Oracle Service Busのスマート検索ユーティリティを使用して、プロキシ・サービス、ビジネス・サービス、サービス・レベル合意(SLA)の違反に対するアラート・ルール、アラート宛先などのリソースの検索と管理を行うことができます。このユーティリティを使用すると、Oracle Service Busのロールに関係なく、様々な条件に基づいてリソースを検索できます。Oracle Service Busの各ロールで実行できるタスクの詳細は、第45章「Oracle Service Busのロール」を参照してください。
また、検索の結果を使用して、サービス・レベルの操作設定を変更できます。操作設定を実際に有効または無効にするには、グローバル・レベルおよびサービス・レベルの両方で設定を有効または無効にする必要があります。詳細については、46.7.1項「サービスの操作設定の構成方法」を参照してください。
スマート検索は、「オペレーション」ナビゲータ・バーの「コンフィグレーション」モジュールからアクセスできます(図51-1を参照)。
Oracle Service Busでは、基本検索と詳細検索という2つのレベルのスマート検索を使用できます。基本検索では、基本条件であるタイプ、名前、およびパスを使用して検索できます。詳細検索では、追加のフィルタを使用して、各種の検索をカスタマイズできます。次の項で説明します。
基本検索では、リソース・タイプ、リソース名などの基本条件を使用してリソースを検索できます。表51-1は、検索機能で使用できる基本条件を示します。
表51-1 基本検索の条件
条件 | 使用方法 |
---|---|
種類 |
この検索条件は必須です。「タイプ」フィールドを使用して、リソースのタイプを指定します。このフィールドには、次のオプションがあります。
注意: 指定したタイプのリソースをすべて表示するには、「タイプ」フィールドでリソース・タイプを選択し、「すべて表示」をクリックします。 |
名前 |
省略可能です。検索するリソースの名前を入力します。 |
パス |
省略可能です。「パス」フィールドに、リソースの場所(パス)を入力します。 |
これらの条件の1つまたは組合せを使用できます。
追加条件で検索を構成する場合は、詳細検索を使用します。詳細検索フィルタを使用するには、「詳細検索フィルタを開く」アイコンをクリックします。以下の項では、スマート検索機能の詳細検索フィルタを使用して操作設定を管理する方法について説明します。
スマート検索のフィルタを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールでプロキシ・サービスやビジネス・サービスを検索できます。この項では、プロキシ・サービスとビジネス・サービスの検索、表示、および編集について説明します。
表51-2は、詳細フィルタを使用したプロキシ・サービスとビジネス・サービスの検索のカスタマイズを示します。
表51-2 詳細フィルタを使用したプロキシ・サービスとビジネス・サービスの検索
フィルタ | 使用方法 |
---|---|
サービスの状態 |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
サービスのモニター |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
サービスのSLAアラート |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
サービスのメッセージ・トレース |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
設定した条件を使用してすべてのサービスを検索する場合は「検索」をクリックし、すべてのサービスを表示する場合は「すべて表示」をクリックします。
プロキシ・サービスやビジネス・サービスの検索結果は、「すべてのサービスのサマリー」テーブルで確認できます。
このテーブルを使用して、ビジネス・サービスやプロキシ・サービスのサービス、モニター、およびSLAアラート機能を有効または無効にします。また、このテーブルを使用すると、プロキシ・サービスのメッセージ・トレース、パイプライン・アラート、メッセージ・レポート、実行トレース、およびパイプライン・ロギングを有効または無効にできます。有効または無効にするには、適切なフィールドのチェック・ボックスを選択し、「更新」をクリックします。
これらの設定による実行時の影響は、グローバル・レベルでの対応する設定にも依存します。グローバル設定の詳細は、46.7.2項「グローバル・レベルの操作設定の構成方法」を参照してください。このテーブルを使用すると、1つ以上のサービスの情報を同時に更新できます。
すべてのサービスに対して以下の情報が表示されます。
表51-3 すべてのサービスの概要について
プロパティ | 説明 |
---|---|
名前 |
サービスに割り当てられた名前。名前は、「プロキシ・サービスの表示」ページ(プロキシ・サービスの場合)または「ビジネス・サービスの表示」ページ(ビジネス・サービスの場合)にリンクされています。 |
パス |
