようにプロンプトが表示されます。すでにEULを所有しているデータベース・ユーザーにEULを作成する場合は、既存のEULを削除してから新規EULを作成するようにプロンプトが表示されます。

EUL所有者は各自のEULをメンテナンスおよび変更し、他のユーザーに対してEULへのアクセス権を付与できます。付与される権限に応じて、他のユーザーはEULを使用したり、そのEULを変更できます。

EULの作成時には、アクセス権を持つユーザーを次のように指定します。

注意: セキュリティを重視する場合は、PRIVATEアクセスの指定をお薦めします。ユーザーおよびロールに対するビジネスエリアのアクセス権および権限は、必要に応じて後から定義できます。

既存EULへのアクセス権を変更する場合は、そのEULの所有者あるいは次のDiscoverer作業権限を持つユーザーとしてログインしている必要があります。

詳細は、第7章「情報に対するアクセス制御」を参照してください。

4.4 OracleデータベースにおけるEnd User Layerの作成に必要な権限

OracleデータベースでEnd User Layerを作成するには、EULの作成対象となるデータベース・ユーザーに次のデータベース権限が必要となります。

また、データベース・ユーザーには次の項目も指定する必要があります。

Oracle Enterprise Editionデータベースに対してDiscovererを実行する場合、データベース・ユーザーがDiscovererの手動サマリー管理および自動サマリー管理(ASM)の機能を使用するには、さらに権限を追加する必要があります。詳細は、次の項目を参照してください。

「EULマネージャ」ダイアログでは、次の操作を実行できます。

4.5 Oracle以外のデータベースにおけるEnd User Layerの作成に必要な権限

Oracle以外のデータベース・ユーザーに対してEnd User Layerを作成するには、データベース・ユーザーに次のデータベース権限が必要となります。

Discoverer Administratorでは、Oracle以外のデータベースに新規ユーザーを作成できません。

4.6 End User Layerのメンテナンスに必要な権限

データベース・ユーザーに管理権限がある場合は、Discoverer AdministratorでEULをメンテナンスできます。

データベース・ユーザーに管理権限を適用するには、「特定の作業を実行するユーザーまたはロール(職責)の指定方法」を参照してください。

4.7 EULゲートウェイ

EULゲートウェイでは、Discovererで他のソースのメタデータをEULに移入する方法が提供されます。EULゲートウェイを使用すると、他のツールまたはアプリケーションで定義されたメタデータをEULに直接ロードできます。

EULゲートウェイを設定する手順は、<ORACLE_HOME>\discoverer\kits directoryディレクトリにあるドキュメントeulgatew.docを参照してください。

EULゲートウェイからビジネスエリアをロードする方法の詳細は、「ロード・ウィザードによるビジネスエリアの作成方法」を参照してください。

4.8 既存データベース・ユーザーに対するEnd User Layerの作成方法

既存データベース・ユーザーに対してEULを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ツール」→「EULマネージャ」を選択すると、「EULマネージャ」ダイアログが表示されます。

    図4-1 「EULマネージャ」ダイアログ

    図4-1の説明は前後にあります。
  2. 「新しいEULを作成」をクリックすると、「EUL作成ウィザード」ダイアログが表示されます。

    図4-2 「EUL作成ウィザード: ステップ1」ダイアログ

    図4-2の説明は前後にあります。
  3. 「既存のユーザーを指定」オプションを選択します。

  4. 必要に応じて、「パブリック・シノニムにアクセスを許可する」チェック・ボックスを選択または選択解除します。

    • 現行データベースのすべてのユーザーに新規EULへのアクセスを許可する場合は、このチェック・ボックスを選択します。

    • 新規EULによるデータの表示をEUL所有者にのみ許可する場合は、このチェック・ボックスを選択解除します。

    注意: セキュリティを重視する場合は、このチェック・ボックスを選択解除することをお薦めします。

  5. 必要に応じて、「新規EULはOracle Applicationsユーザー用のみ」チェック・ボックスを選択または選択解除します。

    • 新規EULの使用をOracle Applicationsユーザーのみに制限する場合は、このチェック・ボックスを選択します(アプリケーション・モードEULの詳細は、第17章「Oracle ApplicationsでのDiscovererの使用」を参照)。

    • 標準EULを作成する場合は、このチェック・ボックスを選択解除します。

    注意: ここでの選択は、最終的な選択です。標準的なEULをOracle Applications EULに変更することはできません(逆の変更もできません)。

  6. 「選択」ボタンをクリックすると、「ユーザー/ロールの選択」ダイアログが表示されます。このダイアログで、新しいEULを所有するデータベース・ユーザーを検索および選択します。

  7. 現行ユーザー以外のデータベース・ユーザーをEUL所有者に指定した場合は、データベース・ユーザーのパスワードを指定する必要があります。

    Oracleデータベースでは、パスワードの大文字と小文字が区別されます(Enterprise Editionリリース11.1以降の場合)。

  8. 「終了」をクリックします。

    Discoverer AdministratorにEULの作成を示す進行状況バーが表示され、指定されたデータベース・ユーザーに対して新規EULが作成されます。

    新規EULが作成されると、新規EULにDiscovererのサンプル・データをインストールするオプションが提供されます。詳細は、第27章「Discovererのサンプル・データEUL、データおよびワークブックのインストール」を参照してください。

4.9 新規データベース・ユーザーに対するEnd User Layerの作成方法

注意: この機能は、Oracle以外のデータベースでは使用できません。Oracle以外のデータベースを使用している場合は、データベース管理者に連絡してデータベースに必要なユーザーIDを作成するように依頼してください。

新規データベース・ユーザーに対するEULの作成に必要な権限の詳細は、「OracleデータベースにおけるEnd User Layerの作成に必要な権限」を参照してください。

新規データベース・ユーザーにEULを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ツール」→「EULマネージャ」を選択すると、「EULマネージャ」ダイアログが表示されます。

