SmartUpgradeを統合Oracle JDeveloper拡張機能として使用する他に、SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用することもできます。
コマンドライン・インタフェースは、Javaコマンドラインを使用して実行するか、Apache Antタスクとして実行できます。
SmartUpgradeコマンドラインでは、スクリプトを使用して複数のアプリケーションのアーティファクトの分析と生成の自動化を検討できます。
詳細については、以下の節を参照してください。
次の項では、SmartUpgradeのコマンドライン・インタフェースの使用方法について説明します。
SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを実行する前に、次の操作を行います。
1.7.4項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースのインストール」の説明に従い、必要なJavaソフトウェアをインストールしたことを確認します。
システムのどの場所からもjava
コマンドを実行できるように、Java binディレクトリが現在のPATH変数の一部として定義されていることも確認する必要があります。定義されていない場合、SmartUpgradeソフトウェアを実行するたびにjava
コマンドのパスを指定する必要があります。
サポート対象バージョンのOracle WebLogic Serverがインストールされていることと、ローカルのOracle WebLogic Serverホーム・ディレクトリにアクセスできることを確認します。
-targetStackHome
コマンドライン・オプションを使用して、Oracle WebLogic Serverホーム・ディレクトリの場所を指定します。
詳細は、表3-3「アーティファクト生成に固有のコマンドライン・オプションの概要」を参照してください。
1.7項「SmartUpgradeのダウンロードとインストール」の手順を使用してインストールしたsmartupgrade.jar
ファイルを探します。
この章の手順と例は、smartupgrade.jar
が存在するディレクトリからSmartUpgradeを実行していることを前提とします。
SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用するには、ダウンロードされたsmartupgrade.zipファイルの内容を解凍したディレクトリに移動して次の構文を使用します。
java -jar smartupgrade.jar options
詳細は、3.1.5項「SmartUpgradeコマンドライン・オプションの概要」を参照してください。
他のJavaプログラムと同様に、SmartUpgradeの実行時にJavaヒープ・サイズを制御できます。
ヒープ・サイズを増やすと、特に大規模なアプリケーションや複雑なアプリケーションをアップグレードする場合に役立ちます。このような場合、SmartUpgradeには次のようなメッセージが表示されます。
java.lang.OutOfMemoryError: Java heap space
この問題を回避するには、標準のJavaコマンドラインを使用してJavaヒープ・サイズを増やします。例:
java -Xmx512M -jar smartupgrade.jar options
使用可能なオプションのリストを表示するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
java -jar smartupgrade.jar -help java -jar smartupgrade.jar -help locator java -jar smartupgrade.jar -help category java -jar smartupgrade.jar -help option
詳細は、3.1.5項「SmartUpgradeコマンドライン・オプションの概要」を参照してください。
コマンドラインからSmartUpgradeを実行する場合に使用可能なオプションの詳細は、次の項を参照してください。
次の例は、SmartUpgradeコマンドライン・ユーティリティの実行時に使用可能なオプションを示しています。
java -jar smartupgrade.jar --LOCATOR_NAME path_or_list_of_file_names -category list_of_categories -generate -html -target OC4J_version
前述の例では次のようになります。
LOCATOR_NAMEを、SmartUpgradeアップグレードで分析できる有効なロケータに置き換えます。詳細は、3.1.5.2項「SmartUpgradeロケータの特定」を参照してください。
LOCATOR_NAMEを特定するには2つのダッシュ(--
)が必要です。LOCATOR_NAMEの先頭は2つのダッシュにしてください。その他の引数に必要なダッシュは1つのみです。
例に示すその他のオプションの詳細は、表3-2を参照してください。
