Javaオブジェクト・キャッシュ(JOC)は、Oracle Web Services Managerを実行しているすべてのサーバー間、およびOracle WebCenter Spacesを実行しているすべてのサーバー間で構成する必要があります。このローカル・キャッシュは、Oracle WSMおよびOracle WebCenter Spacesのパフォーマンスを向上させるために用意されています。
分散Javaオブジェクト・キャッシュは、MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py
スクリプトを使用して構成できます。これはPythonスクリプトであり、管理対象サーバーでJOCを構成するために使用できます。このスクリプトは、WLSTオンライン・モードで実行され、管理サーバーが稼働中であることが求められます。
Oracle製品にJOCポートを構成する場合は、9988から9998のポートを使用することをお薦めします。
注意: wlstコマンドまたはconfigure-joc.pyスクリプトを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成した後で、構成を有効にするために、影響を受ける管理対象サーバーをすべて再起動する必要があります。 |
使用方法
この項では、Oracle Web Services ManagerまたはOracle WebCenter Spacesに対して分散Javaオブジェクト・キャッシュを構成する方法を説明します。ADFやWebCenter Custom Appsなどのその他のアプリケーションの場合は、必要に応じて関連するホスト、ポートおよびクラスタ名を置き換えてください。
コマンドラインのOracle WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用して管理サーバーに接続します。
MW_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
$ connect()
プロンプトが表示されたら、Oracle WebLogicの管理ユーザー名とパスワードを入力します。
wlst
を使用して管理サーバーに接続したら、execfile
コマンドを次のように使用してスクリプトを起動します。
wls:/mydomain/serverConfig>execfile('MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py')
指定したクラスタのすべての管理対象サーバーに対してJOCを構成します。
クラスタ名を指定するかどうかが尋ねられたらyを入力し、プロンプトが表示されたらクラスタ名と検出ポートを指定します。これによって、指定したクラスタの管理対象サーバーがすべて検出され、JOCが構成されます。検出ポートはクラスタ内の全JOC構成に対して共通です。
Oracle Web Services Managerの場合:
Do you want to specify a cluster name (y/n) <y> Enter Cluster Name : WSM_Cluster Enter Discover Port : 9991
Oracle WebCenter Spacesの場合:
Do you want to specify a cluster name (y/n) <y> Enter Cluster Name : Spaces_Cluster Enter Discover Port : 9988
次に示すのは、高可用性環境でconfigure-joc.py
を使用する際の手順です。
Oracle Web Services Managerの場合:
execfile('MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py') . Enter Hostnames (eg host1,host2) : SOAHOST1, SOAHOST2 . Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y . Enter Cluster Name : WSM_Cluster . Enter Discover Port : 9991 . Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true . Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n
Oracle WebCenter Spacesの場合:
execfile('MW_HOME/oracle_common/bin/configure-joc.py') . Enter Hostnames (eg host1,host2) : APPHOST1, APPHOST2 . Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>y . Enter Cluster Name : Spaces_Cluster . Enter Discover Port : 9988 . Enter Distribute Mode (true|false) <true> : true . Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n> n
このスクリプトは、次のJOC構成の実行にも使用できます。
指定したすべての管理対象サーバーに対してJOCを構成します。
クラスタ名を指定するかどうかが尋ねられたらnを入力し、プロンプトが表示されたら管理対象サーバーと検出ポートを指定します。
Oracle Web Services Managerの場合:
Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>n Enter Managed Server and Discover Port (eg WLS_WSM1:9991, WLS_WSM1:9991) : WLS_WSM1:9991,WLS_WSM2:9991
Oracle WebCenter Spacesの場合:
Do you want to specify a cluster name (y/n) <y>n Enter Managed Server and Discover Port (eg WC_SPACES1:9988, WC_SPACES2:9988) : WC_SPACES1:9988,WC_SPACES2:9988
一部の管理対象サーバーに対してJOC構成を除外します。
スクリプトでは、JOC構成のDistributeModeがfalseに設定される管理対象サーバーのリストを指定できます。一部のサーバーをJOC構成から除外するかどうかが尋ねられたらyを入力し、プロンプトが表示されたら除外する管理対象サーバーの名前を入力します。
Oracle Web Services Managerの場合:
Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n>y Exclude Managed Server List (eg Server1,Server2) : WLS_WSM1,WLS_WSM3
Oracle WebCenter Spacesの場合:
Do you want to exclude any server(s) from JOC configuration (y/n) <n>y Exclude Managed Server List (eg Server1,Server2) : WC_SPACES1,WC_SPACES3
すべての管理対象サーバーに対して、分散モードを無効にします。
スクリプトでは、指定したクラスタの管理対象サーバーすべてに対して分散を無効にできます。分散モードを指定するように求められたら、falseを指定します。デフォルトでは、分散モードはtrueに設定されています。
第16章「HAパワー・ツールの使用」の説明に従って、Oracle WebLogic管理コンソールの「HAパワー・ツール」タブを使用してJavaオブジェクト・キャッシュを構成することもできます。
CacheWatcherユーティリティを使用してJavaオブジェクト・キャッシュ構成を検証します。第F.2項「CacheWatcherの実行」を参照してください。
CacheWatcherユーティリティを使用して、Javaオブジェクト・キャッシュの分散構成を検証できます。CacheWatcher自体が、キャッシュ・クラスタのメンバーになります。
この例では、クラスタ内の管理対象サーバーはWLS_Server1とWLS_Server2です。
WLS_Server1はAPPHOST1上で稼働しています。
APPHOST2上でCacheWatcherを起動します。WLS_Server2は停止している必要があります。
CacheWatcherを実行する手順は次のとおりです。
ORACLE_HOMEには、Oracle WebCenterのインストール場所を使用します。たとえば、MW_HOME/Oracle_WC1を使用します。
DOMAIN_HOMEには、MW_HOME/user_projects/domainsの下にあるドメインの場所のフルパスを使用します。
Server_Nameは、管理対象サーバー名を指します。たとえば、WLS_Server2です。CacheWatcherは、この管理対象サーバーが使用するのと同じjavacache.xml
ファイルを使用できます。
APPHOST2で次のコマンドを実行します。
"java -classpath ORACLE_HOME/modules/oracle.javacache_ 11.1.1/cache.jar:ORACLE_HOME/modules/oracle.odl_11.1.1/ojdl.jar oracle.ias.cache.CacheUtil watch -config=DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/<Server_Name>/javacache.xml
CacheWatcherのプロンプトで、lc
と入力して[Enter]を押します。
グループ・ビューが表示されます。
グループ・ビューは、キャッシュ・メンバーの数を示します。CacheWatcherの実行例を次に示します。
java -classpath MW_HOME/modules/oracle.javacache_11.1.1/ cache.jar:MW_HOME/modules/oracle.odl_11.1.1/ojdl.jar oracle.ias.cache.CacheUtil watch -config=DOMAIN_HOME /config/fmwconfig/servers/WLS_Server_Server/javacache.xml" cache> lc VID: 2 Size: 2 Column: 0123456789 CL: JJ GRP0: 11 ... Member Table: #1. J57161:145.87.9.15:86AAC2E:11B28D57BE4:-7FFE, 0 #2. J35578:145.87.9.14:-9E92850:11B28D5F7E0:-7FFF, 1
CacheWatcherを各ホストで起動した後、ビューから2つのメンバーを検索します。
注意: CacheWatcher自体は分散キャッシュ・インスタンスと見なされます。CacheWatcherシェルを終了するには、exit と入力して[Enter]を押します。 |