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Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (ネットワークインストール)     Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

パート I ネットワーク経由のインストールの計画

1.  Solaris インストールの計画についての参照先

2.  システム構成情報の事前設定 (作業)

システム構成情報を事前設定することの利点

sysidcfg ファイルによる事前設定

sysidcfg 構成ファイルを作成する方法

sysidcfg ファイルの構文規則

sysidcfg ファイルキーワード

auto_reg キーワード

keyboard キーワード

name_service キーワード

network_interface キーワード

nfs4_domain キーワード

root_password キーワード

security_policy キーワード

service_profile キーワード

system_locale キーワード

terminal キーワード

timezone キーワード

timeserver キーワード

SPARC: Power Management 情報の事前設定

3.  ネームサービスまたは DHCP による事前構成

パート II ローカルエリアネットワーク経由のインストール

4.  ネットワークからのインストール (概要)

5.  DVD メディアを使用したネットワークインストール (作業)

6.  CD メディアを使用したネットワークインストール (作業)

7.  ミニルートイメージへのパッチの適用 (作業)

8.  ネットワーク経由のインストール (例)

9.  ネットワークからのインストール (コマンドリファレンス)

パート III 広域ネットワーク経由のインストール

10.  WAN ブート (概要)

11.  WAN ブートによるインストールの準備 (計画)

12.  WAN ブート によるインストール (作業)

13.  SPARC: WAN ブートによるインストール (作業)

14.  SPARC: WAN ブートによるインストール (例)

15.  WAN ブート (リファレンス)

パート IV 付録

A.  問題発生時の解決方法 (作業)

B.  リモートからのインストールまたはアップグレード (作業)

用語集

索引

sysidcfg ファイルによる事前設定

sysidcfg ファイルに一連のキーワードを指定すると、システムを事前設定できます。sysidcfg ファイルキーワード」は、これらのキーワードを示しています。


注 - sysidcfg ファイル内の name_service キーワードは、Oracle Solaris OS のインストール中にネームサービスを自動的に設定します。この設定は、site.xml にすでに設定されている SMF サービスより優先されます。このため、インストール後にネームサービスの再設定が必要になる場合があります。


異なる構成情報を必要とするシステムごとに、固有の sysidcfg ファイルを作成する必要があります。すべてのシステムに同じタイムゾーンを割り当てる場合は、同じ sysidcfg ファイルを使用して、一連のシステムにタイムゾーンを事前設定することができます。ただし、これらの各システムに異なる root (スーパーユーザー) パスワードを事前設定する場合は、各システムに固有の sysidcfg ファイルを作成する必要があります。

sysidcfg ファイルは、次のいずれかに置くことができます。

表 2-2 sysidcfg の場所

NFS ファイルシステム
sysidcfg ファイルを共有 NFS ファイルシステムに置く場合は、ネットワークからのインストールをシステムに設定するときに、add_install_client(1M) コマンドの -p オプションを使用します。-p オプションは、Solaris 最新リリースのインストール時に sysidcfg ファイルを検索する場所を指定します。
UFS または PCFS フロッピーディスク
sysidcfg ファイルをフロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに置きます。

カスタム JumpStart インストールを実行していて、フロッピーディスク上の sysidcfg ファイルを使用する場合は、プロファイルフロッピーディスク上に sysidcfg ファイルを置きます。プロファイルフロッピーディスクを作成するには、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (カスタム JumpStart/上級編)』の「スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成」を参照してください。

1 つのディレクトリまたはフロッピーディスクには、1 つの sysidcfg ファイルだけを入れることができます。複数の sysidcfg ファイルを作成する場合は、各ファイルを異なるディレクトリまたは異なるフロッピーディスクに置く必要があります。

HTTP または HTTPS サーバー
WAN ブートインストールを実行する場合は、sysidcfg ファイルを Web サーバーのドキュメントルートディレクトリに置きます。

ネームサービスまたは DHCP を使用してシステムの事前構成を行うことができます。詳細については、第 3 章ネームサービスまたは DHCP による事前構成を参照してください。

sysidcfg 構成ファイルを作成する方法

  1. テキストエディタで、sysidcfg という名前のファイルを作成し、必要なキーワードを指定します。
  2. 表 2-2 の場所のいずれかを使用して、クライアントが sysidcfg ファイルを利用できるようにします。

