Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアップグレード・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B55926-03 |
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この章では、Oracle B2BアプリケーションをOracle Fusion Middleware 11gにアップグレードする際に重要な追加情報について説明します。
Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFの各アプリケーションのアップグレード時に必要となる主なタスクは、第8章「Oracle SOA Suite、WebCenterおよびADFアプリケーションのアップグレードの概要」で説明しています。
次の各項は、Oracle B2Bのアップグレードに関して理解しておく必要がある情報や、Oracle B2B 11gへのアップグレード後に実行が必要となる場合のある特定のアップグレード後タスクを要約したものです。
次のOracle B2B機能は、Oracle Fusion Middleware 11gにアップグレードしても自動的にアップグレードされません。
Oracle B2Bのホストおよびパートナのセキュリティ証明書は、Oracle B2B 11gに適切な形式にはアップグレードされません。
かわりに、証明書をexport.zip
ファイル(第6.5.2.4項「B2Bスキーマのアップグレードの実行」で作成したファイル)のルート・ディレクトリからコピーし、キーストアにインポートする必要があります。
Oracle B2Bでは、証明書の保存先はSSLウォレットではなく、キーストアになりました。
詳細は、次の項を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のOracle B2Bのセキュリティ機能に関する項
『Oracle Fusion Middleware Securing Oracle WebLogic Server』のアイデンティティと信頼の構成に関する項
独自のカスタム・コールアウト・ライブラリjarファイルをOracle B2B 10gで作成していた場合、これらのjarファイルはOracle B2B 11gにはアップグレードされません。
かわりに、Oracle B2B 11gを使用してカスタム・コールアウトjarファイルを再作成する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のコールアウトの管理に関する項を参照してください。
Oracle B2B 10gでは、チャネルの交換プロトコル・パラメータに識別子を指定できました。交換プロトコル・パラメータへの識別子の追加はOracle B2B 11gではサポートされなくなり、これらの識別子はOracle B2B 11gにはアップグレードされません。
かわりに、Oracle B2B 11gでは、必要な識別子を取引パートナ・プロファイルの一部として再作成する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』の取引パートナ・プロファイルの作成に関する項を参照してください。
AS2-1.1チャネルの「受信配信オプション」プロパティをOracle B2B 10g環境で設定していた場合、このプロパティの値はOracle B2B 11gにはアップグレードされません。アップグレード後に、このプロパティを適切な値に設定する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のチャネルの構成に関する項を参照してください。
Oracle B2B 10gで作成した汎用TCPチャネルは、Oracle B2B 11gに自動的にアップグレードされません。Oracle B2B 11gで汎用TCPチャネルを作成するには、MLLPチャネルを作成してTCP情報を指定します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』の「MLLPについて」、TCPの汎用サポートに関する項を参照してください。
Oracle B2B 10gのCustom Documentプロトコル(変換および検証にECSファイルを使用)の下に作成されるPositionalFlatFileドキュメント(SAP iDocドキュメントなど)は、Oracle B2B 11gに自動的にアップグレードされません。
Oracle B2B 11gで、PositionalFlatファイルという新しいドキュメント・プロトコルの下にこのドキュメントを作成し、識別詳細を指定して、ドキュメント定義内にECSファイルを指定します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』の位置フラット・ファイル・ドキュメント・プロトコルの使用に関する項を参照してください。
次のOracle B2B機能は、Oracle B2B 11gにアップグレードした後、動作が異なるか、構成を変更する必要があります。
この2つのフィールドは、Oracle B2B 11gでは変更されています。Oracle B2B 10gでは、どちらのフィールドにも名前とバージョンが含まれていました。Oracle B2Bでは、「ドキュメント・プロトコル・バージョン」と「ドキュメント・タイプ名」のフィールドのみを使用します。
このため、ドキュメントをIP_OUT_QUEUEにエンキューする際は、Oracle B2B 10gで提供されるものとは異なる属性セットを提供する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のMSエンキューおよびデキュー・ユーティリティに関する項を参照してください。
Oracle B2B 10gの次の交換プロトコル・パラメータは、MLLPチャネルの属性になりました。
ImmediateACK
ImmediateACK-Custom-File
ImmediateACK-mapAckControlID
ImmediateACK-MapImmTriggerEvt
DiscardHL7ACK
これらのパラメータをOracle B2B 10gで設定していた場合は、MLLPチャネルの属性として再設定する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のチャネルの構成に関する項を参照してください。
Oracle B2B 11gでは、ユーザーの資格証明およびパスワード情報の保存に新しい方法を使用します。このため、10gでチャネルに入力していたパスワードは、Oracle B2B 11gにはアップグレードされません。