  2. 「新しいEULを作成」をクリックすると、「EUL作成ウィザード」ダイアログが表示されます。

  3. 「新規ユーザーを作成」オプションを選択します。

    「新規ユーザーを作成」オプションが使用できない場合は、データベース管理者に連絡してCREATE USER権限の付与を依頼してください(詳細は、「Oracle以外のデータベースにおけるEnd User Layerの作成に必要な権限」を参照)。

  4. 「PUBLICにEULアクセス権を付与」チェック・ボックスを、次のように選択または選択解除します。

    • 現行データベースのすべてのユーザーに新規EULへのアクセスを許可する場合は、このチェック・ボックスを選択します。

    • 新規EULによるデータの表示をEUL所有者にのみ許可する場合は、このチェック・ボックスを選択解除します。

    注意: セキュリティを重視する場合は、このチェック・ボックスを選択解除することをお薦めします。

  5. 必要に応じて、「新規EULはOracle Applicationsユーザー用のみ」チェック・ボックスを選択または選択解除します。

    • 新規EULの使用をOracle Applicationsユーザーのみに制限する場合は、このチェック・ボックスを選択します(アプリケーション・モードEULの詳細は、「Oracle Applications」を参照)。

    • 標準EULを作成する場合は、このチェック・ボックスを選択解除します。

    注意: ここでの選択は、最終的な選択です。標準的なEULをOracle Applications EULに変更することはできません(逆の変更もできません)。

  6. 「ユーザー」フィールドに新規データベース・ユーザーの名前を指定します。

  7. 「パスワード」フィールドに新規データベース・ユーザーのパスワードを指定します。

    Oracleデータベースでは、パスワードの大文字と小文字が区別されます(Enterprise Editionリリース11.1以降の場合)。

  8. 「パスワードの確認」フィールドに新規データベース・ユーザーのパスワードを再度指定します。

  9. 「次へ」をクリックすると、「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログが表示されます。

    図4-3 「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログ

    図4-3の説明は前後にあります。
  10. 新規データベース・ユーザーのデフォルト表領域および一時表領域を指定します。

    どれを選択するか不明な場合は、データベース管理者に問い合せてください。詳細は、「「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログ」を参照してください。

  11. 「終了」をクリックします。

    Discoverer AdministratorによってEULの作成を示す進行状況バーが表示され、新規データベース・ユーザーとそのデータベース・ユーザーに対する新規EULが作成されます。

    新規データベース・ユーザーとEULが作成されると、新規EULにDiscovererのサンプル・データをインストールするオプションが提供されます。詳細は、第27章「Discovererのサンプル・データEUL、データおよびワークブックのインストール」を参照してください。

4.10 End User Layerの削除方法

様々な理由から、EULの削除が必要になる場合があります。たとえば、古いEULやテストEULの場合です。

注意: 削除するEULの所有者として接続する必要があります。

EULを削除する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「接続」を選択すると、「接続」ダイアログが表示されます。

  2. 削除するEULの所有者のユーザー名、パスワードおよびTNS別名を指定して「接続」をクリックすると、「ロード・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

  3. 「取消」をクリックしてロード・ウィザードを終了します。

  4. 「ツール」→「EULマネージャ」を選択します。

  5. 「既存のEULを削除」をクリックすると、「EULの削除」ダイアログが表示されます。

    現行のEULを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。

  6. 「EUL」フィールドに指定されたEULが削除対象のEULであることを確認して、「OK」をクリックします。

    表示されたEUL名が正しくない場合はステップ2に戻って、正しいTNS別名を使用してEUL所有者として接続します。

    「OK」をクリックすると、すべてのEULテーブルを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。これにより、データベース内のすべてのEUL情報およびワークブックが削除されます。サマリー・データとサマリー情報もすべて削除されます。

  7. 「はい」をクリックして続行します。

  8. 「OK」をクリックしてEULを削除します。

    Discovererによって、現行データベース・ユーザーのEULオブジェクトが削除されます。

4.11 デフォルトEnd User Layerを表示または変更する方法

現行データベース・ユーザーのデフォルトEUL (つまり、現行データベース・ユーザーがDiscoverer Administratorに接続するときに使用されるEUL)を表示したり、どのEULをデフォルトEULにするかを変更できます。

注意: データベース・ユーザーが複数のEULへのアクセス権を持っている場合は、代替EULのみを選択できます。

デフォルトEULを表示または変更する手順は、次のとおりです。

  1. 「ツール」→「オプション」→「デフォルトEUL」タブを選択すると、「オプション」ダイアログの「接続」タブが表示されます。

  2. (オプション)次に現行データベース・ユーザーとして接続するときに使用するEULをクリックして、「OK」をクリックします。

4.12 エクスポートとインポートによるEULおよびEULオブジェクトのコピー

通常は、次の操作を行います。

次の操作を行うかどうかに応じて、EULおよびEULオブジェクトをコピーする方法が異なります。

3つのケースいずれの場合も、インポート操作の後にエクスポート操作を実行します。詳細は、「使用するエクスポート/インポート方法」を参照してください。

Discoverer Administratorを使用してEULまたはEULオブジェクトをエクスポートする場合は、Discoverer EULエクスポート・ファイルを(拡張子EEXで)作成します。EEXファイルを作成したら、Discoverer Administratorを使用してEEXファイルをインポートできます。

次のようなEEXファイルをインポートできることに注意してください。

4.13 使用するエクスポート/インポート方法

EUL間でEULオブジェクトをコピーするには、まずEULオブジェクトをファイルにエクスポートしてから、新規EULまたは新規データベースにインポートします。

次のものを使用して、EUL間でEULオブジェクトをコピーします。

4.13.1 Discovererのエクスポート・ウィザードおよびインポート・ウィザードの使用

Discovererのエクスポート・ウィザードを使用して、EULオブジェクトをEULエクスポート・ファイル(拡張子EEX)にエクスポートします。オブジェクトをエクスポートしたら、Discovererのインポート・ウィザードを使用してEEXファイルをインポートできます。

