この項では、モバイル・デバイスからOracle Portalにアクセスする方法について順を追って説明します。
実際のモバイル・デバイスからのポータルへのアクセスは、実質的にはモバイル・シミュレータからのアクセス(単にURLをデバイスに入力するのみ)と同じですが、シミュレータ・オプションを使用すると、ポータル開発者は、Oracle Portalによってページおよびポートレットがモバイル・デバイスにどのように表示されるかをより簡単に見ることができます。
モバイル対応ポートレットをOracle Portalを使用して開発する初期段階が、モバイル・デバイス・シミュレータを使用すると最も効率的に進むのは、次のような様々な理由からです。
アクセス・コストがフル・ワイヤレス・アクセスより低い。
企業ファイアウォール内でのポータルへのアクセスがより制御されている。
ローカル・ネットワークでのレスポンス時間がより短い。
購入およびサポートするハードウェアがより少ない。
モバイル・デバイスの主な企業のほとんどは、開発者によるモバイル・アプリケーションの作成を促進するため、意欲的に自社デバイス用のフリー・シミュレータ・ソフトウェアを提供しています。法的な理由から、通常、このソフトウェは提供企業の各サイト(OpenWave.com社、Nokia社、Ericcson社、Palm社など)からダウンロードする必要があります。シミュレータ・ソフトウェアをダウンロードするには、提供企業ごとに異なるレベルの登録が必要です。
シミュレータには、標準的なPCにインストールしてローカル・イントラネットを介して操作できるものがあります。また、提供企業によってホスト管理されるパブリック・サーバーに接続するため、開発ポータルへのパブリック・インターネット・アクセスが必要なものもあります。モバイル・デバイスの企業では、通常、使用可能なハードウェアに基づいてシミュレータを更新するため、イントラネット限定でアクセス可能なポータルへのアクセスについて、最新のシミュレータの要件を必ず確認してください。
Oracle Portalのデフォルトのインストールでは、ポータルへのモバイル・アクセスは有効になっています。ユーザーがモバイル・デバイスからポータルにアクセスできないようにするには、Portal管理者がこの機能を無効にできます。ポータルのモバイル・アクセス・ポリシーを検証し、OracleAS Wirelessが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middleware管理者ガイド for Oracle Portalの「モバイル・アクセスの有効化」を参照してください。この操作を行うには、Portal管理者である必要があります。
Portal管理者は、ポータル全体のモバイル・アクセスに影響を及ぼす他のグローバル・オプションを設定できます。
モバイル・ホームページに表示されるログイン・リンクの除外
ナビゲーション・リンク・テキストでの(「ホーム」や「戻る」のテキストにかわる)ページ・タイトルの表示
Personal Digital Assistants(PDA)用のページ・レイアウトの拡張およびPDA表示オプション(フォント、色、バナー・イメージなど)の設定
モバイル・ポートレット・コンテンツのロギングの有効化
OracleAS Wirelessポータル・サービスURLの指定
モバイル・アクセスをポータルでテストするには、まず、モバイル対応ポートレットMobileXMLを含む単純なモバイル・ページを作成します。モバイル・ページの作成時に、9.2項「モバイル・ページの作成」で説明されているように、「パブリック・ユーザーにページを表示」オプションを設定します。
MobileXMLポートレットは、ポートレット・ビルダーの追加ポートレット・ビルダーの下のポートレット・リポジトリにあります。ポートレットをモバイル・ページに追加する方法がわからない場合は、9.3項「モバイル・ページへのコンテンツの追加」を参照してください。
次のようにMobileXMLポートレットのデフォルト・コンテンツを編集します。
ポートレットの横の「デフォルトの編集」アイコンをクリックします。
好みに応じて、次のテキストをポートレットの実際のコンテンツとして入力するか、または独自のOracleAS Wireless XMLを入力します。
<SimpleText> <SimpleTitle> Mobile Portlet Content </SimpleTitle> <SimpleTextItem> This portlet uses a short sample of the markup that can be used in a mobile portlet. The markup can be used to describe: </SimpleTextItem> <SimpleTextItem> Forms : <SimpleForm> </SimpleTextItem> <SimpleTextItem> Tables : <SimpleTable> </SimpleTextItem> <SimpleTextItem> Menus : <SimpleMenu> </SimpleTextItem> <SimpleTextItem> Links : <SimpleHref> </SimpleTextItem> <SimpleTextItem> Plus many more useful user interface items. However, unlike HTML this mobile markup is strict XML, so more care has to be taken when using it. </SimpleTextItem> </SimpleText>
「OK」をクリックして、ページに戻ります。
「ページの表示」をクリックしてモバイル・ページをプレビューします。
このビューには、モバイル・デバイスに表示されるときにページがどのように見えるかが適切に示されます。
必須ではありませんが、モバイル・デバイスからOracle Portalにアクセスしたときに表示されるホームページを指定することをお薦めします。モバイル・ホームページは、デスクトップ・ホームページとは無関係です。2.1.4項「ホームページの選択」を参照してください。
また、モバイル・ホームページの設定は、テスト中に新しいモバイル・ページにアクセスする方法としても便利です。
モバイル・デバイスを使用してOracle Portalに接続するには、デスクトップ・ブラウザからポータルへのアクセスに使用するのと同じURLを使用します。すなわち次の形式を使用します。
http://<host>:<port>/portal/page/<dad>
Oracle Portalでは、非HTMLアクセスを検出してモバイル・デバイスをOracleAS WirelessサービスURL(「グローバル設定」ページの「モバイル」タブで指定)にリダイレクトします。9.7.2項「手順2 Oracle Portal用のモバイル・アクセスの構成」も参照してください。
モバイル・デバイスおよびシミュレータには適切にリダイレクトしないものがあります。このような場合、モバイル・デバイスになんらかのエラー・フォームが表示されることがあります。この問題に対処するには、OracleAS WirelessサービスURL(前述)を直接モバイル・デバイスに入力します。
モバイル・ホームページがモバイル・デバイスに表示され、ページ・タイトルがポートレットへのリンクとともにページに表示されます。手順3で作成したページの例では、ポートレットの短い表示名を表示するポートレット・リンクが1つだけあります。このポートレット・リンクをクリックすると、ポートレット・コンテンツがモバイル・デバイスに表示されます。
前に説明したように、シミュレータではなく実際のモバイル・デバイスからのポータルへのアクセスは、Oracle PortalまたはOracleAS Wirelessのサーバー構成ではなくネットワーク構成の問題です。ネットワークが適切に構成されている場合(通常、インターネットからイントラネット上の複数のマシンへのアクセスを含む)、これまでの手順は同じです。