4.6. ストレージ

4.6.1. ストレージの概要
4.6.2. ローカルストレージ
4.6.3. ネットワークファイルシステムストレージ
4.6.4. iSCSI ストレージ
4.6.5. Sun ZFS ストレージ
4.6.6. iSCSI および Sun ZFS ストレージの準備

4.6.1. ストレージの概要

仮想化プラットフォームにはデスクトップに使用する仮想ディスクを作成および格納する場所が必要であるため、ストレージは仮想化と密接に関連しています。

ハードウェアに限りがある場合でも専用のストレージアプライアンスがある場合でも、Oracle VDI はユーザーの要件に応じてさまざまなストレージタイプを使用できるように設計されています。Oracle VDI では 4 つのストレージタイプがサポートされています:

特定のタイプのデスクトッププロバイダに使用できるストレージタイプは、次の表に示すように、仮想化プラットフォームとオペレーティングシステムによって異なります。

ストレージタイプ

VirtualBox (Linux)

VirtualBox (Solaris)

Microsoft Hyper-V

ローカル

  

ネットワークファイルシステム

  

iSCSI

  

Sun ZFS

VMware vCenter デスクトッププロバイダにもストレージは必要ですが、このストレージは Oracle VDI ではなく VMware Infrastructure によって管理されます。ただし、Oracle VDI は、使用可能なストレージに関して vCenter にクエリーを送信でき、仮想ディスクの作成時には使用するデータストアを選択できます。

その他すべてのデスクトッププロバイダでは、ストレージは Oracle VDI とは無関係に管理されます。

サポートされているどのストレージタイプも、使用する前に準備する必要があります。必要な準備のレベルは、ストレージがどれほど直接 Oracle VDI で管理されるかによって異なります。

デスクトッププロバイダは、高可用性のために複数のストレージを使用するように構成できます。Oracle VDI は、最適なパフォーマンスの実現と負荷分散のために、仮想ディスクをクローニングおよびホストするストレージを、使用可能な空き領域と現在のワークロードに基づいて選択します。仮想ディスクが作成されると、削除されるまでストレージに残ります。Sun Unified Storage Systems などの一部のストレージプラットフォームでは、ストレージクラスタを作成し、ストレージサーバーのハードウェアコンポーネントに冗長性を持たせることもできます。

管理者はストレージの保守モードを有効にすることができます。保守モードでは、ストレージが無効になり、実行中のすべてのデスクトップが停止または保存停止されます。このモードを有効にすると、ストレージで保守を実行できます。また、このモードは、たとえばハードウェアを交換するためにストレージサーバーをレプリケートおよび交換する場合にも便利です。

4.6.2. ローカルストレージ

ローカルストレージを使用すると、仮想化ホスト上の任意のローカルディレクトリを使用できます。

ローカルストレージは、Oracle Linux プラットフォームの Oracle VM VirtualBox デスクトッププロバイダでのみ使用可能です。

ローカルストレージは低コストで設定でき、妥当なパフォーマンスが得られますが、高可用性配備には適しません。このストレージは仮想化ホスト間で共有されないため、ハイパーバイザ間での個人用デスクトップの負荷分散はできず、障害時の冗長性もありません。

ローカルストレージは、すべての仮想化ホストからアクセスされる集中ストレージではないため、ほかのすべてのストレージタイプとは異なります。代わりに、各仮想化ホストは自身のローカルディスクにアクセスして仮想ディスクを格納します。ローカルストレージでは、仮想化ホストとストレージホストは同一です。ローカルストレージを使用する場合、Oracle VDI はデスクトッププロバイダに追加された各仮想化ホストのローカルストレージを自動的に作成して、各ホストの空き領域とデスクトップの数を監視できるようにします。

ローカルストレージは 1 つの Oracle VM VirtualBox デスクトッププロバイダに 1 つだけ作成でき、ローカルストレージとほかのストレージタイプを混在させることはできません。

