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Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55919-02
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Q ローリング・アップグレードの実行

レプリケーションがOracle Internet Directory環境で構成されている場合、この付録の手順に従ってローリング・アップグレードを実行します。この付録には、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』への参照が含まれています。

ディレクトリ・レプリケーション・グループ(DRG)のOracleホーム・ディレクトリをアップグレードするには、DRGのすべてのレプリケーション・サーバーを停止し、各Oracleホームをそれぞれ最新バージョンにアップグレードします。レプリケーション・サーバーを停止しないと、Middleware Oracleホーム・ディレクトリをアップグレードするときに問題が発生する可能性があります。このプロセスによる停止時間およびサービスの喪失を回避するには、ローリング・アップグレードの手順に従って、他のOracle Internet DirectoryノードおよびDRG内の対応するレプリケーション・サーバーが稼動したままの状態で、各Oracleホーム・ディレクトリを個別にアップグレードすることをお薦めします。

Q.1 ローリング・アップグレードの前提条件

DRGのバージョンによっては、次の個別パッチをDRG内の各Oracleホームに適用してから、ローリング・アップグレード手順を開始して、remtoolバイナリとoidrepldバイナリをアップグレードする必要があります。

Q.2 ローリング・アップグレードの手順

この項の手順に従って、Oracle Internet Directory DRGをアップグレードします。

  1. アップグレードする最初のノード上のレプリケーション・サーバーを停止します。

  2. 最初のノードから他の各ノードへのレプリケーションを次のように一時停止します。

    remtool -psuspendrepl -fromnode first_node_host:first_node_port
    

    このコマンドは、すべてのOracle Internet DirectoryノードのレプリカIDおよびそれらの各ディレクトリ・バージョン番号をリストします。要求されたとおりに他の各ノードのレプリカIDを指定するか、または他のすべてのノードへのレプリケーションを一時停止するallを入力します。

    詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementリファレンスのremtoolに関する説明を参照してください。

  3. DRGの最初のノードから他のすべてのノードへのレプリケーションが一時停止されたことを検証するには、次のldapsearchコマンドを実行します。

    ldapsearch -h first_node_host -p OID_port  -b "" -s base "(objectclass=orclReplAgreementEntry)" orcllastappliedchangenumber
    

    最初のノードから他のノードへのorcllastappliedchangenumberをサブタイプ・ステータスで探します。値は0となっているはずです。次の形式になります。

    orcllastappliedchangenumber;status$replica_id_of_first_node$replica_id_of_other_node;transport
    

    および

    orcllastappliedchangenumber;apply;status$replica_id_of_first_node$replica_id_of_other_node
    

    矛盾がある場合は、手順2を繰り返す必要があります。

  4. アップグレードしようとしているノード上でOracle Internet Directoryを停止します。

  5. ノードにパッチを適用して、リリース11.1.1.4.0にアップグレードします。『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』の手順を参照してください。

  6. アップグレードしたばかりのノード上でOracle Internet Directoryを起動します。

  7. 他のノードはまだアップグレードされていないため、最初のノードと他のノードとの間のレプリケーションは再開しないでください。

  8. アップグレードする2番目のノードでレプリケーション・サーバーを停止します。

  9. 2番目のノードから、まだアップグレードされていない各ノードへのレプリケーションは一時停止します。

    remtool -psuspendrepl -fromnode second_node_host:second_node_port
    

    このコマンドは、すべてのOracle Internet DirectoryノードのレプリカIDおよびそれらの各ディレクトリ・バージョン番号をリストします。まだアップグレードされていない他の各ノードのレプリカIDを指定する必要があります。

  10. 手順3と同じコマンドを2番目のノードに使用して、アップグレードしようとしているノードから、まだアップグレードされていないその他の各ノードへのレプリケーションが一時停止されていることを検証します。

