ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B60984-03
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

2 Oracle Fusion Middlewareの概念の概要

この章では、Oracle Fusion Middlewareの管理に関する概念について説明します。

2.1 Oracle Fusion Middlewareの主要概念の概要

Oracle Fusion Middlewareでは、2種類のコンポーネントが用意されています。

Javaコンポーネントとシステム・コンポーネントはピアです。

Oracle Fusion Middlewareをインストールして構成すると、Oracle Fusion Middleware環境には、次が含まれます。

図2-1に、Oracle Fusion Middleware環境を示します。この環境のOracle WebLogic Serverドメインには、1つの管理サーバー、2つの管理対象サーバーおよび1つのOracleインスタンスが含まれます。この環境にはメタデータ・リポジトリも含まれます。

図2-1 Oracle Fusion Middleware環境

図2-1の説明が続きます
「図2-1 Oracle Fusion Middleware環境」の説明

また、環境にはMiddlewareホームも含まれます。これは、Oracle WebLogic Serverホーム、および必要に応じてOracle共通ホームと1つ以上のOracleホームで構成されます。詳細は、第2.4項を参照してください。


注意:

Oracle Fusion MiddlewareをIBM Websphereとともに使用することもできます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareサード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

2.2 Oracle WebLogic Serverドメインとは

Oracle WebLogic Server管理ドメインは、論理的に関連付けられたJavaコンポーネントのグループです。ドメインには、管理サーバーと呼ばれる特別なWebLogic Serverインスタンスが含まれます。これは、ドメインのすべてのリソースを構成して管理する中核部分です。通常、管理対象サーバーと呼ばれるWebLogic Serverの追加インスタンスを含めて、ドメインを構成します。Webアプリケーション、EJB、Webサービスやその他のリソースなどのJavaコンポーネントを管理対象サーバーにデプロイし、構成および管理の目的にのみ管理サーバーを使用します。

ドメインの管理対象サーバーは、クラスタへのグループ化が可能です。

ドメインのディレクトリ構造は、WebLogic Serverホームのディレクトリ構造とは異なります。これは、どこにでも配置できます。Middlewareホームのディレクトリ内に配置する必要はありません。ドメインの最上位ディレクトリは、ドメイン・ホームと呼ばれます。

ドメインはOracleインスタンスのピアです。両方には、Oracleホームの外部にある特定の構成が格納されます。

図2-2に、1つの管理サーバー、3つのスタンドアロンの管理対象サーバー、およびクラスタ内に3つの管理対象サーバーが配置されているドメインを示します。

図2-2 Oracle WebLogic Serverドメイン

図2-2の説明が続きます
「図2-2 Oracle WebLogic Serverドメイン」の説明


関連項目:

ドメイン構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解を参照してください。

次の項では、ドメインのエンティティについて説明します。

2.2.1 管理サーバーとは

管理サーバーは、ドメイン全体の構成に対して中央制御エンティティとして機能します。ドメインのコンフィギュレーション・ドキュメントを保持し、コンフィギュレーション・ドキュメント内の変更を管理対象サーバーに配布します。管理サーバーは、ドメイン内のすべてのリソースを管理および監視する中央の場所として機能します。

各ドメインには、管理サーバーとして機能する1つのサーバー・インスタンスが必要です。

管理サーバーと対話するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールやOracle WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用するか、独自のJMXクライアントを作成します。さらに、一部のタスクには、Fusion Middleware Controlを使用できます。

Oracle WebLogic Server管理コンソールおよびFusion Middleware Controlは、管理サーバーで動作します。Oracle WebLogic Server管理コンソールは、管理サーバーや管理対象サーバーなど、Oracle WebLogic Serverドメインのリソース管理に使用するWebベースの管理コンソールです。Fusion Middleware Controlは、Oracle HTTP Server、Oracle SOA Suite、Oracle WebCenter、Oracle Portal、Oracle Identity Managementなどのコンポーネントを含めて、Oracle Fusion Middlewareの管理に使用するWebベースの管理コンソールです。


関連項目:

  • Fusion Middleware Controlの詳細は、第3.3項を参照してください。

  • Oracle WebLogic Server管理コンソールの詳細は、このマニュアルの第3.4項、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの紹介』およびOracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプを参照してください。


2.2.2 管理対象サーバーおよび管理対象サーバー・クラスタの概要

管理対象サーバーは、ビジネス・アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよびそれらに関連付けられたリソースをホストします。パフォーマンスを最適化するために、管理対象サーバーは、ドメインのコンフィギュレーション・ドキュメントの読取り専用コピーを保持しています。管理対象サーバーは、起動時にドメインの管理サーバーに接続し、そのコンフィギュレーション・ドキュメントを管理サーバーが保持するドキュメントに同期します。

ドメインを作成する場合、特定のドメイン・テンプレートを使用します。そのテンプレートは、Oracle SOA Suiteのような特定のコンポーネントまたはコンポーネントのグループをサポートします。ドメイン内の管理対象サーバーは、これらの特定のOracle Fusion Middlewareコンポーネントをホストするために作成されます。

Oracle Fusion MiddlewareのJavaコンポーネント(Oracle SOA Suite、Oracle WebCenter、一部のIdentity Managementコンポーネントなど)、および顧客が開発したアプリケーションがドメイン内の管理対象サーバーにデプロイされます。