ストレージの準備

Oracle VDI でローカルストレージを使用するには、各仮想化ホストの同じ場所にディレクトリを構成する必要があります。ディレクトリはローカルファイルシステム上にあることが必要で、共有のストレージ場所から提供されていてはいけません。デスクトッププロバイダのストレージを追加するときは、そのディレクトリのパスを単純に指定します。

ストレージが使用される仕組み

ユーザーがデスクトップを要求すると、Oracle VDI は仮想マシンを仮想化ホストに登録し、これにはローカルファイルシステム内の仮想ディスクへのファイルパスが含まれます。

4.6.3. ネットワークファイルシステムストレージ

ネットワークファイルシステムストレージを使用すると、仮想化ホストでマウントまたは共有できる任意の分散ファイルシステムを使用できます。

ネットワークファイルシステムストレージは、Oracle Linux プラットフォームの Oracle VM VirtualBox デスクトッププロバイダでのみ使用可能です。

ネットワークファイルシステムストレージには、ネットワークファイルシステム (NFS) 共有を使用できます。本稼働環境では、Oracle Cluster File System version 2 (OCFS2) など、クラスタ化用に設計されているファイルシステムを使用することをお勧めします。

ローカルストレージと比較して、ネットワークファイルシステムストレージは仮想化ホストに共有アクセスを提供します。複数の共有と複数のネットワークパスを使用することにより、高可用性と冗長性を実現できます。ただし、仮想ディスク I/O のパフォーマンスはローカルディスクより遅い場合があります。また、このストレージタイプの設定、監視、および保守には管理のオーバーヘッドになります。

ストレージの準備

Oracle VDI でネットワークファイルシステムストレージを使用するには、ストレージホスト上にネットワークファイルシステムを構成し、デスクトッププロバイダのすべての仮想化ホストの同じマウントポイントにマウントする必要があります。デスクトッププロバイダのストレージを追加するときは、ストレージのマウントポイントのパスを単純に指定します。

セキュアなファイルアクセス権で仮想ディスクをクローニングできるようになるため、仮想化ホストからネットワークファイルシステムへのルートアクセスを許可することをお勧めします。

ストレージが使用される仕組み

ユーザーがデスクトップを要求すると、Oracle VDI は仮想マシンを仮想化ホストに登録し、これには共有ファイルシステム内の仮想ディスクへのファイルパスが含まれます。

4.6.4. iSCSI ストレージ

iSCSI ストレージを使用すると、Internet SCSI (iSCSI) プロトコルをサポートしている任意のストレージデバイスに仮想化ホストを接続できます。

iSCSI ストレージは、Oracle Linux プラットフォームの Oracle VM VirtualBox デスクトッププロバイダでのみ使用可能です。

iSCSI ストレージでは、既存の IP ネットワークを使用してストレージエリアネットワーク (SAN) デバイス上の LUN に仮想ホストを接続することにより、ホストにはその LUN がローカルに接続されたディスクのように見えるようにします。仮想化ホストは iSCSI イニシエータ (クライアント) として機能し、ストレージは iSCSI ターゲットです。

Oracle VDI で iSCSI ストレージを使用するための要件は次のとおりです:

  • ストレージには Oracle Enterprise Linux の iSCSI スタックとの互換性が必要です。

  • ストレージは iSCSI ターゲットと論理ユニット番号 (LUN) を公開できる必要があります。

  • ストレージは LUN に対する非認証アクセスを提供する必要があります。

ストレージの準備

Oracle VDI で iSCSI ストレージを使用するには、ストレージホストに iSCSI ターゲットと LUN を構成する必要があります。 Sun ZFS システムでの iSCSI ターゲットの設定には、iSCSI ターゲットを準備するための手順の例がいくつか示されています。

デスクトッププロバイダのストレージを追加するときは、次の詳細を指定します:

  • ストレージホストの IP アドレスまたは完全修飾 DNS 名。

  • iSCSI ターゲットの iSCSI 修飾名 (IQN)。

  • LUN 番号。

ストレージが使用される仕組み

Oracle VDI は iSCSI を使用してストレージホスト上の LUN に接続します。次に、Oracle VDI は Oracle Cluster File System version 2 (OCFS2) を使用して LUN を自動的にフォーマットし、すべての仮想化ホストの /vdi にファイルシステムをマウントします。VirtualBox コマンド行を使用して、共有ファイルシステムに仮想ディスクが作成されます。