ロケータは、SmartUpgradeで分析するオブジェクトを特定する一般的な用語です。ロケータは、1つ以上のアプリケーション・アーカイブ(EARファイル、WARファイル、JARファイル、またはRARファイル)になります。また、アーカイブが格納されるディレクトリ・パスや、OC4Jサーバーの構成ディレクトリにもなります。
表3-1は、LOCATOR_NAMEコマンドライン・オプションに使用可能な値の説明です。
アップグレードするファイルまたは構成のタイプに一致しないLOCATOR_NAMEオプションを使用する場合、SmartUpgradeでは不完全な出力や無効な出力が生成される場合があります。たとえば、LOCATOR_NAMEの値--ears
を使用し、EARファイルではなくJARファイルの名前を指定した場合、出力は不完全または無効になる可能性があります。
表3-1 SmartUpgrade LOCATOR_NAMEオプションのサポートされる値
LOCATOR_NAMEの値 | 説明 | 例 |
---|---|---|
分析する1つ以上のエンタープライズ・アーカイブ(EAR)・ファイルを特定します。 複数のEARファイルのパスを指定する場合、-earオプションの後にスペース区切りのリストを使用します。 |
java -jar smartupgrade.jar --ears myApp.ear java -jar smartupgrade.jar --ears C:\samples\App3.ear java -jar smartupgrade.jar --ears myApp.ear App3.ear |
|
分析する1つ以上のWebアーカイブ(WAR)・ファイルを特定します。 複数のWARファイルのパスを指定する場合、-earオプションの後にスペース区切りのリストを使用します。 |
java -jar smartupgrade.jar --wars payroll.war java -jar smartupgrade.jar --wars C:\samples\Webapp3.war java -jar smartupgrade.jar --wars payroll.war C:\samples\Webapp3.war |
|
分析する1つ以上のJavaアーカイブ(JAR)・ファイルを特定します。 複数のJARファイルのパスを指定する場合、-earオプションの後にスペース区切りのリストを使用します。 |
java -jar smartupgrade.jar --jars myProj.jar java -jar smartupgrade.jar --jars C:\samples\App3.jar java -jar smartupgrade.jar --jars myApp.jar C:\samples\App3.jar |
|
分析する1つ以上のRARアーカイブ・ファイルを特定します。 複数のRARファイルのパスを指定する場合、-earオプションの後にスペース区切りのリストを使用します。 |
java -jar smartupgrade.jar --rars myApp.rar java -jar smartupgrade.jar --rars C:\samples\App3.rar java -jar smartupgrade.jar --rars myApp.rar C:\samples\App3.rar |
|
既存のOC4Jサーバーの構成ディレクトリを特定します。 SmartUpgradeはOC4Jサーバーの構成を分析し、同様の方法でアドバイスとOracle WebLogic Serverの構成を提供します。 |
java -jar smartupgrade.jar --server-config C:\Oracle\AppServ1\j2ee\home\config java -jar smartupgrade.jar --server-config /dua1/Oracle/AppServ1/j2ee/home/config |
|
分析するアーカイブ・ファイル(EARファイル、WARファイル、RARファイル、またはJARファイル)を含む1つ以上のディレクトリを特定します。 SmartUpgradeはディレクトリをスキャンし、ディレクトリ内のアーカイブをすべて分析します。 |
java -jar smartupgrade.jar --archive-home C:\projects\myEARfiles\ java -jar smartupgrade.jar --archive-home /dua1/projects/myEARfiles/ |
|
分析するアプリケーションで必要な(または参照される)jarファイルの場所を特定します。指定したファイルはSmartUpgradeで分析されません。 この機能を使用して、分析するアプリケーションで必要なサード・パーティ・ライブラリを特定できます。 |
java -jar smartupgrade.jar --application-jars C:\projects\myApp\lib\ java -jar smartupgrade.jar --application-jars /dua1/projects/myApp/lib/ |
