6.1. フェイルオーバーの概要

フェイルオーバーグループは 2 台以上のサーバーで構成され、1 台のサーバーが使用できなくなった場合でもユーザーに高いレベルの可用性を提供します。フェイルオーバーグループ内の 1 台のサーバーが保守や停電などの理由で使用できなくなると、それに接続されている各 Sun Ray クライアントはフェイルオーバーグループ内で、クライアントの現在のトークン用の既存のセッションを持つ別のサーバーに再接続します。クライアントが現在のトークン用の既存のセッションを見つけられない場合は、負荷分散アルゴリズムによって選択されたサーバーに接続します。このサーバーがユーザーにログイン画面を提示すると、ユーザーはログインして新しいセッションを作成します。障害が発生したサーバー上のセッションは失われます。

フェイルオーバーグループは、1 つのプライマリサーバーと 1 つ以上のセカンダリサーバーで構成され、utreplica コマンドで構成されます。各 Sun Ray サーバーは独自のローカル Sun Ray データストアをホストします。ただし、ローカルデータストアでは読み取りアクセスのみが許可されます。データの変更 (書き込みアクセス) は、まずプライマリサーバーに書き込まれ、後でセカンダリサーバーの Sun Ray データストアに複製されます。

フェイルオーバーグループ内のサーバーは、共通のグループ署名 (グループ内のサーバー間で送信されるメッセージの署名に使用される鍵) を使用することで、互いに認証 (または信頼することを学習) します。グループ署名は、utgroupsig コマンドを使用して、各サーバーで同じになるように構成される必要があります。

utgstatus コマンドまたは管理 GUI の「サーバー」タブを使用して、フェイルオーバーグループ内のすべてのサーバーのステータスを確認できます。次のサーバーモードは、サーバーがフェイルオーバーグループにどのように参加するかに影響します。

フェイルオーバーグループを使用すると、セッションが作成される前に、クライアントは負荷分散に基づいてサーバーに自動的にリダイレクトされます。ただし、手動リダイレクトの場合は、ユーザーは utselect または utswitch コマンドを使用できます。

サーバーを選択する場合は、utselect GUI を使用することをお勧めします。詳細は、utselect のマニュアルページを参照してください。

リージョナルホットデスクを使用する複数のフェイルオーバーグループの設定方法の詳細については、Chapter 9, ホットデスク を参照してください。