8.8. Oracle VDI Center とフェイルオーバー

8.8.1. レプリケーションデータベースホストの変更
8.8.2. Oracle VDI Center のプライマリホストの変更
8.8.3. 手動でのフェイルオーバーのトリガー
8.8.4. Oracle VDI Center からの応答しないホストの削除
8.8.5. 自動フェイルオーバーの調整
8.8.6. Oracle VDI Center の Sun Ray プライマリサーバーの構成
8.8.7. Sun Ray グループ署名とデータストアパスワードの同期

フェイルオーバーを使用すると、Oracle VDI Center はプライマリホストが消失しても自動的に回復できます。フェイルオーバーは Oracle VDI に高可用性が構成されている場合にのみ使用できます。Oracle VDI Center に 1 つ目のセカンダリホストを追加すると、高可用性は自動的に有効になります。Oracle VDI Center の構成と高可用性の詳細については、「Oracle VDI Center およびホストについて」を参照してください。

vda-config コマンドを使用して、Oracle VDI Center にホストを追加および削除します。詳細については、次を参照してください:

「プライマリホストでの Oracle VDI の構成」

「セカンダリホストでの Oracle VDI の構成」

「ホストでの Oracle VDI の再構成」

フェイルオーバーは自動的に実行され、Oracle VDI Center のプライマリホストの障害によってトリガーされます。フェイルオーバーの実行中に、レプリケーションデータベースを持つセカンダリホストが自動的に昇格され、Oracle VDI Center の新しいプライマリになります。元のプライマリへの接続が復元されると、元のプライマリはセカンダリホストとして再構成され、レプリケーションデータベースをホストします。

Oracle VDI Center が持つことができるレプリケーションデータベースは 1 つのみであるため、ほかのすべてのセカンダリホストはデータベースロールを持っていません。レプリケーションホストを変更するには、「レプリケーションデータベースホストの変更」を参照してください。組み込みの MySQL サーバーデータベースではなくリモートデータベースを使用している場合、そのデータベースの高可用性は Oracle VDI 以外で構成されます。

Oracle VDI Center のプライマリホストを手動で変更するには、「Oracle VDI Center のプライマリホストの変更」を参照してください。

Oracle VDI Center のプライマリホストは、Sun Ray フェイルオーバーグループの Sun Ray Software プライマリサーバーとしても構成されます。自動フェイルオーバーの実行中に、昇格されて Oracle VDI Center の新しいプライマリになるホストが、再構成されて Sun Ray Software プライマリサーバーにもなります。Sun Ray プライマリサーバーを変更するか、Sun Ray プライマリサーバーの自動再構成を無効にするには、「Oracle VDI Center の Sun Ray プライマリサーバーの構成」を参照してください。

Oracle VDI Center エージェントは、Oracle VDI ホスト間でのセキュアな通信を提供するコンポーネントであり、Oracle VDI Center に対する自動フェイルオーバーとそのほかの構成の変更を処理します。

8.8.1. レプリケーションデータベースホストの変更

組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用している場合、Oracle VDI Center のプライマリホストが Oracle VDI データベース (マスターデータベース) を実行します。Oracle VDI Center に追加された 1 つ目のセカンダリホストは、レプリケーションデータベース (スレーブデータベース) をホストするように構成されます。レプリケーションデータベースホストを変更するには、これらの手順に従います。マスターデータベースを実行するホストを変更するには、「Oracle VDI Center のプライマリホストの変更」を参照してください。

Oracle VDI Manager の手順

  1. 「設定」 → 「VDI Center」に移動します。

  2. 「データベース」タブに移動します。

    VDI Center 内の Oracle VDI ホストのリストが表示されます。

  3. Oracle VDI ホストを選択し、「VDI データベースレプリケーションの有効化」をクリックします。

    新しいレプリケーションホストが有効になったことを示すメッセージが表示されます。

CLI の手順

  1. レプリケーションホストを変更します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p db.replication.host=<host>

