この章では、複数のSOA Suiteアプリケーションに適用可能なチューニング構成について説明します。
SOA Suiteアプリケーションの詳細は、第IV部「SOA Suiteコンポーネント」でアプリケーション別セクションのリストを参照してください。
SOAアプリケーションの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』を参照してください。
SOAインフラストラクチャの構成パラメータは、SOAインフラストラクチャ全体に影響を与えます。次の構成は、SOA-INFRAコンポーネントを通じて変更します。
SOAインフラストラクチャ監査レベルの表示および設定
SOAコンポジット・アプリケーション・インスタンスの状態のキャプチャ
受信メッセージのペイロード検証の有効化
コールバック・サーバーURLおよびサーバーURLの指定
UDDIレジストリ・プロパティの設定
データ・ソースのJNDIロケーションの表示
致命的でない接続の再試行回数の設定
Webサービス・バインディング・プロパティの設定
SOA構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』のSOAインフラストラクチャ・プロパティの構成に関する項を参照してください。
「監査レベル」プロパティを使用すると、メッセージ・トラッキング・インフラストラクチャによって収集する情報のレベルを選択できます。この情報は、SOAインフラストラクチャに関連付けられたインスタンス・データ・ストア(データベース)に収集されます。この設定は、ログ・ファイルに書き込まれる内容には影響を与えません。
値 | 説明 |
---|---|
オフ | コンポジット・インスタンスのトラッキングおよびペイロードのトラッキングに関する情報は収集されません。コンポジット・インスタンスはそれ以上作成できません。ロギングは実行されません。Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールでロギングもインスタンスの表示も行わなければ、インスタンス処理のパフォーマンスがわずかに向上することがあります。インスタンスは作成されますが、表示されません。 |
本番 | コンポジット・インスタンスのトラッキングは収集されますが、Oracle Mediatorサービス・エンジンではペイロード詳細が収集されず、プロセス・サービス・エンジンではassignアクティビティのペイロード詳細が収集されません(その他のアクティビティのペイロード詳細は収集されます)。このレベルは、通常の本番操作に最適です。 |
開発 | コンポジット・インスタンスのトラッキングとペイロード詳細のトラッキングの両方を有効にします。ただし、この設定はパフォーマンスに影響を与える可能性があります。このレベルは主に、テストおよびデバッグの際に便利です。 |
CompositeInstanceStateEnabled
プロパティを使用すると、SOAコンポジット・アプリケーション・インスタンスの状態を構成できます。ただし、このオプションを有効にした場合、インスタンス処理中のパフォーマンスに影響が出ることがあります。このオプションによって、実行中のインスタンスを個別にトラッキングできます。すべてのインスタンスが実行中または停止中としてキャプチャされます。この情報は後で、SOAインフラストラクチャおよびSOAコンポジット・アプリケーションのコンポジット・インスタンス表の「状態」列に表示されます。有効な状態は、実行中、完了、フォルト、「リカバリが必要、失効、終了、一時停止および状態なしです。
デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。ストレス・テスト用の環境や本番環境では、可能なかぎりERRORやWARNINGなどの最低限のロギング・レベルを使用することを検討してください。
アプリケーションのロギング・レベルを設定する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite管理者ガイド』のログ・ファイルの構成に関する項を参照してください。
SOAおよびSOA-INFRAの構成は、WLSTまたはOracle Enterprise Managerを使用して変更できます。WLSTを使用する場合は、次の場所を使用します。
<WLST_ ROOT> /oracle.as.soainfra.config/oracle.as.soainfra.config:name=Component,type=ComponentConfig,Application=soa-infra,ApplicationVersion=11.1.1
SOA Suite構成パラメータのコンポーネント名は、soainfra
、mediator
およびbpel
です。
カスタムWLSTコマンドを使用するには、コンポーネントがインストールされているOracleホームからWLSTを起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のカスタムWLSTコマンドの使用に関する項を参照してください。
JVMパラメータは、SOAのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。SOAコンポーネントのパフォーマンスに影響を与える主な要因は、ヒープ・サイズに関することです。JVMのパフォーマンス・チューニングの詳細は、2.4項「Java仮想マシン(JVM)のチューニング」を参照してください。
データベース構成をチューニングすると、SOA Suiteアプリケーションにも効果が現れることがあります。構成および個々の設定は、ユースケースによって異なります。データベース・プロパティのチューニングの詳細は、ご使用のデータベースの管理マニュアルを参照してください。
データベース・チューニングに関するその他の基本的なガイドラインは、2.6項「データベース・パラメータのチューニング」を参照してください。
SOAでは、アプリケーション・サーバーで管理されているデータ・ソースを使用して、データベース接続を取得します。SOAのデータ・ソースは、WebLogic Serverコンソールを使用して構成できます。WebLogic Serverコンソールの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。
パフォーマンスが問題になっている場合は、次のデータ・ソース構成を検討してください。
データ・ソースを構成する際には、接続プールに十分な数の使用可能な接続があることを確認します。
文キャッシュを使用すると、カーソル作成の繰返しと文の解析および作成の繰返しがパフォーマンスに与える影響を解消できます。文キャッシュを使用することで、アプリケーション・サーバーとデータベース・サーバーの間の通信がパフォーマンスに与える影響も軽減できます。
不要な接続テストおよびプロファイリングは無効にします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverパフォーマンスおよびチューニング』のJDBCストアのチューニングに関する項を参照してください。
Weblogic Serverの完全なパフォーマンス・チューニングについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverパフォーマンスおよびチューニング』を参照してください。