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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.5.0)
B55916-05
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23 Oracle Business Activity Monitoringの監視

この章では、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してOracle Business Activity Monitoring(BAM)のパフォーマンス統計とログを表示する方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

23.1 Oracle BAMの監視の概要

Oracle BAMのコンポーネントは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して様々な側面から監視できます。

Oracle BAMサーバーのコンポーネントであるアクティブ・データ・キャッシュ、イベント・エンジン、レポート・キャッシュおよびエンタープライズ・メッセージ・ソースは、Fusion Middleware Controlの「OracleBamServer」ページで監視できます。詳細は、第23.2項「Oracle BAMサーバーのコンポーネントの監視」を参照してください。

Oracle BAMレポート・サーバーは、Fusion Middleware Controlの「OracleBamWeb」ページで監視できます。詳細は、第23.3項「Oracle BAM Webアプリケーションの監視」を参照してください。

さらに、各コンポーネントの「パフォーマンス・サマリー」では、選択した特定の統計を追跡できます。詳細は、第23.5項「Oracle BAMのパフォーマンスの監視」を参照してください。

また、Oracle BAMのログは、Fusion Middleware Controlを使用して構成および監視できます。詳細は、第23.6項「Oracle BAMのログの監視」を参照してください。

23.2 Oracle BAMサーバーのコンポーネントの監視

Oracle BAM Serverのコンポーネントは、Oracle BAM ServerのFusion Middleware Controlのページで監視します。

Oracle BAMサーバーのコンポーネントを監視する手順は、次のとおりです。

ナビゲーション・ツリーで「BAM」「OracleBamServer」の順に選択し、Oracle BAMサーバーのホーム・ページに移動します。

「OracleBamServer」ページでは、各タブ(「アクティブ・データ・キャッシュ」、「イベント・エンジン」、「レポート・キャッシュ」、「エンタープライズ・メッセージ・ソース」)を選択して、Oracle BAMサーバーの各コンポーネントを監視できます。


注意:

または、ファーム・ホーム・ページで、ファームの詳細を表示しているページの右側のコンテンツ領域からOracle BAMのターゲットを選択することもできます。

23.2.1 Oracle BAMアクティブ・データ・キャッシュの監視

Oracle BAMアクティブ・データ・キャッシュ(Oracle BAM ADC)は、大量のデータをリアルタイムで処理できるように設計および最適化されています。Oracle BAM ADCに到達したデータによって、メモリー内キャッシュにある定義済のすべての計算と集計がリアルタイムで即時に更新されます。これによって、データをOracle BAMのダッシュボードとレポートにできるかぎり迅速にプッシュできます。Oracle BAM ADCにフィードされたデータは、Java Message Service(JMS)のトピックやキューから従来のデータ問合せやデータベースまでの様々なソースの組合せです。Oracle BAM ADCでは、ソースに関係なく、Oracle BAMサーバーが受信データを認識すると、そのデータは、変更が発生するたびにOracle BAMのアラートとダッシュボードにストリームされます。

Oracle BAM ADCには、データ・セットとビュー・セットの2つの重要なコンポーネントがあります。Oracle BAM ADCは、トランザクション(挿入、更新、アップサートおよび削除)をデータ・セットで受け取ります。このデータ・セットは、Oracle BAMアーキテクトにデータ・オブジェクトを定義する際に、Oracle BAM開発者がデータ関係について定義した設計に基づいて構築されます。データ・オブジェクトには、データのフラット表を反映したり、より複雑なデータ・オブジェクト間のスター・スキーマ関係(Oracle BAMではデータ・オブジェクト参照として示されます)を反映できます。

データ・セット内でデータが更新されると、そのデータ・セットをリスニングしているビュー・セットが起動します。ビュー・セットは、ユーザーがOracle BAMシステムで表示している、オープン状態のOracle BAMのダッシュボードとアラートをすべて認識しています。ビュー・セットは、オープン状態のダッシュボードとアラートへの更新を公開するプッシュ・ベースのメカニズムを使用して、最初に、これらのオープン状態のオブジェクトに対するデータ更新を段階的に実行し、ユーザーに最新情報を提供します。

