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Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (カスタム JumpStart/上級編)     Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

パート I カスタム JumpStart の使用

1.  Solaris インストールの計画についての参照先

2.  カスタム JumpStart (概要)

3.  カスタム JumpStart インストールの準備 (作業)

4.  カスタム JumpStart オプション機能の使用 (作業)

5.  カスタムルールおよびプローブキーワードの作成 (作業)

6.  カスタム JumpStart インストールの実行 (作業)

7.  カスタム JumpStart によるインストール (例)

8.  カスタム JumpStart (リファレンス)

ルールキーワードと値の説明

プロファイルキーワードと値

プロファイルキーワードのクイックリファレンス

プロファイルキーワードの説明と例

archive_location プロファイルキーワード

backup_media プロファイルキーワード

boot_device プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

bootenv プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

client_arch プロファイルキーワード

client_root プロファイルキーワード

client_swap プロファイルキーワード

cluster プロファイルキーワード (ソフトウェアグループの追加) (UFS と ZFS)

cluster プロファイルキーワード (クラスタの追加または削除) (UFS と ZFS)

dontuse プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

x86: fdisk プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

filesys プロファイルキーワード (リモートファイルシステムのマウント) (UFS と ZFS)

filesys プロファイルキーワード (ローカルファイルシステムの作成)

filesys プロファイルキーワード (RAID-1 ボリュームの作成)

forced_deployment プロファイルキーワード (Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール)

geo プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

install_type プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

layout_constraint プロファイルキーワード

local_customization プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)

locale プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

metadb プロファイルキーワード (状態データベースの複製の作成)

no_content_check プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)

no_master_check プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)

num_clients プロファイルキーワード

package プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

partitioning プロファイルキーワード

patch プロファイルキーワード

pool プロファイルキーワード (ZFS のみ)

root_device プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

system_type プロファイルキーワード

usedisk プロファイルキーワード (UFS と ZFS)

カスタム JumpStart の環境変数

プローブキーワードと値

9.  JumpStart による ZFS ルートプールのインストール

パート II 付録

A.  問題発生時の解決方法 (作業)

B.  その他の SVR4 パッケージ要件 (リファレンス)

用語集

索引

プロファイルキーワードと値

次の節では、プロファイルで使用できるプロファイルキーワードとプロファイル値を説明します。プロファイルの詳しい作成方法については、「プロファイルの作成」を参照してください。これらのキーワードは、UFS および ZFS ファイルシステムのインストールで使用します。ZFS プロファイルで使用できるキーワードには、「ZFS」と示されています。

プロファイルキーワードのクイックリファレンス

表 8-2 では、インストール方法に基づいて、どのキーワードを使用できるかをすばやく確認できます。プロファイルキーワードの説明で特に注記されていないかぎり、プロファイルキーワードは初期インストールオプションだけで使用できます。また、ZFS ルートプールプロファイルで使用できることが示されていないかぎり、そのキーワードは UFS ファイルシステム用です。

表 8-2 プロファイルキーワードの概要

インストール方法
プロファイルキーワード
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されていない)
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されている) またはサーバー
OS サーバー
アップグレード
ディスク容量の再配置を使用するアップグレード
ZFS ルートプールで使用可能
archive_location (Solaris フラッシュアーカイブをインストールする場合)
X
X
X
backup_media
X
boot_device (UFS と ZFS)
X
X
X
X
bootenv (UFS と ZFS)
X
X
X
X
client_arch
X
client_root
X
client_swap
X
cluster (ソフトウェアグループを追加する場合) (UFS と ZFS)
X
X
X
X
cluster (クラスタを追加または削除する場合) (UFS と ZFS)
X
X
X
X
X
X
dontuse (UFS と ZFS)
X
X
X
X
fdisk (x86 のみ) (UFS と ZFS)
X
X
X
X
filesys (リモートファイルシステムをマウントする場合) (UFS と ZFS)
X
X
X
filesys (ローカルファイルシステムを作成する場合)
X
X
X
filesys (ミラー化されたファイルシステムを作成する場合)
X
X
X
forced_deployment (Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールする場合)
X
X
geo (UFS と ZFS)
X
X
X
X
X
X
install_type (UFS と ZFS)
X
X
X
X
X
X
layout_constraint
X
local_customization (Solaris フラッシュアーカイブをインストールする場合)
X
X
locale (UFS と ZFS)
X
X
X
X
X
X
metadb (状態データベースの複製を作成する場合)
X
X
X
no_master_check (Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールする場合)
X
X
no_content_check (Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールする場合)
X
X
num_clients
X
package (UFS と ZFS)
X
X
X
X
X
X
partitioning
X
X
X
patch
X
X
X
X
X
pool (ZFS ルートプールのみ)
X
X
X
X
root_device (UFS と ZFS)
X
X
X
X
X
X
system_type
X
X
X
usedisk (UFS と ZFS)
X
X
X
X

プロファイルキーワードの説明と例

archive_location プロファイルキーワード

archive_location retrieval_type location
retrieval_type

retrieval_typelocation の値は、Solaris フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。retrieval_typelocation に使用できる値や、archive_location キーワードの使用例については、次の各項を参照してください。

location

場所の詳細については、次の各節を参照してください。


注意

注意 - 非大域ゾーンがインストールされていると、Solaris フラッシュアーカイブは正常に作成できません。Solaris フラッシュ機能には Solaris ゾーン区分技術との互換性はありません。Solaris フラッシュアーカイブを作成する場合、そのアーカイブの配備条件が次のいずれかの場合は、作成されたアーカイブは正しくインストールされません。

  • アーカイブが非大域ゾーンに作成された場合

  • アーカイブが、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンに作成された場合


NFS サーバーに格納されたアーカイブ

アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。

archive_location nfs server_name:/path/filename retry n
server_name

アーカイブを格納するサーバーの名前です。

path

指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

retry n

省略可能なキーワードです。n は、Solaris フラッシュユーティリティーがアーカイブのマウントを試みる最大回数です。

例 8-1 NFS サーバーに格納されたアーカイブ

archive_location nfs golden:/archives/usrarchive

archive_location nfs://golden/archives/usrarchive
HTTP または HTTPS サーバーに格納されたアーカイブ

アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。

archive_location http://server_name:port/path/filename optional_keywords

アーカイブが HTTPS サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。

archive_location https://server_name:port/path/filename optional_keywords
server_name

アーカイブを格納するサーバーの名前です。

port

オプションのポートです。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

ポートを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデフォルトの HTTP ポート番号、80 を使用します。

path

指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

optional_keywords

Solaris フラッシュアーカイブを HTTP サーバーから取得するときに指定できるオプションのキーワードです。

表 8-3 archive_location HTTP で使用可能なオプションのキーワード

キーワード
値の定義
auth basic user_name password
アーカイブがパスワード保護された HTTP サーバーに格納されている場合は、その HTTP サーバーへのアクセスに必要なユーザー名とパスワードをプロファイルに含める必要があります。

注 - カスタム JumpStart で使用しようとするプロファイルにおいてこの認証方法を使用することは、リスクを伴います。これは、承認されていないユーザーが、パスワードが入ったプロファイルにアクセスできる可能性があるためです。


timeout min
timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。
  • タイムアウトによる再接続が発生すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはアーカイブを取得した最後の位置からインストールの再開を試みます。この位置での Solaris フラッシュインストールの再開が不可能な場合、アーカイブの初めから再度データの取得が行われ、タイムアウト前に取得されたデータは破棄されます。

  • パッケージのインストール中にタイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。

proxy host:port
proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。

例 8-2 HTTP または HTTPS サーバーに格納されたアーカイブ

archive_location http://silver/archives/usrarchive.flar timeout 5 

auth basic user_name password キーワードの例:

archive_location http://silver/archives/usrarchive.flar timeout 5 user1 secret
FTP サーバーに格納されたアーカイブ