例 2-1 SPARC: sysidcfg ファイル

SPARC ベースのシステムで使用される sysidcfg ファイルの例を次に示します。このシステムのホスト名、IP アドレス、およびネットマスクは、ネームサービスを編集することにより、すでに事前設定されています。このファイルにはすべてのシステム構成情報が事前設定されているので、カスタム JumpStart プロファイルを使ってカスタム JumpStart インストールを実行できます。この例では、NFSv4 ドメイン名はネームサービスから自動的に取得されます。この例に service_profile キーワードは含まれていないため、ネットワークサービスの設定はインストール中に変更されません。

keyboard=US-English
system_locale=en_US
timezone=US/Central
terminal=sun-cmd
timeserver=localhost
name_service=NIS {domain_name=marquee.central.example.com
                  name_server=nmsvr2(172.31.112.3)}
nfs4_domain=dynamic
root_password=m4QPOWNY
network_interface=hme0 {hostname=host1 
                       default_route=172.31.88.1 
                       ip_address=172.31.88.210 
                       netmask=255.255.0.0 
                       protocol_ipv6=no}
security_policy=kerberos {default_realm=example.com 
                          admin_server=krbadmin.example.com 
                          kdc=kdc1.example.com, 
                          kdc2.example.com}

例 2-2 x86: sysidcfg ファイル

x86 ベースのシステムで使用される sysidcfg ファイルの例を次に示します。この例では、NFSv4 ドメイン名が example.com になるように指定されています。このカスタム名は、デフォルトのドメイン名よりも優先されます。また、この例では、ネットワークサービスが無効になるか、あるいはローカル接続だけに制限されます。

keyboard=US-English
timezone=US/Central
timeserver=timehost1
terminal=ibm-pc
service_profile=limited_net

name_service=NIS {domain_name=marquee.central.example.com
                  name_server=nmsvr2(172.25.112.3)}
nfs4_domain=example.com
root_password=URFUni9

例 2-3 複数のインタフェースを構成する場合の sysidcfg ファイル

次の例に挙げる sysidcfg ファイルには、eri0 および eri1 ネットワークインタフェースの構成情報が指定されています。eri0 インタフェースは 1 次ネットワークインタフェースとして構成され、eri1 は 2 次ネットワークインタフェースとして構成されます。この例では、NFSv4 ドメイン名はネームサービスから自動的に取得されます。

timezone=US/Pacific
system_locale=C
terminal=xterms
timeserver=localhost
network_interface=eri0 {primary
                        hostname=host1
                        ip_address=192.168.2.7
                        netmask=255.255.255.0
                        protocol_ipv6=no
                        default_route=192.168.2.1}

network_interface=eri1 {hostname=host1-b
                        ip_address=192.168.3.8
                        netmask=255.255.255.0
                        protocol_ipv6=no
                        default_route=NONE}
root_password=JE2C35JGZi4B2
security_policy=none
name_service=NIS {domain_name=domain.example.com
                  name_server=nis-server(192.168.2.200)}
nfs4_domain=dynamic
インストールの続行

sysidcfg ファイルを使ってネットワーク経由のインストールを行うには、インストールサーバーを設定し、システムをインストールクライアントとして追加する必要があります。詳細については、第 4 章ネットワークからのインストール (概要)を参照してください。

sysidcfg ファイルを使って WAN ブートインストールを行うには、追加の作業を行う必要があります。詳細については、第 10 章WAN ブート (概要)を参照してください。

sysidcfg ファイルを使ってカスタム JumpStart インストールを行うには、プロファイルと rules.ok ファイルを作成する必要があります。詳細は、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (カスタム JumpStart/上級編)』の第 2 章「カスタム JumpStart (概要)」を参照してください。