Fusion Middleware ControlのOracle BAMのページは、Oracle BAM ADC内のすべてのデータ・オブジェクトに関する統計を1つのグループとして監視したり、監視する「データ・オブジェクト」リストから特定のデータ・オブジェクトを選択する際に使用します。

bam_server_adc_tab.gifの説明が続きます
図版bam_server_adc_tab.gifの説明


注意:

リストからデータ・オブジェクトを選択すると、パフォーマンスを維持するためにキャッシュれたデータが表示されます。選択したデータ・オブジェクトに関連する最新データを表示するには、(「リフレッシュ」アイコンを使用して)ページをリフレッシュする必要があります。bam_em_refresh.gifの説明が続きます
図版bam_em_refresh.gifの説明

ビュー・セット

アクティブ・ビュー・セットは、一般的に、Oracle BAMレポートで表示されます。オープン・ビュー・セットは、アクティブなオープン・ビュー・セットおよび静的なオープン・ビュー・セットの集合です。

Oracle BAMレポートおよびアラートでは、アクティブ・ビュー・セットが使用されます。Oracle BAM Serverでは、内部プロセスで静的なビュー・セットが使用されます。また、コードの内部には、システム・オブジェクト(メタデータ・テーブル)に関する静的なビュー・セットが使用されている部分もあります。Oracle BAM Serverで静的なビュー・セットが閉じられていない場合は、それらのビューで異なる値が表示されることがあります。

静的なビュー・セットはアクティブなデータ生成をサポートしておらず、データ・オブジェクトからデータをフェッチするために使用されるため、オープンされるのは、データをフェッチする非常に短い時間のみとなります。このため、「オープン」カウンタには、通常、アクティブ・ビュー・セットからの値が表示されます。

ビュー・セット数の差異

Oracle BAMのコンポーネントであるアクティブ・データ・キャッシュ、レポート・キャッシュおよびレポート・サーバーのビュー・セット数を監視できます。アクティブ・データ・キャッシュ、レポート・キャッシュおよびレポート・サーバーの各メトリック間で、ビュー・セット数が一致しない場合があります。

レポート・サーバーは、レポート・キャッシュを介して、ブラウザ内で開いているレポートに含まれるすべてのビューに対してビュー・セットを開きます。アクティブ・データ・キャッシュは、レポート・キャッシュより多くのビュー・セットを開きます。このようなビュー・セットは、イベント・エンジンを介してアクティブ・データ・キャッシュ内で開きます。

イベント・エンジンは、起動するたびに定義済のすべてのアラートをロードします。これらのアラートはアクティブ・データ・キャッシュ内のデータ変更を監視するように定義されているため、対応するビュー・セットはアクティブ・データ・キャッシュ内で開きます。これが、アクティブ・データ・キャッシュの監視ページに表示されるビュー・セットの数が、レポート・キャッシュやレポート・サーバーのページより多くなる理由です。

レポート内のほとんどのビューについては、対応するビュー・セットがアクティブ・データ・キャッシュ内にあります。レポートで開いたビュー・セットは、クロス集計ビューを除いて、そのレポートの後続のインスタンスと共有されます。クロス集計ビューを使用しているレポートでのビュー・セット・コールは、他のビューで使用するビュー・セット・コールと同一ではありません。クロス集計ビューを含むレポートが開くと、アクティブ・データ・キャッシュでは、3つのビュー・セットが開きます。2つのビュー・セットはデータのフェッチ直後に閉じますが、1つのビュー・セットは開いたままで、受信する変更を監視します。

操作/秒

この統計には、選択したデータ・オブジェクトで発生した挿入、更新、アップサートおよび削除操作がすべて含まれます。付随するグラフには、直前5分間の統計が表示されます。

操作の平均バッチ・サイズ

この統計は、選択したデータ・オブジェクトに対する各バッチ操作に含まれる平均レコード数です。付随するグラフには、直前5分間の統計が表示されます。

待機スレッド

特定の操作は同期する必要があるため、データ・オブジェクトをロックする必要があります。この統計は、後続の操作を実行するためにデータ・オブジェクトがアンロックされることを待機し、ブロックされているスレッドの数を表示します。

合計トランザクション

この統計には、Oracle BAMのデータ・オブジェクトに対するトランザクションの数が表示されます。これは、コミットされたトランザクションとロールバックされたトランザクションの数の合計です。また、付随するグラフには、オープン・トランザクションと完了したトランザクションの数も表示されます。