(EEXファイルに)エクスポートするEULオブジェクトとしては、ビジネスエリア、フォルダ、アイテム階層、日付階層、アイテム・クラス、ワークブック定義(Discoverer DesktopおよびDiscoverer Plusで作成)、PL/SQLファンクション登録情報、サマリー・フォルダおよび自動サマリー管理(ASM)ポリシーなどがあります。

Discovererのユーザー・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポートまたはインポートの詳細は、次の項目を参照してください。

注意: エクスポート・ウィザードでは、データベース、EULテーブルまたはEULによって参照されるデータベース・オブジェクトはエクスポートされません。これらのオブジェクトをエクスポートするには、「標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法」の手順に従う必要があります。

4.13.2 Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポート/インポート

Discovererコマンドライン・インタフェースを使用して、Discovererのユーザー・インタフェースを使用せずにEULオブジェクトをエクスポート/インポートします。Discovererコマンドライン・インタフェースの詳細は、「Oracle Business Intelligence Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照してください。

Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポートまたはインポートの詳細は、次の項目を参照してください。

注意: Discovererコマンドライン・インタフェースのエクスポート機能では、データベース、EULテーブルまたはEUL定義によって参照されるデータベース・オブジェクトはエクスポートされません。これらのオブジェクトをエクスポートするには、「標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法」の手順に従う必要があります。

4.13.3 データベース・エクスポート/インポート・コマンドによる完全なEULのエクスポート/インポート

標準データベース・エクスポート/インポート・コマンドを使用して、データベース、EULテーブルおよびEUL定義によって参照されるデータベース・オブジェクトをエクスポート/インポートします。

次の作業を実行して、EULをユーザー間でエクスポート/インポートします。

EULのエクスポート方法またはインポート方法は、次の項目に応じて異なります。

  • ユーザーのマシンにインストールされているOracleクライアント・ソフトウェアのリリース

  • EULが存在するOracleデータベースのリリース

OracleデータベースのリリースとユーザーのマシンにインストールされたOracleデータベース・クライアント・ソフトウェアのリリースを同じにすることをお薦めします。リリースが異なる場合(EULがOracle9iデータベースにあり、Oracle10gクライアント・ソフトウェアがマシンにインストールされている場合など)は、以降の指示に従うことができない可能性があります。EULをエクスポートできない場合は、データベース管理者に連絡し、EULをエクスポートするように依頼してください。

4.14 Discovererのエクスポート・ウィザードによるEUL全体のエクスポート方法

このオプションは、EULのオブジェクトを新規EULにコピーするとき、あるいはバックアップを作成するときにEUL全体をファイルにエクスポートする場合に使用します。

Discovererのエクスポート・ウィザードを使用してEUL全体をエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「エクスポート」を選択すると、「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

    図4-4 「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログ

    図4-4の説明は前後にあります。
  2. 「End User Layer全体」オプションを選択して「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2/3」ダイアログが表示されます。

    図4-5 「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ

    図4-5の説明は前後にあります。

    前述のダイアログを使用して、エクスポート・ファイルの名前と場所を指定します。

  3. 「参照」をクリックすると、「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

    EULエクスポート・ファイルを保存する場所を参照します。

  4. エクスポートするEULの適切な名前を入力します。

  5. (オプション)「エクスポートしたワークブックのXMLを生成」チェック・ボックスを選択して、XMLフォーマットのワークブック定義をすべて保存します。

    注意: エクスポート・ファイル(*.EEX)は常にXMLフォーマットですが、時間と領域を節約するため、ワークブックはデフォルトではエクスポート・ファイル内部にバイナリ・フォーマットで保存されます。ワークブック定義をエクスポート・ファイル内部にXMLとして追加保存するには、このチェック・ボックスを選択します。

  6. (オプション)「エクスポート・コマンドをテキスト・ファイル(*.txt)に保存」チェック・ボックスを選択して、このエクスポートを作成したエクスポート・コマンドをテキスト・ファイルに保存します。

    これによって、このエクスポート作成に使用されたコマンドを含む追加ファイルが作成され、ファイル拡張子txtが適用されます。その後、このファイルはコマンドライン・インタフェースと併用できるようになります(コマンドライン・インタフェースの詳細は、第22章「Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照)。

  7. 「終了」をクリックすると、指定された場所にエクスポート・ファイル(および選択された追加ファイル)が作成され、「エクスポート・ログ」が表示されます。

    図4-6 「エクスポート・ログ」ダイアログ

    図4-6の説明は前後にあります。

    「エクスポート・ログ」には、エクスポート内容の情報が表示されます。

  8. (オプション)「保存」をクリックして名前と場所を指定し、ログ・ファイルを保存します。

  9. 「閉じる」をクリックして完了します。

4.15 エクスポート・ウィザードによる選択されたビジネスエリアのエクスポート方法

このオプションは、エクスポート・ファイルを使用して、既存EULを選択したビジネスエリアで更新する場合に使用します。

エクスポート・ウィザードを使用して選択したビジネスエリアをエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「エクスポート」を選択すると、「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

    図4-7 「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログ

    図4-7の説明は前後にあります。
  2. 「選択したビジネスエリア」オプションを選択して「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ(選択したビジネスエリアのエクスポート)が表示されます。

  3. エクスポートするビジネスエリアを「選択可能」リストから「選択済」リストに移動します。

    [Ctrl]キーを押しながら他のビジネスエリアをクリックすると、一度に複数のビジネスエリアを選択できます。

  4. 「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2/3」ダイアログが表示されます。

  5. 「参照」をクリックすると、「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

    ビジネスエリアのエクスポート・ファイルを保存する場所を参照します。

  6. エクスポートするビジネスエリアの適切な名前を入力します。

  7. (オプション)「エクスポートしたワークブックのXMLを生成」チェック・ボックスを選択して、XMLフォーマットのワークブック定義をすべて保存します。

  8. (オプション)「エクスポート・コマンドをテキスト・ファイル(*.txt)に保存」チェック・ボックスを選択して、このエクスポートを作成したエクスポート・コマンドをテキスト・ファイルに保存します。