参照

sysidcfg ファイルの詳細は、sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。

sysidcfg ファイルの構文規則

sysidcfg ファイルで使用するキーワードには、 非依存型と依存型の 2 種類があります。依存型キーワードは、非依存型キーワード内でのみ固有であることが保証されています。依存型キーワードは、対応する非依存型キーワードによって識別される場合にのみ存在します。

次の例では、name_service が非依存型キーワードであり、domain_namename_server が依存型キーワードです。

name_service=NIS {domain_name=marquee.central.example.com
name_server=connor(192.168.112.3)}
構文規則
非依存型キーワードは任意の順序で指定可能です。
pointer=MS-S
display=ati {size=15-inch}
キーワードは、大文字と小文字を区別しません。
TIMEZONE=US/Central
terminal=sun-cmd
関連する非依存型キーワードを結合するには、すべての依存型キーワードを中括弧 { } で囲みます。
name_service=NIS 
       {domain_name=marquee.central.example.com
        name_server=connor(192.168.112.3)}
値は単一引用符 (') または二重引用符 (“) で囲んで指定可能です。
network_interface='none'
network_interface を除くすべてのキーワードは、1 回だけ指定可能です。キーワードを複数回指定した場合は最初のキーワードだけが有効です。
name_service=NIS
name_service=DNS

sysidcfg ファイルキーワード

表 2-3 に、sysidcfg ファイルでシステム情報を設定するときに使用できるキーワードの一覧を示します。

表 2-3 sysidcfg で使用するキーワード

構成情報
キーワード
キー配列とキーボード言語
ネームサービス、ドメイン名、ネームサーバー
ネットワークインタフェース、ホスト名、IP アドレス、ネットマスク、DHCP、IPv6
NFSv4 用のドメイン名の定義
root パスワード
セキュリティーポリシー
ネットワークセキュリティープロファイル
インストールプログラムとデスクトップで表示する言語
端末タイプ
タイムゾーン
日付と時刻
自動登録の設定

次の節では、sysidcfg ファイルで使用できるキーワードについて説明します。

auto_reg キーワード

Oracle Solaris 10 9/10 リリース以降では、auto_reg キーワードを使用して、自動登録の設定や無効化を行えるようになりました。

自動登録について

Oracle Solaris 自動登録は、Oracle Solaris 10 9/10 リリースで新しく導入されました。システムをインストールまたはアップグレードすると、システムの構成データは、既存のサービスタグ技術によってリブート時に自動的にオラクル製品登録システムに伝達されます。システムに関するこのサービスタグデータは、オラクルの顧客向けサポートとサービスの向上などに役立てられます。サービスタグについては、http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solaris/oracle-service-tag-faq-418684.html で知ることができます。

同じ構成データを使用して、システムの目録を独自に作成し、管理することができます。下の登録オプションのいずれかを使ってサポート資格情報に登録することで、システムおよびシステムにインストールされているソフトウェア製品のサービスタグを記録および追跡して、システムの目録を簡単に作成できます。登録されている製品を追跡する手順については、http://wikis.sun.com/display/SunInventory/Sun+Inventory を参照してください。

Oracle に送信される構成データがお客様の名前にリンクされないように、匿名で Oracle Product Registration System に構成データを送信することも選択できます。自動登録を無効にすることもできます。

自動登録についての詳細は、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「Oracle Solaris 自動登録」を参照してください。

auto_reg キーワード

自動化されたインストールまたはアップグレードの前に auto_reg キーワードを sysidcfg ファイルで使用すると、自動登録のサポート資格を指定すること、匿名の登録を選択すること、または自動登録を無効にすることができます。これらのキーワードを使用して sysidcfg ファイルを設定しない場合、インストールまたはアップグレード時に、資格を入力するか、匿名で登録するかをたずねるプロンプトが表示されます。

次に、auto_reg キーワードの一般的な構文を示します。

auto_reg=[anon |none |noproxy |all |disable ] {
oracle_user=username
oracle_pw=oracle-password
http_proxy_host=hostname
http_proxy_port=port-number
http_proxy_user=proxy-username
htty_proxy_pw=proxy-password
}

このキーワードを使用するには、次の表で説明するように、最初に主な値として anonnone noproxyalldisable のいずれかを選択することで、基本的な登録の種類を指定します。次に、以下の追加キーワードを使用して、特定の My Oracle Support 資格情報を指定し、自動登録のプロキシ情報を指定します。