アーカイブが FTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。

archive_location ftp://user_name:password@server_name:port/path/filename optional_keywords
user_name:password

プロファイルファイルにおいて、FTP サーバーにアクセスするために必要なユーザー名とパスワードです。

server_name

アーカイブを格納するサーバーの名前です。

port

オプションのポートです。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

ポートを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデフォルトの FTP ポート番号 21 を使用します。

path

指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

optional_keywords

Solaris フラッシュアーカイブを FTP サーバーから取得するときに指定できるオプションのキーワードです。

表 8-4 archive_location FTP で使用可能なオプションのキーワード

キーワード
値の定義
timeout min
timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。
  • タイムアウトによる再接続が発生すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはアーカイブを取得した最後の位置からインストールの再開を試みます。この位置での Solaris フラッシュインストールの再開が不可能な場合、アーカイブの初めから再度データの取得が行われ、タイムアウト前に取得されたデータは破棄されます。

  • パッケージのインストール中にタイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。

proxy host:port
proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。

例 8-3 FTP サーバーに格納されたアーカイブ

archive_location ftp://user1:secret@silver/archives/usrarchive.flar timeout 5
ローカルテープに格納されたアーカイブ

アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。

archive_location local_tape device position
device

Solaris フラッシュアーカイブを格納したテープドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデバイスノードへのパスからアーカイブを取得します。正規のパスでないデバイス名を指定した場合は、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはパスに /dev/rmt/ を加えます。

position

アーカイブを保存したテープドライブ上の位置を示します。位置が指定されないと、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはテープドライブの現在の位置からアーカイブを取得します。position を指定することにより、テープドライブ上でアーカイブの前に開始スクリプトまたは sysidcfg ファイルを配置できます。

例 8-4 ローカルテープに格納されたアーカイブ

archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5

archive_location local_tape 0n 5
ローカルデバイスに格納されたアーカイブ

ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや DVD など) に Solaris フラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスから Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


注 - ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。


archive_location local_device device path/filename file_system_type
device

Solaris フラッシュアーカイブを格納したドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。

path

Solaris フラッシュアーカイブへのパスです (指定したデバイス上のファイルシステムのルートからの相対的なパス)。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

file_system_type

デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。

例 8-5 ローカルデバイスに格納されたアーカイブ

UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードディスクからアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。

archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST

HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。

archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive
ローカルファイルに格納されたアーカイブ

クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納した Solaris フラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。

archive_location local_file path/filename 
path

アーカイブの位置です。このパスは、システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Oracle Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムにローカルファイルとしてアクセスできるものでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Oracle Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムは、/net などの自動マウントされたディレクトリへアクセスできません。

filename

Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。

例 8-6 ローカルファイルに格納されたアーカイブ

archive_location local_file /archives/usrarchive

backup_media プロファイルキーワード

backup_media type path

backup_media は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。

backup_media は、ディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量の再配置が必要なファイルシステムのバックアップをとるために使用するメディアを定義します。バックアップ用に複数のテープまたはフロッピーディスクが必要な場合は、アップグレード中にテープまたはフロッピーディスクの挿入を求めるプロンプトが表示されます。

有効な type
有効な path
仕様
local_tape
/dev/rmt/n
アップグレードされるシステムのローカルテープドライブを指定します。path は、テープドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスパスである必要があります。n はテープドライブの番号です。
local_diskette
/dev/rdisketten
アップグレードされるシステムのローカルフロッピーディスクドライブを指定します。path は、フロッピーディスクドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスパスである必要があります。n はフロッピーディスクドライブの番号です。

バックアップに使用するフロッピーディスクはフォーマットされていなければなりません。

local_filesystem
/dev/dsk/cwtxdysz

/file_system

アップグレードされるシステムのローカルファイルシステムを指定します。アップグレードで変更されるローカルファイルシステムは指定できません。path は、ディスクスライスのブロックデバイスパスでもかまいません。たとえば、/dev/dsk/c wtxd ysz 内の tx は必須ではありません。あるいは、path/etc/vfstab ファイルによってマウントされたファイルシステムへの絶対パスでもかまいません。
remote_filesystem
host:/file_system
リモートシステムの NFS ファイルシステムを指定します。path は、リモートシステム (host) の名前または IP アドレスと、NFS ファイルシステム (file_system) への絶対パスを含まなければなりません。NFS ファイルシステムは、読み取り権と書き込み権を持っている必要があります。
remote_system
user@host :/directory
リモートシェル (rsh) で到達できるリモートシステム上のディレクトリを指定します。アップグレードされるシステムは、リモートシステムの .rhosts ファイル経由で、リモートシステムにアクセスできなければなりません。path は、リモートシステム (host) の名前と、そのディレクトリ (directory) への絶対パスを含まなければなりません。ユーザーログイン ID (user) を指定しないと、デフォルトで root が使用されます。

例 8-7 backup_media プロファイルキーワード

backup_media local_tape /dev/rmt/0

backup_media local_diskette /dev/rdiskette1

backup_media local_filesystem /dev/dsk/c0t3d0s4

backup_media local_filesystem /export

backup_media remote_filesystem system1:/export/temp

backup_media remote_system user1@system1:/export/temp

boot_device プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - boot_device キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


boot_device device eeprom

boot_device には、JumpStart がルート (/) ファイルシステムをインストールするデバイスと、システムのブートデバイスを指定します。boot_device は、ルート (/) ファイルシステムを指定する filesys キーワードと root_device キーワードに一致する必要があります。

プロファイルに boot_device キーワードを指定しなかった場合、インストール時にデフォルトで次の boot_device キーワードが指定されます。

boot_device any update
device

次のいずれかの値を使用します。

SPARC: cw txdy sz または cx dysz

JumpStart プログラムによってルート (/) ファイルシステムが配置されるディスクスライス (たとえば c0t0d0s0) です。

x86: cw txdy または cxdy

JumpStart プログラムによってルート (/) ファイルシステムが配置されるディスク (たとえば c0d0) です。

existing

JumpStart プログラムは、システムの既存のブートデバイスにルート (/) ファイルシステムを格納します。

any

JumpStart プログラムは、ルート (/) ファイルシステムを配置する場所を選択します。システムの既存のブートデバイスを使用する場合もありますが、必要であれば異なるブートデバイスを選択します。

eeprom

システムの EEPROM を変更または保存する場合に選択します。

システムの現在のブートデバイスを変更する場合、eeprom の値でもシステムの EEPROM を変更できます。これにより、システムは新しいブートデバイスから自動的にブートできます。


注 - x86: preserve 値を指定する必要があります。


update

JumpStart プログラムは、インストールされるシステムが指定のブートデバイスから自動的にブートするように、システムの EEPROM をそのブートデバイスに変更します。

preserve

システムの EEPROM 中のブートデバイス値は変更されません。システムの EEPROM を変更しないで新しいブートデバイスを指定した場合は、システムが新しいブートデバイスから自動的にブートするように、システムの EEPROM を手作業で変更する必要があります。

例 8-8 boot_device プロファイルキーワード

boot_device c0t0d0s2 update

bootenv プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - bootenv キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。ZFS インストールでの使用方法は異なります。


bootenv createbe bename new_BE_name filesystem mountpoint:device:fs_options 
[filesystem...]