    これによって、このエクスポート作成に使用されたコマンドを含む追加テキスト・ファイルが作成され、ファイル拡張子txtが適用されます。その後、このファイルはコマンドライン・インタフェースと併用できるようになります(コマンドライン・インタフェースの詳細は、第22章「Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照)。

  9. 「終了」をクリックすると、指定された場所にエクスポート・ファイル(および選択された追加ファイル)が作成され、「エクスポート・ログ」が表示されます。

    図4-8 「エクスポート・ログ」ダイアログ

    図4-8の説明は前後にあります。

    「エクスポート・ログ」には、エクスポート内容の情報が表示されます。

  10. (オプション)「保存」をクリックして名前と場所を指定し、ログ・ファイルを保存します。

  11. 「閉じる」をクリックして完了します。

    注意: EUL間でビジネスエリアをコピーしている場合は、「EUL間のビジネスエリアのコピー方法」のステップ2に進んでください。

4.16 エクスポート・ウィザードによる選択されたEULオブジェクトのエクスポート方法

このオプションは、エクスポート・ファイルを使用して、既存EULを選択したEULオブジェクトで更新する場合に使用します。たとえば、運用中のビジネスエリアに小規模な変更を適用するときなどです。

エクスポート・ウィザードを使用して選択したオブジェクトをエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「エクスポート」を選択すると、「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

  2. 「End User Layer上の選択したオブジェクト」オプションを選択して「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ(選択したオブジェクトのエクスポート)が表示されます。

    図4-9 「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ

    図4-9の説明は前後にあります。
  3. 「エクスポートするオブジェクトを指定してください」ドロップダウン・リストを使用して、ファイルにエクスポートするEULオブジェクト・タイプを表示します。

    たとえば、フォルダ、アイテム・クラスおよびアイテム階層です。

    注意: ここでビジネスエリアを選択すると、Discovererではビジネスエリアの定義のみがエクスポートされ、フォルダとアイテムはエクスポートされません。ビジネスエリアのフォルダとアイテムをエクスポートするには、明示的に選択する必要があります。

  4. エクスポートするオブジェクトを「選択可能」リストから「選択済」リストに移動します。

    [Ctrl]キーを押しながら他のオブジェクトをクリックすると、一度に複数のオブジェクトを選択できます。

  5. 「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ(選択したビジネスエリアのエクスポート)が表示されます。

  6. 「参照」をクリックすると、「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

    エクスポート・ファイルを保存する場所を参照します。

  7. エクスポートするオブジェクトの適切な名前を入力します。

  8. (オプション)「エクスポートしたワークブックのXMLを生成」チェック・ボックスを選択して、すべてのワークブックをXMLフォーマットで保存します。

  9. (オプション)「エクスポート・コマンドをテキスト・ファイル(*.txt)に保存」チェック・ボックスを選択して、このエクスポートを作成したエクスポート・コマンドをテキスト・ファイルに保存します。

    これによって、このエクスポート作成に使用されたコマンドを含む追加テキスト・ファイルが作成され、拡張子txtが適用されます。その後、このファイルはコマンドライン・インタフェースと併用できるようになります(コマンドライン・インタフェースの詳細は、第22章「Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照)。

  10. 「終了」をクリックすると、指定された場所にエクスポート・ファイル(および選択された追加ファイル)が作成され、「エクスポート・ログ」が表示されます。

    図4-10 「エクスポート・ログ」ダイアログ

    図4-10の説明は前後にあります。

    「エクスポート・ログ」には、エクスポート内容の情報が表示されます。

  11. (オプション)「保存」をクリックして名前と場所を指定し、ログ・ファイルを保存します。

  12. 「閉じる」をクリックして完了します。

4.17 Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのエクスポート方法

このオプションは、コマンドライン・インタフェースを使用して、EULオブジェクトをDiscovererエクスポート・ファイル(.EEX)にエクスポートし、このEEXファイルを(使用できる他のデータベースに)インポートすることにより、EULオブジェクトを通常1つのデータベースから他のデータベースにコピーする場合に使用します。これは、EULオブジェクトのコピーを可能にする2つの作業のうち、最初の作業です。EULオブジェクトをインポートするには、このエクスポート作業を完了する必要があります。

Discovererコマンドライン・インタフェースを使用してEULオブジェクトをエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. Discovererコマンドライン・インタフェースの/exportオプションを使用して、必要なEULオブジェクトをDiscovererエクスポート・ファイル(.EEX)にエクスポートします。

    たとえば、Video Store Tutorialビジネスエリアと2つのワークブック(「Vidstr5 - Video Tutorial Workbook」および「Vidaf5 - Analytic Function Examples」)をvidstr.eexファイルにエクスポートするには、次のように入力します。

    D:\orant\bin\dis51adm.exe /connect eulowner/eulowner@orcl.world /export
     "D:\vidstr.eex" "Video Store Tutorial" /workbook "Vidstr5 - Video Tutorial
     Workbook" /workbook "Vidaf5 - Analytic Function Examples"
    

    Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポートの詳細は、「/export (EULオブジェクト)」を参照してください。

注意: EULオブジェクトをデータベースにコピーして戻す方法については、「Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのインポート方法」を参照してください。

4.18 Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのインポート方法

このオプションは、EULオブジェクトを使用可能な新規データベースにインポートする場合に使用します。この作業を完了する前に、EULオブジェクトをDiscovererエクスポート・ファイル(.EEX)にエクスポートする必要があります(詳細は、「Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのエクスポート方法」を参照)。これは、EULオブジェクトのコピーを可能にする2つの作業のうち、2番目の作業です。