表 2-4 auto_reg キーワードと値

キーワード
auto_reg
auto_reg は 1 次キーワードです。このキーワードの値のうち、次のいずれかを使用して、使用したい自動登録の種類を指定します。

匿名の登録anon 値または none

anon 値または none 値を使用する場合、お客様のタービスタグは匿名で Oracle に登録されます。匿名の登録は、Oracle に送信される構成データに、顧客または個人の名前とリンクされません。インストール中に My Oracle Support 資格情報を指定した場合、これらの資格は無視され、登録は匿名のままになります。

  • sysidcfg ファイル内で、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときにプロキシ情報も指定したい場合は、anon 値を使用します。

  • sysidcfg ファイルでプロキシ情報を指定しない場合は、none 値を使用します。インストールまたはアップグレード中にプロキシ情報を指定した場合、そのプロキシ情報は無視されます。

サポート資格を使用した登録noproxy 値または all

noproxy 値または all 値を使用する場合、サービスタグはシステムのインストールまたはアップグレード後にリブートしたときに、My Oracle Support 資格情報を使用して Oracle に登録されます。My Oracle Support 資格情報は、sysidcfg ファイル内で、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときに指定する必要があります。

  • sysidcfg ファイル内で、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときにプロキシ情報も指定したい場合は、all 値を使用します。

  • sysidcfg ファイルでプロキシ情報を指定しない場合は、noproxy 値を使用します。インストールまたはアップグレード中にプロキシ情報を指定した場合、そのプロキシ情報は無視されます。

自動登録の無効化disable

disable 値を使用すると、自動登録は無効になります。いったん無効にしたら、自動登録を再度有効にするには、regadm コマンドを使用する必要があります。詳細は、regadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

これらの値のそれぞれの例については、以降の節を参照してください。

2 次キーワード:
1 次キーワードの auto_reg 内で以下のキーワードと値を使用して、My Oracle Support 資格情報やプロキシ情報を指定します。
oracle_user
username – My Oracle Support ユーザー名を指定します。たとえば、oracle_user=myusername と指定します。
oracle_pw
oracle_password – My Oracle Support パスワードを、暗号化テキストではなく平文テキストで指定します。たとえば、oracle_pw= j32js94jrjsW と指定します。
http_proxy_host
hostname – プロキシのホスト名を指定します。たとえば、http_proxy_host=sss.com と指定します。
http_proxy_port
port_number – プロキシのポートを指定します。たとえば、http_proxy_port=8050 と指定します。
http_proxy_user
proxy_username – プロキシのユーザー名を指定します。たとえば、http_proxy_user=proxyusername と指定します。
htty_proxy_pw
proxy_password – プロキシのパスワードを暗号化テキストではなく平文テキストで指定します。たとえば、http_proxy_pw= sej47875WSjs と指定します。

この情報は sysidcfg(4) マニュアルページにも記載されています。

匿名の登録の例

匿名の登録では、anon 値または none 値のいずれかを使用します。匿名の登録は、Oracle に送信される構成データに、会社または個人の名前へのリンクが含まれないことを意味します。インストール中に My Oracle Support 資格情報を指定した場合、これらの資格は無視され、登録は匿名のままになります。

プロキシ情報を含める場合は、anon 値の説明を参照してください。プロキシ情報を含めない場合は、none 値を使用します。

次の例では、anon 値によって、サービスタグを匿名で Oracle に登録することを指定しています。また、次の例で示すように、sysidcfg ファイル内で、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときに、プロキシ情報を指定することになっています。

auto_reg=anon {
http_proxy_host=sss.com
http_proxy_port=8040
http_proxy_user=myproxyusername
htty_proxy_pw=si329jehId
}

次の例では、none 値によって、サービスタグを匿名で Oracle に登録すること、およびプロキシ情報は含めないことを指定しています。インストールまたはアップグレード中に、実際にはプロキシ情報を指定した場合、そのプロキシ情報は無視されます。

auto_reg=none
サポート資格を使用した登録の例

システムのインストールまたはアップグレード後にリブートしたときに、My Oracle Support 資格情報を使用して Oracle にサービスタグを登録する場合は、noproxy 値または all 値を使用します。