ユーザーがデスクトップを要求すると、Oracle VDI は仮想マシンを仮想化ホストに登録し、これには、マウントされた OCFS2 ファイルシステム内の仮想ディスクへのパスが含まれます (図 4.1を参照)。

図4.1 iSCSI ストレージと VirtualBox

この図は、VDI サービスが VirtualBox ホストに仮想マシンを登録し、個別の iSCSI ストレージホストにホストされている仮想ディスクに仮想マシンを接続する様子を示しています。

4.6.5. Sun ZFS ストレージ

Sun ZFS ストレージを使用すると、Sun Storage 7000 Unified Storage System または Oracle Solaris ホスト上の Zettabyte File System (ZFS) ストレージプールを使用できます。サポートされている Sun ZFS ストレージプラットフォームは次のとおりです:

  • Oracle Solaris 10 10/09 x86 (64 ビット) 以降

    注記

    Oracle Solaris 11 および SPARC プラットフォームの Oracle Solaris はサポートされていません。

  • Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System 2009.Q2.5.1 以降

Sun Storage 7000 Unified Storage System については、次の点に注意してください:

  • パフォーマンスの理由から、LogZilla とも呼ばれる書き込み半導体ドライブ (SSD) がない場合は書き込みキャッシュを無効にしないでください。書き込みキャッシュが有効になっていて、書き込み SSD が存在する場合、書き込み SSD は使用されません。書き込みキャッシュの詳細は、「ZFS ストレージキャッシュについて」を参照してください。

  • Oracle VDI では、デフォルトプールのみがサポートされています。

    関心領域を区分けするには、プロジェクトを使用します。

サポートされているストレージの詳細は、次を参照してください:

ストレージの準備

ZFS ストレージを使用するには、Oracle VDI にはストレージホストおよびそのホスト上の ZFS プールに対する SSH ルートアクセスが必要です。次にいくつかの手順例が示されています:

Sun Storage 7000 Unified Storage System を使用すると、ストレージクラスタを作成し、ストレージホストのハードウェアコンポーネントに冗長性を持たせることができます。Oracle VDI で使用するクラスタの構成については、 Sun Storage 7000 Unified Storage System のストレージクラスタ化を参照してください。

ストレージを構成したあとは、障害時のバックアップと回復に備えてストレージホストを準備することをお勧めします。次にいくつかの手順例が示されています:

デスクトッププロバイダのストレージを追加するときは、次の詳細を指定します:

  • ストレージホストの IP アドレスまたは完全修飾 DNS 名。

  • ホストで使用される SSH ポート。

  • ホストに対するルートアクセスを持つユーザーのユーザー名とパスワード。

VirtualBox (Solaris) および Hyper-V デスクトッププロバイダでストレージが使用される仕組み

各仮想ディスクは ZFS プール内にシンプロビジョニングされた (疎) ZFS ボリュームとして作成され、各 ZFS ボリュームはストレージホスト上に iSCSI ターゲットとして構成されます。Oracle VDI は Sun Unified Storage コマンド行 (Sun Storage 7000 Unified Storage System) または ZFS コマンド (Oracle Solaris ホスト) を使用して、この構成を実行します。

ユーザーがデスクトップを要求すると、Oracle VDI は仮想マシンを仮想化ホストに登録し、これには ZFS ボリュームの iSCSI ターゲットアドレスが含まれます。デスクトップが起動されると、図 4.2に示すように、iSCSI を使用してデスクトップが仮想ディスクに接続されます。

図4.2 Oracle Solaris プラットフォームでの Sun ZFS ストレージと VirtualBox

この図は、VDI サービスが VirtualBox ホストに仮想マシンを登録し、ストレージホスト上の個別の ZFS ボリュームにホストされている仮想ディスクに仮想マシンを接続する様子を示しています。