サービスに関連付けられたプロジェクト。サービスがプロジェクト・フォルダにある場合は、そのフォルダも表示されます。パスは以下の形式で表示されます。 プロジェクト名/ルート・フォルダ/ . . ./親フォルダ このパスは「プロジェクト・エクスプローラ」の対応するパスにリンクされています。 |
種類 |
親サービスのタイプ:プロキシ・サービスまたはビジネス・サービス。 |
状態 |
サービスの状態 - 有効または無効。 |
モニター |
サービスのモニター状態。有効または無効、および有効なレベル:
|
SLAアラート |
SLAアラートの状態。有効または無効、および有効なレベル:
|
Msg.トレース |
メッセージ・トレースの状態 - 有効または無効。 |
パイプライン・アラート |
プロキシ・サービス専用。 パイプライン・アラートの状態 - 有効または無効、および有効なレベル:
|
レポート |
プロキシ・サービス専用。 サービスのメッセージ・レポートの状態:有効または無効。 |
ログ |
プロキシ・サービス専用。 ロギングの状態 - 有効または無効、および有効な重大度 - デバッグ(D)、情報(I)、警告(W)、または エラー(E)。 |
Exe.トレース |
プロキシ・サービスおよび分割-結合専用。 トレースの状態 - 有効または無効。 |
キャッシュ |
ビジネス・サービス専用。結果キャッシュが有効か無効か。 |
アクション |
プロキシ・サービスの場合: 「メッセージ・フローの表示」アイコンはプロキシ・サービスのパイプラインにリンクされています。 |
「リセット」をクリックすると、概要テーブルの変更が破棄され、現在保存されている設定でページが更新されます。
スマート検索のフィルタを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールでプロキシ・サービスを検索できます。この項では、プロキシ・サービスの検索、表示、および編集について説明します。
表51-4は、詳細フィルタを使用したプロキシ・サービスの検索のカスタマイズを示します。
表51-4 詳細フィルタを使用したプロキシ・サービスの検索
フィルタ | 使用方法 |
---|---|
状態 |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
モニター |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
SLAアラート |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
メッセージ・トレース |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
パイプライン・アラート |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
レポート |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
ログ |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
実行トレース |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
設定した条件を使用してすべてのプロキシ・サービスを検索する場合は「検索」をクリックし、すべてのサービスを表示する場合は「すべて表示」をクリックします。
プロキシ・サービスの検索結果は、「プロキシ・サービスのサマリー」テーブルで確認できます。
「プロキシ・サービスのサマリー」には、「状態」、「モニター」、「SLAアラート」、「メッセージ・トレース」、「パイプライン・アラート」、「レポート」、「ログ」、「実行トレース」、「パス」、「タイプ」、「名前」および「アクション」が表示されます。「プロキシ・サービスのサマリー」に表示されるフィールドの詳細は、51.3.2項「操作設定の表示と編集」を参照してください。
このテーブルを使用して、プロキシ・サービス、モニター、SLAアラート、メッセージ・トレース、パイプライン・アラート、メッセージ・レポート、パイプライン・ロギング、および実行トレースを有効または無効にします。有効または無効にするには、適切なフィールドのチェック・ボックスをクリックし、「更新」をクリックします。これらの設定による実行時の影響は、グローバル・レベルでの対応する設定にも依存します。グローバル設定の詳細は、46.7.2項「グローバル・レベルの操作設定の構成方法」を参照してください。このテーブルを使用すると、1つ以上のプロキシ・サービスの情報を同時に更新できます。
「リセット」をクリックすると、概要テーブルの変更が破棄され、現在保存されている設定でページが更新されます。
スマート検索のフィルタを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールでビジネス・サービスを検索できます。この項では、ビジネス・サービスの検索、表示、および編集について説明します。
表51-5は、ビジネス・サービスの検索をカスタマイズするために使用できるフィルタを示します。
表51-5 詳細フィルタを使用したビジネス・サービスの検索
フィルタ | 使用方法 |
---|---|