たとえば、Oracle BAMのデータ・オブジェクトに1行追加して保存(コミット)した場合、これが1つのトランザクションになります。このメトリックは、Oracle BAMサーバーのクライアントがトランザクションを使用している場合のみ有効です。

JMSトピックまたはキューに接続している場合は、EMSでもトランザクションを使用できます。

このメトリックは、BPELのOracle BAMセンサー・アクションおよびOracle Data Integratorナレッジ・モジュールでのトランザクションを追跡するように構成できます。

「ロールバックされたトランザクション」の場合、Oracle BAMのデータ・オブジェクトに対して無効な挿入操作を実行しようとすると、Oracle BAMサーバーはそのトランザクションをロールバックします。

23.2.2 イベント・エンジン・コンポーネントの監視

Oracle BAMサーバーでは、イベント・エンジンを使用してOracle BAMのアラートを評価および実行します。イベント・エンジンは、複雑なデータ条件を監視し、指定したルールを実装します。ルールには、イベントに関連した一連の条件とアクションが含まれています。イベント・エンジンは、特定の条件に関してアクティブ・データ・キャッシュ内の情報を継続して監視し、関連したルールに定義されている関連アクションを実行します。

イベント・エンジンは、日付、時間またはデータ変更に基づいてイベントを追跡します。イベント・エンジンはサテライトの概念を使用して設計されており、この概念には、EVENT句を登録して追跡できる4つの異なるシステム(サテライト)があります。

「日付」サテライトと「時間」サテライトはいずれもスケジューラに基づいており、たとえば、「このOracle BAMダッシュボードのスナップショットを毎朝8時に電子メールで受信する」のような時間ベースのアラートに使用されます。

手動サテライトは、アラートを名前によって(Webサービス・コールを使用して)手動で送信するために使用されます。

「データ」サテライトは、特定のデータ・オブジェクトのデータに対する特定の変更に基づいたアラートを追跡するために使用されます。このようなアラートの例には、「MediaSalesデータ・オブジェクトでSUM(Sales) > 10000の場合は、このWebサービスをコールしてください」、「このダッシュボードで変更が発生した場合は知らせてください」などがあります。

イベント・エンジンのアクティブ・ルール、条件一致率および処理中のキューに関する統計を監視できます。

bam_server_eetab.gifの説明が続きます
図版bam_server_eetab.gifの説明

アクティブ・ルール

この統計には、Oracle BAMイベント・エンジン内のアクティブな(期限切れまたは無効ではない)アラート・ルールの数が表示されます。この統計には、Oracle BAMイベント・エンジン内のアラート・ルールの合計数が表示されます。これは、すべてのOracle BAMユーザーに対して作成されたアラートの合計です。

ルール起動率/秒

この統計グループには、「実績」「承認されたイベント」および「拒否されたイベント」の各率に関する直前5分間のイベントの率が表示されます。

「実績」ルール起動率/秒は、イベント・サービスで起動したイベントの1秒当たりの数です。これは、起動したイベントの1秒当たりの数で、直前5分間のアラートによるイベント起動回数が対象となります。たとえば、「OracleBamServer」ページがロードされ、直前5分間に2つのアラートのみが起動された場合、表示される値は2/(5 X 60)、つまり0.0067になります。このため、300秒間に2回起動された場合は、1秒間に0.0067回起動されることになります。

「承認されたイベント」は、サテライトから起動したイベントの1秒当たりの数です。つまり、構成したアラートから起動し、承認されて次の処理に進むイベントの1秒当たりの数で、直前5分間に承認されたイベントが対象となります。表示される値は、「実績」と同じ方法で計算されます。起動したすべてのイベントは、イベント・エンジンのキューしきい値を超えないかぎり承認されて次の処理に進みます。

「拒否されたイベント」は、拒否されたイベントの1秒当たりの数です。つまり、構成したアラートから起動し、拒否されて次の処理に進むイベントの1秒当たりの数で、直前5分間に拒否されたイベントが対象となります。表示される値は、「実績」と同じ方法で計算されます。起動したイベントは、イベント・エンジンのキューしきい値を超えた場合に拒否されます。この値はゼロであることが理想的です。

処理中のキューのサイズ

このグラフには、イベント処理中のキューのサイズ、つまり、処理待ちのイベントの数が表示されます。これらのキューはイベントが処理されるとすぐに空になります。したがって、キュー内に処理待ちのアラートが表示される場合は、多数のイベントが同時に生成されていることになります。