VirtualBox (Linux) デスクトッププロバイダでストレージが使用される仕組み

ZFS プール内に単一のシンプロビジョニングされた (疎) ZFS ボリュームが構成され、この ZFS ボリュームはストレージホスト上に iSCSI ターゲットとして構成されます。Oracle VDI は Sun Unified Storage コマンド行 (Sun Storage 7000 Unified Storage System) または ZFS コマンド (Oracle Solaris ホスト) のいずれかを使用して、この構成を実行します。仮想化ホストでは、Oracle VDI は iSCSI を使用してストレージホスト上の ZFS ボリュームに接続します。このボリュームは Oracle Cluster File System version 2 (OCSF2) ファイルシステムを使用してフォーマットされ、すべての仮想化ホストの /vdi にマウントされます。次に、VirtualBox コマンド行を使用して、共有ファイルシステムに仮想ディスクが作成されます。

ユーザーがデスクトップを要求すると、Oracle VDI は仮想マシンを仮想化ホストに登録し、これには、マウントされた OCFS2 ファイルシステム内の仮想ディスクへのパスが含まれます (図 4.3を参照)。

図4.3 Oracle Linux プラットフォームでの Sun ZFS ストレージと VirtualBox

この図は、VDI サービスが VirtualBox ホストに仮想マシンを登録し、ストレージホスト上の ZFS ボリュームにホストされている仮想ディスクに仮想マシンを接続する様子を示しています。

4.6.6. iSCSI および Sun ZFS ストレージの準備

4.6.6.1. Sun ZFS システムでの iSCSI ターゲットの設定

次の手順は、Sun Storage 7000 Unified Storage System および Oracle Solaris システムに iSCSI ターゲットを構成する方法の例として示されています。自分の iSCSI ストレージデバイスに合わせて原則を適用してください。

Sun Storage 7000 Unified Storage System での iSCSI ターゲットの設定
  1. Sun Storage 7000 Unified Storage System のブラウザユーザーインタフェース (BUI) にログインします。

  2. ナビゲーション領域で、「構成」をクリックし、「SAN」をクリックします。

  3. iSCSI ターゲットを作成します。

    1. iSCSI ターゲット」をクリックし、「追加」ボタン (+) をクリックします。

      新規 iSCSI ターゲットのウィンドウが表示されます。

    2. ターゲット IQN自動割り当てが選択されていることを確認します。

    3. 別名」ボックスに iSCSI ターゲットの別名を入力します。

      別名は Oracle VDI で実際には使用されません。

    4. イニシエータ認証モードに「なし」が選択されていることを確認します。

    5. 「了解」をクリックします。

      新しい iSCSI ターゲットがターゲットのリストに追加されます。

      iSCSI ターゲットの iSCSI 修飾名 (IQN) は、デスクトッププロバイダのストレージを構成するときに必要になるため、この IQN を書きとめてください。

  4. iSCSI ターゲットを iSCSI ターゲットグループに追加します。

    1. 新しい iSCSI ターゲットを iSCSI ターゲットグループのリストにドラッグ&ドロップします。

      ターゲットの新しいグループを作成するか、既存のグループにターゲットを追加することができます。

    2. 適用」ボタンをクリックします。

  5. ナビゲーション領域で、「共有」をクリックし、そのページがまだ選択されていない場合は「共有」をクリックします。

  6. 論理ユニット番号 (LUN) を作成します。

    1. LUN」をクリックし、「追加」ボタン (+) をクリックします。

      LUN の作成のウィンドウが表示されます。

    2. プロジェクト」リストから自分のプロジェクトを選択します。

    3. 名前」ボックスに LUN の名前を入力します。

    4. ボリュームサイズボックスにボリュームのサイズを入力します。

      ボリュームには、このストレージを使用するすべてのデスクトッププロバイダのすべての仮想ディスクを格納できる十分な大きさが必要です。

    5. シンプロビジョニングを選択します。

    6. ターゲットグループのリストから、この iSCSI ボリュームが属する iSCSI ターゲットグループを選択します。

    7. 動作ステータスのリストから「オンライン」が選択されていることを確認します。

    8. 適用」ボタンをクリックします。

      新しい LUN が LUN のリストに追加されます。

  7. 新しい LUN の設定を編集します。

    1. LUN の名前をダブルクリックするか、LUN 名の右にある鉛筆アイコンをクリックします。

    2. プロトコル」をクリックし、書き込みキャッシュが有効を選択します。

    3. 適用」ボタンをクリックします。

  8. 表示される、割り当てられた LU 番号を書きとめます。

    この LUN 番号は、デスクトッププロバイダのストレージを構成するときに必要です。

Oracle Solaris システムでの iSCSI ターゲットの設定
  1. Oracle Solaris ホストにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. ZFS 疎ボリュームを作成します。

