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Oracle® Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55906-04
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3 一般的なインストール・タスク

この章では、任意のOracle Fusion Middlewareのインストールを開始する前に実行しておくべきいくつかの一般的なタスクについて説明します。

次のトピックを取り扱います:

3.1 インストール前の作業

この項では、システムのインストールまたはアップグレードを開始する前に目を通しておくべき重要な情報について説明します。

3.1.1 システム要件と仕様の確認

インストールまたはアップグレードを開始する前に、システム要件ドキュメントで、ご利用環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たしていることを確認してください。

システム要件ドキュメントには、ハードウェアおよびソフトウェア要件、データベース・スキーマ要件、最小のディスク領域とメモリー要件、必要なシステム・ライブラリ、パッケージ、パッチなどに関する情報が記載されています。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-requirements-100147.html

3.1.2 動作保証情報の確認

インストールまたはアップグレードを行う前に、Oracle Fusion Middlewareサポート対象システム構成のドキュメントを参照してください。このマニュアルでは、サポートされる32ビットおよび64ビット・オペレーティング・システム、データベース、Webサーバー、LDAPサーバー、アダプタ、IPv6、JDKおよびサード・パーティ製品の動作保証に関する情報が記載されています。それは次のページにあります:

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

3.1.3 相互運用性と互換性の確認

インストールまたはアップグレードを行う前に、『Oracle Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド』を参照してください。Oracle Fusion Middleware製品が旧バージョンの他のOracle Fusion Middleware、Oracleまたはサード・パーティ製品と機能するために重要な情報がこのマニュアルに記載されています。この情報は、既存の環境をアップグレードする既存ユーザーと新しいOracle Fusion Middlewareユーザーの両方に適用されます。

3.1.4 Oracle Fusion Middlewareの概念の確認と理解

Oracle Fusion Middlewareを初めて使用する場合、第2章「Oracle Fusion Middlewareの概念とディレクトリ構造の理解」を参照して、出現する概念と用語に慣れてください。また、インストールやアップグレードを続行する前に、『Oracle Fusion Middleware概要』に記載されている概念について理解している必要があります。

3.1.5 Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの入手

具体的なニーズに応じて、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアを入手できる場所は複数あります。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのダウンロード、インストールおよび構成のReadMeでタスク4: Oracle Fusion Middlewareソフトウェア用ダウンロード・サイトの選択に関する項を参照してください。

http://download.oracle.com/docs/html/E18749_01/download_readme.htm

3.1.6 アプリケーション・サーバーのインストール

すべてのOracle Fusion Middleware製品(Oracle Web Tierを除く)では、システムにアプリケーション・サーバーが存在している必要があります。すべてのOracle Fusion Middleware製品では、Oracle WebLogic Serverがアプリケーション・サーバーとしてサポートされています。11g リリース1(11.1.1.4.0)以降における次の製品では、IBM WebSphereもアプリケーション・サーバーとしてサポートされています。

  • Oracle Application Developer

  • Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Management Suite

すべてのOracle Fusion Middleware製品(Oracle Web Tierを含めて)は、Middlewareホーム・ディレクトリ内にインストールされている必要があります。Oracle WebLogic Serverをインストールする場合、インストーラによりMiddlewareホーム・ディレクトリが作成されます。IBM WebSphereをアプリケーション・サーバーとしてインストールする場合、Oracle Fusion Middleware製品をインストールできるように、手動で別のMiddlewareホーム・ディレクトリを作成する必要があります。

インストール・ディレクトリ構造の詳細は、第2.2項「Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造」を参照してください。

インストールで必要なOracle WebLogic ServerやIBM WebSphereのバージョンを判別するには、Oracle Fusion Middlewareサポート対象システム構成のドキュメントで次のページを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

Oracle WebLogic Serverをインストールする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のインストール・プログラムのグラフィック・モードでの実行に関する項を参照してください。

IBM WebSphereをインストールする方法の詳細は、Oracle Fusion Middlewareサード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