「処理中のキューのサイズ」グラフには、直前5分間の統計が表示されます。このグラフには、「起動されたルール・キュー」「アラート・アクション・キュー」および「アラート履歴キュー」の状態が表示されます。

「起動されたルール・キュー」には、起動されて処理待ちのイベントの数が表示されます。イベント・エンジンは、起動されたイベント用に内部メモリー内キューを保守しています。すべてのイベントは、このキューに一時的に格納され、イベント・エンジンのリソースが使用可能になると同時に、追加処理のために取り出されます。このメトリックは、起動され、システムによる取得をキュー内で待機しているイベントの数を示します。

「アラート・アクション・キュー」には、処理待ちのアクションの数が表示されます。イベント・エンジンは、アクション用に内部メモリー内キューを保守しています。すべてのアクションは、このキューに一時的に格納され、イベント・エンジンのリソースが使用可能になると同時に、追加処理のために取り出されます。このメトリックは、システムによる取得をキュー内で待機しているアクションの数を示します。

「アラート履歴キュー」には、保存の対象となるアラート履歴項目の数が表示されます。イベント・エンジンは、すべての履歴項目用に内部メモリー内キューを保守しています。すべての項目は、このキューに一時的に格納された後、取得されてバックエンドに保存されます。このメトリックは、システムによる取得をキュー内で待機している履歴項目の数を示します。

23.2.3 レポート・キャッシュ・コンポーネントの監視

レポート・キャッシュは、ビュー・セット・スナップショットをメモリー内に保持してアクティブ・データ・キャッシュを支援します。レポート・キャッシュは、レポート・サーバー(Oracle BAM Webアプリケーションのコンポーネント)のアクティブ・データ・キャッシュでビュー・セットを開きます。次に、スナップショット(小さい部分内)およびアクティブなデータをキャッシュし、それをレポート・サーバーに送信します。これによって、スナップショットへのランダム・アクセスが可能になり、Oracle BAMサーバーへの接続が失われた場合にリカバリできます。また、レポート・キャッシュは、アクティブ・データ・キャッシュとともに、ビュー・セットの共有をサポートします。

bam_server_rc_tab.gifの説明が続きます
図版bam_server_rc_tab.gifの説明

アクティブ・データ・セッション

この統計には、アクティブなデータがあるレポート・キャッシュ・セッションの合計数が表示されます。

ユーザーが1台のコンピュータ上で複数のブラウザ・ウィンドウを開いてOracle BAMレポートを表示する際は、同じアクティブ・データ・セッションが、開いているすべてのブラウザ・ウィンドウで共有されます。ユーザーが各ブラウザ・ウィンドウに開いているのが同じレポートか異なるレポートかに関係なく、「アクティブ・データ・セッション」の件数は、常に1です。

アクティブ・データ・レポート

この統計には、アクティブなデータをリクエストするオープン状態のレポートの合計数が表示されます。

ファイル数

この統計には、Oracle BAMサーバーがファイル・ベースの永続性マネージャを使用するように構成されている場合に、FileBasedPersistenceManagerで現在管理されているファイルの合計数が表示されます。詳細は、第22.3.5項「レポート・キャッシュ永続性マネージャの構成」を参照してください。

要素数

この統計には、Oracle BAMサーバーがメモリー・ベースの永続性マネージャを使用するように構成されている場合に、InMemoryPersistenceManagerで現在管理されている要素の合計数が表示されます。詳細は、第22.3.5項「レポート・キャッシュ永続性マネージャの構成」を参照してください。

ビュー・セット

この統計グループには、次のカウンタが表示されます。

「平均オープン時間(秒)」は、ビュー・セットを開くのに要した平均時間です。

「送信メッセージ率(/秒)」は、レポート・キャッシュですべてのクライアントに配信された変更リストの1秒当たりの数です。

「ビューセットごとのメッセージ率(秒)」は、ビュー・セットごとに配信された変更リストの1秒当たりの数です。

「オープン・ビューセットの合計」は、ブラウザで開いているレポートに含まれるすべてのビューのレポート・キャッシュで保持されているビュー・セット数の合計(つまり、共有、非共有および継承の各ビュー・セットの合計)です。