    # zfs create -sV<size> <poolname>/<volumename>

    例:

    # zfs create -sV 100G vdipool/vdi-disks
  3. ZFS ボリュームを iSCSI 上で共有します。

    # zfs set shareiscsi=on <poolname>/<volumename>

    例:

    # zfs set shareiscsi=on vdipool/vdi-disks
  4. iscsitadm list target コマンドを使用して iSCSI ターゲットの詳細を取得します。

    # iscsitadm list target
    Target: vdipool/vdi-disks
        iSCSI Name: iqn.1986-03.com.sun:02:f3510986-6ed5-ca3e-bc25-a25e2056e5a7
        Connections: 0

    詳細を書きとめます。Oracle VDI でストレージを構成するときに、「ターゲット」には iSCSI 名、「LU 番号」には 0 を使用します。

4.6.6.2. Sun Storage 7000 Unified Storage System の設定

サポートされている Sun Storage 7000 Unified Storage System のリストについては、「Sun ZFS ストレージ」を参照してください。

手順
  1. システムを設定します。

    Sun Storage 7000 Unified Storage System の「Quick Setup」マニュアルに記載されている手順に従ってください。

  2. (省略可能) Sun Storage 7000 Unified Storage System ソフトウェアを更新します。

    Sun Storage 7000 Unified Storage System ソフトウェアを更新して、重要なパフォーマンスの機能拡張を入手します。サポートされているソフトウェアリリースについては、「Sun ZFS ストレージ」を参照してください。

  3. プロジェクトを作成します。

    デフォルトのプールだけがサポートされているため、Oracle VDI で使用する別の ZFS プールを作成する必要はありません。代わりに、プロジェクトを使用してデータを分離します。

    プロジェクト名は一意にする必要があります。ストレージクラスタを使用している場合、両方のヘッドに存在するプロジェクト名を使用すると、フェイルオーバー時に Oracle VDI が失敗します。

4.6.6.3. Oracle Solaris ストレージの設定

サポートされている Oracle Solaris ストレージシステムのリストについては、「Sun ZFS ストレージ」を参照してください。

手順
  1. Oracle Solaris オペレーティングシステムをインストールします。

    Oracle Solaris インストーラには、ルートファイルシステム用に UFS または ZFS を使用する選択肢があります。ホストにディスクが 1 つだけある場合は、ZFS を選択します。ホストに複数のディスクがあり、ほかのディスクが Oracle VDI ZFS プール専用になっている場合、2 つのオプションのどちらを選択しても構いません。

  2. ルートアクセスを有効にします。

    1. ファイル /etc/ssh/sshd_config を編集し、PermitRootLogin no という行を PermitRootLogin yes に変更します。

    2. SSHD サービスを再起動し、sshd_config ファイルに対して行なった変更を実装します。

      # svcadm restart ssh
  3. (省略可能) ZFS プールを作成します。

    インストール時に ZFS が選択された場合、Oracle Solaris OS インストーラは rpool という名前のプールを作成します。このプールは、ルートファイルシステムを含み、Oracle VDI によっても使用可能です。専用のプールを作成して、Oracle VDI データを Oracle Solaris ファイルシステムから切り離します。