コマンドラインで複数のLOCATOR_NAMEを指定できます。
たとえば、エンタープライズ・アーカイブと、そのアーカイブがデプロイされたLinux上のOC4Jサーバーの構成を分析するには、次のコマンドを使用します。
java -jar smartupgrade.jar --ears myApp.ear --server-config /dua1/Oracle/AppServ1/j2ee/home/config
SmartUpgradeロケータを特定する以外に、オプションの各種コマンドライン・オプションを使用してSmartUpgradeの動作を制御することもできます。
表3-2は、使用可能なオプションのコマンドライン・オプションの説明です。
表3-2 オプションのSmartUpgradeコマンドライン・オプションの概要
オプション | 説明 | 詳細情報 |
---|---|---|
アプリケーションの分析をSmartUpgradeルールの特定のカテゴリに限定するには、このオプションを使用します。 たとえば、レポートを、選択したアプリケーション・アーカイブのデータ・ソース構成に関する結果に限定できます。 アーティファクトを生成する場合、 |
3.1.7.5項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースの特定のルール・カテゴリへの結果の制限」 |
|
特定のタイプのOracle WebLogic Serverアーティファクト(アプリケーションのOracle WebLogic Serverデプロイメント記述子など)を生成するには、このオプションを使用します。 アーティファクトを起点としてOracle WebLogic ServerにOC4Jアプリケーションをデプロイできます。 |
3.1.7.3項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用したOracle WebLogic Serverアーティファクトの生成」 |
|
HTML形式の出力を生成するには、このオプションを使用します。このオプションを使用すると、生成されたレポートをHTMLファイルにリダイレクトできます。 |
3.1.7.4項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用したHTMLレポートの生成」 |
|
Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)アプリケーションを分析するように指定するには、このオプションを使用します。 デフォルトでは、以前に10g リリース3(10.1.3)にデプロイしたアプリケーションの分析が前提となります。 |
3.1.7.6項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用した10g リリース2(10.1.2)アプリケーションの分析」 |
|
アップグレード結果をすべてファイルに出力するには、このオプションを使用します。 |
3.1.8項「SmartUpgrade結果情報とエラー・レポートの出力の制御」 3.1.7.4項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用したHTMLレポートの生成」 |
|
SmartUpgradeでエラーまたは診断情報が出力されないようにするには、このオプションを使用します。 |
3.1.8項「SmartUpgrade結果情報とエラー・レポートの出力の制御」 |
例3-1は、SmartUpgradeコマンドライン・ユーティリティを実行してアーティファクトを生成する際に使用可能なオプションを示しています。
SmartUpgradeで生成されるアーティファクトの使用の詳細は、第4章「SmartUpgrade生成アーティファクトの使用」を参照してください。
各オプションの説明は、表3-3「アーティファクト生成に固有のコマンドライン・オプションの概要」を参照してください。
Webサービス・アーティファクトを生成する場合、LOCATOR_NAMEの値、-generate
オプション、および-targetStackHome
オプションは必須になります。
LOCATOR_NAMEを、SmartUpgradeアップグレードで分析できる有効なロケータに置き換えます。詳細は、3.1.5.2項「SmartUpgradeロケータの特定」を参照してください。
例3-1 アーティファクト生成時のコマンドライン・オプションのリスト
java -jar smartupgrade.jar --LOCATOR_NAME path_to_application_archive_or_directory -generate -category category_name -acceptDuplicates -additionalClassPath -autoWrap -continue -dateFormat -debug -ejbLookupName -ejbNewWarBase -ejbNewWarContextRoot -evaluate -javaHome -jdevProject -logLevel -logWrap -logWrapLength -packLibs -processTimeout -propertyFile -qos -resolveMapAmbiguity -sessionImplKey -sessionTimeoutSecs -skipGlueCode -stopAtTargetPlan -targetStackHome -useJSF -useJSTL -wrapperNullAllowed