  11. アップグレードしようとしているノード上でOracle Internet Directoryを停止します。

  12. 手順5と同様、ノードにパッチを適用して、リリース11.1.1.4.0にアップグレードします。

  13. アップグレードしたばかりのノード上でOracle Internet Directoryを起動します。

  14. これで、2つのノードがアップグレードされたため、最初のアップグレード済ノードから2番目のアップグレード済ノードへのレプリケーションを再開します。

    remtool -presumerepl -fromnode  first_upgraded_replica_host:port -tonode second_upgraded_replica_host:port
    
  15. 次のldapsearchコマンドを実行して、DRGの最初のアップグレード済ノードから2番目のアップグレード済ノードへのレプリケーションが再開されたことを検証します。

    ldapsearch -p OID_port -h first_upgraded_OID_host -b "" -s base "(objectclass= orclReplAgreementEntry)" orcllastappliedchangenumber
    

    最初のアップグレード済Oracle Internet Directoryノードから2番目のアップグレード済ノードへのorcllastappliedchangenumberをサブタイプ・ステータスで探します。値は1となっているはずです。

    このldapsearchコマンドを、以前アップグレードした他のすべてのノードに対して繰り返します。矛盾がある場合は、手順14を繰り返します。

  16. 2番目のアップグレード済レプリカでレプリケーション・サーバーを起動します。

  17. アップグレードする3番目のノードでレプリケーション・サーバーを停止します。

  18. 3番目のノードから、まだアップグレードされていない各ノード'(ある場合)へのレプリケーションを一時停止します。

  19. 3番目のノードから、まだアップグレードされていない各ノードへのレプリケーションが一時停止されたことを検証します。

  20. アップグレードする3番目のノード上でOracle Internet Directoryおよびその他のプロセスを停止します。

  21. 手順5と同様、ノードにパッチを適用して、リリース11.1.1.4.0にアップグレードします。

  22. 3番目のノードでOracle Internet Directoryを起動します。

  23. すでにアップグレードした各ノードから3番目のノードへのレプリケーションを再開します。

  24. 各アップグレード済ノードから3番目のノードへのレプリケーションが再開されたことを検証します。

  25. 3番目のノードでレプリケーションを開始します。

すべてのノードに対してこの手順を繰り返します。ノードをアップグレードする前に、そのノードから、まだアップグレードされていない各ノード'へのレプリケーションを一時停止し、一時停止されていることを検証します。アップグレードしようとしているノード上でOracle Internet Directoryを停止します。ノードをアップグレードします。アップグレードしたばかりノードでOracle Internet Directoryを起動します。すでにアップグレードしたノードから、アップグレードしたばかりのノードへのレプリケーションを再開します。アップグレードしたばかりノードでレプリケーションを開始します。

Q.3 ローリング・アップグレードの例

この例では、マルチマスターDRGにA、BおよびCの3つのOracle Internet Directoryノードが存在します。これらはすべて11g リリース1(11.1.1.3.0)を実行しています。これらは、ローリング・アップグレード手順を使用して11g リリース1(11.1.1.4.0)にアップグレードする必要があります。

最初にノードAをアップグレードし、その後BおよびCをアップグレードします。

ローリング・アップグレード手順を開始する前に、すべてのノード上で11g リリース1(11.1.1.3.0)用のパッチを適用して、oidrepldバイナリとremtoolバイナリにパッチを適用します。「ローリング・アップグレードの前提条件」を参照してください。

ノードをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  1. ノードAでレプリケーション・サーバーを停止します。

  2. 次のレプリケーションを一時停止します。

    • ノードAからOIDノードB

    • ノードAからOIDノードC

    remtool -psuspendrepl  -fromnode  HostA:PortA
    

    このコマンドは、3つすべてのOracle Internet DirectoryノードのレプリカIDを表示します。ノードBのレプリカIDをremtoolへの入力として指定します。または、allを入力して、remtoolでBおよびCのレプリカIDが自動的に選択されるようにすることもできます。