別のコンポーネントをサポートするテンプレートを使用して作成されたドメインに、Oracle WebCenterなどの他のコンポーネントを追加する場合、ドメイン内に追加の管理対象サーバーを作成し、追加するコンポーネントのドメイン・テンプレートを使用してそのドメインを拡張できます。詳細は第19.2項を参照してください。

アプリケーション・パフォーマンスとスループットの向上、または高可用性が求められる本番環境では、2つ以上の管理対象サーバーを構成し、クラスタとして機能させることができます。クラスタとは、スケーラビリティや信頼性を向上させるために同時に稼働および連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合です。クラスタ内では、ほとんどのリソースおよびサービスは(単一の管理対象サーバーとは対照的に)、各管理対象サーバーに同様にデプロイされ、フェイルオーバーやロード・バランシングを有効化します。1つのドメインには、複数のOracle WebLogic Serverクラスタや、クラスタとして構成されていない複数の管理対象サーバーを配置できます。管理対象サーバーのクラスタ化と非クラスタ化の重要な違いは、フェイルオーバーおよびロード・バランシングのサポートにあります。これらの機能は、管理対象サーバーのクラスタ内でのみ使用可能です。


関連項目:

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使い方』のWebLogic Serverクラスタリングの理解に関する項

2.2.3 ノード・マネージャとは

ノード・マネージャは、Oracle WebLogic Serverと別個のプロセスとして実行されるJavaユーティリティです。これにより、管理サーバーとの位置関係にかかわらず、管理対象サーバーの一般的な操作を実行できます。ノード・マネージャの使用はオプションですが、Oracle WebLogic Server環境で高可用性が必要なアプリケーションをホストする場合、メリットがあります。

管理対象サーバーをホストするコンピュータでノード・マネージャを実行する場合には、管理コンソール、Fusion Middleware Controlコンソールまたはコマンドラインを使用して、管理対象サーバーをリモートで起動および停止できます。ノード・マネージャを使用して、予期しない障害が発生した後に、管理対象サーバーを自動的に再起動することもできます。


関連項目:

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』

2.3 Oracleインスタンスとは

Oracleインスタンスには、Oracle Web Cache、Oracle HTTP Server、Oracle Internet Directoryなど、1つまたは複数のシステム・コンポーネントが含まれます。Oracleインスタンスのシステム・コンポーネントは、同じコンピュータ内に存在する必要があります。Oracleインスタンスのディレクトリには、構成ファイル、ログ・ファイル、一時ファイルなど、更新可能なファイルが配置されます。

Oracleインスタンスは、Oracle WebLogic Serverドメインのピアです。両方には、Oracleホームの外部にある特定の構成が格納されます。

Oracleインスタンスのディレクトリ構造は、Oracleホームのディレクトリ構造とは異なります。どこにでも配置できます。Middlewareホームのディレクトリ内に配置する必要はありません。

2.4 Middlewareホームとは

Middlewareホームは、Oracle WebLogic Serverホーム、および必要に応じてOracle共通ホームと1つ以上のOracleホームのコンテナです。

Middlewareホームは、ローカル・ファイル・システム上、またはNFS経由でアクセスできるリモート共有ディスク上に配置できます。

Oracle WebLogic Serverホームの詳細は、第2.5項を参照してください。Oracleホームの詳細は、第2.6項を参照してください。

2.5 WebLogic Serverホームとは

WebLogic Serverホームには、WebLogic Serverをホストするために必要なインストール済ファイルが含まれます。WebLogic Serverホームのディレクトリは、Oracleホームのディレクトリのピアであり、Middlewareホームのディレクトリ構造の中に存在します。

2.6 OracleホームおよびOracle共通ホームとは

Oracleホームには、特定のコンポーネントまたはソフトウェア・スイートをホストするために必要なインストール済ファイルが含まれます。たとえば、SOA Oracleホームには、Oracle SOA Suiteのバイナリとライブラリ・ファイルを含むディレクトリが配置されます。

Oracleホームは、Middlewareホームのディレクトリ構造内にあります。各Oracleホームは、複数のOracleインスタンスまたはOracle WebLogic Serverドメインと関連付けることができます。各Middlewareホームに複数のOracleホームを配置できます。

Oracle共通ホームには、Fusion Middleware ControlおよびJava Required Files(JRF)に必要なバイナリおよびライブラリ・ファイルが含まれます。各Middlewareホームには、Oracle共通ホームは1つのみ配置できます。

2.7 Oracleメタデータ・リポジトリとは

Oracleメタデータ・リポジトリには、Oracle BPEL Process Manager、Oracle B2BおよびOracle PortalなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが格納されます。また、Oracle Fusion Middlewareの構成に関するメタデータおよびアプリケーションのメタデータも格納できます。

メタデータ・リポジトリは、データベース・ベースにも、ファイルベースにもできます。データベース・ベースの場合、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して既存のデータベースにメタデータ・リポジトリを作成できます。

Oracle Fusion Middlewareでは、複数のリポジトリ・タイプがサポートされています。リポジトリ・タイプは特定のOracle Fusion Middlewareコンポーネント(Oracle SOA Suite、Oracle Internet Directoryなど)に属する個別または一連のスキーマを示します。

特殊なタイプのリポジトリであるOracle Metadata Services(MDS)リポジトリには、Oracle B2Bや特定のタイプのアプリケーションなど、ほとんどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが格納されます。


関連項目:

メタデータ・リポジトリの詳細は、第14章を参照してください。