表3-3 アーティファクト生成に固有のコマンドライン・オプションの概要
コマンドライン・オプション | Java EEアップグレード・ウィザードの対応オプション | 説明 |
---|---|---|
コマンドラインで このオプションは、重複クラスのエラーを無視して引き続きglueコードを生成するかどうかを示します。 このオプションを有効にするのは、重複クラスが同一であることを確認した場合のみです。 |
||
JARファイルとクラス・ディレクトリを含む追加クラスパスです。Webサービスが依存するすべてのライブラリが入力アプリケーションに含まれない場合にこのオプションが必要になります。 このオプションを使用して、JARファイルに挿入される、欠落したWSDLファイルのパスを指定することもできます。 |
||
コマンドラインで このオプションが有効な場合、生成される内部タイプに対するパラメータ・ラッピングが可能になります。 既存のビジネス・メソッドは、生成される新しいインタフェースや値タイプを認識しません。 このオプションを指定しない場合、その値は、既存のビジネス・パラメータがラップされるかどうかで定義されます。 |
||
|
このオプションは、特にWebサービスのアーティファクト生成に適用されます。カテゴリ「web-services」が有効な場合、「-generate」引数と一緒に使用してください。 このオプションでは、Webサービス・アップグレードは、SmartUpgradeの以前の起動で開始されたアップグレード生成プロセスを再開します。 詳細は、2.3.4項「アーティファクト生成時のアップグレードの続行」を参照してください。 |
|
WebLogic Webサービス生成ツールで ただし、この変換には文字列フォーマットが必要になります。そのため、OC4Jアプリケーションを調べて、既存のビジネス・ロジックがその日付値に予測する特定の文字列フォーマットを判断する必要があります。 |
||
コマンドラインで 有効な場合、デバッグ・レベル・メッセージが出力されます。デバッグ・メッセージは、INFOレベル・メッセージよりも詳細なレベルのメッセージになります。 デフォルト値はfalseです。 |
||
EJB WebサービスがアップグレードされるPOJOベースのWebサービスで使用されるEJB 2.xルックアップ名。 このオプションを使用するのは、アプリケーションにEJB Webサービスが1つある場合のみです。複数のEJB Webサービスがある場合、サービスごとに生成されたアップグレード・プランを編集します。 アップグレード・プランの検索の詳細は、付録A「SmartUpgradeで生成される出力ディレクトリ」を参照してください。 |
||
生成されるWARファイルのベース名。 EJBベースのWebサービスがPOJOベースのWebサービスにアップグレードされる場合、新しいWARファイルが生成されます。このオプションの値が新しいWARファイルのベース名になります。 EJB Webサービスが複数ある場合、EJB Webサービスごとに異なる値でこのプロパティを追加するようにソースのアップグレード・プランを編集します。 アップグレード・プランの検索の詳細は、付録A「SmartUpgradeで生成される出力ディレクトリ」を参照してください。 |
||
生成されるWARファイルのコンテキスト・パス。 EJBベースのWebサービスがPOJOベースのWebサービスにアップグレードされる場合、新しいWARファイルが生成されます。このオプションの値が新しいWARファイルのコンテキスト・ルートになります。 EJB Webサービスが複数ある場合、EJB Webサービスごとに異なる値でこのプロパティを追加するようにソースのアップグレード・プランを変更します。 アップグレード・プランの検索の詳細は、付録A「SmartUpgradeで生成される出力ディレクトリ」を参照してください。 |
||
コマンドラインで このオプションを有効にすると、生成されたラッパー(glue)・コードはパフォーマンス分析用にインストゥルメントされます。 このオプションのデフォルト値は このオプションはアプリケーションのテストにのみ該当するもので、本番環境には適していません。 詳細は、2.3.3.2項「パフォーマンス分析用計測コードの生成」を参照してください。 |
||
SmartUpgradeがターゲット・サーバーでのWebサービス・ツールの実行に使用するJDKホーム。ターゲット・サーバーと一緒にインストールされたJDKが自動的に検索されます。 この動作をオーバーライドするには、このオプションの値にJDKホームを指定します。 このオプションを指定しない場合や、JDKホームがターゲット・サーバーの一部としてインストールされない場合、このアップグレード・ツールの実行には現在のJDKホームが使用されます。 |