  3. 次のldapsearchコマンドを実行して、ノードAからノードBへのレプリケーションが一時停止されていることを検証します。

    ldapsearch -p  PortA  -h  hostA  -b  "" -s  base "(objectclass=orclReplAgreementEntry)" orcllastappliedchangenumber
    

    サブタイプstatusorcllastappliedchangenumberを探します。値が0で、次の形式となっているはずです。

    orcllastappliedchangenumber;apply;status$replica_id_of_node A$replica_id_of_node_B
    orcllastappliedchangenumber:status$replicaid_of_node_A$replicaid_of_nodeB;transport
    

    このステータス値に矛盾がある場合は、手順2を繰り返します。

    同様に、ノードAからノードCへのレプリケーションが一時停止されていることを検証します。

  4. ノードAでOracle Internet Directoryおよびその他のプロセスを停止します。

  5. ノードAでPSAを実行して、11g リリース1(11.1.1.4.0)にアップグレードします。

  6. ノードAでOracle Internet Directoryとレプリケーション・サーバーを起動します。ノードAがレプリケーションを再開する必要があるノードはないことに注意してください。

  7. ノードBでレプリケーション・サーバーを停止します。

  8. 次のコマンドを実行して、ノードBからノードCへのレプリケーションを一時停止します。

    remtool -psuspendrepl -fromnode HostB:PortB -tonode HostC:PortC
    
  9. 次のldapsearchコマンドを実行して、ノードBからノードCへのレプリケーションが一時停止されていることを検証します。

    ldapsearch -p  PortB  -h  hostB  -b  "" -s  base "(objectclass=orclReplAgreementEntry)" orcllastappliedchangenumber
    

    サブタイプstatusorcllastappliedchangenumberを探します。値が0で、次の形式となっているはずです。

    orcllastappliedchangenumber;apply;status$replica_id_of_node_B$replica_id_of_node_C
    orcllastappliedchangenumber:status$replicaid_of_node_B$replicaid_of_node_C;transport
    

    このステータス値に矛盾がある場合は、手順8を繰り返します。

  10. ノードBでOracle Internet Directoryおよびその他のプロセスを停止します。

  11. ノードBでPSAを実行して、11g リリース1(11.1.1.4.0)にアップグレードします。

  12. ノードBでOracle Internet Directoryを起動します。

    ノードAからノードBへのレプリケーションを再開します。

     remtool -presumerepl -fromnode HostA:PortA -tonode HostB:PortB
    
  13. 次のldapsearchコマンドを実行して、ノードAからノードBへのレプリケーションが再開されたことを検証します。

    ldapsearch -p OID_port -h hostA -b "" -s base "(objectclass= orclReplAgreementEntry)" orcllastappliedchangenumber
    

    アップグレード済ノードAからノードBへのorcllastappliedchangenumberをサブタイプstatusで探します。値が1になっているはずです。

    このステータス値に矛盾がある場合は、手順12を繰り返します。

  14. ノードBでレプリケーション・サーバーを起動します。

  15. ノードCでレプリケーション・サーバーを停止します。

  16. 他にアップグレードするノードはないため、レプリケーションを一時停止する必要はありません。ノードCでOracle Internet Directoryおよびその他のプロセスを停止します。

  17. ノードCでPSAを実行して、11g リリース1(11.1.1.4.0)にアップグレードします。

  18. ノードCでOracle Internet Directoryを起動します。

    ノードAからノードCへのレプリケーションを再開します。

    remtool -presumerepl -fromnode HostA:PortA -tonode HostC:PortC
    

    ノードBからノードCへのレプリケーションを再開します。

    remtool -presumerepl -fromnode HostB:PortB -tonode HostC:PortC
    
  19. 手順13と同様に、ノードAとノードでBでldapsearchを実行して、レプリケーションが正常に再開されたことを検証します。次のレプリケーションを検証します。

    • ノードAからノードC

    • ノードBからノードC

  20. ノードCでレプリケーション・サーバーを起動します。