    空の <host> を指定する場合は、レプリケーションおよび高可用性をオフにします。

  2. 変更が反映されていることを確認します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status

8.8.2. Oracle VDI Center のプライマリホストの変更

Oracle VDI のプライマリホストによって Oracle VDI Center が作成されます。プライマリホストを変更すると元のプライマリはセカンダリホストとして再構成され、レプリケーションデータベースをホストします (組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用している場合)。レプリケーションデータベースホストを変更するには、「レプリケーションデータベースホストの変更」を参照してください。プライマリホストを変更するには、これらの手順に従います。

注意

デフォルトでは、プライマリホストを変更すると、Sun Ray サービスが中断され、すべての Sun Ray クライアントが切り離されます。

手順

  1. プライマリホストを変更します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p vda.primary.host=<host>
  2. 変更が反映されていることを確認します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status

8.8.3. 手動でのフェイルオーバーのトリガー

自動ファイルオーバーが失敗した場合など、一部の状況ではフェイルオーバーを手動でトリガーしたい場合があります。フェイルオーバーを手動でトリガーするには、Oracle VDI Center で、レプリケーションデータベースを持つセカンダリホストをプライマリホストに変更します。詳細については、「Oracle VDI Center のプライマリホストの変更」を参照してください。

8.8.4. Oracle VDI Center からの応答しないホストの削除

通常、Oracle VDI Center に対してホストを追加および削除するには、vda-config コマンドを使用します。ただし、ホストが応答不能になった場合は、このコマンドを使用できないことがあります。このような場合は、Oracle VDI Center からそのホストを強制的に削除できます。

手順

  1. Oracle VDI Center からホストを削除します。

    Oracle VDI Center 内の残りのホストから、root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center purge <host>
  2. 変更が反映されていることを確認します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status

8.8.5. 自動フェイルオーバーの調整

プロパティーを調整して、Oracle VDI Center の自動フェイルオーバーの動作を調整できます。次の表に、使用可能なプロパティーと、そのプロパティーが制御する内容を示します。

プロパティー説明

db.connection.timeout

データベース接続の接続タイムアウト (ミリ秒)。

Oracle VDI データベースへの接続の試行がこのタイムアウトより長くかかった場合、Oracle VDI サービスは Oracle VDI Center エージェントにデータベースエラーを報告します。

デフォルトは 1000 ミリ秒です。

db.failover.timeout

フェイルオーバーを開始する前に Oracle VDI Center エージェントが待機する時間 (秒)。

Oracle VDI Center エージェントは Oracle VDI サービスからのデータベースエラーレポートを監視します。この時間に連続してデータベースエラーが報告された場合、そのデータベースに障害が発生したと見なされます。組み込みの Oracle VDI MySQL サーバーデータベースが使用されている場合、フェイルオーバーがトリガーされます。

デフォルトは 15 秒です。

db.replication.config

Oracle VDI Center エージェントが自動的にデータベースレプリケーションを構成するかどうか。使用できる値は true または false です。

true を設定すると、1 番目のセカンダリホストが追加されたとき、またはフェイルオーバーが実行されたときに、セカンダリホストでレプリケーションデータベースの自動構成が実行されます。

false を設定すると、レプリケーションデータベースの自動構成は実行されません。管理者が手動でレプリケーションデータベースホストを構成するまで、高可用性は無効になります (「レプリケーションデータベースホストの変更」を参照してください)。これによりレプリケーションデータベースに使用するホストをより強力に管理できますが、高可用性を手動で構成しなければならないことを意味しています。

デフォルトは true です。

手順

  1. 必要なプロパティーを構成します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p <key>=<value>

    例:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p db.failover.timeout=20
  2. 変更が反映されていることを確認します。

    root ユーザーで次のコマンドを実行します:

    # /opt/SUNWvda/sbin/vda-center listprops

8.8.6. Oracle VDI Center の Sun Ray プライマリサーバーの構成

デフォルトでは、Oracle VDI Center のプライマリホストは、Sun Ray フェイルオーバーグループの Sun Ray プライマリサーバーとしても構成されます。自動フェイルオーバーの実行中に、昇格されて Oracle VDI Center の新しいプライマリになるホストが、再構成されて Sun Ray Software プライマリサーバーにもなります。Sun Ray Software プライマリサーバーが変更されるたびに、Sun Ray サービスが中断され、すべての Sun Ray クライアントが切り離されます。

