A Oracle Fusion Middleware構成ファイルの使用

Oracle Portalの管理にはOracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Controlを使用することをお薦めしますが、Oracle Fusion Middlewareの構成ファイルと表から直接変更することもできます。この付録では、Oracle Fusion Middlewareや中間層にあるそのコンポーネントの接続や動作に影響を及ぼす可能性のあるファイルと表およびその接続先にある他のコンピュータについて説明します。

A.1 Oracle HTTP Serverの構成ファイル(httpd.conf)

Oracle HTTP Serverの構成ファイルhttpd.confには、Oracle HTTP Serverを実行するための構成情報が入っています。このファイルの内容は、リスニング・ポート、サーバー名、仮想ホスト、プロキシ構成などに関する情報です。また、SSL(Secure Sockets Layer)サポートの構成もこのファイルで行います。その場合は、証明書や他のHTTPS構成ディレクティブなどの情報を定義します。このファイルは次の場所にあります。

ORACLE_INSTANCE\config\OHS\ohs1\httpd.conf

仮想ホストをOracle HTTP Serverに追加作成する場合、次の例に示すように、Oracle Portalで使用される仮想ホスト用にRewriteEngineおよびRewriteOptionsのmod_rewriteディレクティブをhttpd.confファイルに追加する必要があります(太字の部分)。

NameVirtualHost *:7778
<VirtualHost *:7778>
  ServerName http://www.xyz.com:7779
  ServerAdmin you@your.address
  RewriteEngine On
  RewriteOptions inherit
</VirtualHost>

例A-1 httpd.conf

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes" ?> 
- <portal-midtier xmlns="http://xmlns.oracle.com/portal/config/midtier" description="Oracle Portal Midtier Configuration Parameters">
  <useWebCache>true</useWebCache> 
  <jspRoot>internal_jsp</jspRoot> 
  <jspSrcAlias>/internal_jsp/</jspSrcAlias> 
  <useSessionMemorycache>true</useSessionMemorycache> 
  <autoRedirect>true</autoRedirect> 
  <maxParallelPortlets>20</maxParallelPortlets> 
  <maxParallelPagePortlets>10</maxParallelPagePortlets> 
  </portal-midtier>

A.2 DAD構成ファイル(portal_dads.conf)

このファイルには、PL/SQLデータベース・アクセス記述子(DAD)用の構成パラメータがあります。DADは、データベース・サーバーがHTTPリクエストを満たすための方法を示す値のセットです。

ポータルDADを変更するには、Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware ControlやWLSTを使用するか、または手動で、portal_dads.confファイルを編集します。

Fusion Middleware Controlの使用
WLSTを使用したポータルDADの構成
portal_dads.confファイルを手動で編集

手動でportal_dads.confファイルを更新する場合は、必要なmod_rewriteディレクティブをhttpd.confに、mod_wlsディレクティブをmod_weblogic.confにそれぞれ追加する必要があります。

Fusion Middleware Controlの使用

Fusion Middleware Controlを使用して、次のタスクを実行します。

Oracle Enterprise Manager 11g Fusion Middleware Controlを開きます。
Portalインスタンスを開きます。
「ポータル」メニューから「設定」→「データベース・アクセス記述子」を選択して、DAD構成情報を表示します。

DADファイルを編集するには、次の手順を実行します。

編集するポータルDADを選択し、「編集」をクリックします。
新しい値を入力し、「OK」をクリックします。
Oracle HTTP ServerとWLS_PORTALコンポーネントを再起動します。