bootenv createbe キーワードを使用すると、Oracle Solaris OS のインストール時に、空の非アクティブブート環境をすばやく作成できます。少なくとも、ルート (/) ファイルシステムを作成する必要があります。スライスは、指定のファイルシステム用に予約されていますが、ファイルシステムはコピーされません。このブート環境は、名前が付けられてはいますが、実際には、Solaris フラッシュアーカイブがインストールされる時にはじめて作成されることになります。空のブート環境にアーカイブがインストールされると、ファイルシステムは予約されたスライスにインストールされます。bename および filesystem の値を次に示します。

bename new_BE_name

bename は、新しく作成するブート環境の名前を指定します。new_BE_name は、30 文字以内の英数字で指定してください。複数バイト文字は使用できません。名前は、システム上で一意となるように指定する必要があります。

filesystem mountpoint: device:fs_options

filesystem は、新しいブート環境に作成するファイルシステムの種類と数を決定します。少なくとも、ルート (/) ファイルシステムを置くスライスを指定する必要があります。複数のファイルシステムを同一のディスクに置くことも、複数のディスクに分散することもできます。

  • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップスライスを示す - (ハイフン) を指定できます。

  • device には、インストール対象であるオペレーティングシステムが最初に起動したときに利用可能なデバイスを指定してください。このデバイスは、「free」などの JumpStart の特殊な記憶装置とは無関係です。デバイスとして Solaris ボリュームマネージャーのボリュームや Veritas Volume Manager のボリュームを指定することはできません。device はディスクデバイスの名前です。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます。

  • fs_options には、次のいずれかを指定できます。

    • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

    • swap: スワップファイルシステムを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

プロファイルの例とこのキーワードの基本的な使用方法については、次の関連情報を参照してください。

プロファイルの例
非アクティブブート環境の作成、アップグレード、およびアクティブ化を行うための Solaris Live Upgrade の基本的な使用方法
Solaris フラッシュアーカイブの基本的な使用方法

client_arch プロファイルキーワード

client_arch karch_value ...

client_arch は、OS サーバーが、それ自体が使用するものとは異なるプラットフォームグループをサポートすることを定義します。プロファイルに client_arch を指定しない場合、OS サーバーを使用するどのディスクレスクライアントも、サーバーと同じプラットフォームグループでなくてはなりません。OS サーバーにサポートさせたいプラットフォームグループをすべて指定する必要があります。

karch_value の有効な値は、sun4ui86pc です。プラットフォーム名と各種システムの詳細なリストについては、『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』(http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html) を参照してください。


注 - client_arch は、system_typeserver を指定したときだけ使用できます。


client_root プロファイルキーワード

client_root root_size

client_root は、各クライアントに割り当てるルート領域の大きさ (root_size) を M バイト単位で定義します。サーバーのプロファイルに client_root を指定しない場合、インストールソフトウェアは 1 つのクライアント当たり 15M バイトのルート領域を割り当てます。このクライアント用のルート領域の大きさは、num_clients キーワードを組み合わせて、/export/root ファイルシステム用に確保する領域の大きさを決定するときに使用されます。


注 - client_root は、system_typeserver を指定したときだけ使用できます。


client_swap プロファイルキーワード

client_swap swap_size

client_swap は、各ディスクレスクライアントに割り当てるスワップ空間の大きさ (swap_size) を M バイト単位で定義します。プロファイルに client_swap を指定しない場合、32M バイトのスワップ空間がデフォルトで割り当てられます。


注 - client_swap は、system_typeserver を指定したときだけ使用できます。


例 8-9 client_swap プロファイルキーワード

次の例は、各ディスクレスクライアントに 64M バイトのスワップ空間が割り当てられることを指定しています。

client_swap 64
スワップサイズを決定する方法

プロファイルが swap のサイズを指定していない場合、JumpStart プログラムはシステムの物理メモリーに基づいてスワップ空間のサイズを決定します。表 8-5 に、カスタム JumpStart インストール中に swap のサイズがどのように決定されるかを示します。

表 8-5 swap のサイズの決定

物理メモリー (M バイト単位)
スワップ空間 (M バイト単位)
16–64
32
64–128
64
128–512
128
512 を超える場合
256

JumpStart プログラムは swap のサイズが swap が作成されるディスクの 20% を超えないようにします。ただし、ほかのファイルシステムを配置したあとにディスクに空き領域が残っている場合を除きます。空き領域が残っている場合、JumpStart プログラムは空き領域を swap に割り当てて、可能であれば、表 8-5 に示されている量を割り当てます。


注 - 物理メモリーとスワップ空間は合計で 32M バイト以上必要です。


cluster プロファイルキーワード (ソフトウェアグループの追加) (UFS と ZFS)


注 - cluster キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


cluster group_name

cluster は、どのソフトウェアグループをシステムに追加するかを指定します。

ソフトウェアグループは、クラスタおよびパッケージの集まりを含むメタクラスタです。ソフトウェアグループは、cluster キーワードおよび group_name 変数を使ってインストールされます。この cluster キーワードは、初期インストールのときにのみインストールできます。この cluster キーワードは、clustertoc(4) ファイル内のメタクラスタを表します。

クラスタは SUNWname という名前のパッケージの集まりです。クラスタは、cluster キーワードおよび cluster_name 変数を使ってインストールされます。クラスタは初期インストールまたはアップグレードのときに、ソフトウェアグループ (メタクラスタ) から追加または削除できます。

各ソフトウェアグループの group_name 名は次のとおりです。

ソフトウェアグループ
group_name
限定ネットワークシステムサポート
SUNWCrnet
コアシステムサポート
SUNWCreq
エンドユーザーシステムサポート
SUNWCuser
開発者システムサポート
SUNWCprog
全体ディストリビューション
SUNWCall
全体ディストリビューションと OEM サポート
SUNWCXall

次の制限が適用されます。

ソフトウェアグループの詳細は、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。

cluster プロファイルキーワード (クラスタの追加または削除) (UFS と ZFS)

cluster cluster_name add_delete_switch

注 - cluster キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


cluster は、システムにインストールされるソフトウェアグループにクラスタを追加するか、削除するかを指定します。

cluster_name

クラスタ名は SUNWCname の形式で指定します。

add_delete_switch

指定のクラスタを追加するか削除するかを表すオプションのキーワードです。値 add または delete を使用します。値 adddelete も指定しなかった場合、デフォルトで add が適用されます。

アップグレード時に cluster を使用すると、次の条件が適用されます。


注 - ソフトウェアグループは、クラスタおよびパッケージの集まりを含むメタクラスタです。ソフトウェアグループは、cluster キーワードおよび group_name 変数を使ってインストールされます。この cluster キーワードは、初期インストールのときにのみインストールできます。この cluster キーワードは、clustertoc(4) ファイル内のメタクラスタを表します。

クラスタはパッケージの集まりです。クラスタはグループ化され、ソフトウェアグループ (メタクラスタ) を形成できます。クラスタ名は常に SUNW<name> の形式となります。クラスタは、cluster キーワードおよび cluster_name 変数を使ってインストールされます。クラスタは初期インストールまたはアップグレードのときに、ソフトウェアグループ (メタクラスタ) から追加または削除できます。


dontuse プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - dontuse キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


dontuse disk_name ...

partitioning default が指定されると、デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクが使用されます。dontuse は、JumpStart プログラムに使用させないディスク (1 つ以上) を指定するために使用します。disk_name は、cxtydz または cydz の形式 (たとえば、c0t0d0) で指定する必要があります。


注 - 1 つのプロファイルで、dontuse キーワードと usedisk キーワードを同時に指定することはできません。


x86: fdisk プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - fdisk キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


fdisk disk_name type size

fdisk は、x86 システムで fdisk パーティションを設定する方法を定義します。fdisk は 2 回以上指定できます。次に、fdisk によって x86 システムのパーティション設定を行う際の動作を示します。

disk_name

次の値を使用して、fdisk パーティションを作成または削除する場所を指定します。

  • cxtydz または cydz - 特定のディスク。たとえば、c0t3d0

  • rootdisk – システムのルートディスク (インストールが行われる場所) の値を含む変数。ルートディスクは、「システムのルートディスクを決定する方法」に説明されているように、JumpStart プログラムによって決定されます。