「オープン・ビューセット」グラフには、共有ビュー・セット、継承ビュー・セットおよび非共有ビュー・セットが表示されます。

共有ビュー・セットは親のビュー・セットになります(これらのビュー・セットが最初に開きます)。

継承ビュー・セットは子のビュー・セットになります(これらのビュー・セットは後で開きます)。

非共有ビュー・セット(独立したビュー・セット)は、共有ビュー・セットにも継承ビュー・セットにもなりません。

パフォーマンス上の理由で、ビュー・セットの共有は可能な場合はいつでも行われます(顧客がまったく同じビュー・セットを要求すると、そのビュー・セットは共有できます)。ビュー・セットを共有できない場合、それらは非共有です。

行レベルのセキュリティに差異がない複数のユーザーが、ほとんど同時に同じレポートを開いた場合、アクティブ・データ・キャッシュで作成されたビュー・セットはレポート・キャッシュで共有されます。


注意:

アクティブ・データ・キャッシュ、レポート・キャッシュおよびレポート・サーバーの各メトリック間で、ビュー・セット数が一致しない場合があります。詳細は、「ビュー・セット数の差異」を参照してください。

23.2.4 エンタープライズ・メッセージ・ソースの監視

エンタープライズ・メッセージ・ソース(EMS)は、メッセージをOracle BAMのデータ・オブジェクトに直接マップして、Java Message Service(JMS)をOracle BAMサーバーに直接接続するアプリケーションで使用されます。Oracle BAMサーバーは、JMSベースのメッセージ・キューまたはトピックからデータを直接読み取ることができます。このオプションによって、保証付きメッセージが提供されます。XMLスタイルシート言語(XSL)での厳密なデータ・トランスフォーメーションの実行は、Oracle Data Integratorなどの抽出、変換およびロード(ETL)ツールによる実行よりも構成が困難で処理速度も遅くなります。

EMS機能では、ETLシナリオを構成せずに、メッセージをOracle BAMサーバーのデータ・オブジェクトに直接マップします。ただし、データをデータ・オブジェクトに挿入(更新、アップサートまたは削除)する前に、XSLトランスフォーメーションを使用することはできます。各EMSは、JMSの特定のトピックまたはキューから読み取られ、その情報がアクティブ・データ・キャッシュのデータ・オブジェクトに配信されます。EMS定義の構成には、Oracle BAMアーキテクトWebアプリケーションを使用します。

EMS定義の構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』を参照してください。

bam_server_ems_tab.gifの説明が続きます
図版bam_server_ems_tab.gifの説明


注意:

データが「エンタープライズ・メッセージ・ソース」ページに表示されるのは、作成したEMS定義をOracle BAMアーキテクトで起動した場合のみです。Fusion Middleware Controlでは、データをフェッチして統計を「エンタープライズ・メッセージ・ソース」ページに表示するまで時間がかかる場合があります。

ページをリフレッシュすると、最新のEMSデータが表示されます。「リフレッシュ」アイコンを使用してページをリフレッシュできます。

bam_em_refresh.gifの説明が続きます
図版bam_em_refresh.gifの説明

エンタープライズ・メッセージ・ソース

監視するEMSをリストから選択します。すべてのEMS定義について集計された統計を表示したり、表示されたリストから監視対象の特定のEMSを選択することもできます。

メッセージ

選択したEMSで受信したメッセージの数を監視します。拒否に関する統計は、「パフォーマンス・サマリー」メトリック・ページで確認できます。

付随するグラフには、「受信メッセージ」「承認メッセージ」「拒否メッセージ」に分類されて表示され、「受信メッセージの合計」は上部に表示されます。

操作/秒

選択したEMSで実行した挿入、更新、アップサートおよび削除操作の率を監視します。

「操作/秒」グラフには、直前5分間の統計が表示されます。

各タイプの操作の率に関する詳細を確認する場合は、「パフォーマンス・サマリー」ページに移動します。詳細は、第23.5項「Oracle BAMのパフォーマンスの監視」を参照してください。

23.2.5 進行中のクライアント・リクエストの監視

Oracle BAMの進行中のクライアント・リクエストグラフは、Oracle BAMサーバーのホーム・ページの右下隅に表示されます。クライアント・リクエストには、Oracle BAMサーバーのEnterprise Java Beans(EJB)に対するすべてのリクエストが含まれます。

bam_em_server_chart.gifの説明が続きます
図版bam_em_server_chart.gifの説明

1つのレポートを開くと、権限、レポート・メタデータ、ビュー・データなどに対して多数の内部リクエストが作成されます。ただし、ユーザーは、このグラフに表示される内部リクエストを表示できる場合とできない場合があります。