これによって、必要なmod_rewriteとmod_weblogicのディレクティブが追加されます。

DADの構成またはOracle Fusion Middleware Controlの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。

portal_dads.confファイルを手動で編集

portal_dads.confファイルで行う更新のタイプに応じて、次のタスクのいずれかまたはすべてを実行します。

新しいポータルDADをportal_dads.confファイルに追加した場合は、次のRewriteディレクティブをhttpd.confファイルに追加する必要があります。
```
RewriteRule (^/pls/<dad>/.*) /portal$1 [PT]
RewriteRule (^/pls/<dad>$) /portal$1 [PT]
```
<dad>は、新しいDADの名前です。たとえば、次のようになります。
```
RewriteRule (^/pls/mydad/.*) /portal$1 [PT]
RewriteRule (^/pls/mydad$) /portal$1 [PT]
```
portal_dads.confファイルでDAD名を変更した場合は、前述の手順で説明したRewriteディレクティブを新しいDAD名で更新する必要があります。
中間層で行われた手動による構成の変更を更新するために、次のコマンドを実行します。
```
ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl restartproc process-type=OHS
```

plsqlSessionCookieName値の更新

plsqlSessionCookieNameはFusion Middleware Controlで変更できますが、portal_dads.confファイルで、この値を手動で変更することもできます。このファイルは次の場所にあります。

DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\servers\WLS_PORTAL\applications\portal\configuration

このファイルの一般的なエントリは、次のようになります。

<Location /pls/portal>
    SetHandler pls_handler
    Order allow,deny
    Allow from All
    AllowOverride None
    PlsqlDatabaseUsername portal
    PlsqlDatabasePassword SomePassword
    PlsqlDatabaseConnectString myhost.domain.com:1521:mySID
    PlsqlDefaultPage portal.home
    PlsqlAuthenticationMode SingleSignOn
    PlsqlSessionCookieName portal
    PlsqlMaxRequestsPerSession 500
    PlsqlDocumentTablename portal.wwdoc_document
    PlsqlDocumentPath docs
    PlsqlDocumentProcedure portal.wwdoc_process.process_download
    PlsqlPathAlias url
    PlsqlPathAliasProcedure portal.wwpth_api_alias.process_download
    PlsqlFetchBufferSize 128
</Location>

DADエントリを編集するには、PlsqlSessionCookieName値を、たとえばportal2に変更します。ファイルを保存した後は、Oracle HTTP Server構成を更新して、WLS_PORTALを再起動します。

A.3 Oracle Databaseの接続構成

SQL*Net構成ファイルは、DADで接続文字列として使用されるエントリを定義します。通常、Oracle PortalがインストールされているデータベースにOracle WebLogic Serverから接続する方法についての情報は、DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\servers\WLS_PORTAL\applications\portal\configurationのportal_dads.confおよびDATABASE_HOME\network\adminのsqlnet.oraの各ファイルに記述されています。

SQL*Netの構成の詳細は、Oracle Database 11gドキュメント・ライブラリのOracle Database Net Services管理者ガイドを参照してください。

A.4 Web Cache構成ファイル

Oracle Web Cache構成ファイルの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイドを参照してください。

A.5 OracleAS Single Sign-Onのパートナ・アプリケーション表

OracleAS Single Sign-On側にある構成表は、パートナ・アプリケーション表WWSSO_PAPP_CONFIGURATION_INFO$です。この表の管理は通常、OracleAS Single Sign-Onアプリケーションのユーザー・インタフェース(パートナ・アプリケーションの追加または編集用)を使用して行います。

最初のインストールの場合は、ssoregツールを使用して、Portalのmod_osso_urlを登録する必要があります。これにより、OracleAS Single Sign-Onのパートナ構成表とOracle Portalの有効な構成表の両方に設定が移入されます。たとえば、次のようになります。

$ORACLE_HOME/sso/bin/ssoreg.sh
-site_name portal.example.com:8090
-config_mod_osso TRUE
-mod_osso_url http://portal.example.com:8090
-remote_midtier
-config_file config_file_path

Windowsでは、ssoreg.batバッチ・ファイルを実行する必要があります。

A.6 ローカルのHOSTSファイル

ネットワーク・ホストにあるHOSTSファイルでは、IP名とIPアドレスとのマッピングを定義します。通常、ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)がIP名とIPアドレスのマッピングを行います。第5章「基本的な構成および管理」に説明されている一部の構成では、内部のネットワーク内に定義されていないドメイン名を使用して、内部のネットワークでホストをアドレス指定することが必要な場合もあります。このような場合は、サーバーのHOSTSファイルを使用して必要な名前解決を行うことができます。