  • all - 選択されたすべてのディスク。

type

次の値を使用し、指定したディスク上で作成または削除する fdisk パーティションのタイプを指定します。

  • solaris - Solaris fdisk パーティション (SUNIXOS fdisk タイプ)。

  • dosprimary - 一次 DOS の fdisk パーティション (データ DOS 用に拡張または予約された fdisk パーティションではない) の別名。size に値 delete を指定して fdisk パーティションを削除する場合、dosprimary は DOSHUGE、DOSOS12、および DOSOS16 fdisk タイプの別名になります。fdisk パーティションを作成する場合、dosprimary は DOSHUGE fdisk パーティションの別名になります。

  • DDD - 整数で表す fdisk パーティション。DDD は 1 から 255 までの整数です。


    注 - この値は sizedelete を指定した場合のみ指定できます。


  • 0xHH - 16 進数で表す fdisk パーティション。HH は 01 から FF までの 16 進数です。


    注 - この値は sizedelete を指定した場合のみ指定できます。


いくつかの fdisk タイプの整数と 16 進数での表し方を次の表に示します。

fdisk タイプ
DDD
HH
DOSOS12
1
01
PCIXOS
2
02
DOSOS16
4
04
EXTDOS
5
05
DOSHUGE
6
06
DOSDATA
86
56
OTHEROS
98
62
UNIXOS
99
63
size

次のいずれかの値を使用します。

  • DDD - サイズが DDD (M バイト単位) の fdisk パーティションを、指定したディスク上に作成します。DDD は整数で指定する必要があります。JumpStart プログラムは、この数値を一番近いシリンダの境界に自動的に繰り上げます。値 0 を指定すると、delete を指定するのと同じになります。

  • allfdisk ディスク全体に 1 つのパーティションを作成します(既存の fdisk パーティションはすべて削除される)。


    x86 のみ - all を指定できるのは、typesolaris の場合だけです。


  • maxfree - 指定したディスク上の最も大きい連続する空き領域に fdisk パーティションを作成します。指定した typefdisk パーティションがディスク上にすでに存在する場合、その既存の fdisk パーティションが使用されます。新しい fdisk パーティションはディスク上に作成されません。


    x86 のみ - ディスクには、空き領域と未使用の fdisk パーティションが 1 つ以上存在しなければなりません。領域が確保されないとインストールは失敗します。値 maxfree を指定できるのは、typesolaris または dosprimary の場合だけです。


  • delete - 指定した type のすべての fdisk パーティションを指定したディスク上で削除します。

filesys プロファイルキーワード (リモートファイルシステムのマウント) (UFS と ZFS)


注 - filesys キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


filesys server:path server_address mount_pt_name mount_options

これらの値を指定して filesys を使用すると、JumpStart プログラムはインストールされているシステムがそのブート時に自動的にリモートファイルシステムをマウントするように設定します。filesys は 2 回以上指定できます。

server

リモートファイルシステムが存在するサーバー名 (後ろにコロンを付ける)。

path

リモートファイルシステムのマウントポイント名。 (例: /usr/export/home など)

server_address

サーバーの IP アドレス。server: path で指定します。ネームサービスがネットワーク上で実行されていない場合、この値 server_address を使用して、サーバーのホスト名と IP アドレスを /etc/hosts ファイルに反映できます。サーバーの IP アドレスを指定しない場合は、マイナス記号 (-) を指定する必要があります。たとえば、ネットワーク上で実行中のネームサービスがある場合、サーバーの IP アドレスを指定する必要はありません。

mount_pt_name

リモートファイルシステムをマウントするマウントポイント名。

mount_options

1 つ以上のマウントオプション。mount(1M) コマンドの -o オプションと同じです。これらのマウントオプションは、指定された mount_pt_name/etc/vfstab エントリに追加されます。


注 - 複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota


例 8-10 filesys プロファイルキーワード

filesys sherlock:/export/home/user2 - /home

filesys プロファイルキーワード (ローカルファイルシステムの作成)

filesys slice size file_system optional_parameters

これらの値を指定して filesys を使用すると、JumpStart プログラムによりインストール時にローカルファイルシステムが作成されます。filesys は 2 回以上指定できます。

slice

次のいずれかの値を使用します。

any

JumpStart プロファイルは、ファイルシステムを任意のディスクに配置します。


注 - sizeexistingallfreestart: size、または ignore の場合は、any は指定できません。


cwtxdysz または cxdysz

JumpStart プログラムがファイルシステムを配置するディスクスライス。たとえば、c0t0d0s0 または c0d0s0

rootdisk.sn

システムのルートディスクの値を含む変数。ルートディスクは、「システムのルートディスクを決定する方法」に説明されているように、JumpStart プログラムによって決定されます。拡張子 sn は、ディスク上の特定のスライスを示します。


注 - ルートディスクは、JumpStart プログラムによって決定され、OS がインストールされる場所を指定します。rules ファイルでは、プローブキーワード「rootdisk」を使用しますが、このキーワードは JumpStart プロファイルで使用される「rootdisk」キーワードとは使い方が異なります。rules ファイルのプローブキーワード「rootdisk」を使って、インストールの場所を設定することはできません。プローブキーワード rootdisk は、インストール時のブート元を決定します。表 8-10 を参照してください。


size

次のいずれかの値を使用します。

num

ファイルシステムのサイズを num (M バイト単位) に設定します。

existing

既存のファイルシステムの現在のサイズを使用します。


注 - existing の値を使用すると、別の mount_pt_name として file_system を指定することによって、既存のスライス名を変更できます。


auto

選択したソフトウェアに応じて、ファイルシステムのサイズを自動的に決定します。

all

指定した slice は、そのファイルシステム用にディスク全体を使用します。この値を指定すると、指定したディスク上にほかのファイルシステムは存在できません。

free

ディスク上の残りの未使用領域をファイルシステム用に使用します。


注 - filesys の値として free を使用する場合は、filesys はプロファイルの最後のエントリにする必要があります。


start:size

ファイルシステムを明示的にパーティションに分割します。start はスライスが始まるシリンダであり、size はそのスライスのシリンダ数です。

file_system

file_system 値はオプションで、sliceany または cwtxdysz を指定しているときに使用できます。この値を指定しないと unnamed がデフォルトで設定されますが、この場合 optional_parameters 値を指定できません。次のいずれかの値を使用します。

mount_pt_name

ファイルシステムのマウントポイント名です (たとえば、/var)。

swap

指定した sliceswap として使用されます。

overlap

指定した slice が、ディスク領域を表すものとして定義されます。VTOC 値は V_BACKUP です。デフォルトでは、スライス 2 はディスク全体を表すオーバーラップスライスです。


注 - sizeexistingall、または start:size を指定した場合だけ overlap を指定できます。


unnamed

指定した slice が raw スライスとして定義されるので、slice にはマウントポイント名がありません。file_system を指定しないと、デフォルトで unnamed が設定されます。

ignore

指定した slice を使用しないか、JumpStart プログラムで認識しません。このオプションは、インストール時にディスク上の特定のファイルシステムを無視させるために使用できます。JumpStart プログラムは、同じディスク上に同じ名前で新しいファイルシステムを作成します。ignore は、partitioning existing を指定したときだけ使用できます。

optional_parameters

次のいずれかの値を使用します。

preserve

指定した slice 上のファイルシステムを保存します。


注 - sizeexistingslicecwtxdysz を指定した場合だけ preserve を指定できます。


mount_options

1 つ以上のマウントオプション。mount(1M) コマンドの -o オプションと同じです。これらのマウントオプションは、指定された mount_pt_name/etc/vfstab エントリに追加されます。


注 - 複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota


filesys プロファイルキーワード (RAID-1 ボリュームの作成)

filesys mirror[:name]slice [slice] size file_system optional_parameters

JumpStart プログラムでは、filesys mirror キーワードと一覧にある値を使用して、ミラー化されたファイルシステムの作成に必要な RAID-1 および RAID-0 ボリュームを作成できます。複数のファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成する場合は、filesys mirror を繰り返し指定できます。