||
適用なし |
Oracle内部使用限定のオプションです。 |
|
ロギング出力のレベルを設定するには、このオプションを使用します。 このオプションは、Webサービスのアップグレードでのロギング出力のレベルを示します。 ログ・レベルは、INFO、FINE、DEBUG、TRACEを指定できます。 デフォルト値はINFOです。警告とエラーは無条件でレポートされます。すべてのログ・メッセージは1つのログ・レベルに属し、そのログ・レベルがリクエストされる場合のみ出力されます。 ログに含めるレベルは縦棒(|)区切りで指定します。たとえばINFO|DEBUGのようになります。 注意: このオプションは検証されません。無効な値はすべて無視されます。 |
||
コマンドラインで 有効な場合、診断出力は調整されるため、読みやすくなります。 デフォルト値は |
||
テキストを複数行にわけずにログが記録されるテキストの最大長を設定するには、このオプションを使用します。このオプションを使用して調整を保存します。 これは |
||
パス・セパレータ区切りのJARファイルのリスト。 Windowsの場合のセパレータはセミコロン(;)、UNIXシステムの場合はコロン(:)になります。 特定されたJARファイルは、生成された最終アーカイブに自動でパッケージ化されます(最終アーカイブがEARファイルまたはWARファイルの場合)。 この値は、アーティファクト生成時の参照でライブラリを使用するように |
||
SmartUpgradeがWSDLドキュメントの処理を続行してアーティファクトを生成する秒数。タイムアウトにより、SmartUpgradeはWSDL URLからのレスポンスの待機中にハングしなくなります。 タスクのタイムアウトのデフォルトは300秒です。別の値を設定するには、このコマンドライン・オプションを使用するか、Oracle JDeveloperのウィザード・ページに正数を指定するか、SmartUpgradeの起動前に次の環境変数を設定します。 GENERATION_TASKS_TIMEOUT |
||
このオプションは、特にWebサービスのアーティファクト生成に適用されます。カテゴリ「web-services」が有効な場合、「-generate」引数と一緒に使用してください。 キーがSEIクラス名、値がWSDLファイルのパスで、欠落したWSDLの場所を通常定義するプロパティ・ファイルの場所。 その他のプロパティは、「日付-文字列変換用フォーマット」、「ラッパーNull値許可」、「EJB参照名」、「EJB WebサービスのWARベース名」、「EJB WebサービスのWARコンテキスト・ルート」、「ステートフルWebサービスのセッション・バインド・キー」、「ステートフルWebサービスのセッション・タイムアウト(秒)」などの個別オプションを使用するのではなく、このファイルで定義できます。 |
||
このオプションはポリシーのタイプ(サービス品質)を示し、生成されるターゲットのWebサービスで有効にする必要があります。 トークンは、MTOM、WSS_UNT、CONVERSATIONAL、STATEFUL、またはRM11を指定できます。 コンマ(,)区切りで複数の値を渡すことができます。 |
||
値を このオプションを有効にすると、マッピングのあいまいさが自動的に解決されます。 このオプションは、マッピング・ファイルまたはアノテーションのいずれかでマッピング情報が検出されない場合にのみ適用可能です。 デフォルト値は SmartUpgradeを信頼してあいまいさを解決する場合、このオプションを有効にします。 |
||
このオプションは、特にWebサービスのアーティファクト生成に適用されます。カテゴリ「web-services」が有効な場合、「-generate」引数と一緒に使用してください。 ステートフルWebサービスの場合に、ビジネス実装をHTTPセッションにバインドするために使用されるバインド・キーです。デフォルト値は、生成された実装クラスから導出されます。デフォルト値はWebサービス・レベルでオーバーライドできます。 |
||
このオプションは、特にWebサービスのアーティファクト生成に適用されます。カテゴリ「web-services」が有効な場合、「-generate」引数と一緒に使用してください。Webサービスのセッション・タイムアウト(秒単位)です。 この値がアプリケーションのHTTPセッション・タイムアウトを超えることはありません。デフォルト値は1,200です。 |
||
値を このオプションが有効な場合、glueコード生成をスキップする必要があります。有効な場合、ターゲット・プランの生成もスキップされます。生成されたglueコードを変更し、アプリケーションのコンパイルとパッケージ化が必要な場合にこのオプションを使用します。 |
||
このオプションは、特にWebサービスのアーティファクト生成に適用されます。カテゴリ「web-services」が有効な場合、「-generate」引数と一緒に使用してください。 glueコード生成を行う必要があるかどうかを示すフラグ(true/false)。デフォルト値はfalseで、glueコード生成が行われます。オプションの値がtrueの場合、ターゲット・アップグレード・プランが生成されると、Webサービス・アップグレードは停止します。 ソース・アップグレード・プランは、(スキップされないかぎり)ターゲット・アップグレード・プランの生成前に生成されます。このオプションは、ユーザーがターゲット・アップグレード・プランを編集し、別の手順でglueコードを生成する場合に使用されます。 |