プロキシ情報を含める場合は、all 値の説明を参照してください。プロキシ情報を含めない場合は、noproxy 値を使用します。次に例を示します。

次の例では、all 値によって、システムのインストールまたはアップグレード後にリブートしたときに、My Oracle Support 資格情報を使用して Oracle にサービスタグを登録することを指定しています。My Oracle Support 資格情報は、この例で示すように、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときに指定する必要があります。all 値を使用したため、次の例で示すように、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときに、プロキシ情報も指定する必要があります。

auto_reg=all {
oracle_user=myusername
oracle_pw=ajsi349EKS987
http_proxy_host=sss.com
http_proxy_port=8030
http_proxy_user=myproxyusername
htty_proxy_pw=adjsi2934IEls
}

次の例では、noproxy 値によって、システムのインストールまたはアップグレード後にリブートしたときに、My Oracle Support 資格情報を使用して Oracle にサービスタグを登録することを指定しています。My Oracle Support 資格情報は、下に示すように、またはインストール中やアップグレード中にプロンプトが表示されたときに指定する必要があります。ただし、noproxy 値を使用したため、プロキシ情報を指定する必要はありません。インストールまたはアップグレード中にプロキシ情報を指定した場合、その情報は無視されます。

auto_reg=noproxy {
oracle_user=myusername
oracle_pw=sie7894KEdjs2
}
自動登録の無効化の例

次の例では、disable 値によって、自動登録を無効にすることを指定しています。自動登録を再度有効にするには、regadm コマンドを使用する必要があります。詳細は、regadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

auto_reg=disable

keyboard キーワード

sysidkdb ツールは、使用している USB 言語とそれに対応するキー配列を設定します。

次の手順で行われます。

keyboard キーワードを使用すると、キーボード言語とそれに対応するキー配列の情報を設定できます。各言語には、独自のキー配列があります。次の構文を使用して、言語とそれに対応する配列を選択します。

keyboard=keyboard_layout

たとえば、次のエントリでは、ドイツ語用のキーボード言語と対応するキー配列が設定されます。

keyboard=German

keyboard_layout には、有効な値を指定する必要があります。そうしないと、インストール時に対話式の応答が必要になります。keyboard_layout の有効な文字列は、/usr/share/lib/keytables/type_6/kbd_layouts ファイルに定義されています。


SPARC のみ - 以前は、USB キーボードのインストール時の自己識別値を 1 としていました。そのため、自己識別型でないキーボードはすべて、インストール時に必ず米国英語 (U.S. English) キー配列に設定されていました。


キーボードが自己識別型でない場合に、JumpStart インストール時にプロンプトが表示されないようにするには、sysidcfg ファイルでキーボードの言語を選択します。JumpStart インストールの場合、デフォルトは米国英語 (U.S. English) 用です。別の言語とそれに対応するキー配列を選択するには、前の例に示してあるように、sysidcfg ファイルにキーボードエントリを設定します。

詳細は、sysidcfg(4) および sysidtool (1M) のマニュアルページを参照してください。

name_service キーワード

name_service キーワードを使用して、システムのネームサービス、ドメイン名、およびネームサーバーを構成できます。次の例は、name_service キーワードの一般的な構文を示しています。

name_service=name-service {domain_name=domain-name 
                                 name_server=name-server
                                 optional-keyword=value}

name_service は 1 つの値だけを選択します。次に、domain_name キーワードと name_server キーワードの両方を設定し、必要に応じて、さらに追加のキーワードを設定します。あるいは、これらのキーワードをまったく設定しなくてもかまいません。キーワードを 1 つも使用しない場合には、中括弧 { } は省略します。


注 - sysidcfg ファイル内の name_service オプションは、Oracle Solaris OS のインストール中にネームサービスを自動的に設定します。この設定は、site.xml にすでに設定されている SMF サービスより優先されます。このため、インストール後にネームサービスの再設定が必要になる場合があります。