3.1.7 データベースのインストールと構成

Oracle SOA SuiteやOracle WebCenterなど、一部のOracle Fusion Middleware製品では、これらの製品を正常に構成するために、スキーマのあるメタデータ・リポジトリが必要です。データベース内でスキーマを作成または更新するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用します。


注意:

ネットワーク待機時間の問題を最小限にとどめるには、すべてのメタデータ・リポジトリを製品と同じサイトのデータベースに置くことをお薦めします。

メタデータ・リポジトリの管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Metadata Repositoryの管理に関する項を参照してください。

RCUの実行方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

3.1.8 IBM DB2データベース用のオペレーティング・システム・ユーザーの作成

IBM DB2データベースを使用していない場合、この項はスキップできます。

IBM DB2データベースでは、対応するオペレーティング・システム・ユーザーを使用してデータベース・ユーザーを認証します。そのため、RCUを実行する前に、各スキーマのデータベース・ホストでオペレーティング・システム・ユーザーが1人作成されている必要があります。オペレーティング・システム・ユーザー名はスキーマ所有者名と一致し、小文字のみで構成されている必要があります。大文字のみの名前や大文字と小文字が混在する名前は使用できません。たとえば、RCUを使用してDEV_MDSという名前のスキーマを作成した場合は、オペレーティング・システム・ユーザー名はdev_mds(すべて小文字)にする必要があります。

オペレーティング・システム・ユーザーは、次のコマンドで作成できます(この例では、dev_mdsというオペレーティング・システム・ユーザーを作成し、welcome1というパスワードを割り当てます)。

/usr/sbin/useradd dev_mds -p welcome1 -d /scratch/dev_mds

詳細は、使用しているシステムのドキュメントを参照してください。

3.2 Oracle Configuration Managerのインストール

セキュリティ・アップデート(セキュリティ・アップデートの指定画面)およびソフトウェア更新(「ソフトウェア更新のインストール」画面)の有無を自動的にチェックするようにシステムを構成するかどうかをインストール時にたずねられます。処理を選択すると、Oracle Configuration Managerがシステムにインストールされます。

Oracle Configuration Managerは、主要なOracleとシステムの詳細情報を継続的に追跡管理しており、これによって構成の管理と提供に役立つ重要なデータが用意されます。収集データはHTTPSでOracle Supportに送信され、各構成のセキュアなビューが保持されます。My Oracle Supportには、システム状態のチェック、パッチに関するアドバイス、Oracle製品に関するそれ以外の重要情報が用意されています。Configuration Managerでは、ユーザー・パスワードなどのアプリケーション・データは収集されません。

詳細は、https://support.oracle.com/でMy Oracle Supportアカウントを作成するかログインしてから、「コレクタ」タブをクリックします。

3.3 インストールと構成の権限とユーザーについて

この項の内容は、次のとおりです。

3.3.1 インストールと構成の権限

Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルの所有権は、Fusion Middleware製品をインストールするユーザーに属し、そのユーザーはバイナリ・ファイルに対する読取り、書込みおよび実行の権限が付与されています。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーには、読取りと実行の権限のみあり、書込み権限はありません。これは、ファイルに書き込むことはできないが、インストールされているバイナリをOracleホームで使用して、Fusion Middleware製品のセットやドメインを構成できることを意味します。

構成中に構成処理で生成されたファイルの所有権は、構成ウィザードを実行するユーザーに属します。構成ウィザードを実行するユーザーには、それらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行の権限が付与されています。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。

すべての管理者が同じグループに属することを前提にして、これらのデフォルトが設定されています。そのグループにおける複数の管理者は、OracleホームとMiddlewareホームの共通セットから製品とドメインを構成します。

3.3.2 UNIXオペレーティング・システムでの非デフォルト・ユーザーとしてのインストール

UNIXオペレーティング・システムでは、インストールされたFusion Middleware製品の所有権は既知のユーザー(たとえば、oracle)に属して管理されます。このインストールに関連付けられているファイル関連権限は、可能な最高のレベルのセキュリティが確保されるように構成されます。デフォルトでは700 (すべてのファイルには所有者があり、所有者のみアクセス可能)になります。