かわりに、アップグレード後に、パスワードをチャネル・パラメータの一部として入力する必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のチャネルの構成に関する項を参照してください。
次のフィールドはオプションから必須に変更されました。このため、アップグレード後に、これらのフィールドへの値の指定が必要になる場合があります。
EDI EDIFACTおよびEDI X12ドキュメントをOracle B2B 10gで使用していた場合は、「グループID」識別子が必須の識別子になったことに注意してください。
RosettaNetドキュメントをOracle B2B 10gで使用している場合は、「コラボレーション・コード」および「コラボレーションの実行時間」フィールドは必須ではないことに注意してください。Oracle B2B 11gではこれらは必須です。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のタイプの作成に関する項を参照してください。
Oracle B2B 11gにアップグレードすると、Oracle B2B 10gに存在する単一のパートナ・アグリーメントは、Oracle B2B 11gでは2つのアグリーメントとして表示されます(一方はインバウンド交換用、他方はアウトバウンド交換用)。
たとえば、10gのRosetta 3A4
アグリーメントは次のように分割されます。
Pip3A4PurchaseOrderConfirmation_Inbound
Pip3A4PurchaseOrderRequest_Outbound
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』の取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイに関する項を参照してください。
RosettaNetアウトバウンド・メッセージの動作が、Oracle B2B 11gでは変更されました。
RosettaNetをOracle B2B 11gで使用する場合は、レスポンス・メッセージとして扱う必要があるアウトバウンド・メッセージ(PurchaseOrderConfirmationメッセージなど)に対し、追加のエンキュー・プロパティ(msgType=2)の設定が必要になりました。
この設定を行わないと、アウトバウンド・メッセージはリクエスト・メッセージとして扱われます。Oracle B2B 10gでは、このプロパティは不要でした。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のエンキューおよびデキュー・ユーティリティに関する項を参照してください。
Oracle B2B 11gにアップグレードした後、次のタスクを実行する必要があります。
アップグレード後に、Oracle B2B 10gにおけるMLLPチャネルの構成方法に応じて、次のいずれかのタスクを実行します。
singleDC
プロパティをtip.properties
ファイルで使用し、単一のMLLPチャネルでインバウンドとアウトバウンドの両方のメッセージを転送できるようにしていた場合は、新しいチャネルを作成した後、その新しいチャネルを使用するようにパートナ・アグリーメントを更新する必要があります。
singleDC
プロパティを使用していなかった場合は、ホスト取引パートナの接続モードを「サーバー」に設定します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド』のMLLPに関する項を参照してください。
デフォルトでは、Oracle SOA Suite 10gは、Oracle BPEL Process ManagerとOracle B2Bの間のデフォルト接続としてOracle Streams Advanced Queuing(AQ)を使用します。Oracle AQ接続は、OC4Jで使用可能なデータソースに依存しています。
Oracle SOA Suite 11gにアップグレードすると、Oracle AQで使用される必須のデータソースはデフォルトでは使用できません。したがって、Oracle B2B 11gおよびOracle SOA Suite 11gにアップグレードする際には次の点を考慮する必要があります。
Oracle B2B 11gにアップグレードする前に、Oracle B2B 10gデータベースを参照するOracle WebLogic Serverでデータソースを作成します。データベースに指定したJNDI名をメモします。
詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプのJDBCデータソースの作成に関する項を参照してください。
Oracle B2B 11gにアップグレードした後、AQアダプタ外部参照を開くを開き、接続ウィザードの「サービス接続」ページで、新しいOracle WebLogic ServerデータソースのJNDI名を入力します。
Oracle JDeveloper 11gでOracle SOA Suite 10gアプリケーションを開くと、Oracle JDeveloper移行ユーティリティによりアプリケーションがアップグレードされ、プロジェクトに対して次の関連する変更が行われます。これらの変更により、Oracle B2BプロセスとOracle BPEL Process Managerプロセスの間のOracle AQ接続を引き続き使用できます。
Oracle BPEL Process Managerプロジェクトの場合、Oracle AQ接続で使用される変数は、Oracle BPEL Process Managerのassign文内のプロパティまたはBPELプロセス・ファイル内の変換マップに自動的にアップグレードされます。
Oracle Enterprise Service Busプロジェクトの場合、Oracle AQ接続で使用される変数は、10g XSLTマップ・ファイルから自動的に削除され、Oracle Mediatorの割当て値内のプロパティにアップグレードされます。
または、Oracle MediatorプロジェクトとOracle BPEL Process Managerプロセスの間の接続を定義するために新しいOracle Fusion Middleware 11g機能を使用して、Oracle JDeveloper 11gでプロジェクトを再作成することもできます。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』を参照してください。