Discovererコマンドライン・インタフェースを使用してEnd User Layerオブジェクトをインポートする手順は次のとおりです。

  1. Discovererコマンドライン・インタフェースの/importオプションを使用して、新規EUL所有者にEULオブジェクトをインポートします。

    たとえば、前述の方法で作成されたvidstr.eexファイルをインポートするには、次のように入力します。

    D:\orant\bin\dis51adm.exe /connect eulowner/eulowner@orcl.world /import
     "D:\vidstr.eex"
    

    Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのインポートの詳細は、「/import (EULオブジェクト)」を参照してください。

4.19 標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法

このオプションは、すべてのビジネスエリア、EULテーブルおよび保存済ワークブックをデータベース・ダンプ・ファイル(.DMP)にエクスポートする場合に使用します。

標準データベース・エクスポート・ユーティリティを使用してEULをエクスポートする手順は次のとおりです(EULがOracleデータベース(リリース9.2.0.7以降)上に存在し、Oracle Developer Suiteをインストール済のマシンを使用していることを前提とします)。

  1. コマンドライン・ウィンドウを表示します(例: Windowsの「スタート」メニューから「コマンド プロンプト」を選択)。

  2. EULをエクスポートする場所までナビゲートします。

  3. 次のコマンドを入力します。

    exp <eulowner>/<password>@<dbname> file=<filename.dmp> owner=<eulowner>
    

    たとえば、データベース・ユーザーhrmgrが所有するEULをhreul.dmpファイルにエクスポートするには、次のように入力します。

    exp hrmgr/hrpswrd@HRDB file=hreul.dmp owner=hrmgr
    

    EULテーブル(および関連するシノニム、ビューおよびその他の定義)がD:\ORACLE10ディレクトリの指定されたdmpファイルにエクスポートされます。

    エクスポートが完了すると、Discovererによって次のメッセージが表示されます。

    エクスポートは警告なしで正常に終了しました。

  4. コマンドライン・ウィンドウを閉じます。

EULがエクスポートされ、EULを新規データベース・ユーザーにインポートする準備が整いました。

4.20 標準データベース・インポート・ユーティリティによるEULのインポート方法

このオプションは、データベースのダンプ・ファイル(.DMP)からEULビジネスエリア、EULテーブルおよび保存済ワークブックを新規データベースの新規EUL所有者にインポートする場合に使用します。

注意: このデータベース・ユーザーには他のテーブルを所有させないことをお薦めします。

標準データベース・インポート・ユーティリティを使用してEULをインポートする手順は次のとおりです(EULがOracleデータベース(リリース9.2.0.7以降)上に存在し、Oracle Developer Suiteをインストール済のマシンを使用していることを前提とします)。

  1. コマンドライン・ウィンドウを表示します(例: Windowsの「スタート」メニューから「コマンド プロンプト」を選択)。

  2. EULをインポートする場所までナビゲートします。

  3. 次のコマンドを入力します。

    imp <eulowner>/<password>@<dbname> file=<filename.dmp> fromuser=<old_eul
    _owner> touser=<new_eul_owner>
    

    たとえば、データベース・ユーザーhrmgrが所有するhreul.dmpファイルのEULを新規ユーザーhrmgr2にインポートするには、次のように入力します。

    imp hrmgr2/hrpswrd@HRDB file=hreul.dmp fromuser=hrmgr touser=hrmgr2
    

    EULテーブル(および関連するシノニム、ビューおよびその他の定義)がD:\ORACLE10ディレクトリの指定されたdmpファイルからインポートされます。

    インポートが完了すると、Discovererによって次のメッセージが表示されます。

    インポートは警告なしで正常に終了しました。

  4. コマンドライン・ウィンドウを閉じます。

    注意: Discovererでは、一意の参照番号を使用してEULを識別します。ただし、データベース・エクスポート/インポート・ユーティリティを使用してEULをコピーすると、新規EULは(参照番号も含めて)コピー元のEULと同一になります。複数のEULが同じ参照番号を所有すると、次の操作を両方行った場合に、EULの整合性の問題が起こることがあります。

    • コピー元のEULと新規EULの両方でオブジェクトを変更する操作

    • 両方のEULでオブジェクトを変更した後、Discovererのエクスポート・ウィザードおよびインポート・ウィザード(あるいはDiscovererの/exportコマンドおよび/importコマンド)を使用して、2つのEUL間でオブジェクトをコピーしようとする操作

    EULの整合性の問題が起こる可能性を回避するには、新規EULの所有者としてeul5_id.sqlスクリプトを実行します。eul5_id.sqlスクリプトによって新規EULに新しい参照番号が与えられることにより、EULの整合性の問題が起こる可能性が回避されます。

  5. 次の手順に従ってeul5_id.sqlスクリプトを実行します。

    1. SQL*Plusを起動し(まだ実行されていない場合)、新規EULの所有者として接続します。

      SQL*Plusがすでに実行されている場合は、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

      SQL> connect hrmgr2/hrmgr2@database;
      

      hrmgr2はEUL所有者、hrmgr2はEUL所有者のパスワードです。

    2. eul5_id.sqlスクリプトを実行します。

      たとえば、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

      SQL> start d:\<ORACLE_ HOME>\discoverer\util\eul5_id.sql
      

      <ORACLE_HOME>はDiscoverer Administratorがインストールされている場所です。

      eul5_id.sqlスクリプトによって新規EULに新しい一意の参照番号が与えられることにより、EULの整合性の問題が起こる可能性が回避されます。

    3. SQL*Plusセッションを終了します。

注意

4.21 インポート・ウィザードによるファイルからのEULオブジェクトのインポート方法

このオプションは、EULオブジェクト(ビジネスエリア、フォルダ、階層、計算など)を1つのEULからインポートして他のEULで再利用する場合に使用します。選択したEULオブジェクトで既存EULを更新するには、エクスポート・ファイル(.EEX)を使用します。たとえば、運用中のビジネスエリアに変更を適用するときなどです。EULオブジェクトのエクスポートの詳細は、「エクスポートとインポートによるEULおよびEULオブジェクトのコピー」を参照してください。

インポート・ウィザードを使用してファイルからEULオブジェクトをインポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「インポート」を選択すると、「インポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