23.3 Oracle BAM Webアプリケーションの監視

Oracle BAM Webアプリケーションは、Fusion Middleware Controlの「OracleBamWeb」ページで監視します。

Oracle BAMレポート・サーバーを監視するには、ナビゲーション・ツリーで「BAM」「OracleBamWeb」の順に選択し、「OracleBamWeb」ページに移動します。

図23-1 BAM Web統計

図23-1の説明が続きます
「図23-1 BAM Web統計」の説明

23.3.1 Oracle BAMレポート・サーバーの監視

Oracle BAMレポート・サーバーは、ブラウザ内の表現を定義するために、Oracle BAM ADCから取得したデータ・セットにレポート定義を適用します。また、レポートを表示および印刷するために、情報のページングを管理します。作成されたレポートはOracle BAM ADCに格納されるため、毎回レポート作成を繰り返すことはありません。ほとんどのレポート・ビューは、データ変更のアクティブなライブ表示をリアルタイムでサポートするように設計されています。

Oracle BAMレポート・サーバーの接続、ビュー・セットおよびレポートに関する統計を監視できます。

bam_web_reportserver.gifの説明が続きます
図版bam_web_reportserver.gifの説明

接続

この統計グループには、次の統計情報が表示されます。

「オープン接続」は、レポート・サーバーでオープン状態の接続の数です。オープン接続は、セッションごとに各ユーザーに対応しています。これは、オープン状態のレポートの数とは異なります。これは、1名のユーザーが一度にオープンできる接続は、そのユーザーが開いているレポートの数に関係なく1つのみであるためです。

「メッセージ率(/秒)」は、すべてのユーザー(接続)に配信されたメッセージ(ビュー・セット変更リスト)の1秒当たりの合計数です。

「接続ごとのメッセージ率(秒)」は、配信されたメッセージ(ビュー・セット変更リスト)のユーザー(接続)ごとの1秒当たりの数です。

ビュー・セット

この統計グループには、オープン・ビュー・セットの数、およびサーバーでそれらのビュー・セットをオープンするためにかかった平均時間(秒単位)が表示されます。

「平均オープン時間(秒)」は、サーバーがビュー・セットを作成して、Webブラウザに送信するために必要な平均時間の測定です。この統計は、クライアント側のWebブラウザでHTMLを表示して、JavaScriptをロードするために必要な時間は考慮していません。


注意:

アクティブ・データ・キャッシュ、レポート・キャッシュおよびレポート・サーバーの各メトリック間で、ビュー・セット数が一致しない場合があります。詳細は、「ビュー・セット数の差異」を参照してください。

レポート

この統計には、オープン状態のレポートの合計数が表示されます。「オープン接続」グラフには、Oracle BAM Webアプリケーションに対するオープン接続が表示されます。ズーム軸を使用して特定の時間にズーム・インすると、その時間のオープン接続の統計を表示できます。

レポートの合計数には、同じユーザーが重複して開いたレポートの数が含まれます。同じレポートを複数のブラウザ・ウィンドウで開いた場合でも、各インスタンスは個別のレポートと見なされます。これは、レポート・インスタンスごとに新しいビュー・セットがレポート・サーバーで(Oracle BAMレポート・キャッシュを介して)開くためです(ただし、ビュー・セットは共有されます)。

23.3.2 オープン接続の監視

Oracle BAMの「オープン接続」グラフは、Oracle BAMサーバーのホーム・ページの右下隅に表示されます。

bam_web_openconngraph.gifの説明が続きます
図版bam_web_openconngraph.gifの説明

23.4 Oracle BAM Webサービスの監視

Oracle BAM Webサービスの詳細は、Fusion Middleware ControlのOracle BAMのページに表示されません。Oracle BAM Webサービスのカウンタは、図23-2に示すように、ナビゲーション・ツリーで「WebLogicドメイン」「soa_bam_domain」「BAM_Server」の順に選択し、「最も頻度の高いリクエスト」リージョンの「JEE Webサービス」タブを選択して表示できます。