||
適用なし |
ターゲットWebLogic Serverホームの指定に使用される必須のコマンドライン・プロパティ。例: C:\Oracle\Middleware\wlserver_10.3 大量のアプリケーションを移行する場合、Oracle JDeveloperの起動前に環境変数WL_HOMEを設定しておけば、このプロパティを繰り返し指定しなくて済みます。 WL_HOME環境変数に設定した値は、アップグレード・プロセスですべてのアプリケーションに適用されます。 このプロパティはOracle JDeveloperの使用時は必要ありません。SmartUpgrade Oracle JDeveloper拡張機能により、Oracle JDeveloperと一緒にインストールされたOracle WebLogic Server環境のライブラリとその他の必要なファイルが自動的に使用されるためです。 詳細は、3.1.7.1項「Oracle WebLogic Serverホーム・ディレクトリの特定」を参照してください。 |
|
JSFライブラリはWebアプリケーション・ライブラリとして提供され、JSF機能を使用する該当のWebアプリケーションのWLSにデプロイする必要があります。 |
||
JSTLライブラリはWebアプリケーション・ライブラリとして提供され、JSTL機能を使用する該当のWebアプリケーションのWLSにデプロイする必要があります。 |
||
このオプションは、特にWebサービスのアーティファクト生成に適用されます。カテゴリ コマンドラインで 有効な場合、Null値は、アップグレード前にアプリケーションにすでに存在するラッパー・タイプに対して許可されます。 デフォルト値は WebLogic Server JAX-RPC Webサービスでは、ラッパー・タイプにNull値は許可されないことに注意してください。 |
次の項では、Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのアップグレードに役立つSmartUpgradeコマンドライン・オプションの使用例を示します。
SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用したOracle WebLogic Serverアーティファクトの生成
SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用した10g リリース2(10.1.2)アプリケーションの分析
SmartUpgradeの多くの操作では、Oracle WebLogic Serverで提供される特定のライブラリやリソースが必要になります。
SmartUpgradeをOracle JDeveloperの拡張機能として実行する場合、SmartUpgradeは、Oracle JDeveloperインストーラでインストールするOracle WebLogic Serverソフトウェアを使用してこれらのファイルを自動的に探します。詳細は、2.1項「Oracle JDeveloperのインストールと構成」を参照してください。
ただし、コマンドラインでは、環境変数WL_HOMEを定義するか、-targetStackHome
オプションを使用して、この目的で使用するOracle WebLogic Serverホーム・ディレクトリの場所を指定する必要があります。
たとえば、WL_HOME変数を定義する場合、次のようになります。
set WL_HOME=c:\middleware\wlserver_10.3
-targetStackHome
オプションを使用するには、次の例を参照してください。
java -jar smartupgrade.jar
--ears myApp.ear
-generate
-category web-services
-targetStackHome c:\middleware\wlserver_10.3
特定のエンタープライズ・アーカイブ(EAR)・ファイルのSmartUpgradeレポートを生成するには、次のコマンド構文を使用します。
java -jar smartupgrade.jar --ears path_of_ear_file.ear
たとえば、myApp.ear
というEARファイルがあり、このファイルがC:\MyApps
というディレクトリに存在する場合、次のコマンドを使用します。
java -jar smartupgrade.jar --ears C:\MyApps\myApp.ear
SmartUpgradeは、最後のウィンドウに書き込まれるレポートを生成します。レポート結果を保存するには、出力をファイルにリダイレクトします。たとえば、次の例は、report.txt
というファイルへの出力のリダイレクト方法を示しています。
Windowsオペレーティング・システムの場合:
java -jar smartupgrade.jar --ears C:\MyApps\myApp.ear > account_report.txt
UNIXオペレーティング・システムの場合:
java -jar smartupgrade.jar --ears /home/MyApps/myApp.ear > account_report.txt
SmartUpgradeはレポートを生成する他に、限定数のアーティファクトを生成することもできます。限定されたアーティファクトにより、アプリケーションの更新がさらに容易になるため、Oracle WebLogic Serverにアプリケーションを正常にデプロイできます。
少なくとも、次の操作を行う必要があります。
たとえば、myApp.ear
というアーカイブに関してSmartUpgradeレポートの他にアーティファクトを生成するには、次のコマンドを使用します。
java -jar smartupgrade.jar
--ears archive_name
-generate
-targetStackHome c:\middleware\wlserver_10.3
別の例として、次の操作を実行するとします。
Oracle WebLogic Serverホームを指定します。
アップグレードのアーティファクトの生成をWebサービス・アーティファクトのみに限定します。
アプリケーション・アーカイブには含まれなくてもクラスのロードに必要な追加ライブラリのクラスパスを指定します。
SmartUpgradeでパフォーマンス分析用計測コードが生成されるように指定します。
この場合、次のコマンドを入力します。
java -jar smartupgrade.jar --ears archive_name -generate -category web-services -targetStackHome c:\middleware\wlserver_10.3 -additionalClassPath path_to_libraries -evaluate
この分析結果については、第4章「SmartUpgrade生成アーティファクトの使用」を参照してください。
SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースは、デフォルトでテキスト形式のレポートを生成し、そのレポートは現在のマシンの標準出力に書き込まれます。ほとんどの場合、出力は最後のウィンドウに書き込まれます。
オプションでHTML形式のレポートを生成できます。HTML形式のレポートには、出力が読みやすくなるように見出しとリストが含まれます。さらに、オペレーティング・システムのコマンドを使用して、出力をファイルにリダイレクトできます。生成されたHTMLファイルは、HTMLの読取りが可能なWebブラウザやその他のツールで読み取ることができます。
たとえば、account_mgmt.ear
というEARファイルがあり、このファイルがC:\MyApps
というディレクトリに存在する場合、次のコマンドを使用してaccount_mgmt_report.html
というHTMLファイルを生成します。
java -jar smartupgrade.jar --ears myApp.ear -html > account_mgmt_report.html
関連情報については、3.1.8項「SmartUpgrade結果情報とエラー・レポートの出力の制御」を参照してください。
SmartUpgradeがデフォルトでレポートを生成し、オプションでアーティファクトを生成するには、選択したアーカイブまたはOC4Jサーバー構成にすべてのルール・カテゴリを適用します。
ただし、レポートのサイズを制限する場合や、アプリケーションの特定の面に焦点を当てる場合、特定のSmartUpgradeルール・カテゴリに分析を限定できます。
たとえば、myApp.ear
アプリケーションのデータ・ソース構成のみを分析する場合は次のようになります。
java -jar smartupgrade.jar --ears myApp.ear -category data-sources
複数のカテゴリを適用するには、カテゴリをスペースで区切ります。例:
java -jar smartupgrade.jar --ears myApp.ear -category data-sources web-app
表3-4は、レポートを生成し、オプションでアプリケーション・アーティファクトを生成する場合に適用可能なSmartUpgradeルール・カテゴリの説明です。
注意: アーティファクトを生成する場合、-category オプションの指定に注意してください。-category オプションと-generate オプションをどちらも使用する場合、指定したカテゴリのアーティファクトのみが生成されます。 |
表3-4 SmartUpgradeルール・カテゴリのリスト
ルール・カテゴリ | カテゴリを使用して分析する内容 |
---|---|
Oracle Application Development Framework (Oracle ADF)に固有のアーティファクト。 |
|