次の各節では、特定のネームサービスを使用するようシステムを構成するための、キーワードの構文について説明します。

NIS 用の name_service キーワードの構文

NIS ネームサービスを使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。

name_service=NIS {domain_name=domain-name 
                   name_server=hostname(ip-address)}
domain-name

ドメイン名を指定します。

hostname

ネームサーバーのホスト名を指定します。

ip-address

ネームサーバーの IP アドレスを指定します。

例 2-4 name_service キーワードを使用して NIS サーバーを指定する

次の例では、ドメイン名 west.example.com の NIS サーバーを指定しています。このサーバーのホスト名は timber で、IP アドレスは 192.168.2.1 です。

name_service=NIS {domain_name=west.example.com 
                  name_server=timber(192.168.2.1)}

NIS ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

NIS+ 用の name_service キーワードの構文

NIS ネームサービスを使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。

name_service=NIS+ {domain_name=domain-name 
                   name_server=hostname(ip-address)}
domain-name

ドメイン名を指定します。

hostname

ネームサーバーのホスト名を指定します。

ip-address

ネームサーバーの IP アドレスを指定します。

例 2-5 name_service キーワードを使用して NIS+ サーバーを指定する

次の例では、ドメイン名 west.example.com の NIS+ サーバーを指定しています。このサーバーのホスト名は timber で、IP アドレスは 192.168.2.1 です。

name_service=NIS+ {domain_name=west.example.com 
                   name_server=timber(192.168.2.1)}

NIS+ ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)』を参照してください。

DNS 用の name_service キーワードの構文

DNS を使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。

name_service=DNS {domain_name=domain-name 
                  name_server=ip-address,ip-address,ip-address
                  search=domain-name,domain-name,domain-name,
                  domain-name,domain-name,domain-name} 
domain_name=domain-name

ドメイン名を指定します。

name_server=ip-address

DNS サーバーの IP アドレスを指定します。name_server キーワードの値として、最大 3 個の IP アドレスを指定できます。

search=domain-name

(省略可能) ネームサービス情報の検索ドメインを追加するときに指定します。検索ドメイン名は最大 6 個指定できます。各検索エントリの長さは、250 文字以下でなければなりません。

例 2-6 name_service キーワードを使用して DNS サーバーを指定する

次の例では、ドメイン名 west.example.com の DNS サーバーを指定しています。このサーバーの IP アドレスは、10.0.1.10 および 10.0.1.20 です。example.com および east.example.com が、ネームサービス情報の検索ドメインとして追加されています。

name_service=DNS {domain_name=west.example.com 
                  name_server=10.0.1.10,10.0.1.20 
                  search=example.com,east.example.com}

DNS ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

LDAP 用の name_service キーワードの構文

LDAP を使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。

name_service=LDAP {domain_name=domain_name
                   profile=profile_name profile_server=ip_address 
                   proxy_dn="proxy_bind_dn" proxy_password=password}
domain_name

LDAP サーバーのドメイン名を指定します。

profile_name

システムの構成に使用する LDAP プロファイルの名前を指定します。

ip_address

LDAP プロファイルサーバーの IP アドレスを指定します。

proxy_bind_dn

(省略可能) プロキシバインド識別名を指定します。proxy_bind_dn の値は、二重引用符で囲む必要があります。

password

(省略可能) クライアントのプロキシパスワードを指定します。

例 2-7 name_service キーワードを使用して LDAP サーバーを指定する

次の例では、次の構成情報を使用して LDAP サーバーを指定しています。

name_service=LDAP {domain_name=west.example.com 
                   profile=default 
                   profile_server=172.31.2.1 
                   proxy_dn="cn=proxyagent,ou=profile,
                   dc=west,dc=example,dc=com" 
                   proxy_password=password}