デフォルトの権限設定を変更すると、インストールとシステムのセキュリティが脆弱になります。そのため、そのような変更はお薦めしません。特定のファイルや実行可能ファイルへのアクセス権が他のユーザーで必要な場合、ファイル関連権限を変更するかわりに、UNIXのsudoコマンド(または類似のコマンド)を検討してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

3.4 Java Access Bridgeのインストールと構成(Windowsのみ)

Windowsオペレーティング・システムにインストールする場合は、米国のリハビリテーション法第508条のアクセシビリティ基準に準拠したJava Access Bridgeをインストールして構成することもできます。この方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のJava Access Bridgeのインストールおよび構成(Windowsのみ)に関する項を参照してください。

3.5 DHCPホストへのインストール

Oracle Fusion Middleware製品をDHCPホストにインストールする場合は、使用するプラットフォームに応じて、この項で説明する構成手順に従う必要があります。

3.5.1 Linux x86プラットフォームの場合

Linux x86オペレーティング・システムでは、次のエントリを/etc/hostsファイルに含めるように変更することで、ホスト名をループバックIPアドレスに解決するようにホストを構成します。

127.0.0.1 hostname.domainname hostname
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost

この手順を実行したら、次のコマンドを入力して、ホスト名がループバックIPアドレスに解決されていることを確認してください。

/bin/ping hostname.domainname

3.5.2 Windows x86プラットフォームの場合

Windowsオペレーティング・システムでは、DHCPサーバーにループバック・アダプタをインストールします(第3.5.3項「ループバック・アダプタのインストール(Windowsのみ)」を参照)。これにより、ローカルIPアドレスがコンピュータに割り当てられます。

アダプタをインストールしたら、%SYSTEMROOT%\system32\drivers\etc\hostsファイルのlocalhost行の直後に、次の形式の行を追加します。

IP_address   hostname.domainname   hostname

IP_addressは、ループバック・アダプタのローカルIPアドレスに置き換えます。

3.5.3 ループバック・アダプタのインストール(Windowsのみ)

ループバック・アダプタをWindows 2003またはWindows XPにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Windows の「コントロール パネル」を開きます。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「コントロール パネル」→「ハードウェアの追加」の順に選択します。

    Windows XPの場合: 「スタート」→「コントロール パネル」の順に選択し、「ハードウェアの追加」をダブルクリックします。

  2. 開始ウィンドウで「次へ」をクリックします。

  3. 「ハードウェアは接続されていますか?」ウィンドウで「はい、ハードウェアを接続しています」を選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「次のハードウェアは既にコンピュータ上にインストールされています。」ウィンドウのインストール済ハードウェアの一覧で、「新しいハードウェア デバイスの追加」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます。」ウィンドウで「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください。」ウィンドウで「ネットワーク アダプタ」を選択し、「次へ」をクリックします。

  7. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の項目を選択します。

    • 製造元: Microsoft

    • ネットワーク アダプタ: Microsoft Loopback Adapter

  8. 次へ」をクリックします。

  9. 「ハードウェアをインストールする準備ができました。」ウィンドウで「次へ」をクリックします。

  10. 「ハードウェアの追加ウィザードの完了」ウィンドウで「完了」をクリックします。

  11. Windows 2003を使用している場合は、コンピュータを再起動します。

  12. デスクトップの「マイ ネットワーク」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。「ネットワーク接続」コントロール パネルが表示されます。

  13. 作成した接続を右クリックします。これは通常、「ローカル エリア接続 2」という名前です。「プロパティ」を選択します。

  14. 「全般」タブで「インターネット プロトコル (TCP/IP)」を選択し、「プロパティ」をクリックします。

  15. プロパティ・ダイアログ・ボックスで「次のIPアドレスを使う」をクリックして、次を実行します:

    1. IPアドレス: ループバック・アダプタに対して、ルーティング不可能なIPを入力します。次のルーティング不可能なアドレスをお薦めします。

      192.168.x.x (x is any value between 1 and 255)
      10.10.10.10
      
    2. サブネット マスク: 255.255.255.0と入力します。

    3. 入力した値を記録しておいてください。この値は、この手順で後ほど必要になります。

    4. 他のフィールドはすべて空のままとします。

    5. OK」をクリックします。

  16. 「ローカル エリア接続 2 のプロパティ」ダイアログで「OK」をクリックします。

  17. ネットワーク接続を閉じます。

  18. コンピュータを再起動します。

3.5.4 ループバック・アダプタの削除(Windowsのみ)