注 - filesys mirror キーワードは、初期インストールでのみサポートされます。


name

任意のキーワードです。RAID-1 ボリューム (ミラー) に名前を付けることができます。ミラー名の先頭の文字は必ず「d」で、その後ろに 0 – 127 の数字が続きます (例: d100)。ミラー名を指定しない場合は、カスタム JumpStart プログラムによって名前が割り当てられます。ミラー名の指定方法についてのガイドラインは、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「カスタム JumpStart と Solaris Live Upgrade を行うときの RAID ボリューム名の要件とガイドライン」を参照してください。

slice

ディスクスライスを指定します。カスタム JumpStart プログラムは、このディスクスライスに、複製するファイルシステムを配置します。スライスの値は、cwtxdysz の形式になります (例: c0t0d0s0c0t0d0s5 など)。カスタム JumpStart プログラムは、スライス上に RAID-0 ボリューム (単一スライス連結) を作成し、この連結をミラー化するための RAID-1 ボリュームを作成します。2 つの RAID-0 ボリュームに、最大 2 つのスライスを指定できます。

size

ファイルシステムのサイズを M バイト単位で指定します。

file_system

複製するファイルシステムを指定します。カスタム JumpStart プログラムは、指定されたスライスから RAID-1 ボリュームを作成し、この RAID-1 ボリュームを指定されたファイルシステムにマウントします。ルート (/)、/usr/var などのクリティカルファイルシステムに加えて、swap もファイルシステムとして指定できます。

  • この値を指定しないと unnamed がデフォルトで設定されますが、

  • この場合 optional_parameters 値を指定できません。次のいずれかの値を使用します。

    mount_pt_name

    ファイルシステムのマウントポイント名を指定します (たとえば、/var)。

    swap

    スワップとして使用するスライスを定義します。

    overlap

    このスライスをディスク領域の表現として定義します。VTOC 値は V_BACKUP です。デフォルトでは、スライス 2 はディスク全体を表すオーバーラップスライスです。overlap は、size が次のいずれかの値である場合にのみ指定できます。

    • existing

    • all

    • start:size

    unnamed

    このスライスを raw スライスとして定義します。そのため、このスライスにマウントポイント名はありません。file_system を指定しないと、デフォルトで unnamed が設定されます。

    ignore

    このスライスが JumpStart プログラムによって使用または認識されないように指定します。このオプションは、インストール時にディスク上の特定のファイルシステムを無視させるために使用できます。JumpStart プログラムは、同じディスク上に同じ名前で新しいファイルシステムを作成します。ignore は、partitioning キーワードと existing 値が指定されている場合にのみ使用できます。

optional_parameters

1 つ以上のマウントオプション。mount(1M) コマンドの -o オプションと同じです。これらのマウントオプションは、指定された file_system/etc/vfstab エントリに追加されます。複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースを入れずにコンマで区切ってください (例: ro,quota)。


注 - file_system 値に unnamed を設定した場合、optional_parameters 値は指定できません。設定可能な値については、file_system を参照してください。


インストール中にミラー化されたファイルシステムを作成する方法の詳細は、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の第 9 章「インストール時の RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成 (概要)」を参照してください。

forced_deployment プロファイルキーワード (Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール)

forced_deployment 

forced_deployment は、ソフトウェアで想定されているものとは異なるクローンシステムに、Solaris フラッシュ差分アーカイブを強制的にインストールします。


注意

注意 - forced_deployment を使用すると、クローンシステムを期待される状態にするために、新規ファイルがすべて削除されます。ファイルを削除して良いかどうか判断できない場合には、デフォルトを使用してください。デフォルトでは、新規ファイルが削除されそうになると、インストールが停止します。


geo プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - geo キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


geo region

geo は、システムにインストールする地域ロケールか、あるいはシステムのアップグレード時に追加する地域ロケールを指定します。region は、インストールするロケールを含んだ地理的地域を指定します。region に指定できる値を、次の表に一覧表示します。

説明
N_Africa
北アフリカ。エジプトを含みます
C_America
中央アメリカ。コスタリカ、エルサルバドル、グァテマラ、メキシコ、ニカラグア、パナマを含みます
N_America
北アメリカ。カナダ、アメリカ合衆国を含みます
S_America
南アメリカ。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラを含みます
Asia
アジア。日本、韓国、中華人民共和国、台湾、タイを含みます
Ausi
オーストラリア。オーストラリア、ニュージーランドを含みます
C_Europe
中央ヨーロッパ。オーストリア、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、スイスを含みます
E_Europe
東ヨーロッパ。アルバニア、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マケドニア、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロヴェニア、トルコを含みます
N_Europe
北ヨーロッパ。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを含みます
S_Europe
南ヨーロッパ。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインを含みます
W_Europe
西ヨーロッパ。ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、オランダを含みます
M_East
中近東。イスラエルを含みます

前記の各地域ロケールを構成するコンポーネントロケール値の完全なリストは、『国際化対応言語環境の利用ガイド』に記載されています。


注 - システムに追加する必要がある各ロケールごとに、geo キーワードを指定します。


install_type プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - install_type キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。ZFS インストールでの使用には制限があります。ZFS インストールでは、intial_install オプションしか使用できません。


install_type initial_upgrade_flash_switch

install_type は、システムに対し、新しい Oracle Solaris OS を上書きインストールするか、既存の Oracle Solaris OS をアップグレードするか、あるいは Solaris フラッシュアーカイブをインストールするかを定義します。


注 - install_type は必須であり、各プロファイル内で最初のプロファイルキーワードとして指定する必要があります。


initial_upgrade_flash_switch には、次のオプションのうちの 1 つを使用する必要があります。

initial_install

Oracle Solaris OS の初期インストールの実行を指定します。

upgrade

Oracle Solaris OS のアップグレードの実行を指定します。

flash_install

すべてのファイルを上書きする Solaris フラッシュアーカイブをインストールすることを指定します。

flash_update

指定したファイルだけを上書きする Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールすることを指定します。


注 - プロファイルキーワードの中には、initial_install オプションでしか使用できないものがあります。upgrade オプションでしか使用できないものもあります。また、flash_install オプションでしか使用できないものがあります。


layout_constraint プロファイルキーワード

layout_constraint slice constraint minimum_size

layout_constraint は、ファイルシステムがディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量を再配置する必要がある場合に、制約付き自動配置がファイルシステムで行われることを示します。

制約
説明
このキーワードはアップグレードオプションとの併用でのみ使用されます。
layout_constraint は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。
layout_constraint キーワードを指定しない場合
JumpStart プログラムはディスクを次のように配置します。
  • アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムは、changeable とマークされます。

  • より多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステム (/etc/vfstab ファイルでマウントされる) も changeable とマークされます。

  • 残りのファイルシステムは fixed とマークされます。これは、自動配置がこれらのファイルシステムを変更できないためです。

1 つ以上の layout_constraint キーワードを指定する場合
JumpStart プログラムはディスクを次のように配置します。
  • アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムは、changeable とマークされます。

  • layout_constraint キーワードを指定したファイルシステムは、指定した制約がマークされます。

  • 残りのファイルシステムは、fixed とマークされます。

ファイルシステムが changeable とマークされていない場合
アップグレードにより多くの容量を必要とするファイルシステムの制約は変更できませんが (changeable とマークされなければならない)、このようなファイルシステムに layout_constraint キーワードを使用すれば、その minimum_size 値を変更できます。
ファイルシステムがアップグレード用により多くの容量を必要とする場合
自動配置機能がディスク容量の再配置を行う際には、より多くのファイルシステム、特にアップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステムを、changeable または movable であると選択します。
slice