Oracle VDI Center の別のホストを Sun Ray Software プライマリサーバーとして構成でき、フェイルオーバー実行中の Sun Ray プライマリサーバーの自動再構成を無効にすることもできます。

Sun Ray プライマリサーバーの自動再構成を無効にしないで Sun Ray プライマリサーバーを変更した場合も、Oracle VDI はフェイルオーバーの実行中に Sun Ray プライマリサーバーを自動的に再構成します。

Sun Ray プライマリサーバーの自動再構成を無効にすると、Oracle VDI はフェイルオーバーの実行中に Sun Ray プライマリサーバーを自動的に再構成しません。Sun Ray プライマリサーバーを手動で再構成する必要があります。

各 Sun Ray サーバーには Sun Ray データストアの独自のローカルコピーがあり、これが Sun Ray クライアントおよびトークンに関する情報などの情報を格納するために使用されます。Sun Ray プライマリサーバーはデータストアへの読み取りアクセス権と書き込みアクセス権を持ち、Sun Ray セカンダリサーバーは読み取りアクセス権のみを持ちます。データストアが変更された場合、まずプライマリサーバーで変更が書き込まれたあと、プライマリサーバーがセカンダリに変更をレプリケートします。プライマリサーバーが利用不可の場合、データストアへの変更は格納できません。Sun Ray のほとんどの動作ではデータストアへの読み取りアクセス権のみが必要なため、この状況でも Sun Ray システム全体が機能し続けますが、トークンの登録などの一部の操作は使用できません。

手順

Oracle VDI Center の現在の Sun Ray プライマリサーバーを表示するには、root ユーザーで次のコマンドを実行します:

# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center getprops -p srs.primary.host

Oracle VDI Center の現在の Sun Ray プライマリサーバーを変更するには、root ユーザーで次のコマンドを実行します:

# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p srs.primary.host=<host>

Sun Ray プライマリサーバーの自動再構成を無効にするには、root ユーザーで次のコマンドを実行します:

# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p srs.primary.autoconfig=false

8.8.7. Sun Ray グループ署名とデータストアパスワードの同期

Oracle VDI Center の Sun Ray サーバーには、グループ署名とデータストアパスワードがあります。Oracle VDI Center のプライマリホストを構成するときに、グループ署名とパスワードが作成され、Oracle VDI Center と Sun Ray サーバー構成の両方に格納されます。Oracle VDI Center エージェントは、Oracle VDI Center のホストの追加と削除を実行するたびに、これらの値を使用します。

Sun Ray 管理ツールを使用してグループ署名またはデータストアパスワードを変更できますが、これらのツールは Oracle VDI Center を更新しません。Oracle VDI Center と Sun Ray サーバーが同期していない場合は、Oracle VDI Center にホストを追加できません。

注意

次のコマンドは、パスワードとグループ署名を平文で表示します。セキュリティー上の理由により、これらのコマンドを実行するときは、だれものぞき見していないことを確認してください。

Oracle VDI Center のデータストアパスワードを同期させるには、次のコマンドを使用します:

# echo <Password> | /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -s srs.password

Oracle VDI Center のグループ署名を同期させるには、次のコマンドを使用します:

# echo <GroupSignature> | /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -s srs.group.signature

データストアパスワードの変更が有効になったことを確認するには、Oracle VDI Center の各ホスト上で次のコマンドを実行します:

# /opt/SUNWut/sbin/utpw -p

グループ署名の変更が有効になったことを確認するには、Oracle VDI Center の各ホスト上で次のコマンドを実行します:

# cat /etc/opt/SUNWut/gmSignature

変更を有効にするために、Oracle VDI Center の各ホスト上で Sun Ray サービスのウォームリスタートまたはコールドリスタートを実行しなければならない場合があります。ウォームリスタートでは、ユーザーの接続が一時的に切り離されるとともに、ユーザーが再度ログインするか、画面のロックを解除しなければならない場合があります。コールドリスタートでは、すべての Sun Ray セッションが終了します。

ウォームリスタートの場合は、Oracle VDI Center の各ホスト上で次のコマンドを実行します:

# /opt/SUNWut/sbin/utstart

コールドリスタートの場合は、Oracle VDI Center の各ホスト上で次のコマンドを実行します:

# /opt/SUNWut/sbin/utstart -c