サービスの状態 |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
モニター |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
SLAアラート |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
メッセージ・トレース |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
キャッシュ |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
設定した条件を使用してすべてのサービスを検索する場合は「検索」をクリックし、すべてのサービスを表示する場合は「すべて表示」をクリックします。
ビジネス・サービスの検索結果は、「ビジネス・サービスのサマリー」テーブルで確認できます。
「ビジネス・サービスのサマリー」には、「状態」、「モニター」、「SLAアラート」、「メッセージ・トレース」、「名前」、「パス」および「タイプ」が表示されます。「ビジネス・サービスのサマリー」に表示されるフィールドの詳細は、51.3.2項「操作設定の表示と編集」を参照してください。
このテーブルを使用して、サービス、モニター、SLAアラート、およびメッセージ・トレースを有効または無効にします。有効または無効にするには、適切なフィールドのチェック・ボックスを選択し、「更新」をクリックします。これらの設定による実行時の影響は、グローバル・レベルでの対応する設定にも依存します。グローバル設定の詳細は、46.7.2項「グローバル・レベルの操作設定の構成方法」を参照してください。このテーブルを使用すると、1つ以上のビジネス・サービスの情報を同時に更新できます。
「リセット」をクリックすると、概要テーブルの変更が破棄され、現在保存されている設定でページが更新されます。
スマート検索のフィルタを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールで分割-結合を検索できます。この項では、分割-結合の検索、表示、および編集について説明します。
表51-6は、分割-結合の検索をカスタマイズするために使用できるフィルタを示します。
表51-6 詳細フィルタを使用した分割-結合の検索
フィルタ | 使用方法 |
---|---|
ログ |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
実行トレース |
「有効」または「無効」を選択します。このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
設定した条件を使用してすべてのサービスを検索する場合は「検索」をクリックし、すべてのサービスを表示する場合は「すべて表示」をクリックします。
分割-結合の検索結果は、「分割-結合のサマリー」テーブルで確認できます。
「分割-結合のサマリー」には、「名前」、「パス」、「タイプ」、「ログ」および「実行トレース」が表示されます。このテーブルを使用して、分割-結合構成の詳細を表示し、操作設定を変更し、ログおよび実行トレースを有効または無効にします。有効または無効にするには、適切なフィールドのチェック・ボックスを選択し、「更新」をクリックします。これらの設定による実行時の影響は、グローバル・レベルでの対応する設定にも依存します。グローバル設定の詳細は、46.7.2項「グローバル・レベルの操作設定の構成方法」を参照してください。このテーブルを使用すると、1つ以上の 分割-結合の情報を同時に更新できます。
「リセット」をクリックすると、概要テーブルの変更が破棄され、現在保存されている設定でページが更新されます。
スマート検索の詳細フィルタを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールでアラート宛先を検索できます。スマート検索では、アラート宛先の表示と削除を行うことができます。
表51-7は、アラート宛先の検索をカスタマイズするために使用できるフィルタを示します。
表51-7 詳細フィルタを使用したアラート宛先の検索
フィルタ | 使用方法 |
---|---|
対象 |
以下のいずれかのオプションを選択できます。
1つ以上の対象が選択されているアラート宛先のみが表示されます。デフォルトでは、「対象」フィルタは適用されません。 |
検索パターン |
ここに指定した文字列で、アラート宛先のすべての「説明」フィールドと電子メールおよびJMS宛先の特定の詳細フィールドが検索されます。該当する文字列がアラート宛先のいずれかのフィールドに存在すれば、検索条件に一致するアラート宛先が表示されます。 設定した条件を使用してすべてのアラート宛先を検索する場合は「検索」をクリックし、すべてのアラート宛先を表示する場合は「すべて表示」をクリックします。アラート宛先の詳細は、46.6.7項「アラート宛先とは」を参照してください。 |
アラート宛先の検索結果は、「アラート宛先のサマリー」テーブルで確認できます。
表51-8は、「アラート宛先のサマリー」テーブルに表示される情報を示します。