    図4-11 「インポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログ

    図4-11の説明は前後にあります。
  2. 「追加」をクリックすると、「開く」ダイアログが表示されます。

  3. 1つ以上のインポート・ファイルの位置を特定して選択し、「開く」をクリックして「インポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログに戻ります。

    選択されたファイルが「インポート・ファイル」リストに表示されます。

  4. 「次へ」をクリックすると、「インポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログが表示されます。

    図4-12 「インポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ

    図4-12の説明は前後にあります。

    このダイアログでは、Discoverer Administratorが他のEULからの一致オブジェクトを処理する方法を指定できます。他のEULからの一致オブジェクトの詳細は、「識別子」を参照してください。

  5. 2つのオブジェクトが一致した場合に発生する処理を指定します。

    オブジェクトとは、フォルダ、アイテム、計算定義アイテムなどの任意のEULオブジェクトです。

  6. 表示関連プロパティを保持するかどうかを指定します(「オブジェクトをリフレッシュ」オプションが選択されている場合のみ使用可能)。

  7. オブジェクトの比較方法を指定します。

  8. 現行ユーザーがインポートされたワークブックを所有するかどうかを指定します。

  9. 「次へ」をクリックすると、「インポート・ウィザード: ステップ3」ダイアログが表示されます。

    図4-13 「インポート・ウィザード: ステップ3」ダイアログ

    図4-13の説明は前後にあります。

    このダイアログでは、インポートを開始して、各EULオブジェクトが処理されるときの状態を監視できます。

  10. 「開始」をクリックしてインポートを開始します。

    ヒント: 「取消」をクリックすると、インポートをいつでも中止できます。たとえば、「インポート・ログ」に警告メッセージが表示された場合などは、インポートの中止が必要になることがあります。

  11. (オプション)インポートの完了後に「ログの保存」をクリックすると、ログ情報が指定した場所にテキスト・ファイルとして保存されます。

  12. 「終了」をクリックして、「インポート・ウィザード: ステップ3」ダイアログを閉じます。

注意

4.22 EULの作成とメンテナンスに関する注意

この項では、EULの作成とメンテナンスに関する注意について説明します。

4.22.1 識別子

識別子とは、Discoverer Administratorが一意なEULオブジェクト(およびDiscoverer PlusとDiscoverer Viewerのワークブック・オブジェクト)を識別するために使用する一意な名前です。

Discoverer Administratorは、他のEULからインポートされたオブジェクトがインポート先のEULの同じビジネス・オブジェクトを参照している場合に、識別子を使用して認識します。識別子によって、カスタマイズ(またはパッチ)が行われたEULオブジェクトが保持されます。たとえば、EUL Aの「Sales」という名前のフォルダが、EUL Bの「Sales Figures」という名前の同じフォルダを参照する場合があります。どちらのフォルダも同じ識別子を持っているため、同じEULオブジェクトを参照しているものとして認識されます。

識別子はDiscoverer Administratorでは表示されますが、Discoverer Plusユーザーには表示されません。

一般に、識別子を変更する必要はありません。むしろ、EULオブジェクト間の関係に影響する可能性があるため、識別子は変更しないでください。ただし、識別子の変更が必要となる場合もあります。たとえば次のような場合です。

  • 命名規則に厳密に従う場合

  • 特定の識別子を持つオブジェクトを再度作成する場合(オブジェクトがEULから誤って削除され、同じ識別子で再度作成する必要がある場合など)

Discovererの今後のリリースでは、識別子に使用できる有効な文字が変更されます。次の各文字は、Discovererの今後のリリースでも識別子での使用がサポートされます。

  • 大文字のAからZまで

  • 小文字のaからzまで

  • 数字の0から9まで

  • アンダースコア文字(_)

次の各文字は、Discovererの今後のリリースではサポートされません。

  • 感嘆符(!)

  • チルダ記号(~)

  • アスタリスク記号(*)

  • 左カッコおよび右カッコ文字((および))

  • 一重引用符(')

  • ハイフン文字(-)

このリリースに関する注意事項

  • サポートされない文字が含まれる識別子を作成すると、警告が表示されます。

  • サポートされない文字が含まれる識別子を持つEEXファイルをインポートすると、「インポート・ログ」に警告が表示されます。

  • サポートされない文字が含まれる識別子を持つEULをアップグレードした場合、無効な文字が含まれる識別子を示すメッセージが表示されます。

サポートされない文字を使用した識別子は変更不要です。今後のリリースでは、これらの識別子が自動的に変更されるようになります。

注意: Discoverer Plusのワークブックまたはワークシートの識別子の位置を特定するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』を参照してください。

4.22.2 一般的なEULの領域要件および記憶域パラメータ

「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログで推奨されるデフォルト表領域の最小値である3MBは、EULに対するデータベース・オブジェクトの作成時にEULが指定する記憶域パラメータに基づいています。チュートリアルをインストール済の場合は、3MBを超えます。

新しく作成されたEULには、次の領域要件があります。

  • チュートリアル・データがない場合は約2.8MB

  • チュートリアル・データがある場合は約3.8MB

実際に使用される領域は、EULが作成される表領域に指定されたブロック・サイズなどの他の要因によって異なります。

目安として、一般的なビジネスエリアをEULに追加すると、EULのサイズが1MB増加します。ビジネスエリアが複雑なほど(サマリー・フォルダが多く、複雑なアイテムが含まれる場合など)、ビジネスエリアで必要とされる領域も多くなります。

通常は10-20MBのデフォルト表領域で十分ですが、必要なデフォルト表領域はEULを定義するメタデータの量によって決定されます。したがって、必要なデフォルト表領域は、選択した表領域で使用できる量とは異なる場合があります。

EULテーブルのデータベース・テーブル記憶域パラメータは、次のとおりです。

  • EUL5_DOCUMENTSおよびEUL5_QPP_STATSは、次の記憶域パラメータで作成されます。

    STORAGE  ( 
        INITIAL  1064960 
        NEXT  1024000 
        PCTINCREASE  0 
        )
    
