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Solaris のシステム管理 (印刷) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷の概要
4. Oracle Solaris 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定および管理 (作業)
8. LP 印刷スケジューラの管理および印刷要求の管理 (作業)
10. 文字セット、フィルタ、フォーム、およびフォントの管理 (作業)
11. PPD ファイル管理ユーティリティーを使用したプリンタの管理 (作業)
12. Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷 (参照情報)
プリンタは、スタンドアロンシステムまたはネットワーク上の任意のシステムに接続できます。ネットワークに接続されていて、プリンタを備えているシステムは、印刷負荷を管理できる十分な資源があれば、どれでも印刷サーバーとして使用できます。
「スプーリング空間」とは、印刷待ち行列内で要求を格納し、処理するためのディスク空間です。スプーリング空間は、どのシステムを印刷サーバーとして指定するかを決定する場合の唯一重要な要素です。ユーザーがファイルの印刷要求を出すと、それらのファイルは印刷が完了するまで /var/spool/lp ディレクトリに格納されます。/var ディレクトリのサイズは、ディスクのサイズとディスクのパーティション分割方法によって異なります。スプーリング空間は、印刷サーバーの /var ディレクトリに割り当てられるか、ファイルサーバーからマウントされてネットワーク上でアクセスされます。
注 - /var が別のファイルシステムとして作成されていない場合、/var ディレクトリはルート (/) ファイルシステムの空間を使用します。印刷サーバーのルート (/) ファイルシステムは、容量が不足する可能性があります。
システムを印刷サーバーの候補として評価するときは、利用できるディスク空間を考慮してください。大きなスプールディレクトリでは、600M バイトのディスク空間を消費することもあります。印刷サーバーとして指定できるシステム上で、ディスク空間のサイズと分割設定を調べてください。
また、印刷のニーズと印刷クライアントシステムの利用パターンを慎重に調べてください。たとえば、ある小さなグループのユーザーが、短い電子メールメッセージ、つまり複雑なフォームを必要としない単純な ASCII ファイルだけを印刷することが多いとします。この場合は、20M バイトから 25M バイトのディスク容量を /var ディレクトリに割り当てた印刷サーバーで十分でしょう。しかし、多数の印刷クライアントユーザーが長い文書、ビットマップ、またはラスタイメージファイルを印刷する場合は、スプーリング空間が頻繁に一杯になります。ユーザーがジョブを印刷待ち行列に入れることができないと、作業の流れは中断してしまいます。より多くのスプーリング空間を要求すると、システム管理者はスプーリング用のディスク空間を追加するか、異なるシステムをグループの印刷サーバーとして指定しなくてはならない場合があります。
印刷サーバーの/var ディレクトリが小さすぎる場合で、より大きなファイルシステムが利用可能なときは、/var ディレクトリ上にそのファイルシステムをマウントしてスプーリング空間を追加することができます。ファイルシステムのマウントと vfstab ファイルの編集については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ファイルシステムのマウントおよびマウント解除の概要」を参照してください。
印刷サーバー用にメモリーを追加する必要はありません。ただし、メモリーが多ければ、印刷要求の管理が高速になります。
印刷サーバー上のスワップ空間は、LP 印刷サービスを処理するのに十分な量を割り当ててください。スワップ空間を増やす方法については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 19 章「追加スワップ空間の構成 (手順)」を参照してください。
最適のパフォーマンスを発揮させるには、印刷サーバーにハードディスクとローカル /var ディレクトリが必要です。印刷サーバー用のスプーリング空間をローカルのハードディスク上にマウントしてください。印刷サーバーに専用のハードディスクとローカルの /var ディレクトリがあれば、印刷処理ははるかに高速になります。また、印刷要求の処理に必要な時間をより正確に予測できます。