4.1. Oracle VM VirtualBox

4.1.1. Oracle VM VirtualBox について
4.1.2. Oracle VM VirtualBox のシステム要件
4.1.3. Oracle VM VirtualBox のインストール
4.1.4. Oracle VM VirtualBox のアップデート
4.1.5. VRDP ポート範囲の構成

4.1.1. Oracle VM VirtualBox について

Oracle VDI では、特定の Oracle VM VirtualBox リリースがバンドルおよびサポートされています。「Oracle VM VirtualBox のシステム要件」を参照してください。

VirtualBox には、次の機能が備わっています。

共有メモリー

共有メモリー (メモリーバルーニング) とは、VirtualBox ホスト上でより多くのデスクトップを実行できるようにする機能です。デスクトップ間で共有するメモリー量を指定することで、VirtualBox ホストのメモリーがデスクトップ間で必要に応じて自動的に再配分されます。共有メモリー機能は、「プール」カテゴリの「設定」タブで、0% より大きい 75% までの値を指定することで、プールごとに有効にできます。

メモリー共有のこのパーセンテージは、あるデスクトップが自身のメモリーをすべて必要としない場合に、そのメモリーをほかのデスクトップが使用できる量です。たとえば、デスクトップのメモリーサイズが 1G バイトでメモリー共有を 40% に設定している場合、そのデスクトップにはまず 600M バイトの実メモリーが割り当てられます。残りの 400M バイトは、ほかのデスクトップが必要に応じて使用できます。

Oracle VDI は、メモリー共有を有効にしているデスクトップを常に監視し、メモリー不足にならないようにしています。あるデスクトップの空きメモリーが 64M バイトを下回った場合、より多くの使用可能なメモリーが提供されます。あるデスクトップに必要以上のメモリーがある場合、メモリー共有のパーセンテージに達するまで、メモリーの一部が徐々に失われます。デスクトップのメモリーの変化は、ゲスト OS からはわかりません。

メモリーページング

メモリーページング (メモリーの重複除外) は、VirtualBox ホスト上でより多くのデスクトップを実行できるようにする機能です。複数のデスクトップのメモリーに同一の内容がある場合、ページを使用してハイパーバイザの実メモリーを 1 度だけ消費します。すべてのデスクトップはそのページを参照するため、同一ページ用に物理メモリーが不要になります。

メモリーページング機能は、「プール」カテゴリの「設定」タブでプールごとに有効にできます。

4.1.2. Oracle VM VirtualBox のシステム要件

Oracle VDI には、Oracle VM VirtualBox の Release 4.1.14 が含まれています。下位互換性を維持するために、以前のリリースの Oracle VDI に含まれていた一部の VirtualBox リリースも引き続き使用できます。このリリースでは、次の VirtualBox リリースのみがサポートされています:

  • 4.1.14

  • 4.0.16

  • 4.0.14

このリリースではストレージが変更されているため、Oracle Linux プラットフォームではバンドルされている VirtualBox リリースを使用する必要があります。

最適なパフォーマンスを実現するためには、バンドルされている VirtualBox リリースを使用することをお勧めします。

バンドルされている Oracle VDI リリースは、次のプラットフォームにインストールできます:

オペレーティングシステム

サポートされているリリース

Oracle Linux (64 ビット)、x86 プラットフォーム

5.6 および 5.7

Oracle Solaris (64 ビット)、x86 プラットフォーム

Solaris 10 リリース 09/10 (update 9) 以降

注: Solaris 11 はサポートされていません。

Oracle Linux で認定されている Oracle 製品は Red Hat Enterprise Linux でも認定およびサポートされますが、これは、両者の間には暗黙的な互換性があるからです。Oracle は、Red Hat Enterprise Linux 製品上では追加テストを実行していません。ただし、バグ ID 13974640 のため、VirtualBox ホストのプラットフォームとして Oracle Linux を使用する場合は Oracle の Unbreakable Enterprise Kernel を使用する必要があります。Red Hat カーネルはサポートされていません。

ストレージタイプの可用性と使用方法が異なるため、Oracle VM VirtualBox デスクトッププロバイダで同じオペレーティングシステムを使用する必要があります。Oracle Solaris と Oracle Linux の仮想ホストを混在させることはできません。

