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Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris システムのチューニングの概要
2. Oracle Solaris カーネルチューニング可能パラメータ
nfs:nfs3_pathconf_disable_cache
nfs:nfs4_pathconf_disable_cache
nfs:nfs_write_error_to_cons_only
nfs:nfs3_max_transfer_size_clts
nfs:nfs3_max_transfer_size_cots
rpcmod:svc_default_max_same_xprt
4. インターネットプロトコル群のチューニング可能パラメータ
この節では、nfssrv モジュールの NFS パラメータについて説明します。
NFS サーバーがクライアント側の整合性を確保するために行おうとする一部のセキュリティーチェックを制御します。NFS では、要求を送信したソースポートが「予約ポート」だったかどうかをチェックできます。予約ポートには 1024 未満の番号が与えられます。BSD ベースのシステムでは、これらのポートは root が実行するプロセス用に予約されています。このセキュリティーチェックでは、ユーザーが独自の RPC ベースのアプリケーションを作成して、NFS クライアントが使用するアクセスチェックを破ることを防止できます。
整数 (32 ビット)
0 (セキュリティーチェックを無効にする)
0 (セキュリティーチェックを無効にする) または 1 (セキュリティーチェックを有効にする)
ブール値
はい
なし
悪意のあるユーザーが、普通ならアクセス権のない NFS サーバーを使用してファイルにアクセスするのを防ごうとする場合、このパラメータを使用します。しかし、「予約ポート」は広範にサポートされている概念ではありません。したがって、このチェックにおけるセキュリティーの側面は非常に弱いものです。また、すべての NFS クライアントが予約の範囲内のポート番号にトランスポート終端を結びつけるわけでもありません。したがって、セキュリティーチェックを有効にすると、相互運用性に関する問題が起きることがあります。
変更の可能性あり
NFS バージョン 2 サーバーが WRITE 要求をどのように処理するかを制御します。NFS バージョン 2 プロトコルでは、WRITE 要求に関連するすべての変更済みデータとメタデータが安定したストレージに格納されていないと、サーバーはクライアントに応答できません。NFS バージョン 2 の WRITE 要求は、データは 8192 バイトに制限されます。したがって、各 WRITE 要求によって、複数の小さい書き込みがストレージサブシステムに対して行われることがあります。これは、パフォーマンス低下の原因になります。
NFS バージョン 2 の WRITE 要求を高速化する方法の 1 つは、クライアントの動作を活用することです。クライアントは、複数の WRITE 要求をバッチで (一括して) 送信する傾向があります。サーバーでは、この動作を利用して複数の WRITE 要求を 1 つの要求にクラスタ化し、ファイルシステムに出すことができます。こうして、要求の数を少なくし、要求のサイズを大きくして、データをストレージサブシステムに書き込むことができます。この方式によって、WRITE 要求のスループットが大幅に向上します。
整数 (32 ビット)
1 (クラスタ化を有効にする)
0 (クラスタ化を無効にする) または 1 (クラスタ化を有効にする)
ブール値
はい
なし
特に PC クライアントなど、非常に小さい NFS クライアントのなかには、複数の WRITE 要求をバッチ化しないものがあります。したがって、クライアントが要求した動作が存在しないということもあります。また、NFS バージョン 2 サーバーにおいて、クラスタ化はオーバーヘッドの増加をもたらすだけで、パフォーマンスがむしろ下がるという場合もあります。
変更の可能性あり