Oracle BAMには、DataObjectDefinition、DataObjectOperationsByName、DataObjectOperationsByID、DataObjectOperations10131、ManualRuleFireおよびICommandの各Webサービスが用意されています。『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』のOracle BAM Webサービスの使用に関する項を参照してください。

「JEE Webサービス」表には、「呼出し数」「レスポンス数」「レスポンス・エラー数」「平均レスポンス時間(ミリ秒)」「平均実行時間(ミリ秒)」および「合計ディスパッチ時間」に関する統計が表示されます。

図23-2 Oracle BAM Webサービスのカウンタ

図23-2の説明が続きます
「図23-2 Oracle BAM Webサービスのカウンタ」の説明

23.5 Oracle BAMのパフォーマンスの監視

Oracle BAMアプリケーションのパフォーマンスは、メトリックと統計に反映されます。Oracle BAMサーバーとOracle BAM Webアプリケーションには、適切なメトリックを表示する個別の「パフォーマンス・サマリー」ページがあります。

図23-3に示すように、Oracle BAMの各コンポーネントのメニューで「監視」「パフォーマンス・サマリー」の順に選択すると、図23-4に示す「パフォーマンス・サマリー」ページが表示されます。

図23-3 「監視」ショートカット・メニュー

図23-3の説明が続きます
「図23-3 「監視」ショートカット・メニュー」の説明

図23-4 「パフォーマンス・サマリー」ページ

図23-4の説明が続きます
「図23-4 「パフォーマンス・サマリー」ページ」の説明

多数のメトリックを取得して表示できます(ほとんどのメトリックは、Oracle BAMのコンポーネントのホーム・ページにも表示されます)。各メトリックの説明は、そのメトリックのヘルプ・ページを参照してください。

最も重点をおく重要な情報を取得するには、「メトリック・パレット」を使用します。「メトリック・パレットの表示」をクリックすると、図23-5に示す「メトリック・パレット」が表示されます。

最も関心のあるメトリックを選択します。パレットからメトリックを選択したり、選択を解除すると、左側のメトリック・グラフが自動的に更新されます。

図23-5 Oracle BAM Webアプリケーションのメトリック・パレット

図23-5の説明が続きます
「図23-5 Oracle BAM Webアプリケーションのメトリック・パレット」の説明

各メトリックの詳細を検索するには、図23-6に示すように、メトリック・ラベルを右クリックし、「ヘルプ」を選択します。

図23-6 「メトリック」ショートカット・メニュー

図23-6の説明が続きます
「図23-6 「メトリック」ショートカット・メニュー」の説明

23.6 Oracle BAMのログの監視

Oracle BAMのログは、Fusion Middleware Controlを使用して構成および表示します。


注意:

Oracle BAMサーバーとOracle BAM Webアプリケーションには、個別のログ・ページがありますが、それぞれのページには、Oracle BAMアプリケーションのすべてのコンポーネントに関するログが表示されます。

ロガー機能の使用については、オンライン・ヘルプ・ページを参照してください。ロガーの構成については、第22.4項「ロガーの構成」を参照してください。

ログを表示するには、図23-7に示すように、ナビゲーション・ツリーで「OracleBamServer」ノードまたは「OracleBamWeb」ノードを右クリックし、「ログ」「ログ・メッセージの表示」の順に選択します。

図23-7 「ログ」ショートカット・メニュー

図23-7の説明が続きます
「図23-7 「ログ」ショートカット・メニュー」の説明

図23-8に示すように、「ログ・ビューア」ページが開きます。このページを使用して、コンポーネントに関する情報を問い合せます。フィールドとリストを使用して問合せをカスタマイズします。

図23-8 「ログ・メッセージ」ページ

図23-8の説明が続きます
「図23-8 「ログ・メッセージ」ページ」の説明

検索基準の入力後、「ターゲット・ログ・ファイル」をクリックします。図23-9に示すように、「ログ・ファイル」ページが表示されます。特定のログ情報を表示したり(図23-10を参照)、ログをダウンロードできます。

図23-9 「ログ・ファイル」ページ

図23-9の説明が続きます
「図23-9 「ログ・ファイル」ページ」の説明

図23-10 ログ・ファイル: bam_server1.log

図23-10の説明が続きます
「図23-10 ログ・ファイル: bam_server1.log」の説明