どの VirtualBox ホストにも、AMD (AMD-V) および Intel (VT-x) 対応の仮想化拡張が必要です。ハードウェアサイジングの基本的なガイドラインの一部は、7章パフォーマンスとチューニングで説明しています。サイジングに関する詳細なサポートについては、Oracle の営業またはサポート担当者にお問い合わせください。

VirtualBox ホストでファイアウォールが有効になっている場合、開く必要がある可能性があるポートの詳細については、「Oracle VDI とデスクトッププロバイダ間のファイアウォール」を参照してください。

ストレージ要件

Oracle VM VirtualBox には、Oracle VDI で使用される仮想ディスクのためのストレージが必要です。サポート対象の詳細は、「ストレージ」を参照してください。

ユーザー要件

VirtualBox をインストールするときに、そのホストで VirtualBox を実行するユーザーのユーザー名とパスワードを指定します。Oracle VDI は、SSH を使用した VirtualBox ホストへのアクセスおよび VirtualBox Web サービスへのアクセスに、この資格を使用します。デフォルトでは、root ユーザーが使用されます。仮想マシンを保存停止および復元再開する VirtualBox の機能がどのような状況でも確実に動作するように、root ユーザーを使用することをお勧めします。Oracle Linux プラットフォームでは、iSCSI ストレージまたは Sun ZFS ストレージを使用するには root ユーザーを使用する必要があります。別のユーザーを使用する場合は、そのユーザーにホームディレクトリを割り当てる必要があり、このホームディレクトリは、VirtualBox が稼働する複数のシステム間で共有されていてはなりません。

Oracle Solaris プラットフォームでの VirtualBox ホストのシステム要件

Solaris プラットフォームでは、zfs_arc_min が設定されていない場合、VirtualBox インストールスクリプトによって警告が表示されます。専用の VirtualBox ホストに推奨される設定は 512M バイトです。

zfs_arc_min として 512M バイトを設定するには、root ユーザーでログインし、/etc/system に次を追加します:

set zfs:zfs_arc_min = 536870912

Oracle Linux プラットフォームでの VirtualBox ホストのシステム要件

Oracle Linux プラットフォームで VirtualBox が正しく動作するようにするには、特定のパッケージをインストールする必要があります。VirtualBox のインストールスクリプトによって、ソフトウェアをインストールする前にこれらのパッケージが確認されます。必須パッケージが不足している場合、インストールスクリプトは有効な yum リポジトリがホストに構成されていることを確認してから、yum コマンドを使用してパッケージが使用可能かどうかを確認します。不足している必須パッケージが使用可能である場合、続行するように要求され、パッケージがダウンロードされてインストールされます。yum リポジトリが構成されていない場合、または必須パッケージが使用できない場合はインストールが失敗し、インストールする必要がある必須パッケージのリストが表示されます。VirtualBox をインストールするには、これらの依存関係をあらかじめ解決する必要があります。必須パッケージの確認は、VirtualBox の新規インストールの場合のみに実行されます。

ソフトウェアをインストールする前に、yum が正しく構成され、機能していることを確認することをお勧めします。

yum コマンドなどのソフトウェアの自動更新ツールは、新しいリリースの Oracle Linux が使用可能になったときに、ホストがその新しいリリースに更新されるように構成できます。この方法で実行される更新では、サポートされていないリリースの Oracle Linux にホストが更新されてしまう可能性があります。yum 構成を編集して ol5_x86_64_latest リポジトリへのアクセスを無効にするなどして、VirtualBox ホストが Oracle Linux のサポートされているリリースに関する更新だけを受け取るように構成してください。

4.1.3. Oracle VM VirtualBox のインストール

このセクションでは、Oracle VDI にバンドルされている Oracle VM VirtualBox リリースをインストールする方法について説明します。

開始する前に、ホストがインストール要件を満たしていることを確認してください (「Oracle VM VirtualBox のシステム要件」を参照)。

VirtualBox を更新する場合は、「Oracle VM VirtualBox のアップデート」を参照してください。

VirtualBox インストールスクリプトについて

Oracle VM VirtualBox のインストールとアンインストールは、vb-install スクリプトを使用して行います。VirtualBox は、オープンソースパッケージ (Base Pack) と Oracle 専有パッケージ (Extension Pack) の 2 つのパッケージとして提供されています。