LDAP の使用方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

network_interface キーワード

次の作業を実行するには、network_interface キーワードを使用します。

次の各節では、network_interface キーワードを使用してシステムインタフェースを構成する方法について説明します。

ネットワークに接続しないシステム用の構文

システムのネットワーク接続をオフにするには、network_interface 値に none を設定します。次に例を示します。

network_interface=none
1 つのインタフェースを構成するための構文

network_interface キーワードを使用して 1 つのインタフェースを構成するときには、次の方法を使用します。

例 2-8 network_interface キーワードを使用して、DHCP を使用する 1 つのインタフェースを構成する

次の例では、DHCP を使用して eri0 ネットワークインタフェースが構成されるように指定しています。IPv6 サポートは無効になります。

network_interface=eri0 {dhcp protocol_ipv6=no}

例 2-9 network_interface キーワードに構成情報を指定して 1 つのインタフェースを構成する

次の例では、インタフェース eri0 を次の設定で構成しています。

network_interface=eri0 {hostname=host1 ip_address=172.31.88.100
                        netmask=255.255.255.0 protocol_ipv6=no}
複数のインタフェースを構成するための構文

sysidcfg ファイルでは、複数のネットワークインタフェースを構成できます。構成するインタフェースごとに 、network_interface エントリを sysidcfg ファイルに追加します。

network_interface キーワードを使用して複数のインタフェースを構成するときには、次の方法を使用します。

同一の sysidcfg ファイル内において、一部のインタフェースだけが DHCP を使用するように構成し、ほかのインタフェース用には構成情報を直接記述することもできます。

例 2-10 network_interface キーワードを使用して複数のインタフェースを構成する

次の例では、ネットワークインタフェース eri0eri1 を次のように構成しています。

network_interface=eri0 {dhcp protocol_ipv6=no}
network_interface=eri1 {primary hostname=host1 
                        ip_address=172.146.88.100
                        netmask=255.255.255.0 
                        protocol_ipv6=no}

nfs4_domain キーワード

インストール時に NFSv4 ドメイン名を指定するよう求められないようにするには、sysidcfg ファイルの nfs4_domain キーワードを使用します。このキーワードを使用すると、インストール処理時にドメイン名を選択しなくて済みます。構文は次のとおりです。

nfs4_domain=dynamic or custom_domain_name
dynamic

この予約されたキーワードは、ネームサービスの設定に基づいて NFSv4 ドメイン名を動的に取得します。次に例を示します。

nfs4_domain=dynamic

この例では、ネームサービスからドメイン名を取得できます。

予約されたキーワード dynamic には、大文字小文字の区別がありません。


注 - デフォルトでは、NFSv4 はシステムのネームサービスから自動的に取得されるドメイン名を使用します。ほとんどの構成では、このドメイン名で十分です。場合によっては、マウントポイントがドメイン境界を交差してしまい、ファイルの所有者が「nobody」のように見えることがありますが、これは、共通のドメイン名が存在しないからです。この事態を避けるために、デフォルトのドメイン名を無効にして、カスタムドメイン名を選択することができます。


custom_domain_name

この値は、デフォルトのドメイン名より優先されます。

この値は、有効なカスタムドメイン名でなければなりません。有効なドメイン名は、英数字、ドット、下線、ダッシュの組み合わせだけで構成されます。最初の文字は英字にする必要があります。次に例を示します。

nfs4_domain=example.com

この例では、nfsmapid デーモンが使用する値が example.com になるように設定されます。この選択は、デフォルトのドメイン名より優先されます。


注 - 以前のリリースでは、スクリプトを使って、インストール時に NFSv4 ドメイン名の入力を求められないようにできました。

Oracle Solaris 10 OS での JumpStart インストールでは、回避方法として JumpStart サンプルスクリプト set_nfs4_domain を使って、インストール中に NFSv4 プロンプトを抑制できました。このスクリプトはもう必要ありません。代わりに、sysidcfg のキーワード nfs4_domain を使用します。