  • 他のすべてのEULテーブルは、次の記憶域パラメータで作成されます。

    STORAGE  ( 
        INITIAL  1064960 
        NEXT  81920 
        PCTINCREASE  0 
        )
    

EUL索引のデータベース索引記憶域パラメータは、次のとおりです。

STORAGE  ( 
    INITIAL  4096
    NEXT  8192
    PCTINCREASE  0 
    )

EULが領域を多く使用する原因には2つの要素があります。

  • ブロック・サイズ

    Discovererによって初期エクステント4096が索引に指定されますが、サーバーは常に最小2ブロックをセグメントに割り当てます。したがって、ブロック・サイズが2Kを超えると、索引はDiscovererの計算より多くの領域を使用します。

  • 表領域の最小エクステント設定

    表領域の作成時には、作成される任意のエクステントに最小エクステントを指定できます。この最小サイズが初期エクステント・サイズを超えた場合は初期エクステント・サイズがオーバーライドされるため、EULオブジェクトはDiscovererの計算より多くの領域を使用します。

4.22.3 最初のEUL開発および継続的なメンテナンスの推奨ワークフロー

EULの作成およびメンテナンスのライフサイクルには、一般に3つの手順があります。

ステップ1: 開発環境での新規EULのプロトタイプ作成および設計

Discovererマネージャは通常、新規EULの最初の部分の作成を、本番データベース上ではなく開発環境で行うことを望みます。開発環境には、本番データベースで使用するものと同じデータ・テーブルが用意されている必要があります。

EULを開発環境で作成することにより、本番システムのパフォーマンスを低下させずにビジネスエリア設計を開発できます。

ビジネスエリア、フォルダおよびアイテムの作成後は、プロトタイプ・ワークブックを作成できます。これらのプロトタイプは、開発環境でエンド・ユーザーの代表者に確認してもらいます。ワークブック定義で合意が得られたら、開発環境データベースに保存します。

ステップ2: 開発環境から本番環境への新規EULの移動

作成者とエンド・ユーザー代表者の双方がEULに満足したら、EULを開発環境から本番データベースに移動する準備が整います。

初めてEULを開発環境から本番データベースに移動するときは、データベース・エクスポート/インポート・ツールの使用をお薦めします。開発環境データベースからEULスキーマのデータベース・エクスポートを行い、このEULスキーマを本番データベースにインポートします。

EULを本番データベースにインポートできたら、eul5_id.sqlスクリプトを実行して新規EULに一意の参照番号を付けます。eul5_id.sqlスクリプトの実行方法の詳細は、「標準データベース・インポート・ユーティリティによるEULのインポート方法」を参照してください。

eul5_id.sqlスクリプトを実行することにより、Discovererのエンド・ユーザー・コミュニティ全体に、このEULへのアクセス権を付与できます。

ステップ3: 新規要望に応じるためのEULの変更

組織内でEULをロールアウトすると、通常EUL定義の変更に対する要望が出されるようになります。

EULを変更する場合は、開発環境で変更を行ってから、Discovererのエクスポート/インポート・ツールを使用して、変更を本番環境に移動することをお薦めします。

EULのメンテナンス方法としては前述の手順をお薦めしますが、失いたくない更新が本番環境で行われていることもあります。その場合は、次の手順に従ってください。

  1. Discovererのエクスポート/インポート・ツールを使用して、更新を本番環境から開発環境に移動します。

    注意: この時点以降に本番環境に対して行われた変更は失われます。したがって、移動期間中は本番環境を読取り専用モードで使用することをお薦めします。

  2. 開発環境で必要な変更を行います。

  3. Discovererのエクスポート/インポート・ツールを使用して、変更を本番環境に戻します。

4.22.4 Discovererワークブック・ダンプ・ユーティリティの使用

Discoverer Administratorには、ワークブック・ダンプ・ユーティリティ(d51wkdmp.exe)が付属しています。このユーティリティを使用すると、Discoverer Desktopでワークブックを開かずに、ワークブックで使用するEUL要素を検査できます。このユーティリティは、ワークブックが開かない(結合の欠落など)場合は特に便利です。

ワークブックを分析するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウからd51wkdmp.exeファイルを実行します。d51wkdmp.exeファイルは、%ORACLE_HOME%\binディレクトリにあります。

ワークブック・ダンプ・ユーティリティを使用するための構文は、次のとおりです。

d51wkdmp <Workbook_Name> <Output_File> <DB|FS> <Connect_String> <Eul_Schema> -f

次の表に、パラメータの詳細を示します。

パラメータ 必須/オプション 説明
<Workbook_Name> 必須 検査するワークブックの名前(ワークブックがファイル・システムに格納されている場合は、パスを指定します)。
<Output_File> 必須 出力を書き込むファイル。
<DB|FS> 必須 DB = データベースからワークブックを開きます。

FS = ファイル・システムからワークブックを開きます。

<Connect_String> 必須 ユーザー名、パスワードおよびデータベースSIDの組合せ(user/passwd@databaseなど)。
<Eul_Schema> 必須 EULテーブルを所有するデータベース・ユーザーの名前。
-f オプション 指定されたEULで要素を検索できるかどうかを含め、ワークブックで使用するEULオブジェクトに関する詳細を出力するためのパラメータ。

次の点に注意してください。

  • 接続文字列またはワークブック名に空白が使用されている場合は、接続文字列またはワークブック名を二重引用符で囲みます。

  • パラメータは、前述の順番で指定します。

  • 接続文字列で指定したユーザー名によってワークブックが所有されている場合は、データベースに保存されているワークブックのみを分析できます。

  • eul_schemaパラメータは、大文字/小文字を正しく指定する必要があります。つまり、ユーザーSDCがEULを所有している場合は、「SDC」と入力する必要があります。「sdc」と入力すると、次のエラー・メッセージが表示されます。