    # zpool create <pool name> <disk1> <disk2> <disk3> ...
    
  4. iSCSI アクセスを有効にします。

    Oracle Solaris OS ストレージサーバーの root として次の CLI コマンドを入力します。

    # svcadm enable svc:/system/iscsitgt:default

4.6.6.4. Sun Storage 7000 Unified Storage System のストレージクラスタ化

ファームウェア 2010.Q1.0.0 以降を使用している Sun Storage 7000 Unified Storage System の場合、Oracle VDI はアクティブ/パッシブおよびアクティブ/アクティブのストレージクラスタをサポートします。クラスタ化されたストレージは、個別のストレージと同じ方法で Oracle VDI によって管理されます。

ストレージクラスタは、CPU、メモリー、メインボード、ネットワークカードなどのサーバーコンポーネントに冗長性をもたらしますが、ディスクやそのコントローラの冗長性は高めません。その点については、JBODS および RAID レベルの使用によって対処します。

クラスタ内の 2 つのストレージサーバー (「ヘッド」と呼びます) は、Clustron という特別なカードによって接続されるため、ヘッド同士で状態や構成情報を交換したり、故障したヘッドを検出したりできるようになります。

リソースは、クラスタの主要な概念で、一般にはネットワークインタフェースまたはストレージプールのいずれかのことです。可用性を確保するため、ヘッドが停止した場合は、別のヘッドがリソースを引き継ぎます。

クラスタを設定するときの主な構成手順は、単独の設定の場合と同じようにリソースを定義し (「構成」、「ストレージ」または「構成」、「ネットワーク」)、ヘッドをリソースの所有者として割り当てる (「構成」、「クラスタ」) ことです。

一方のヘッドがすべてのリソースを所有している場合、そのクラスタは「アクティブ/パッシブ」と呼ばれます。両方のヘッドがリソースを所有している場合、そのクラスタは「アクティブ/アクティブ」と呼ばれます。アクティブ/パッシブのクラスタでは、片方のヘッドに障害が発生してもパフォーマンスが低下しないのに対し、アクティブ/アクティブのクラスタでは、通常動作時に両方のヘッドが活発に要求を処理するため、利用可能なハードウェアをより有効に利用できます。

両方のストレージで利用できる同一のハードウェアは、1 つのヘッドが所有する 1 つのリソースを作成する場合のみに使用できます。たとえば、nge0 デバイスを使用して 192.168.100.100 インタフェースを構成し、ヘッド 1 をその所有者として割り当てた場合、ヘッド 2 はヘッド 1 に障害が発生した際に nge0 デバイスを使用して 192.168.100.100 インタフェースを引き継ぎます。これを実現するためには、nge0 デバイスがヘッド 2 で使用されていないことが必要です。

クラスタ化されたインタフェースに関するもう 1 つの制約は、静的に構成する必要があることです。DHCP は使用できません。

それぞれ 4 台のネットワークデバイスとアレイを備えた 2 つのストレージの一般的な設定:

 

Head1

Head2

nge0

所有者

-

nge1

所有者

-

nge2

-

所有者

nge3

-

所有者

アレイ 1

所有者

-

アレイ 2

-

所有者

一般に、nge0 と nge1 および nge2 と nge3 はトランキング/集積されています。

Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System およびクラスタ化の詳細は、管理ガイドを参照してください:

4.6.6.5. Sun Storage 7000 Unified Storage System のレプリケートと置き換え

ストレージのレプリケーションは、低コストで Oracle VDI をインストールする場合にストレージサーバーの可用性を高めるための有効な手法です。Sun Storage 7000 Unified Storage System がレプリケートされたあと、Oracle VDI のストレージ置き換え機能によって、何らかの理由でストレージサーバーで障害が発生した場合に、レプリケートしたストレージサーバーを Oracle VDI Manager から容易に有効にすることができます。

準備

Sun Storage 7000 Unified Storage System をレプリケーション用に構成し、レプリケートします。レプリケーションは、組み込まれている機能で、Sun Unified Storage System のブラウザユーザーインタフェース (BUI) から構成できます。次の手順は、2010.Q1 以上のファームウェアに対して有効です。

  1. レプリケーションのターゲットストレージを「リモートレプリケーション」サービスに追加します。「構成」、「サービス」の順に選択します。

  2. プロジェクトにレプリケーションアクションを追加します。「共有」、「プロジェクト」、<プロジェクト>、「レプリケーション」の順に選択します。「スナップショットを含める」オプションを選択する必要があります。