Windows 2003またはWindows XPでループバック・アダプタを削除するには、次の手順を実行します。

  1. コントロール パネルの「システム」を開きます。

    Windows 2003の場合: 「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

    Windows XPの場合: 「スタート」→「コントロール パネル」を選択してから、「システム」をダブルクリックします。

  2. 「ハードウェア」タブで「デバイス マネージャ」をクリックします。

  3. 「デバイス マネージャ」ウィンドウで「ネットワーク アダプタ」を開きます。「Microsoft Loopback Adapter」が見つかります。

  4. Microsoft Loopback Adapter」を右クリックし、「削除」を選択します。

  5. OK」をクリックします。

3.6 非ネットワーク・コンピュータへのインストール

Oracle Fusion Middleware製品は、ラップトップなどの非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。非ネットワーク・コンピュータには、他のコンピュータへのアクセス権がないので、必要なすべてのコンポーネントをこのコンピュータにインストールする必要があります。

さらに、第3.5項「DHCPホストへのインストール」で説明されている手順に従って、ループバック・アダプタをインストールし、システム上のhostsファイルを変更する必要があります。

3.7 マルチホーム・コンピュータへのインストール

Oracle Fusion Middleware製品は、マルチホーム・コンピュータにインストールできます。マルチホーム・コンピュータには複数のIPアドレスが関連付けられています。通常、コンピュータに複数のネットワーク・カードを搭載することで、マルチホームは実現されます。各IPアドレスにはホスト名が関連付けられており、ホスト名には別名を設定できます。

インストーラは、/etc/hostsファイル(UNIXオペレーティング・システムの場合)または%SYSTEMROOT%\system32\drivers\etc\hostsファイル(Windowsオペレーティング・システムの場合)の最初のエントリから完全修飾ドメイン名を取得します。したがって、次のようなファイルの場合は、

127.0.0.1 localhost.localdomain localhost
10.222.333.444 examplehost1.example.com examplehost1
20.222.333.444 examplehost2.example.com examplehost2

examplehost1.example.comが構成用に選択されています。

システム・コンポーネント固有のネットワーク構成については、個々のコンポーネントの構成ドキュメントを参照してください。

3.8 OPMNのhostsファイル・エントリの確認

Oracle Fusion Middleware製品をインストールしている際にOracle Process Manager and Notification Server (OPMN)もインストールする場合、インストール・システムのhostsファイル(UNIXシステムでは/etc/hosts、Microsoft WindowsシステムではC:\windows\system32\drivers\etc\hosts)に有効なエントリがあることを確認する必要があります。IPアドレスが有効でありシステムのネットワーク設定に対応していることを確認する必要があります。

次にようにして、システムのIPアドレスとホスト名を確認できます。

UNIXオペレーティング・システムでは次のようになります。

ipconfig -a

Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合:

ipconfig /all

hostsファイルにおけるIPアドレスと対応ホスト名は、ipconfigコマンドで表示されるIPアドレスとホスト名に一致する必要があります。それ以外の場合、opmn.xmlファイルにある構成情報は正しくないので、OPMNは起動しません。

3.9 部分的なインストールやインストール中の中断からのリカバリ

インストール処理が完了前に中断した場合、インストール結果は不完全な部分インストールになり機能しない可能性が高くなります。この現象が発生した場合、以前のインストールを削除することをお薦めします。これが成功すると、正常に再インストールできます。それ以外の場合、新しいMiddlewareホームに再インストールする必要があります。

3.10 リモート・マシンでの管理対象サーバーの作成と起動

リモート・マシンのWebLogicドメインに管理対象サーバーを作成して起動するには、次の手順を実行します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』の、リモート・マシンでの管理対象サーバーの作成および起動に関する項を参照してください。