    接続エラー - EULスキーマにアクセスできません。EULテーブルを含むデフォルト・スキーマまたは指定スキーマにアクセスできません。

次の例では、Discovererチュートリアルの一部として付属しているVideo Tutorial Workbookを使用して、ワークブック・ダンプ・ユーティリティの出力を示します。

例1: 次のコマンドは、Video Tutorial Workbookの内容をvideo.txtファイルに出力します。この例では、-fオプションを使用しません。

d51wkdmp "Video Tutorial Workbook" video.txt DB disco/disco@orcl.world disco

video.txtファイルの内容は、次のとおりです。

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
Sheet Number 1 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
 Sheet Name = Tabular Layout 
 Sheet Unique Name = {8690F66A-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89} 
 Query(s) used =  
 Query 1 
  Items :- 
  EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year 
  EUL Item - Video Analysis Information.Department 
  EUL Item - Video Analysis Information.Region 
  Calculation - Profit SUM 
  Sort On   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
  Filters :- 
  EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video
 Sale 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
Sheet Number 2 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
 Sheet Name = Crosstab Layout 
 Sheet Unique Name = {8690F66B-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89} 
 Query(s) used =  
 Query 2 
  Items :- 
  EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year 
  EUL Item - Video Analysis Information.Department 
  EUL Item - Video Analysis Information.Region 
  Calculation - Profit SUM 
  Filters :- 
  EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video
 Sale 
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

例2: 次のコマンドは、Video Tutorial Workbookの内容をvideo.txtファイルに出力します。この例では、-fオプションを使用します。

d51wkdmp "Video Tutorial Workbook" video.txt DB disco/disco@orcl.world disco -f

video.txtファイルの内容は、次のとおりです。

EUL Item Reference 
   IoId = 16 
   Id = 100177 
   Identifier = REGION 
   Name = Region 
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION 
   Folder Name = Video Analysis Information 
   *** Found in EUL by Identifier *** 
  EUL Item Reference 
   IoId = 24 
   Id = 100153 
   Identifier = DEPARTMENT 
   Name = Department 
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION 
   Folder Name = Video Analysis Information 
   *** Found in EUL by Identifier *** 
  EUL Item Reference 
   IoId = 32 
   Id = 100175 
   Identifier = PROFIT 
   Name = Profit 
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION 
   Folder Name = Video Analysis Information 
   *** Found in EUL by Identifier *** 
  EUL Private Item 
   Id = -105 
   Name = Profit SUM 
   Identifier = 1 
   Desc = Total profit for one store, one product in one day 
   DataType = 2 
   Placement = 1 
   Hidden = 0 
   IsACalc = 0 
   IOFormula = [1,1]([6,32])    DisplayFormula = SUM(Profit) 
  EUL Item Reference 
   IoId = 41 
   Id = 100139 
   Identifier = CALENDAR_YEAR 
   Name = Calendar Year 
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION 
   Folder Name = Video Analysis Information 
   *** Found in EUL by Identifier *** 
  EUL Filter Reference 
   Id = 100218 
   Identifier = DEPARTMENT_IS_VIDEO_RENTAL_OR_VIDEO_SALE 
   Name = Department is Video Rental or Video Sale 
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION 
   Folder Name = Video Analysis Information 
   *** Found in EUL by Identifier *** 
  EUL Sort Item Reference 
   Item =   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
   Identifier = 14 
   Direction = 1 
  Query Request QR1 
   Distinct = 1 
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar
 Year 
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Department
 
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
   Measure Item Usage -  Name =   Calculation - Profit SUM 
   Sort Item Usage -  Name =   Sort On   EUL Item - Video Analysis
 Information.Region 
   Filter Usage -  Name =   EUL Filter - Video Analysis Information.Department
 is Video Rental or  Video Sale 
   Identifier = 58 
 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
 Sheet Number 1 
 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
  Sheet Name = Tabular Layout 
  Sheet Unique Name = {8690F66A-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89} 
  Sheet Identifier = 7 
  Query(s) used =  
  Query 1 
   Items :- 
   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year 
   EUL Item - Video Analysis Information.Department 
   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
   Calculation - Profit SUM 
   Sort On   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
   Filters :- 
   EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video
 Sale 
 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
  Query Request QR2 
   Distinct = 1 
   Axis Item Usage -   Name =  EUL Item - Video Analysis Information.Calendar
 Year 
   Axis Item Usage -   Name =  EUL Item - Video Analysis Information.Department 
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
   Measure Item Usage -  Name =   Calculation - Profit SUM 
   Filter Usage -  Name =  EUL Filter - Video Analysis Information.Department is
 Video Rental or
 Video Sale 
   Identifier = 95 
 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
 Sheet Number 2 
 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 
  Sheet Name = Crosstab Layout 
  Sheet Unique Name = {8690F66B-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89} 
  Sheet Identifier = 12 
  Query(s) used =  
  Query 2 
   Items :- 
   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year 
   EUL Item - Video Analysis Information.Department 
   EUL Item - Video Analysis Information.Region 
   Calculation - Profit SUM 
   Filters :- 
   EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video
 Sale 
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

4.22.5 ロジカルおよびフィジカル・スタンバイ(読取り専用)データベースでのEULの作成

Discovererでは、パフォーマンスを向上させるために、エンド・ユーザーのクエリーに関する統計がEULに格納されます。そのため、EULが格納されているデータベースは書込み可能でなければなりません。つまり、ロジカルおよびフィジカル・スタンバイ(読取り専用)データベースでのEULの作成はサポートされていません。エンド・ユーザーには、次のものへの書込みアクセス権限を拒否します。

  • ビジネス・データ。読取り専用データベースにデータを保存し、EULが格納されている書込み可能なデータベースからデータベース・リンクを使用してそのデータにアクセスします。

  • EUL自体。どのユーザーにもワークブックの作成または編集権限を付与しないで、EUL所有者にのみ管理権限を付与します。