以前のリリースでは、sysidnfs4 プログラムによって /etc/.NFS4inst_state.domain ファイルが作成されました。このファイルは、インストール時に NFSv4 ドメイン名の入力を求めるプロンプトを抑制するものでした。このファイルはもう作成されません。代わりに、sysidcfg のキーワード nfs4_domain を使用します。


root_password キーワード

sysidcfg ファイルにシステムの root パスワードを指定できます。root パスワードを指定するには、root_password キーワードを次の構文に従って使用します。

root_password=encrypted-password

encrypted-password は、/etc/shadow ファイルに設定される暗号化パスワードです。

security_policy キーワード

sysidcfg ファイルで security_policy キーワードを使用して、Kerberos ネットワーク認証プロトコルを使用するようにシステムを構成できます。Kerberos を使用するようにシステムを構成する場合には、次の構文を使用します。

security_policy=kerberos {default_realm=FQDN 
                          admin_server=FQDN kdc=FQDN1, FQDN2, FQDN3}

FQDN には、Kerberos のデフォルトレルム、管理サーバー、または鍵配布センター (Key Distribution Center, KDC) を、完全指定のドメイン名で指定します。KDC は 1 つ以上指定する必要があります (最大 3 つまで指定可能)。

システムのセキュリティーポリシーを設定しない場合は、security_policy=NONE と設定します。

Kerberos ネットワーク認証プロトコルの詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。

例 2-11 security_policy キーワードを使用して、Kerberos を使用するようにシステムを構成する

この例では、次の情報を使用して、Kerberos を使用するようにシステムを構成しています。

security_policy=kerberos 
                {default_realm=example.COM 
                 admin_server=krbadmin.example.com 
                 kdc=kdc1.example.com, 
                 kdc2.example.com}

service_profile キーワード

service_profile キーワードを使用してネットワークサービスを制限すれば、より強力にセキュリティー保護されたシステムをインストールできます。このセキュリティーオプションを使用できるのは、初期インストールのときだけです。アップグレードでは、以前に設定したサービスが保持されます。

このキーワードを設定するときは、次の構文のいずれかを使用します。

service_profile=limited_net
service_profile=open

limited_net は、Secure Shell を除くすべてのネットワークサービスを、無効またはローカル要求への応答だけに制限するように指定します。インストール後、svcadm コマンドおよび svccfg コマンドを使用して、任意のネットワークサービスを個別に有効にすることができます。

open を指定すると、ネットワークサービスはインストール中に変更されません。

service_profile キーワードが sysidcfg ファイルにない場合は、インストール中にネットワークサービスの状態は変更されません。

ネットワークサービスは、netservices open コマンドを使用するか、SMF コマンドを使用して個別にサービスを有効にする方法で、インストール後に有効にすることができます。『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。

インストール中にネットワークセキュリティーを制限する方法の詳細は、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ネットワークセキュリティーの計画」を参照してください。また、次のマニュアルページも参照してください。

system_locale キーワード

system_locale キーワードを使用して、インストールプログラムおよびデスクトップの表示言語を指定できます。ロケールを指定するには、次の構文を使用します。

system_locale=locale

locale には、インストールパネルおよび画面を表示する際の使用言語を指定します。有効なロケール値のリストについては、/usr/lib/locale ディレクトリまたは『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

terminal キーワード

terminal キーワードを使用して、システムの端末タイプを指定できます。端末タイプを指定するには、次の構文を使用します。

terminal=terminal_type

terminal_type には、システムの端末タイプを指定します。有効な端末値のリストについては、/usr/share/lib/terminfo ディレクトリのサブディレクトリを参照してください。

timezone キーワード

timezone キーワードを使用して、システムのタイムゾーンを設定できます。次の構文を使用します。

timezone=timezone

上の例の timezone には、システムのタイムゾーン値を指定します。/usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリにあるファイル名、またはそのサブディレクトリにあるファイル名を、タイムゾーン値として設定できます。timezone の値は、/usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリからの相対パス名です。また、有効な Olson タイムゾーンも指定できます。

例 2-12 timezone キーワードを使用してシステムのタイムゾーンを構成する

次の例では、システムのタイムゾーンを米国の山岳部標準時に設定しています。

timezone=US/Mountain

/usr/share/lib/zoneinfo/US/Mountain のタイムゾーン情報を使用するようにシステムが構成されます。

timeserver キーワード

timeserver キーワードを使用して、インストール先のシステムに日付と時刻を設定するためのシステムを指定できます。

timeserver キーワードを設定するときには、次のいずれかの方法を選択します。