制約を指定するファイルシステムのディスクスライスを指定します。システムのディスクスライスは、cwtxdysz または cxdysz の形式で指定する必要があります。

constraint

指定したファイルシステムに対して、次のいずれか 1 つの制約を選択します。

changeable

自動配置機能はファイルシステムをほかの場所に移動して、そのサイズを変更できます。changeable 制約は、/etc/vfstab ファイルによってマウントされたファイルシステムにしか指定できません。minimum_size 値を指定すれば、ファイルシステムのサイズを変更できます。

ファイルシステムを changeable とマークして、minimum_size 値を指定しないと、そのファイルシステムの最小サイズは、必要な最小サイズより 10% 大きな値に設定されます。たとえば、ファイルシステムの最小サイズが 100M バイトの場合、変更されるサイズは 110M バイトになります。minimum_size を指定した場合、残りの空き領域 (元のサイズから最小サイズを引いたもの) はほかのファイルシステム用に使用されます。

movable

自動配置機能はファイルシステムを (同じディスクまたは異なるディスク上の) ほかのスライスに移動できますが、サイズは変更しません。

available

自動配置機能は、ファイルシステムのすべての領域を使用して領域を割り当て直します。ファイルシステムのすべてのデータは失われます。available 制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされないファイルシステムだけに指定できます。

collapse

自動配置機能は、指定したファイルシステムをその親ファイルシステムに移動して閉じこめます。このオプションは、アップグレードの一部としてシステム上のファイルシステム数を減らすために使用できます。たとえば、システムにファイルシステム /usr/usr/share が存在する場合、/usr/share ファイルシステムを閉じ込めると、このファイルシステムは /usr (その親) に移動します。collapse 制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムにしか指定できません。

minimum_size

この値は、自動配置機能がディスク容量を再配置するときに、ファイルシステムに割り当てる最小サイズを指定します (基本的にファイルシステムのサイズを変更する)。まだ割り当てられていない領域が追加される場合、ファイルシステムのサイズは最終的にこの指定した値より大きくなる可能性があります。しかし、指定される値よりサイズが小さくなることはありません。minimum_size 値は省略可能です。このオプション値を使用できるのは、ファイルシステムを changeable とマークした場合だけです。最小サイズは、ファイルシステムの既存の内容に必要なサイズより小さい値には設定できません。

例 8-11 layout_constraint プロファイルキーワード

layout_constraint c0t3d0s1 changeable 200

layout_constraint c0t3d0s4 movable

layout_constraint c0t3d1s3 available

layout_constraint c0t2d0s1 collapse

local_customization プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)

local_customization local_directory

クローンシステムに Solaris フラッシュアーカイブをインストールする前に、カスタムスクリプトを作成して、クローンシステム上のローカル構成を保存できます。local_customization キーワードは、これらのスクリプトの格納先ディレクトリを示します。local_directory は、クローンシステム上のスクリプトのパスです。

配置前および配置後スクリプトについては、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の「カスタムスクリプトの作成」を参照してください。

locale プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - locale キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


locale locale_name

注 - locale は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。


locale は、指定した locale_name に対して、どのロケールパッケージをインストール (アップグレードの場合は追加) するかを指定します。locale_name 値は、$LANG 環境変数で使用されるのと同じです。使用できるロケール値のリストについては、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

locale キーワードを使用する場合は、次の点を考慮してください。

metadb プロファイルキーワード (状態データベースの複製の作成)

metadb slice [size size-in-blocks] [count number-of-replicas]

metadb キーワードでは、カスタム JumpStart インストール時に、Solaris ボリュームマネージャーの状態データベースの複製 (mediates) を作成できます。metadb キーワードをプロファイルファイル内で複数回使用して、複数のディスクスライス上に状態データベースの複製を作成することができます。

slice

カスタム JumpStart プログラムが状態データベースの複製を配置するディスクスライスを指定する必要があります。slice の値の形式は、cwtxdysz です。

size size-in-blocks

size オプションキーワードでは、作成する状態データベースの複製のサイズをブロック単位で指定できます。size を指定しないと、カスタム JumpStart プログラムは、状態データベースの複製のデフォルトのサイズ、8192 ブロックを使用します。

count number-of-replicas

プロファイル内にオプションの count キーワードを設定することにより、作成する状態データベースの複製の数を指定できます。count を指定しないと、カスタム JumpStart プログラムは、デフォルトで、状態データベースの複製を 3 つ作成します。

インストール中に Solaris ボリュームマネージャーの状態データベースの複製を作成する方法の詳細は、『Oracle Solaris 10 8/11 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「状態データベースの複製のガイドラインと要件」を参照してください。

no_content_check プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)

no_content_check

Solaris フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_content_check キーワードを使用してファイルごとの検証を省略できます。ファイルごとの検証により、クローンシステムがマスターシステムの複製であることが保証されます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。


注意

注意 - no_content_check を使用すると、クローンシステムを期待される状態にするために、新規ファイルがすべて削除されます。ファイルを削除して良いかどうか判断できない場合には、デフォルトを使用してください。デフォルトでは、新規ファイルが削除されそうになると、インストールが停止します。


Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール方法については、「カスタム JumpStart インストールを使用して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする方法」を参照してください。

no_master_check プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)

no_master_check

Solaris フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_master_check キーワードを使用して、クローンシステムが元のマスターシステムから構築されたものかどうかのチェックを省略できます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。

Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール方法については、「カスタム JumpStart インストールを使用して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする方法」を参照してください。

num_clients プロファイルキーワード

num_clients client_num

サーバーがインストールされているときには、各ディスクレスクライアントのルート (/) とスワップファイルシステムに領域が割り当てられます。num_clients は、サーバーがサポートするディスクレスクライアント数 (client_num) を定義します。プロファイルで num_clients を指定しないと、デフォルトで 5 つのディスクレスクライアントが割り当てられます。


注 - num_clients は、system_typeserver として指定されているときだけ使用できます。


package プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - package キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


package package_name [add [retrieval_type location]| delete]

package は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。package キーワードを指定すると、次の処理が可能になります。

package_name

パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。

add | delete

指定されたパッケージを追加または削除します。値 adddelete も指定しなかった場合、デフォルトで add が適用されます。


注 - プロファイルに別のパッケージエントリを追加し、場所を省略することで、複数のパッケージを追加できます。場所を指定しない場合、直前のパッケージの場所が、後続のすべてのパッケージに適用されます。


[retrieval_type location]

インストールする Solaris ディストリビューションに含まれないパッケージ (複数可) を追加します。retrieval_typelocation の値は、パッケージの格納場所によって異なります。以降の節では、retrieval_typelocation に指定可能な値と、package_name キーワードの使用例を示します。

NFS サーバーに格納されたパッケージ

パッケージが NFS サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で package キーワードを使用します。

package package_name add nfs server_name:/path [retry n]
package package_name add nfs://server_name:/path [retry n]
package_name

パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。

server_name

パッケージを格納したサーバーの名前を指定します。

path

指定されたサーバー上のパッケージディレクトリの場所を指定します。パスに $HOST が含まれる場合、$HOST はインストールするホストシステムの名前で置き換えられます。

retry n

オプションのキーワードです。n は、インストールプロセスがディレクトリのマウントを試みる回数の最大値です。

例 8-12 NFS によるパッケージの追加

この例の package プロファイルキーワードは、NFS の場所 nfs://golden/packages/Solaris_10/ から SUNWnew パッケージを追加します。マウントに失敗した場合、NFS マウントが 5 回試行されます。

package SUNWnew add nfs golden:/packages/Solaris_10 retry 5
HTTP サーバーに格納されたパッケージ

パッケージが HTTP サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で package キーワードを使用します。

package package_name add http://server_name[:port] path optional_keywords
package package_name add http server_name[:port] path optional_keywords
package_name

パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。

server_name

パッケージを格納したサーバーの名前を指定します。

port

オプションポートを指定します。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

ポートを指定しなかった場合、デフォルトの HTTP ポート番号 80 が使用されます。

path

指定されたサーバーから取得するパッケージの場所を指定します。HTTP サーバーを使用する場合、データストリーム形式のパッケージを使用する必要があります。

optional_keywords

HTTP サーバーからパッケージを取得するとき使用するオプションのキーワードを指定します。

表 8-6 HTTP で使用するオプションの package キーワード

キーワード
値の定義
timeout min
timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。

タイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。

proxy host:port
proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris パッケージを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。

例 8-13 HTTP によるパッケージの追加

この例の package プロファイルキーワードは、HTTP の場所 http://package.central/10 から、Solaris 10 ディレクトリ内のすべてのパッケージを追加します。データが取得されないまま 5 分以上経過すると、パッケージデータが再度取得されます。以前のパッケージデータは破棄されます。次のいずれかの形式を使用できます。

package SUNWnew add http package.central/Solaris_10 timeout 5 
package SUNWnew add http://package.central/Solaris_10 timeout 5 

例 8-14 プロキシポートを使った HTTP によるパッケージの追加

この例の package プロファイルキーワードは、HTTP の場所 http://package.central/10 から、Solaris_10 ディレクトリ内のすべてのパッケージを追加します。proxy キーワードを使用すると、ファイアウォール越しにパッケージを取得できます。

package SUNWnew add http://package.central/Solaris_10 proxy webcache.east:8080
ローカルデバイスに格納されたパッケージ

パッケージをファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスク、DVD-ROM など) に格納している場合は、ローカルデバイスから Solaris パッケージを取得できます。package キーワードでは次の構文を使用します。

package package_name add local_device device path file_system_type
package_name

パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。

device

Solaris パッケージが格納されているドライブの名前を指定します。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、インストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。

path

Solaris パッケージのパスを指定します。指定したデバイス上のルート (/) ファイルシステムからの相対パスで指定する必要があります。

file_system_type

デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、インストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、インストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。

例 8-15 UFS ファイルシステムのローカルデバイスによるパッケージの追加

この例の package プロファイルキーワードは、ローカルデバイス c0t6d0s0 の /Solaris_10/Product ディレクトリから SUNWnew パッケージを追加します。これは UFS ファイルシステムです。

package SUNWnew add local_device c0t6d0s0 /Solaris_10/Product ufs

例 8-16 HSFS ファイルシステムのローカルデバイスによるパッケージの追加

この例の package プロファイルキーワードは、ローカルデバイス c0t6d0s0 の /Solaris_10/Product ディレクトリから SUNWnew パッケージを追加します。これは HSFS ファイルシステムです。

package SUNWnew add local_device c0t6d0s0 /Solaris_10/Product  hsfs
ローカルファイルに格納されたパッケージ

システムをブートしたミニルートからパッケージをインストールできます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納したパッケージは、ローカルファイルとしてアクセスできます。package キーワードでは次の構文を使用します。

package package_name add local_file path 
package_name

パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。

path

パッケージの位置を指定します。このパスは、システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Oracle Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムにローカルファイルとしてアクセスできるものでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Oracle Solaris Operating System DVD からブートしている間は、システムは /net にアクセスできません。

例 8-17 ローカルファイルによるパッケージの追加

この例の package プロファイルキーワードは、/Solaris_10/Product ディレクトリから SUNWnew パッケージを追加します。

package SUNWnew add local_file /Solaris_10/Product
package キーワードを使用する際の制約

package キーワードを使用する際には、次の制約があります。

package キーワードを使用したアップグレード処理

アップグレードに package を使用すると、JumpStart プログラムが次の処理を行います。

partitioning プロファイルキーワード

partitioning type

partitioning は、インストール時にファイルシステム用にディスクをスライスに分割する方法を定義します。

プロファイルで partitioning を指定しないと、デフォルトで default タイプのパーティションが使用されます。

type

次のいずれかの値を使用します。

default

JumpStart プログラムはディスクを選択して、指定したソフトウェアをインストールするファイルシステムを作成します。ただし、filesys キーワードで指定したファイルシステムを除きます。rootdisk が最初に選択され、指定したソフトウェアが rootdisk に収まらない場合は、さらに別のディスクが使用されます。

existing

JumpStart プログラムは、システムのディスク上にある既存のファイルシステムを使用します。//usr/usr/openwin/opt/var を除く、すべてのファイルシステムが保存されます。JumpStart プログラムは、ファイルシステムのスーパーブロックにある最後のマウントポイントフィールドを使用して、スライスがどのファイルシステムのマウントポイントを表しているかを判断します。


注 - filesys プロファイルキーワードと partitioning existing を組み合わせる場合、sizeexisting である必要があります。


explicit

JumpStart プログラムは、ディスクを使用し、filesys キーワードで指定されるファイルシステムを作成します。filesys キーワードでルート (/) ファイルシステムだけを指定した場合、すべての Solaris ソフトウェアがルートファイルシステムにインストールされます。


注 - explicit プロファイル値を使用するときには、filesys プロファイルキーワードを使用して、使用するディスクと作成するファイルシステムを指定してください。


patch プロファイルキーワード

patch patch_id_list | patch_file patch_location optional_keywords]
patch_id_list

インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、 112467-01,112765-02 のように指定します。

patch_file

patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。

patch_location

パッチのある場所を指定します。次の場所を選択できます。

  • ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー

  • HTTP サーバー

  • ローカルデバイス

  • ローカルファイル

optional_keywords

オプションのキーワードです。パッチが格納されている場所によって異なります。次の節では、指定可能な場所とオプションのキーワードについて説明します。

NFS サーバーに格納されたパッチ

パッチが NFS サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で patch キーワードを使用します。

patch patch_id_list | patch_file nfs server_name:/patch_directory [retry n]
patch patch_id_list | patch_file nfs://server_name/patch_director  [retry n]
patch_id_list

インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。

patch_file

patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。

server_name

パッチを格納したサーバーの名前を指定します。

patch_directory

指定されたサーバー上のパッチディレクトリの場所を指定します。標準形式のパッチを使用する必要があります。

retry n

オプションのキーワードです。n は、インストールユーティリティーがディレクトリのマウントを試みる回数の最大値です。

例 8-18 NFS を使った順序付きリストによるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、patch ファイルに記載されたすべてのパッチを NFS パッチディレクトリ nfs://patch_master/Solaris/v10/patches から追加します。パッチは、patch 内の順番でインストールされます。マウントに失敗した場合、NFS マウントが 5 回試行されます。

patch patch_file nfs://patch_master/Solaris/v10/patches retry 5

例 8-19 NFS によるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、サーバー patch_master のパッチディレクトリ /Solaris/v10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。

patch 112467-01,112765-02 nfs patch_master:/Solaris/v10/patches
HTTP サーバーに格納されたパッチ

パッチが HTTP サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で patch キーワードを使用します。

patch  patch_id_list | patch_file http://server_name [:port] patch_directory optional_http_keywords
patch  patch_id_list | patch_file http server_name [:port] patch_directory optional_http_keywords
patch_id_list

インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、 112467-01,112765-02 のように指定します。

patch_file

patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。

server_name

パッチを格納したサーバーの名前を指定します。

port

オプションポートを指定します。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。

ポートを指定しなかった場合、デフォルトの HTTP ポート番号 80 が使用されます。

patch_directory

指定されたサーバーから取得するパッチディレクトリの場所を指定します。HTTP サーバーを使用する場合、パッチは JAR 形式でなければなりません。

optional_keywords

HTTP サーバーからパッチを取得するとき使用するオプションのキーワードを指定します。

表 8-7 HTTP で使用するオプションの patch キーワード

キーワード
値の定義
timeout min
timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。

タイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。

proxy host:port
proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris パッケージを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。