これで、ZFS 構造がレプリケーションパッケージとしてターゲットストレージにレプリケートされます。

障害回復

ストレージサーバーに障害が発生した場合は、次の手順を使用してストレージサーバーを置き換え、再度有効にします。

  1. 障害の発生したストレージサーバーを無効にします。

    1. Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。

    2. 障害の発生したストレージサーバーを使用しているデスクトッププロバイダを選択します。

    3. ストレージ」タブに移動し、ストレージサーバーを選択して、「保守」をクリックします。

    4. サーバーが保守モードに入り始める時間を選択するか、「今すぐ」をクリックして現在の時間を選択します。

    5. OK」をクリックして保守モードジョブを送信します。

  2. Unified Storage System UI で、レプリケーションパッケージをローカルプロジェクトに変換します。

    レプリケーションターゲットのレプリケーション接続を切断します。「共有」、「プロジェクト」、「レプリカ」、<レプリケーションパッケージ>、「レプリケーション」の順に選択します。

  3. 新しいストレージサーバーを有効にします。

    1. Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。

    2. 障害の発生したストレージサーバーを使用しているデスクトッププロバイダを選択します。

    3. ストレージ」タブに移動します。

    4. 置き換えるストレージサーバーを選択し、「置換」をクリックしてストレージの置換ウィザードを起動します。新しいストレージ (レプリケーションターゲット) に関する情報を入力します。

    5. 新しいストレージを選択し、「編集」をクリックしてストレージの編集ウィザードを起動します。

    6. 新しいストレージに関する追加情報を入力します。

    7. 新しいストレージを選択し、「有効」をクリックします。

4.6.6.6. Oracle Solaris ストレージシステムのレプリケートと置き換え

ストレージのレプリケーションは、低コストで Oracle VDI をインストールする場合にストレージサーバーの可用性を高めるための有効な手法です。Oracle Solaris ストレージシステムをレプリケートしたあと、Oracle VDI Manager を使用して、障害の発生したストレージサーバーをレプリケート済みストレージに置き換えることができます。

準備

Oracle Solaris ストレージを別のホストにレプリケートします。

  1. ストレージプール全体の ZFS スナップショットを取得します。

    # zfs snapshot <pool>@rep
    
  2. ストレージプールの各ボリュームの ZFS スナップショットを取得します。

    各ボリュームに対して次のコマンドを使用します。

    # zfs snapshot <pool>/<volume>@rep
    
  3. ZFS ファイルシステムを新しいストレージホストにエクスポートします。

    # zfs send -R <pool>@rep | ssh root@<host> zfs receive -dF <newpool>
    
  4. 元のストレージサーバーおよび新しいストレージサーバーですべての ZFS スナップショットを削除します。

    ストレージプール全体に対して次のコマンドを使用します。

    # zfs destroy <pool>@rep
    

    各ボリュームに対して次のコマンドを使用します。

    # zfs destroy <pool>/<volume>@rep
    
障害回復

ストレージサーバーに障害が発生した場合は、この手順を使用してストレージサーバーを置き換えます。

  1. 障害の発生したストレージサーバーを無効にします。

    1. Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。

    2. 障害の発生したストレージサーバーを使用しているデスクトッププロバイダを選択します。

    3. ストレージ」タブに移動します。

    4. ストレージサーバーを選択し、「保守」をクリックします。

    5. サーバーが保守モードに入り始める時間を選択するか、「今すぐ」をクリックして現在の時間を選択します。

    6. OK」をクリックして保守モードジョブを送信します。

  2. 新しいストレージサーバーを有効にします。

    1. ストレージ」タブに移動します。

    2. 置き換えるストレージサーバーを選択し、「置換」をクリックしてストレージの置換ウィザードを起動します。

    3. 新しいストレージに関する情報を入力します。

    4. 新しいストレージを選択し、「編集」をクリックしてストレージの編集ウィザードを起動します。

    5. 新しいストレージに関する追加情報を入力します。

    6. 新しいストレージを選択し、「有効」をクリックします。