Oracle VDI ソフトウェアアーカイブには、Extension Pack のみが含まれています。vb-install スクリプトを実行すると、wget プログラムを使用して Base Pack が自動的にダウンロードされます。ネットワーク接続の問題などが原因でこれが失敗した場合は、スクリプトが終了し、その場合は Base Pack を手動でダウンロードする必要があります。VirtualBox ダウンロードページから Base Pack と Extension Pack をダウンロードできます。

次の表に、複数のサーバーへのインストールをスクリプトで自動化するために vb-install スクリプトで使用できるオプションを示します。

オプション

説明

-f

既存の仮想マシンを強制的に削除します。

-n <user>

VirtualBox ユーザーのユーザー名を指定します。デフォルトは root です。

-o <port>

VirtualBox への接続に使用する SSL ポートを指定します。デフォルトは、ユーザーが root の場合はポート 443、それ以外の場合はポート 18083 です。

-p

パスワードがセキュアに入力されるように、標準入力 (stdin) からの入力を要求します。

-u

現在インストールされている VirtualBox リリースをアンインストールします。

手順

  1. root で仮想化ホストにログインします。

  2. メイン Oracle VDI ソフトウェアアーカイブをダウンロードします。

  3. メイン Oracle VDI ソフトウェアアーカイブを解凍して、作業用ディレクトリを展開先ディレクトリに変更します。

    • Oracle Solaris ホスト上で:

      # unzip vda_3.4_solaris_amd64.zip
      # cd vda_3.4_solaris_amd64
    • Oracle Linux ホスト上で:

      # unzip vda_3.4_linux.zip
      # cd vda_3.4_linux
  4. VirtualBox アーカイブを解凍して、作業用ディレクトリを展開先ディレクトリに変更します。

    # unzip vbox_4.1.zip
    # cd vbox_4.1
  5. VirtualBox をインストールします。

    # ./vb-install

    インストールスクリプトによって、VirtualBox の Base Pack がダウンロードされ、Base Pack と Extension Pack の両方がインストールされます。ユーザー名、パスワード、および SSL 接続用のポート番号を入力してインストールを完了します。

    Base Pack のダウンロードに失敗した場合は、VirtualBox ダウンロードページから手動でダウンロードする必要があります。必ず、このリリースの Oracle VDI にバンドルされているサポート対象のリリースをダウンロードしてください。Base Pack を vb-install スクリプトと同じフォルダにコピーし、スクリプトを再実行してください。

4.1.4. Oracle VM VirtualBox のアップデート

Oracle VM VirtualBox を更新するには、Oracle VDI リリースにバンドルされている新しいリリースをインストールします。更新する場合は、最初に既存の VirtualBox バージョンをアンインストールする必要があります。新しいリリースをインストールする際には、インストールスクリプトによって既存のリリースをアンインストールするように求められます。または、vb-install -u コマンドを使用して、既存のリリースを手動でアンインストールすることもできます。

VirtualBox をアンインストールする際には、稼働中の仮想マシンをすべて停止するように求められます。アンインストールの前に、稼働中の仮想マシンをすべて停止する必要があります。また、仮想マシンの登録解除と削除も求められます。登録解除と削除を行うと、更新後にそれらの仮想マシンを再登録できなくなります。

VirtualBox の更新後に、すべてのテンプレートおよびデスクトップで Guest Additions を更新する必要があります。

4.1.5. VRDP ポート範囲の構成

VirtualBox RDP (VRDP) プロトコルをデスクトッププロトコルとして選択した場合、Oracle VDI から Oracle VM VirtualBox ホストへの接続に、49152 - 65534 のポート範囲が使用されます。VRDP ポート範囲を構成するには、vda settings-setprops コマンドを使用します。

  • root ユーザーで次のコマンドを実行します。

    #  /opt/SUNWvda/sbin/vda settings-setprops -p \
    vbox.rdp.port.range="<StartPort>-<EndPort>"
    

    例:

    #  /opt/SUNWvda/sbin/vda settings-setprops -p \
    vbox.rdp.port.range="50000-60000"