例 8-20 HTTP を使った順序付きリストによるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、patch_file ファイルに記載されたすべてのパッチを HTTP の場所 http://patch.central/Solaris/v10/patches から追加します。パッチは、patch ファイルに指定された順でインストールされます。データが取得されないまま 5 分以上経過すると、パッチデータが再度取得されます。以前のパッチデータは破棄されます。

patch patch_file http://patch.central/Solaris/v10/patches timeout 5

例 8-21 HTTP によるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードエントリは、パッチの場所 http://patch_master/Solaris/v10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。

patch 112467-01,112765-02 http://patch.central/Solaris/v10/patches
ローカルデバイスに格納されたパッチ

パッケージをファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスク、DVD-ROM など) に格納している場合は、ローカルデバイスから Solaris パッケージを取得できます。patch キーワードでは次の構文を使用します。

patch patch_id_list | patch_file local_device \
device path file_system_type
patch_id_list

インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、 112467-01,112765-02 のように指定します。

patch_file

patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。

device

Solaris パッケージが格納されているドライブの名前を指定します。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、インストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。

path

Solaris パッチのパスを指定します。指定したデバイス上のルート (/) ファイルシステムからの相対パスで指定する必要があります。

file_system_type

デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、インストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、インストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。

例 8-22 ローカルデバイスを使った順序付きリストによるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、patch_file ファイルに記載されているすべてのパッチをローカルデバイスc0t6d0s0 の /Solaris_10/patches ディレクトリから追加します。パッチのインストールの順番は、patch ファイルによって決定されます。

patch patch_file c0t6d0s0 /Solaris_10/patches

例 8-23 ローカルデバイスによるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、ローカルデバイス c0t6d0s0 のパッチディレクトリ /Solaris_10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。

patch 112467-01,112765-02 local_device c0t6d0s0 /Solaris_10/patches
ローカルファイルに格納されたパッチ

システムをブートしたミニルートからパッチをインストールできます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納したパッチは、ローカルファイルとしてアクセスできます。patch キーワードでは次の構文を使用します。

patch patch_id_list | patch_file local_file patch _directory 
patch_id_list

インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、 112467-01,112765-02 のように指定します。

patch_file

patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。

patch_directory

パッチディレクトリの場所を指定します。システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Oracle Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムからローカルファイルとしてアクセスできるパッチディレクトリでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Oracle Solaris Operating System DVD からブートしている間は、システムは /net にアクセスできません。

例 8-24 ローカルファイルを使った順序付きリストによるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、patch_file ファイルに記載されているすべてのパッチを /Solaris_10/patches ディレクトリから追加します。パッチのインストールの順番は、patch ファイルによって決定されます。

patch patch_cal_file local_file /Solaris_10/patches

例 8-25 ローカルファイルによるパッチの追加

この例の patch プロファイルキーワードは、パッチディレクトリ /Solaris_10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。

patch 112467-01,112765-02 local_file /Solaris_10/patches
patch キーワードを使用する際の制約

patch キーワードを使用する際には、次の制約があります。

pool プロファイルキーワード (ZFS のみ)

pool キーワードは、ZFS ルートプールのインストールを定義します。プールは、cluster キーワードで指定したソフトウェアグループと共にインストールされます。新規ルートプールの作成には、poolsizeswapsizedumpsize、および vdevlist オプションが必須です。

ZFS ルートプールで使用できる pool キーワードやその他のキーワードの詳細な説明については、pool プロファイルキーワード (ZFS のみ)」を参照してください。

root_device プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - root_device キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。ZFS インストールの場合、このキーワードの使用は単一システムに制限されています。


root_device slice

root_device は、システムのルートディスクを指定します。「システムのルートディスクを決定する方法」に追加情報があります。


注 - ルートディスクは、JumpStart プログラムによって決定され、OS がインストールされる場所を指定します。rules ファイルでは、プローブキーワード「rootdisk」を使用しますが、このキーワードは JumpStart プロファイルで使用される「rootdisk」キーワードとは使い方が異なります。rules ファイルのプローブキーワード「rootdisk」を使って、インストールの場所を設定することはできません。プローブキーワード rootdisk は、インストール時のブート元を決定します。表 8-10 を参照してください。


システムをアップグレードする場合、root_device は指定されるルート (/) ファイルシステムおよびその /etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムがアップグレードされることを示します。システム上で複数のルート (/) ファイルシステムがアップグレードできる場合は、root_device を指定する必要があります。slice は、cwtxdysz または cxdysz の形式で指定してください。

root_device キーワードを使用する場合は、次の点を考慮してください。

例 8-26 root_device プロファイルキーワード

root_device c0t0d0s2
システムのルートディスクを決定する方法

システムのルートディスクは、ルート (/) ファイルシステムを含むシステム上のディスクです。プロファイル内では、JumpStart プログラムがシステムのルートディスクを設定するディスク名の代わりに、この rootdisk 変数を使用できます。表 8-8 では、JumpStart プログラムがインストール用にシステムのルートディスクを決定する方法を説明します。


注 - システムのルートディスクサイズが確認されるのは、初期インストール時だけです。アップグレードの場合、システムのルートディスクは変更できません。


表 8-8 JumpStart がシステムのルートディスクを決定する方法 (初期インストールのみ)

手順
動作
1
プロファイル内で root_device キーワードが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をルートデバイスに設定します。
2
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、boot_device キーワードが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をブートデバイスに設定します。
3
プロファイル内で rootdisk が設定されていなくて、filesys cwtxdysz size / エントリが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をエントリで指定されたディスクに設定します。
4
プロファイル内で rootdisk が設定されておらず、rootdisk.sn エントリが指定されている場合、JumpStart プログラムは、システムのディスクから、カーネルのプローブの順番で、指定されたスライス上の既存のルートファイルシステムを検索します。ディスクが見つかった場合、JumpStart プログラムは見つかったディスクに rootdisk を設定します。
5
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、partitioning existing が指定されている場合、JumpStart プログラムはシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 既存のルートファイルシステムを検索します。ルートファイルシステムが見つからなかった場合、あるいは複数のルートファイルシステムが見つかった場合は、エラーが発生します。ルートファイルシステムが見つかった場合、JumpStart プログラムは見つかったディスクに rootdisk を設定します。
6
プロファイル内で rootdisk が設定されていない場合、JumpStart プログラムは、ルート (/) ファイルシステムがインストールされるディスクに rootdisk を設定します。

system_type プロファイルキーワード

system_type type_switch

system_type は、Oracle Solaris OS のインストール先のシステムのタイプを定義します。

type_switch は、オプション standalone または server を表します。このオプションは、Solaris ソフトウェアをインストールするシステムのタイプを指定するために使用します。system_type をプロファイルに指定しないと、デフォルトによって standalone が使用されます。

usedisk プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 - usedisk キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。このキーワードの使用方法は、UFS のインストールと ZFS のインストールで同じです。


usedisk disk_name ...

このキーワードの各ディスクインスタンスには、個別の行項目が必要です。次の例に示すように、使用する複数のディスクを個別の行で指定します。

usedisk                c0t0d0
    usedisk                c0t1d0
    usedisk                c0t2d0

partitioning default を指定すると、デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクが使用されます。usedisk プロファイルキーワードには、JumpStart プログラムに使用させる 1 つ以上のディスクを指定します。disk_name は、cxtydz または cydz 形式 (たとえば c0t0d0 または c0d0s0) で指定する必要があります。

プロファイル内に usedisk を指定した場合、JumpStart プログラムは、usedisk キーワードの後ろに指定されたディスクだけを使用します。


注 - 同じプロファイルに usedisk キーワードと dontuse キーワードを同時に指定することはできません。