アプリケーションで使用される標準アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)。このルール・カテゴリは、Oracle WebLogic ServerでサポートされないOC4Jおよびサード・パーティのAPIをチェックします。 |
|
アプリケーション内のクライアント・インタフェース。 |
|
アプリケーションで使用されるクラスロード構成と共有ライブラリ。 |
|
アプリケーションのクラスタ固有の構成設定。 |
|
OC4J固有のデータ・ソースの構成設定。 |
|
アプリケーションで使用されるEnterprise Java Beans。 |
|
J2EE Connector Architecture (JCA)の構成設定とアーティファクト。 |
|
Java Messaging Serverの構成設定とアーティファクト(Oracle Enterprise Messaging Service (OEMS)の使用を含む)。 |
|
アプリケーションで使用されるJava Management Extensions (JMX)。 |
|
Javaネーミング・ディレクトリ・インタフェース(JNDI)の構成設定とアーティファクト。 |
|
JavaトランザクションAPI (JTA)の構成設定とアーティファクト。 |
|
リモート・メソッド呼出し(RMI)の構成設定とアーティファクト。 |
|
セキュリティの構成設定とアーティファクト。 |
|
サービス指向アーキテクチャ(SOA)の構成設定とアーティファクト。 |
|
Webアプリケーションの構成設定とアーティファクト。 |
|
Webサービスの構成設定とアーティファクト。 |
|
Oracle Web Cacheの構成設定。 |
デフォルトでは、アップグレードするアプリケーションが、以前にOracle Application Server 10g リリース3(10.1.3)にデプロイされていたことが前提となります。
ただし、SmartUpgradeが10g リリース2(10.1.2)に固有の機能、構成設定、またはアーティファクトに関してアプリケーションを分析するように指定するには、-targetオプションを使用します。
Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)インストールの一部としてOC4Jに以前にデプロイされたアプリケーションをアップグレードする場合、-targetオプションを次のように使用します。
java -jar smartupgrade.jar --LOCATOR_NAME -target 10.1.2
例:
java -jar smartupgrade.jar --ears C:\myApps\my1012App.ear -target 10.1.2
SmartUpgradeは、stdout
出力ストリームとstderr
出力ストリームをどちらも使用します。
SmartUpgradeはすべての結果情報をstdout
に出力します。使用するオペレーティング・システムやコマンドライン・シェルのルールに従ってこの出力をファイルにリダイレクトできます。
また、-output
output_file
オプションを使用して、指定のファイルにストリームを出力できます。次の例を検討してください。
java -jar smartupgrade.jar -output report.txt java -jar smartupgrade.jar -html -output report.html
SmartUpgradeはstderr
ストリームを使用して、コマンドラインでステータスと診断をレポートします。-quiet
フラグにより、stderr
への出力が停止します。-quietオプションを指定する場合、ステータス・メッセージや診断メッセージは出力されません。
-quiet
オプションと-output
オプションを組み合せて使用すると、SmartUpgradeの個別の内部動作の特徴を管理し、SmartUpgradeによる出力の生成を制御できます。
関連情報については、3.1.7.4項「SmartUpgradeコマンドライン・インタフェースを使用したHTMLレポートの生成」を参照してください。
開発環境でApache Antを使用する場合、例3-2に示すカスタムAntタスクを使用して、SmartUpgradeと既存のAnt環境を統合できます。
例3-2 SmartUpgradeのカスタムAntタスク
<taskdef name="SmartUpgrade" classname="oracle.smartupgrade.UpgradeTask" classpath="${basedir}/smartupgrade.jar"/>
例3-2に示すように、taskdef
を定義すると、Antスクリプト内からSmartUpgradeを実行できます。
例3-3は典型的な例で、demo
ディレクトリ内のすべてのEARファイルを再帰的に探し、SmartUpgradeを実行して各ファイルを調べます。例3-3のupgrade locator
要素に使用される有効な値は、JavaコマンドラインのLOCATOR_NAMEに使用される値と同じです。
詳細は、3.1.5.2項「SmartUpgradeロケータの特定」を参照してください。