表51-8 アラート宛先の概要
列名 | 説明 |
---|---|
名前 |
検索条件を満たすアラート宛先の名前が表示されます。 |
パス |
Oracle Service Busドメインのリソースの場所が表示されます。 |
オプション |
アラート宛先で実行できるアクションが表示されます。このフィールドからアラート宛先を削除できます。 |
このテーブルを使用すると、1つ以上のアラート宛先を同時に削除できます。アラート宛先を削除するには、アラート宛先と関連付けられたチェック・ボックスをクリックし、「削除」をクリックします。
注意: アラート宛先を作成するには、パスをクリックして対応するプロジェクト・フォルダを表示します。「リソースの作成」で「アラート宛先」を選択して、新しいアラート宛先を作成します。アラート宛先の詳細を再構成または表示するには、アラート宛先をクリックして「アラート宛先の構成」ページに移動します。 |
スマート検索の追加フィルタを使用して、Oracle Service Bus管理コンソールでSLAアラート・ルールを検索できます。この項では、スマート検索を使用したアラート・ルールの検索、表示、および構成について説明します。
表51-9は、SLAアラート・ルールの検索をカスタマイズするために使用できるフィルタを示します。
表51-9 詳細フィルタを使用したSLAアラート・ルールの検索
フィルタ | 使用方法 |
---|---|
親サービス |
SLAアラート・ルールに関連付けられたプロキシ・サービスまたはビジネス・サービスに基づいてSLAアラート・ルールを検索できます。基本検索で指定したパスをオーバーライドする場合にこのフィルタを使用します。 |
サービス・タイプ |
親サービス条件の種類を指定できます。親サービスは、次のいずれかから選択できます。
注意: 「サービス・タイプ」の値を指定すると、「親サービス」はリセットされます。 |
ルール状態 |
SLAアラート・ルールの状態に基づいて検索をカスタマイズできます。SLAアラート・ルールは、次のどちらかの状態です。
このフィルタを無視する場合は、「すべて」を選択します。 |
重大度 |
SLAアラートの重大度に基づいて検索をカスタマイズできます。これを実行するには、「重大度」フィールドで重大度のレベルを設定します。 |
設定した条件を使用してすべてのサービスを検索する場合は「検索」をクリックし、すべてのサービスを表示する場合は「すべて表示」をクリックします。
注意: 「またはそれ以上」チェック・ボックスを選択すると、検索は指定した一定の値以上の重大度に制限されます。重大度を制限の少ない順に並べると、「通常」、「警告」、「軽度」、「重要」、「重大」、「致命的」となります。たとえば、重大度が「重要」、「重大」、および「致命的」であるアラート・ルールを検索するには、重大度を「重要」に設定し、「またはそれ以上」に関連付けられたチェック・ボックスをクリックします。 |
SLAアラート・ルールの検索結果は、「SLAアラート・ルール」テーブルで確認できます。このテーブルを使用すると、1つ以上のアラート・ルールの情報を同時に更新できます。アラート・ルールを有効または無効にするには、関連付けられたチェック・ボックスを選択し、「更新」をクリックします。
「リセット」をクリックすると、概要テーブルの変更が破棄され、現在保存されている設定でページが更新されます。
表51-10「SLAアラート・ルールのサマリー」テーブルに表示される情報を示します。
表51-10 「SLAアラート概要」テーブル
プロパティ | 説明 |
---|---|
名前 |
アラート・ルールの名前。名前をクリックすると、「アラート・ルールの詳細を表示」ページに移動します。詳細については、46.8.2項「既存のアラート・ルールをルックアップまたは編集する方法」を参照してください。 |
SLAの状態 |
アラート・ルールの状態:有効または無効。 |
説明 |
このフィールドはデフォルトで非表示。 アラート・ルールの説明。 |
サービス名 |
親サービスの名前。この名前は「操作設定」ページにリンクされています。 |
パス |
アラート・ルールの親サービスに関連付けられているプロジェクト。アラート・ルールの親サービスがプロジェクト・フォルダに存在する場合は、そのフォルダも表示されます。パスは以下の形式で表示されます。 プロジェクト名/ルート・フォルダ/ . . ./親フォルダ このパスは「プロジェクト・エクスプローラ」の対応するパスにリンクされています。 |
重大度 |
アラートの重大度は「通常」、「警告」、「軽度」、「重要」、「重大」、または「致命的」のいずれか。 |
集約間隔 |
集約間隔(時間および分)。 |
有効期限 |
このアラート・ルールが無効になる日付。 |
処理の停止 |
「はい」または「いいえ」を表示します。 このフィールドはデフォルトで非表示。 |
頻度 |
このアラートの頻度:
|
注意: ロールの特権に応じてアラート・ルールを有効または無効にできます。ロールの詳細は、第45章「Oracle Service Busのロール」を参照してください。アラート・ルールを有効および無効にする方法の詳細は、46.7.1項「サービスの操作設定の構成方法」を参照してください。 |